
マーケティング部門の責任の範囲と、打つ施策の中身が決まります。
問い合わせに置けば集客の設計に、商談に置けば質の設計に力が向きます。
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目次
目次
- 目標をどの段階に置くかで、何が決まるのか
- 置いた段階より先は、他部門の領域になる
- 問い合わせ数を目標にしたときの効き方
- 速く確定し、自部門で動かせる
- 商談数を目標にしたときの効き方
- 質を別に管理しなくてよくなる
- 選択を決めるのは、組織のどの条件か
- 中間の機能をどこが持っているか
- 商談数を目標にできない組織には、何が欠けているのか
- 定義がないと数字が動く
- 両方を置く場合、主と従をどう決めるのか
- 従は制約条件にする
- 置き場所を移すのは、どのタイミングか
- 移す条件
- 目標の置き場所を決め直すまで
- 流れを書き出す作業で分かること
- よくある質問
- まとめ
マーケティング部門の責任の範囲と、打つ施策の中身が決まります。
問い合わせに置けば集客の設計に、商談に置けば質の設計に力が向きます。
目標をどの段階に置くかで、何が決まるのか
マーケティング部門の責任の範囲と、打つ施策の中身が決まります。
問い合わせに置けば集客の設計に、商談に置けば質の設計に力が向きます。
問い合わせ数と商談数は、どちらも中間の指標です。
どちらを目標にするかは、好みの問題ではありません。
置いた段階より先は、他部門の領域になる
問い合わせ数を目標に置くと、問い合わせが発生した時点で責任が切れます。
その先で何が起きても、目標の達成には影響しません。
商談数を目標に置くと、問い合わせが商談になるまでが責任の範囲に入ります。
インサイドセールスの動きや、営業への引き渡しの設計まで関わることになります。
打つ施策が変わる
問い合わせ数を追うと、流入を増やす施策と、問い合わせの障壁を下げる施策に力が向きます。
商談数を追うと、来てほしい相手を絞る施策と、接触の設計に力が向きます。
目標の設置点が決めること
| 決まるもの | 問い合わせ数に置いた場合 | 商談数に置いた場合 |
|---|---|---|
| 責任の範囲 | 問い合わせの発生まで | 商談の成立まで |
| 主な施策 | 流入と転換の改善 | 対象の絞り込みと接触の設計 |
| 他部門との関わり | 薄い | 営業との連携が前提 |
| 数字が出る速さ | 速い | 遅い |
| 質の責任 | 明示しないと持たない | 自動的に含まれる |
どちらにも成立する場面がある
一方が常に正しいわけではありません。事業の条件によって、成立する置き方が変わります。
問い合わせ数を目標にしたときの効き方
判断が速くなる代わりに、質の管理を別に設計する必要があります。
件数だけを追うと、条件の合わない問い合わせが増えます。
問い合わせ数は、最も扱いやすい目標です。
扱いやすさには理由があります。
速く確定し、自部門で動かせる
問い合わせの件数は、発生した日に確定します。
週次で進捗が見え、施策の調整がその週のうちにできます。
動かす手段も、マーケティング部門の中に揃っています。
質を守る設計が別に要る
件数だけを目標にすると、条件を下げて件数を取る動きが出ます。
資料の内容を軽くする、入力の項目を減らす、対象を広げる。
どれも件数は増えますが、商談になる割合は下がります。
問い合わせ数を目標にしたときの効き方
| 効く部分 | 起きやすい副作用 | 防ぐための設計 |
|---|---|---|
| 流入の増加 | 対象外からの問い合わせが増える | 条件を満たした件数を併記する |
| 転換率の改善 | 入力項目を減らしすぎる | 必要な情報の最低限を決める |
| 判断の速さ | 短期の施策に偏る | 中期の施策を別枠で管理する |
| 施策の試行回数 | 質の検証が後回しになる | 商談化率を制約条件に置く |
| 部門内で完結 | 営業との断絶が生まれる | 引き渡しの条件を共有する |
制約条件として商談化率を置く
件数を目標にするなら、商談化率の下限を同時に置きます。下限を割ったら、件数の達成を評価しない運用にします。
