
既存顧客からの売上と、新規顧客からの売上に分けます。
この2つを合算したまま原因を探すと、打ち手を間違えます。
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目次
目次
- 成長が止まったとき、最初にどこを分けるのか
- 合計が同じでも、中身は違う
- 件数が止まっているのか、単価が止まっているのか
- 4つの型に分かれる
- 市場が縮んでいるのか、シェアを失っているのか
- 市場の代わりになる数字を決める
- 新規が止まっている場合、どの段階で止まっているのか
- 絶対数と率を、必ず両方見る
- 既存が落ちている場合、どこで落ちているのか
- 3つの要素に割る
- 止まっているのは需要なのか、それとも供給側なのか
- 供給側で止まっているときの見え方
- 診断の結果は、どう1枚にまとめるのか
- 1枚に載せる順番
- 切り替えはどこから手をつけるか
- 見る数字を決める
- よくある質問
- まとめ
既存顧客からの売上と、新規顧客からの売上に分けます。
この2つを合算したまま原因を探すと、打ち手を間違えます。
成長が止まったとき、最初にどこを分けるのか
既存顧客からの売上と、新規顧客からの売上に分けます。
この2つを合算したまま原因を探すと、打ち手を間違えます。
売上が前年並みで止まったという報告には、複数の状態が含まれています。
新規が伸びているのに既存が落ちている場合と、既存が堅調で新規が止まっている場合では、やることが正反対になります。
合計が同じでも、中身は違う
新規が2割増えて既存が2割減れば、合計は横ばいです。
この状態を横ばいとして扱うと、既存の流出に手が入りません。
流出は時間とともに加速するため、放置した分だけ後が重くなります。
売上の最初の分解
| 区分 | 見る数字 | 止まっているときの意味 |
|---|---|---|
| 新規顧客の売上 | 新規の件数と単価 | 獲得の入口が細っている |
| 既存顧客の売上 | 継続と再購入の金額 | 維持か拡大が弱い |
| 合計 | 両方の和 | 単独では原因が読めない |
期間の取り方を決める
月次では季節要因で振れます。
12か月の移動合計で見ると、傾向が読めます。
既存の定義を固定する
どの時点から既存と呼ぶかを決めます。初回取引から12か月とするか、契約の更新をもって既存とするか。定義が揺れると、分解した数字も揺れます。
件数が止まっているのか、単価が止まっているのか
売上を件数と平均単価に割り、どちらが止まったかを見ます。
両方が同時に止まることは少なく、たいていは片方です。
新規と既存に分けたら、次は件数と単価に割ります。
この2軸で、止まり方の型がほぼ決まります。
4つの型に分かれる
件数と単価のそれぞれが、増えているか減っているか。
組み合わせは4通りで、それぞれ原因の候補が違います。
件数と単価の組み合わせ
| 件数 | 平均単価 | 起きていること | 見る先 |
|---|---|---|---|
| 減 | 維持 | 需要の入口が細い | 集客と認知 |
| 維持 | 減 | 安い商材に偏っている | 商材構成と値引き |
| 減 | 増 | 絞り込みが進んでいる | 意図した変化か |
| 増 | 減 | 小口が増えている | 顧客層の変化 |
平均単価は、構成で動く
平均単価が下がったとき、値引きが進んだ場合と、安い商材の比率が上がった場合があります。
この2つは対処が違うため、商材別の件数を並べて確認します。
件数の減少は、どの段階かを追う
件数が減っている場合、問い合わせから減っているのか、商談から減っているのかを見ます。上流から減っていれば集客、下流だけなら提案や競合の問題です。
市場が縮んでいるのか、シェアを失っているのか
自社の数字だけでは判別できません。
市場の動きを一つ置いてから、自社の伸びと比べます。
売上が横ばいでも、市場が1割縮んでいるなら、相対的には勝っています。
市場が1割伸びているなら、負けています。
同じ数字が逆の意味になります。
市場の代わりになる数字を決める
業界の統計が毎年出る業種は限られます。
代わりに、検索需要の推移、業界団体の出荷や着工の数字、上場している同業の売上の伸びを使います。
市場とシェアの見分け
| 自社の伸び | 市場の伸び | 状態 | 向かう先 |
|---|---|---|---|
| 横ばい | 縮小 | 相対的に勝っている | 維持と効率化 |
| 横ばい | 拡大 | シェアを失っている | 獲得への投資 |
| 減少 | 縮小 | 市場に連動している | 新しい領域 |
| 減少 | 拡大 | 明確に負けている | 競争力の見直し |
広告市場の動きも材料になる
電通の発表では、2025年の日本の総広告費は8兆623億円で前年比105.1%、インターネット広告費は4兆459億円で前年比110.8%でした。
同業が投資を増やしているなかで自社が据え置いていれば、露出の相対量は落ちています。
シェアを失っている場合の確認先
失注の理由を集計します。価格で負けているのか、機能や納期で負けているのか、そもそも候補に入っていないのか。この3つは打ち手が違います。
新規が止まっている場合、どの段階で止まっているのか
認知、検討、比較、決定のどこで落ちているかを段階ごとの数で見ます。
最上流から順に、絶対数と率の両方を確認します。
新規の停滞は、どこかの段階で起きています。
全部を同時に直そうとすると、どれも中途半端になります。
絶対数と率を、必ず両方見る
率が維持されていても、入口の数が減っていれば結果は減ります。
数が増えていても、率が落ちていれば同じです。
新規の段階別の確認
| 段階 | 絶対数 | 率 | 落ちているときの読み方 |
