
繁忙期に取りこぼし、閑散期に無駄が出ます。
年間では帳尻が合っているように見えるため、どちらの損失も表に出ません。
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目次
目次
- 季節変動を平準化して目標を置くと、何が起きるのか
- 繁忙期の取りこぼしは記録に残らない
- 自社の季節の形は、どうやって取り出すのか
- 成長の傾向を先に除く
- 繁忙期の目標は、需要ではなく何で決まるのか
- 制約はどこに現れるか
- 閑散期に置く目標は、繁忙期と同じ種類でよいのか
- 閑散期は仕込みの期間として設計する
- 予算を季節に合わせると、どこに無理が出るのか
- 月次の上限が決まっている場合
- 季節が前後にずれた年は、どう扱うのか
- ずれと不振を区別する
- 季節変動のある事業で、評価の期間をどう区切るのか
- 繁忙期が分断される問題
- 季節の型を作る作業の始め方
- 段階別に指数を作る理由
- よくある質問
- まとめ
繁忙期に取りこぼし、閑散期に無駄が出ます。
年間では帳尻が合っているように見えるため、どちらの損失も表に出ません。
季節変動を平準化して目標を置くと、何が起きるのか
繁忙期に取りこぼし、閑散期に無駄が出ます。
年間では帳尻が合っているように見えるため、どちらの損失も表に出ません。
需要に明確な波がある事業でも、目標は月ごとに均等に置かれていることがあります。
均等に置く理由は、計算の簡単さです。
繁忙期の取りこぼしは記録に残らない
需要が集中する月に、目標が平常月と同じだと、目標は早々に達成されます。
達成した時点で、投資を増やす動機がなくなります。
本来取れたはずの分は、取れなかった記録として残りません。
損失が見えないため、翌年も同じ配分が続きます。
閑散期の未達は実行の問題にされる
需要が少ない月に平常月と同じ目標を置くと、未達になります。
この未達が、担当者の実行不足として扱われます。
原因が需要の水準にあることが共有されないと、無理な投資が行われます。
平準化した目標で起きること
| 時期 | 起きること | 表に出ない損失 |
|---|---|---|
| 繁忙期 | 目標を早く達成し投資が止まる | 取れたはずの需要 |
| 閑散期 | 未達が続き実行の問題にされる | 無理な投資で悪化した効率 |
| 季節の切り替わり | 配分の変更が遅れる | 立ち上がりの遅れ |
| 年間の集計 | 合計では目標に近い | どちらの損失も見えない |
| 翌年の計画 | 前年の実績をそのまま使う | 同じ配分が繰り返される |
波があること自体は問題ではない
季節変動は、事業の性質です。問題は、波があることを前提にした目標と予算になっていないことです。
自社の季節の形は、どうやって取り出すのか
過去三年の月次実績から、成長の傾向を除いて月ごとの比率を出します。
実績をそのまま使うと、事業の成長分が季節の形に混ざります。
季節の形は、感覚では正確に出せません。
計算で取り出します。
成長の傾向を先に除く
事業が伸びていると、年の後半の月ほど数字が大きくなります。
この分を季節変動と取り違えると、後半に偏った形が出ます。
各年の月次実績を、その年の平均で割ります。
割った値を三年分で平均すると、成長の影響が薄まります。
営業日数の影響も除く
月によって営業日数が違います。
一日あたりに直してから比率を出すと、純粋な需要の形に近づきます。
季節の形を取り出す手順
| 順番 | やること | 出るもの |
|---|---|---|
| 1 | 過去三年の月次実績を並べる | 生の数字 |
| 2 | 各年の月平均で各月を割る | 年内での相対値 |
| 3 | 三年分の相対値を月ごとに平均する | 季節の比率の原型 |
| 4 | 営業日数で調整する | 一日あたりの季節比率 |
| 5 | 一度きりの要因のあった月を除外する | 平常時の季節比率 |
| 6 | 比率の合計が十二になるよう調整する | 季節指数 |
一度きりの要因を除く
大型のキャンペーン、商品の投入、価格改定があった月は、季節の形を歪めます。
