
実際にはほとんど存在しない単価を基準にすることになります。
上位の大型案件が平均を押し上げていると、平均に近い案件は少数しかありません。
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目次
目次
- 平均受注単価で逆算すると、どこが狂うのか
- 平均に近い案件が存在しない
- 分布の形は、どうやって取り出すのか
- 金額の区分に分ける
- 上位に偏っている事業で、目標はどう置くのか
- 層を分けて目標を置く
- 大型案件を前提に置くと、何が起きるのか
- 計画に入れた場合のリスク
- 単価の層ごとに、必要な件数はどう変わるのか
- 層によって率が違う
- 獲得の設計は、分布とどうつながるのか
- 経路ごとに取れる層が違う
- 分布が変わったことに、どこで気づくのか
- 中央値を定点で見る
- 分布を見る習慣をどう作るか
- 層の分け方は営業と決める
- よくある質問
- まとめ
実際にはほとんど存在しない単価を基準にすることになります。
上位の大型案件が平均を押し上げていると、平均に近い案件は少数しかありません。
平均受注単価で逆算すると、どこが狂うのか
実際にはほとんど存在しない単価を基準にすることになります。
上位の大型案件が平均を押し上げていると、平均に近い案件は少数しかありません。
売上目標から必要な受注件数を出すとき、平均受注単価で割る計算が使われます。
この計算は、単価が揃っている事業でしか成立しません。
平均に近い案件が存在しない
年間の受注を金額順に並べたとき、上位の数件が全体の大半を占める事業があります。
このとき平均を計算すると、上位に引っ張られた数字が出ます。
その平均に近い金額の案件は、実際にはほとんどありません。
存在しない単価を基準に件数を計算していることになります。
件数の目標が実態から離れる
平均が実態より高く出ていると、必要な件数が少なく計算されます。
その件数を達成しても、売上は目標に届きません。
平均で逆算したときのずれ
| 分布の形 | 平均の位置 | 逆算した件数 | 実際に必要な件数 |
|---|---|---|---|
| 単価がほぼ揃っている | 中央に近い | 正しい | 同じ |
| 上位に偏っている | 実態より高い | 少なく出る | 平均で出した件数より多い |
| 下位に偏っている | 実態より低い | 多く出る | 平均で出した件数より少ない |
| 二つの山に分かれる | どちらの山からも外れる | 意味をなさない | 層ごとに計算し直す |
| 少数の大型案件が混ざる | 年によって大きく動く | 年ごとに変わる | 大型案件を分けて計算する |
平均を使ってよい条件
単価の分布が一つの山になっていて、その山が狭い場合です。条件を確かめずに平均を使うと、目標の前提が最初から崩れます。
分布の形は、どうやって取り出すのか
過去の受注を金額の区分に分けて、件数と金額の両方を数えます。
件数だけを見ると、少数の大型案件の影響が見えません。
分布を見る作業は、集計の手順としては単純です。
金額の区分に分ける
過去一年から三年の受注を、金額の区分ごとに分けます。
区分の幅は、事業の単価の水準に合わせて決めます。
区分が細かすぎると読みにくく、粗すぎると偏りが見えません。
件数と金額の両方を数える
区分ごとに、件数と金額の合計を出します。
件数では少数でも、金額では大きな割合を占める区分が見つかります。
中央値と平均を並べる
中央値は、金額順に並べたちょうど真ん中の案件の金額です。
中央値と平均が大きく離れていれば、偏りがあります。
分布の形を取り出す手順
| 順番 | やること | 出るもの |
|---|---|---|
| 1 | 過去一年から三年の受注を金額順に並べる | 生のデータ |
| 2 | 金額の区分を決めて件数を数える | 区分ごとの件数 |
| 3 | 区分ごとの金額の合計を出す | 区分ごとの売上構成 |
| 4 | 中央値と平均を計算して並べる | 偏りの有無 |
| 5 | 上位二割の案件が占める金額の割合を出す | 偏りの度合い |
| 6 | 複数年で同じ形が出るかを確認する | 形の安定性 |
複数年で確認する
一年分だけでは、たまたまの偏りかどうかが分かりません。