商談数を目標にしたときの効き方
質の管理が目標に内包される代わりに、確定が遅く他部門に依存します。
自部門だけでは動かせない部分が入ります。
商談数を目標にすると、件数と質が一つの数字にまとまります。
質を別に管理しなくてよくなる
商談にならない問い合わせを増やしても、目標は動きません。
件数と質のどちらを優先するかという議論が消えます。
他部門の動きが目標に影響する
問い合わせから商談になるまでに、インサイドセールスや営業が関わります。
この部分の動きが、マーケティング部門の目標に直接影響します。
営業の人員が減れば、商談の件数は落ちます。
マーケティング部門の施策が同じでも、目標は未達になります。
商談数を目標にしたときの効き方
| 効く部分 | 起きやすい副作用 | 防ぐための設計 |
|---|---|---|
| 質と量が一体になる | 件数の伸びが鈍る | 拡大の局面では別枠を作る |
| 営業との連携が進む | 他部門の事情で未達になる | 責任の切り分けを文書にする |
| 事業への距離が近い | 確定が遅く判断が遅れる | 問い合わせ数を先行指標に置く |
| 無駄な獲得が減る | 新しい層の開拓が止まる | 試行の枠を別に確保する |
| 定義が共有される | 定義の変更が難しくなる | 変更の手続きを決めておく |
商談の定義が前提になる
商談数を目標にするには、何をもって商談と呼ぶかが決まっている必要があります。定義が曖昧なまま目標にすると、期中に解釈が動きます。
選択を決めるのは、組織のどの条件か
問い合わせから商談までを、誰が動かしているかです。
その部分をマーケティング部門が動かせるなら商談数、動かせないなら問い合わせ数になります。
選択の基準は、組織の形にあります。
中間の機能をどこが持っているか
問い合わせを受けてから商談を設定するまでの機能を、マーケティング部門が持っている組織があります。
この場合、商談数を目標にできます。
営業部門が持っている組織では、マーケティング部門は商談数を動かせません。
問い合わせ数を目標にし、商談化率は共有の指標として扱います。
商談までの期間の長さ
問い合わせから商談まで数日の事業なら、商談数でも判断が間に合います。
数週間かかる事業では、商談数だけを見ていると手が遅れます。
事業の条件と、向いている設置点
| 条件 | 問い合わせ数が向く | 商談数が向く |
|---|---|---|
| 中間の機能の所属 | 営業部門が持つ | マーケティング部門が持つ |
| 商談までの期間 | 二週間以上 | 一週間以内 |
| 問い合わせの月次件数 | 数千件以上 | 数百件以下 |
| 商談の定義 | 揃っていない | 営業と揃っている |
| 営業の処理能力 | 余裕がある | 逼迫している |
| 事業の局面 | 新しい市場の開拓 | 既存市場での効率化 |
件数の規模も判断に入る
月に数千件の問い合わせがある事業では、商談数を目標にしても個別の管理ができません。件数が少ない事業では、商談数まで追えます。
商談数を目標にできない組織には、何が欠けているのか
商談の定義と、その記録の運用です。
営業側が商談の発生を記録していないと、数字そのものが存在しません。
商談数を目標にしたくても、前提が揃っていない組織があります。
定義がないと数字が動く
商談を何と呼ぶかが決まっていないと、担当者によって記録の基準が変わります。
基準が変われば、数字の増減が実態を映しません。
記録が続かないと指標も止まる
営業が商談の発生を記録する運用が続いていないと、月次の数字が欠けます。
欠けた月があると、目標の進捗が見えません。
商談数を目標にするための前提を、項目ごとに見ていきます。
商談の定義があるについては、確認の方法は文書として存在する、欠けているときにやることは営業と定義を作る。
定義が共有されているについては、確認の方法は担当者に聞いて同じ答えが返る、欠けているときにやることは周知と教育を行う。
記録の運用が続いているについては、確認の方法は直近三か月の記録率、欠けているときにやることは記録を業務に組み込む。
マーケティング側から見えるについては、確認の方法は月次で件数が取れる、欠けているときにやることは参照の仕組みを整える。