その月を除外するか、前後の月から補います。
数字は説明のための仮の値です。三年分の平均で、三月の比率が一・四、八月が〇・六と出たとします。年間の目標が千二百件なら、三月は百四十件、八月は六十件が需要に応じた配分になります。
繁忙期の目標は、需要ではなく何で決まるのか
処理できる量です。
需要があっても、営業と提供の体制が受け止められなければ、取れません。
繁忙期の目標を需要の大きさだけで置くと、実行できません。
制約はどこに現れるか
商談の対応に使える人数、提供や納品の能力、在庫や供給の量。
このどれかが先に上限に達します。
最も低い上限が、その期に取れる量を決めます。
制約を超えて獲得すると損失になる
処理できない量のリードを取ると、対応の遅れで失注します。
獲得にかけた費用が回収できないだけでなく、評判にも影響します。
制約を広げるか、時期をずらすか
繁忙期に取り切れないと分かったら、二つの選択があります。
体制を一時的に広げるか、需要の一部を前後の月に誘導するかです。
繁忙期の上限を決める制約
| 制約 | 確かめ方 | 広げる手段 |
|---|---|---|
| 商談対応の人員 | 一人あたりの対応可能件数 | 一時的な増員か外部委託 |
| 提供や納品の能力 | 月次の処理可能量 | 前倒しの生産や外部委託 |
| 在庫や供給 | 調達のリードタイム | 事前の積み増し |
| 問い合わせ対応の窓口 | 同時対応の可能数 | 受付の自動化や時間の拡大 |
| 資金 | 月次で投じられる上限 | 前期からの繰り越しや調達 |
制約の確認を期首に行う
繁忙期に入ってから制約に気づくと、対応が間に合いません。制約の確認は、繁忙期の三か月以上前に行います。
閑散期に置く目標は、繁忙期と同じ種類でよいのか
同じ種類では機能しません。
獲得の件数を追う代わりに、繁忙期の準備が進んだかを測る指標に置き換えます。
閑散期に獲得の件数を追うと、無理な投資になります。
閑散期は仕込みの期間として設計する
需要が少ない時期に獲得を無理に取りにいくと、単価が跳ね上がります。
同じ予算を、繁忙期の準備に回したほうが年間の成果は上がります。
準備には、検索からの流入づくり、認知の蓄積、提供体制の整備、訴求の検証が含まれます。
準備の進捗を測る指標を置く
準備は成果が遅れて出るため、獲得の件数では測れません。
準備そのものの進捗を指標にします。
閑散期に置く目標の種類
| 目標の種類 | 測るもの | 繁忙期への効き方 |
|---|---|---|
| 検索からの流入の土台 | 対象の語での露出 | 繁忙期の指名と流入を増やす |
| 認知の蓄積 | 接触の量と想起の水準 | 繁忙期の反応率を上げる |
| 訴求の検証 | 検証した案の数と結果 | 繁忙期に使う訴求が決まる |
| 既存顧客の育成 | 再購入や追加契約の件数 | 繁忙期に頼らない売上を作る |
| 体制の整備 | 処理能力の拡張の進捗 | 繁忙期の上限を広げる |
閑散期にも最低限の獲得は続ける
獲得を完全に止めると、配信の学習が失われ、繁忙期の立ち上がりが遅れます。
最低限の水準を決めて、維持します。
閑散期の指標も目標として扱う
準備の指標を参考値にすると、誰も追いません。繁忙期の獲得目標と同じ重さで扱います。
予算を季節に合わせると、どこに無理が出るのか
月次の予算の枠と、資金の出方です。
需要に合わせて投じようとすると、特定の月に支出が集中します。
目標を季節に合わせても、予算の制度が平準化されていれば実行できません。
月次の上限が決まっている場合
月の予算上限が固定されていると、繁忙期に必要な額を投じられません。
年間の枠の中で月ごとに配分を変える運用に変える必要があります。
支出の集中が資金に効く
繁忙期に予算を集中させると、その月の支出が大きくなります。
回収が翌月以降になる事業では、資金の出入りに影響します。
立ち上がりのために前倒しが要る
繁忙期の初日から成果を出すには、その前の月から投じ始めます。
予算の配分は、需要の形より一か月ほど前にずらします。
予算を季節に合わせるときの制約を、項目ごとに見ていきます。