三年分で同じ形が出るなら、その事業の構造です。
数字は説明のための仮の値です。年間の受注が百件、売上が十億円なら平均は一千万円です。中央値が三百万円で、上位十件が七億円を占めているなら、平均は実態を映していません。
上位に偏っている事業で、目標はどう置くのか
件数の目標と、大型案件の件数の目標を分けて置きます。
件数の目標を一本にすると、どちらも管理できません。
偏りがある事業では、目標を一本にできません。
層を分けて目標を置く
大型、中型、小型といった層に分けます。
層ごとに必要な件数を計算し、それぞれに目標を置きます。
層ごとに獲得の方法も、かかる期間も違います。
同じ目標で管理すると、達成しやすい層に寄ります。
偏りの度合いで置き方を変える
上位二割が金額の八割を占めるような事業では、大型案件の件数が売上をほぼ決めます。
この場合、小型の件数を増やしても売上目標には届きません。
偏りの度合いと、目標の置き方
| 上位二割が占める金額 | 偏りの度合い | 目標の置き方 |
|---|---|---|
| 五割以下 | 小さい | 平均での逆算で足りる |
| 五割から七割 | 中程度 | 二つの層に分けて置く |
| 七割から八割 | 大きい | 大型案件の件数を主目標にする |
| 八割超 | 非常に大きい | 案件単位で目標を管理する |
| 年によって変動が大きい | 不安定 | 大型を除いた基礎の売上で計画する |
大型を除いた基礎の売上を持つ
大型案件を除いた部分の売上を、基礎の数字として持ちます。この数字が伸びているかどうかが、事業の実力を示します。
大型案件を前提に置くと、何が起きるのか
年間の目標が数件の成否で決まります。
その数件が動くと、他の施策がどれだけ機能しても未達になります。
大型案件を計画に織り込むかどうかは、判断が分かれます。
計画に入れた場合のリスク
年間の目標の三割を数件の大型案件で見込むと、その案件が失注した時点で挽回できません。
失注の連絡が期末に近ければ、打つ手はありません。
計画から外した場合の問題
大型案件を計画から外すと、目標そのものが小さくなります。
小さい目標を置くと、大型を狙う動きが弱まります。
確度で分けて織り込む
計画に入れるか外すかの二択ではなく、確度で分けます。
確度の高いものは計画に入れ、低いものは別枠で管理します。
大型案件を前提にした計画の扱い
| 扱い方 | 利点 | リスク | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
| すべて計画に入れる | 目標が大きくなる | 数件の失注で未達 | 確度が高い案件が揃っている |
| すべて外す | 計画が安定する | 狙う動機が弱まる | 大型が不定期に発生する |
| 確度で分ける | 現実的な計画になる | 確度の判定が難しい | 案件の管理ができている |
| 確度別に二つの目標を持つ | 上振れと下振れが見える | 管理が複雑になる | 案件数が管理できる規模 |
| 別枠で管理する | 基礎の伸びが見える | 全社の目標と合わない | 大型が例外的な事業 |
確度の判定を営業と揃える
確度の判定基準が担当者ごとに違うと、計画の前提が揺れます。基準を文書にして揃えます。
単価の層ごとに、必要な件数はどう変わるのか
層ごとに逆算を分けて行います。
層ごとの受注率も商談化率も違うため、必要な商談数は単純な比例になりません。
層を分けたら、逆算も層ごとに行います。
層によって率が違う
大型案件は、商談から受注までの期間が長く、受注率も低くなります。
小型案件は、期間が短く受注率が高くなります。
同じ率で計算すると、大型の必要商談数が実態より少なく出ます。
層ごとの逆算の結果を合計する
層ごとに必要な商談数を出し、最後に合計します。
合計した数が、全体として必要な商談の量です。
単価の層ごとの必要件数の計算を、項目ごとに見ていきます。
大型については、目標売上の割合は五割、平均単価は層の平均で計算、受注率は低い、必要な商談数の出し方は目標件数 ÷ 大型の受注率。
中型については、目標売上の割合は三割、平均単価は層の平均で計算、受注率は中程度、必要な商談数の出し方は目標件数 ÷ 中型の受注率。