発生の時期が記録されているについては、確認の方法は日付が入っている、欠けているときにやることは入力項目を追加する。
前提を整えるには時間がかかる
定義の合意と記録の運用は、数週間では揃いません。
整えている間は、問い合わせ数を目標にして進めます。
整えながら並行して見る
商談数を目標にしていなくても、参照の数字としては見ておきます。見ていれば、前提が整った時点で切り替えられます。
両方を置く場合、主と従をどう決めるのか
主は一つにします。
両方に目標値を置くと、衝突したときに現場が判断できません。
問い合わせ数と商談数の両方を見ること自体は、問題ありません。
両方に目標値を置くことが問題です。
従は制約条件にする
主に選ばなかったほうを、制約条件として置きます。
問い合わせ数が主なら、商談化率の下限を制約にします。
商談数が主なら、問い合わせ数の下限を制約にします。
下限を割ると、次期の材料が不足するためです。
制約を割ったときの扱いを決める
制約を割ったときに何が起きるかを決めておきます。
達成の評価から外すのか、責任者の承認が要るのか。
主と従の組み合わせ方を、項目ごとに見ていきます。
問い合わせ数については、従の扱いは商談化率の下限、従を割ったときの扱いは件数の達成を評価しない。
商談数については、従の扱いは問い合わせ数の下限、従を割ったときの扱いは次期の材料不足として報告する。
問い合わせ数については、従の扱いは条件を満たした件数の割合、従を割ったときの扱いは訴求と対象を見直す。
商談数については、従の扱いは商談までの日数の上限、従を割ったときの扱いは引き渡しの運用を見直す。
問い合わせ数については、従の扱いは獲得単価の上限、従を割ったときの扱いは配分を見直す。
従の数値は目標ではないと明示する
制約条件を目標と呼ぶと、二つの目標があることになります。呼び方を分けて、資料にも別に記載します。
置き場所を移すのは、どのタイミングか
期の変わり目です。
期中に設置点を移すと、期を通した進捗の比較ができなくなります。
設置点を移す判断は、条件が揃ってから行います。
移す条件
商談の定義が営業と揃っている。
記録の運用が三か月以上続いている。
マーケティング側から月次で数字が取れる。
この三つが揃ったら、次の期首に移せます。
移す前に並行して見る期間を作る
いきなり主指標を移すと、水準の感覚が分かりません。
少なくとも一四半期、参照の数字として並べておきます。
設置点を移す条件と時期を、項目ごとに見ていきます。
前提の三つが揃ったについては、移すかどうかは移す、時期は次の期首。
中間の機能を自部門に移管したについては、移すかどうかは移す、時期は移管の三か月後の期首。
営業の体制が大きく変わったについては、移すかどうかは移さない、時期は体制が安定してから判断。
問い合わせの件数が急増したについては、移すかどうかは移さない、時期は管理できる規模か確認してから。
商談の定義を変更したについては、移すかどうかは移さない、時期は新しい定義で一四半期運用してから。
移したあとの水準の置き方
移した初年度の目標値は、並行して見ていた期間の実績から置きます。過去の問い合わせ数から換算すると、前提の率に引きずられます。
目標の置き場所を決め直すまで
中間の機能を誰が持っているかを確認することからです。
組織の形が分からないまま指標を選ぶと、動かせない数字を追うことになります。
設置点の決定は、指標の議論ではなく組織の確認から始まります。
設置点を決め直す進行を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは問い合わせから商談までの流れを書き出す、関わる部門はマーケティングと営業、期間の目安は二週間。
2については、やることは各段階を誰が動かしているかを確認する、関わる部門はマーケティング責任者、期間の目安は一週間。
3については、やることは商談の定義と記録の状況を確認する、関わる部門は営業、期間の目安は二週間。
4については、やることは主の指標と制約条件の案を作る、関わる部門はマーケティング責任者、期間の目安は一週間。
5については、やることは営業と制約条件の水準を合意する、関わる部門はマーケティングと営業、期間の目安は三週間。