月次の予算上限については、内容は月ごとに枠が固定されている、対応は年間の枠での運用に変える。
資金の出方については、内容は支出が特定の月に集中する、対応は財務と事前に調整する。
承認の手続きについては、内容は増額に時間がかかる、対応は繁忙期の増額を事前承認しておく。
委託先の体制については、内容は運用の人員が平準化されている、対応は繁忙期の体制を契約に入れる。
会計期間との関係については、内容は期末をまたぐ、対応は期をまたぐ配分の扱いを決める。
事前承認の枠を作る
繁忙期に増額の承認を待っていると、機会を逃します。期首に、繁忙期の増額を条件つきで承認しておきます。
季節が前後にずれた年は、どう扱うのか
ずれを早く検知して、配分を動かします。
前年の同月と比べるだけでは、ずれなのか不振なのかが分かりません。
季節の波は、毎年同じ時期に来るとは限りません。
ずれと不振を区別する
前年の同月を下回っているとき、二つの可能性があります。
需要の時期がずれているか、需要そのものが減っているかです。
累計で見ると区別がつきます。
累計が前年並みなら、ずれの可能性が高くなります。
先行する数字で早く気づく
需要のずれは、受注より手前の段階に先に出ます。
検索の量、問い合わせの件数、資料請求の件数といった上流の数字を見ます。
季節がずれた年の見分け方を、項目ごとに見ていきます。
当月の実績については、ずれの場合は前年を下回る、不振の場合は前年を下回る。
累計の実績については、ずれの場合は前年並み、不振の場合は前年を下回る。
上流の数字については、ずれの場合は翌月に向けて増えている、不振の場合は増えていない。
検索の量については、ずれの場合は時期がずれて増える、不振の場合は全体に減る。
商談の滞留については、ずれの場合は増えている、不振の場合は変わらない。
配分を動かす判断の基準
ずれと判断したら、月ごとの配分を動かします。
動かす権限と手続きを、期首に決めておきます。
ずれが二年続いたら季節指数を更新する
一度のずれは偶然かもしれません。二年続いたら、季節の形そのものが変わっています。
季節変動のある事業で、評価の期間をどう区切るのか
繁忙期をまたがない形で区切ります。
繁忙期が期の境界で分断されると、評価も投資判断も歪みます。
評価の期間の区切り方は、季節のある事業では判断に直結します。
繁忙期が分断される問題
会計期間の区切りと繁忙期の区切りが合っていないと、繁忙期が二つの期にまたがります。
またがると、前半だけの実績で評価が行われます。
閑散期を単独で評価しない
閑散期だけを切り出して評価すると、準備の投資が費用としてだけ見えます。
繁忙期とセットで評価する期間の区切りにします。
評価の期間の区切り方を、項目ごとに見ていきます。
会計期間に合わせるについては、利点は財務と揃う、欠点は繁忙期が分断されることがある。
繁忙期を含む半期で区切るについては、利点は投資と回収が同じ期に入る、欠点は財務の期間とずれる。
年間で評価するについては、利点は季節の影響を受けない、欠点は期中の判断が遅れる。
繁忙期の前後で区切るについては、利点は準備と回収が対応する、欠点は社内の他部門と揃わない。
移動累計で見るについては、利点は季節の影響を受けにくい、欠点は理解に慣れが要る。
移動累計を併用する
直近十二か月の累計を毎月更新する見方があります。
季節の影響が相殺されるため、傾向の変化が見えます。
評価の期間とは別に、傾向を見る数字として持ちます。
季節の型を作る作業の始め方
過去三年の月次データを集めることからです。
三年に満たない場合は、取れる範囲で作り、毎年更新します。
季節指数は一度作れば、毎年の更新は差分の作業になります。
季節指数を作る工程を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去三年の月次実績を段階別に集める、担当はデータ担当、期間の目安は三週間。
2については、やることは成長の傾向と営業日数の影響を除く、担当はデータ担当、期間の目安は二週間。
3については、やることは一度きりの要因のあった月を特定して除く、担当はマーケティング責任者、期間の目安は一週間。