小型については、目標売上の割合は二割、平均単価は層の平均で計算、受注率は高い、必要な商談数の出し方は目標件数 ÷ 小型の受注率。
合計については、目標売上の割合は十割、平均単価は層ごとに異なる、受注率は層ごとに異なる、必要な商談数の出し方は層ごとの商談数の合計。
確認については、目標売上の割合は売上の合計が目標と一致するか、平均単価は各層の件数×単価、受注率は全体の受注率、必要な商談数の出し方は合計から逆算し直す。
層ごとの商談の供給源が違う
大型案件は、既存の取引先や紹介から生まれることが多くなります。
小型案件は、広告からの流入で作れます。
必要な商談数を出したあと、それをどこから作るかを層ごとに決めます。
獲得の設計は、分布とどうつながるのか
狙う層によって、投じるべき経路も訴求も変わります。
分布を見ずに獲得を設計すると、取れる層と必要な層がずれます。
分布の分析は、目標の計算だけで終わりません。
経路ごとに取れる層が違う
広告からの問い合わせは、小型から中型が中心になります。
大型案件は、既存の関係や、業界内での認知から生まれます。
大型の件数が必要なのに広告の予算だけを増やしても、必要な層は取れません。
単価の低い層を取り続ける負担
小型案件は件数が取れますが、営業と提供の工数は案件数に比例します。
単価の低い案件が増えると、工数だけが増えて利益が残りません。
単価の層と獲得の設計の対応を、項目ごとに見ていきます。
大型については、主な獲得の経路は既存の関係と紹介、業界内の認知、かける施策は認知の蓄積と事例の整備、評価の指標は案件の発生件数。
中型については、主な獲得の経路は検索と指名、比較の場面、かける施策は比較で選ばれる情報の整備、評価の指標は問い合わせの質。
小型については、主な獲得の経路は広告からの流入、かける施策は流入の量と受け皿、評価の指標は獲得単価。
層をまたぐについては、主な獲得の経路は既存顧客の拡大、かける施策は追加提案の設計、評価の指標は既存からの売上。
新しい層については、主な獲得の経路は試行の配信、かける施策は検証の設計、評価の指標は層ごとの反応。
取りたくない層を減らす設計
単価の低すぎる案件を減らす設計も、獲得の一部です。入口で条件を示すことで、対象外の問い合わせを減らせます。
分布が変わったことに、どこで気づくのか
中央値の動きです。
平均は少数の大型案件で動くため、構造の変化は中央値に先に出ます。
分布は、時間とともに変わります。
中央値を定点で見る
四半期ごとに中央値を出して並べます。
中央値が下がっていれば、小型の案件が増えています。
平均が横ばいでも、中央値が下がっていることがあります。
この状態は、少数の大型案件が平均を支えていることを示します。
層ごとの件数の推移を見る
層ごとの件数を四半期で並べます。
どの層が増えて、どの層が減ったかが見えます。
分布の変化に気づく兆しを、項目ごとに見ていきます。
中央値が下がるについては、考えられることは小型の案件が増えている、確かめることは層ごとの件数の推移。
平均が横ばいで中央値が下がるについては、考えられることは大型が平均を支えている、確かめることは上位案件の金額の割合。
上位二割の占める割合が上がるについては、考えられることは偏りが強まっている、確かめることは大型への依存度。
層ごとの件数が均等に減るについては、考えられることは全体の需要が減っている、確かめることは市場と同業の動き。
小型だけが増えるについては、考えられることは獲得の設計が層とずれている、確かめることは経路別の受注単価。
獲得の経路別に単価を見る
経路ごとの受注単価を並べると、どの経路が分布を変えているかが分かります。配分を変える判断に直接つながります。
分布を見る習慣をどう作るか
四半期の報告に分布の図表を入れることからです。
平均だけを載せる様式のままでは、誰も分布を見ません。
分布を見る作業は、報告の様式に組み込まないと続きません。
分布を見る運用を作る工程を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去三年の受注を金額の区分ごとに集計する、担当はデータ担当、期間の目安は三週間。
2については、やることは中央値と平均、上位二割の占める割合を出す、担当はデータ担当、期間の目安は一週間。