6については、やることは期首から運用し、四半期ごとに見直す、関わる部門はマーケティング責任者、期間の目安は継続。
流れを書き出す作業で分かること
問い合わせから商談までの流れを書き出すと、途中で誰も担当していない部分が見つかることがあります。
数字は説明のための仮の値です。
月に四百件の問い合わせのうち、三日以内に連絡が取れたのが二百四十件、商談になったのが八十件なら、連絡が取れなかった百六十件の扱いが決まっていない可能性があります。
決めたあとに追う数字を、項目ごとに見ていきます。
主の指標の進捗については、見る頻度は毎週、使いどころは目標に対する不足。
制約条件の水準については、見る頻度は毎週、使いどころは下限を割っていないか。
問い合わせから商談までの日数については、見る頻度は月次、使いどころは引き渡しの運用が機能しているか。
条件を満たした問い合わせの割合については、見る頻度は月次、使いどころは流入の質が変わっていないか。
記録の完了率については、見る頻度は月次、使いどころは数字そのものが信用できるか。
制約条件の水準は四半期ごとに確認する
制約の水準が実態から離れると、常に割っている状態か、まったく効かない状態になります。
四半期ごとに実績と照らして調整します。
営業の体制が変わったら見直す
商談数を主にしている場合、営業の人員や体制の変化が目標に直接影響します。
変化があった時点で、水準の見直しを議題にします。
委託先の評価基準も揃える
代理店の評価が問い合わせ数のままで、自社の主指標が商談数になっていると、動きがずれます。
契約の評価条項も同じ設置点に揃えます。
問い合わせ数と商談数のどちらを目標にするかで判断に迷う場合は、無料相談で現状の流れを見てもらうところから始められます。指標と体制の関係ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
問い合わせ数と商談数のどちらを目標にすべきですか
問い合わせから商談までの部分を誰が動かしているかで決まります。その機能をマーケティング部門が持っているなら商談数、営業部門が持っているなら問い合わせ数です。
問い合わせ数を目標にすると質が落ちませんか
件数だけを追うと、条件を下げて件数を取る動きが出ます。商談化率の下限を制約条件として同時に置き、下限を割ったら件数の達成を評価しない運用にしてください。
商談数を目標にできない場合、何が足りていませんか
商談の定義と、その記録の運用です。定義が文書として存在し、担当者に聞いて同じ答えが返り、記録が三か月以上続いていることが前提になります。整うまでは問い合わせ数で進めます。
両方に目標を置いてはいけませんか
衝突したときに現場が判断できなくなります。主を一つに決め、もう一方は制約条件として下限や上限の形で置いてください。呼び方も資料上も、目標とは分けて記載します。
目標の置き場所はいつ変えられますか
期の変わり目です。期中に移すと期を通した進捗の比較ができなくなります。移す前に少なくとも一四半期、参照の数字として並べて水準の感覚をつかんでおいてください。
まとめ
- マーケティング部門の責任の範囲と、打つ施策の中身が決まります。問い合わせに置けば集客の設計に、商談に置けば質の設計に力が向きます
- 判断が速くなる代わりに、質の管理を別に設計する必要があります。件数だけを追うと、条件の合わない問い合わせが増えます
- 質の管理が目標に内包される代わりに、確定が遅く他部門に依存します。自部門だけでは動かせない部分が入ります
- 問い合わせから商談までを、誰が動かしているかです。その部分をマーケティング部門が動かせるなら商談数、動かせないなら問い合わせ数になります
- 商談の定義と、その記録の運用です。営業側が商談の発生を記録していないと、数字そのものが存在しません
- 主は一つにします。両方に目標値を置くと、衝突したときに現場が判断できません
- 期の変わり目です。期中に設置点を移すと、期を通した進捗の比較ができなくなります
- 中間の機能を誰が持っているかを確認することからです。組織の形が分からないまま指標を選ぶと、動かせない数字を追うことになります