4については、やることは月ごとの季節指数を確定する、担当はマーケティング責任者、期間の目安は一週間。
5については、やることは繁忙期の処理能力の上限を各部門に確認する、担当は営業と提供部門、期間の目安は三週間。
6については、やることは季節に応じた目標と予算の配分を作る、担当はマーケティング責任者と財務、期間の目安は三週間。
段階別に指数を作る理由
受注だけでなく、流入、問い合わせ、商談の段階でも季節の形を出します。
段階によって波の時期がずれていることがあります。
ずれが分かると、どの段階にいつ投資すべきかが決まります。
季節の前提を点検する数字を、項目ごとに見ていきます。
当月の実績と季節指数の想定値の差については、見る頻度は月次、確かめることは配分の前提が合っているか。
累計と前年累計の差については、見る頻度は月次、確かめることはずれか不振かの切り分け。
上流の段階の先行の動きについては、見る頻度は毎週、確かめることは需要の時期が動いていないか。
処理能力に対する稼働率については、見る頻度は毎週、確かめることは繁忙期の上限に近づいていないか。
直近十二か月の移動累計については、見る頻度は月次、確かめることは傾向が変わっていないか。
指数の更新は毎年行う
需要の形は年々変わります。
毎年、直近三年のデータで作り直します。
他部門と指数を共有する
営業や提供部門が平準化された計画で動いていると、繁忙期に受け止められません。
季節指数は、関わる部門すべてに共有します。
委託先の体制も季節に合わせる
運用を委託している場合、委託先の体制が平準化されていることがあります。
繁忙期の体制について、契約の段階で確認します。
季節の波に対する目標の置き方で判断に迷う場合は、無料相談で過去の実績から見てもらうところから始められます。年間の計画ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
季節変動がある事業で、目標を平準化してはいけませんか
繁忙期の取りこぼしと閑散期の無駄が、どちらも記録に残らないためです。年間の合計では目標に近い数字になるため損失が見えず、翌年も同じ配分が繰り返されます。
自社の季節の形はどう取り出しますか
過去三年の月次実績を各年の平均で割り、三年分を月ごとに平均します。実績をそのまま使うと事業の成長分が季節の形に混ざるため、成長の傾向と営業日数の影響を先に除いてください。
繁忙期の目標は需要の大きさで決めてよいですか
処理できる量で決まります。商談対応の人員、提供や納品の能力、在庫や資金のうち最も低い上限が取れる量を決めます。制約の確認は繁忙期の三か月以上前に行ってください。
閑散期にはどんな目標を置きますか
繁忙期の準備が進んだかを測る指標です。検索からの流入の土台、認知の蓄積、訴求の検証、体制の整備などを、繁忙期の獲得目標と同じ重さで扱います。獲得は最低限の水準を維持します。
季節がずれた年はどう見分けますか
当月が前年を下回っていても、累計が前年並みならずれの可能性が高くなります。上流の段階の数字が翌月に向けて増えているかも合わせて確認し、ずれが二年続いたら季節指数そのものを更新してください。
まとめ
- 繁忙期に取りこぼし、閑散期に無駄が出ます。年間では帳尻が合っているように見えるため、どちらの損失も表に出ません
- 過去三年の月次実績から、成長の傾向を除いて月ごとの比率を出します。実績をそのまま使うと、事業の成長分が季節の形に混ざります
- 処理できる量です。需要があっても、営業と提供の体制が受け止められなければ、取れません
- 同じ種類では機能しません。獲得の件数を追う代わりに、繁忙期の準備が進んだかを測る指標に置き換えます
- 月次の予算の枠と、資金の出方です。需要に合わせて投じようとすると、特定の月に支出が集中します
- ずれを早く検知して、配分を動かします。前年の同月と比べるだけでは、ずれなのか不振なのかが分かりません
- 繁忙期をまたがない形で区切ります。繁忙期が期の境界で分断されると、評価も投資判断も歪みます
- 過去三年の月次データを集めることからです。三年に満たない場合は、取れる範囲で作り、毎年更新します