3については、やることは層の分け方を営業と合意する、担当はマーケティングと営業、期間の目安は二週間。
4については、やることは層ごとの受注率と商談化率を出す、担当はデータ担当、期間の目安は二週間。
5については、やることは層ごとの逆算をやり直し、目標を置き直す、担当はマーケティング責任者、期間の目安は二週間。
6については、やることは四半期の報告に分布の欄を追加する、担当はマーケティング責任者、期間の目安は一週間。
層の分け方は営業と決める
層の境界を営業と一緒に決めると、営業の案件管理と一致します。
別々に決めると、二つの区分が並存します。
分布とあわせて見る数字を、項目ごとに見ていきます。
受注単価の中央値については、見る頻度は四半期、判断することは分布が下方に動いていないか。
上位二割が占める金額の割合については、見る頻度は四半期、判断することは偏りが強まっていないか。
層ごとの受注件数については、見る頻度は四半期、判断することは狙った層が取れているか。
層ごとの受注率については、見る頻度は四半期、判断することは逆算の前提が崩れていないか。
経路別の平均受注単価については、見る頻度は四半期、判断することは獲得の配分が層と合っているか。
年に一度、逆算をやり直す
分布が変われば、必要な件数も変わります。
期首に、直近の分布で逆算をやり直します。
経営への報告では中央値を添える
平均だけを報告すると、実態より良く見えることがあります。
中央値と、上位が占める割合を添えます。
委託先にも層の情報を渡す
代理店に獲得を任せている場合、層の情報がないと件数だけを追う運用になります。
どの層を取りたいかを、条件として渡します。
受注単価のばらつきを目標にどう反映するかで判断に迷う場合は、無料相談で過去の受注の分布から見てもらうところから始められます。獲得の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
平均受注単価で逆算してはいけませんか
単価の分布が一つの山になっていて、その山が狭い場合だけ成立します。上位の大型案件が平均を押し上げている事業では、平均に近い案件が実際にはほとんど存在せず、必要な件数が少なく計算されます。
分布の偏りはどう確かめますか
中央値と平均を並べ、上位二割の案件が占める金額の割合を出します。中央値と平均が大きく離れていれば偏りがあります。一年分ではたまたまの可能性があるため、三年分で同じ形が出るかを確認してください。
偏りがある事業では目標をどう置きますか
単価の層に分けて、層ごとに件数の目標を置きます。上位二割が金額の八割を占める事業では、小型の件数を増やしても売上目標に届かないため、大型案件の件数を主目標にします。
大型案件を計画に織り込んでよいですか
確度で分けてください。すべて計画に入れると数件の失注で未達になり、すべて外すと狙う動機が弱まります。確度の判定基準は担当者ごとに違いやすいので、文書にして営業と揃えます。
分布が変わったことは、どこで分かりますか
中央値の動きです。平均は少数の大型案件で動くため、構造の変化は中央値に先に出ます。平均が横ばいで中央値が下がっている場合、少数の大型案件が平均を支えている状態です。
まとめ
- 実際にはほとんど存在しない単価を基準にすることになります。上位の大型案件が平均を押し上げていると、平均に近い案件は少数しかありません
- 過去の受注を金額の区分に分けて、件数と金額の両方を数えます。件数だけを見ると、少数の大型案件の影響が見えません
- 件数の目標と、大型案件の件数の目標を分けて置きます。件数の目標を一本にすると、どちらも管理できません
- 年間の目標が数件の成否で決まります。その数件が動くと、他の施策がどれだけ機能しても未達になります
- 層ごとに逆算を分けて行います。層ごとの受注率も商談化率も違うため、必要な商談数は単純な比例になりません
- 狙う層によって、投じるべき経路も訴求も変わります。分布を見ずに獲得を設計すると、取れる層と必要な層がずれます
- 中央値の動きです。平均は少数の大型案件で動くため、構造の変化は中央値に先に出ます
- 四半期の報告に分布の図表を入れることからです。平均だけを載せる様式のままでは、誰も分布を見ません