|---|---|---|---|
| 認知 | 指名検索の件数 | ー | 想起が落ちている |
| 検討 | 情報収集の流入 | ー | 上流が細っている |
| 比較 | 問い合わせ件数 | CVR | 候補に入っていない |
| 決定 | 受注件数 | 受注率 | 提案か価格で負けている |
上流の細りは、遅れて効く
認知が落ちても、受注に出るのは数か月後です。
受注が落ちてから認知を見ると、対処が半年遅れます。
検索経由の流入は、構造の変化も疑う
Ahrefsが2026年7月に公表した調査では、AI Overviewsが表示される検索で日本の1位のクリック率の下落幅が62.7%に達していました。流入の減少が自社の競争力の問題なのか、検索結果の見え方の変化なのかを分けて考えます。
既存が落ちている場合、どこで落ちているのか
継続する顧客の数、取引の頻度、1回あたりの金額のどれかです。
3つに割ると、対処する先が決まります。
既存からの売上は、3つの掛け算でできています。
どれが落ちているかで、手を入れる部門が変わります。
3つの要素に割る
継続している顧客の数、その顧客が取引する頻度、1回あたりの金額。
この3つを別々に並べます。
既存売上の分解を、項目ごとに見ていきます。
継続顧客数については、見る数字は前年から残っている社数、落ちているときの対処先は解約の理由と初期の定着。
取引の頻度については、見る数字は1社あたりの年間取引回数、落ちているときの対処先は接点の設計と提案の機会。
1回あたりの金額については、見る数字は平均取引額、落ちているときの対処先は商材構成と提案の範囲。
上位の顧客に依存していないか
売上の大半を少数の顧客が占めている場合、そのうち1社の減少で全体が止まります。
上位10社の売上構成比を確認します。
落ちる前の兆候を探す
取引の間隔が延びている、問い合わせの内容が減っている、担当者が変わった。こうした兆候は、金額が落ちる前に出ています。
止まっているのは需要なのか、それとも供給側なのか
引き合いはあるのに受けきれていない場合があります。
このとき集客に投資しても、売上は増えません。
成長の停滞を、需要の問題と決めつけると誤ります。
供給側が上限に達していることがあります。
供給側で止まっているときの見え方
問い合わせは減っていないのに、商談化率が落ちている。
納期が延びている。
見積の提出が遅れている。
これらは需要ではなく、対応する側の制約です。
需要側と供給側の見分けを、項目ごとに見ていきます。
問い合わせ件数については、需要側の問題は減っている、供給側の問題は減っていない。
商談化率については、需要側の問題は変わらない、供給側の問題は落ちている。
納期や見積の期間については、需要側の問題は変わらない、供給側の問題は延びている。
失注の理由については、需要側の問題は価格や機能、供給側の問題は対応の遅さ。
稼働率については、需要側の問題は余裕がある、供給側の問題は上限に近い。
供給側が上限なら、集客を止める判断もある
受けきれない状態で集客を増やすと、対応の質が落ちて評判に影響します。
一時的に集客を絞り、単価の高い案件に寄せる選択があります。
制約の所在を数字で示す
現場の感覚だけで供給の制約を主張すると、投資の議論になりません。稼働率と、対応までの日数を数字で出します。
診断の結果は、どう1枚にまとめるのか
分解の経路と、どこで止まっているかを1枚に収めます。
打ち手の提案より先に、現状の地図を共有します。
停滞の議論は、打ち手の提案から始まりがちです。
どこが止まっているかの共通理解がないまま提案すると、議論が発散します。
1枚に載せる順番
全体の推移、新規と既存の分解、件数と単価の分解、段階別の落ち込み、市場との比較。
この順で並べます。
診断シートの構成を、項目ごとに見ていきます。
1については、載せる内容は12か月移動の売上推移、判断に使うことはいつから止まったか。
2については、載せる内容は新規と既存の内訳、判断に使うことはどちらが原因か。
3については、載せる内容は件数と平均単価、判断に使うことは量か単価か。
4については、載せる内容は段階別の数と率、判断に使うことはどこで落ちたか。
5については、載せる内容は市場との比較、判断に使うことは相対的な位置。
6については、載せる内容は需要と供給の状況、判断に使うことは投資先の妥当性。
原因を1つに絞らない
複数の要因が重なっていることが普通です。
金額への影響が大きい順に並べて、上から2つに絞ります。
打ち手は、次の会議に回す
診断の会議で打ち手まで決めようとすると、診断が雑になります。場を分けます。
切り替えはどこから手をつけるか
売上を新規と既存、件数と単価に分けて12か月分並べることからです。
この2段階の分解で、原因の候補はかなり絞れます。
停滞の診断は、新しいデータを集める作業ではありません。
既にある売上を分け直す作業です。
調整の手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは既存の定義を決めて売上を2つに分ける、期間の目安は1週間。
2については、やることはそれぞれを件数と平均単価に割る、期間の目安は1週間。
3については、やることは止まっている側を段階別に分解する、期間の目安は2週間。
4については、やることは市場の代わりになる数字と比べる、期間の目安は1週間。
5については、やることは需要側か供給側かを確認する、期間の目安は1週間。
6については、やることは診断を1枚にまとめて共有する、期間の目安は1週間。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
売上10億円が横ばいで、新規が3億円から3.6億円に増え、既存が7億円から6.4億円に減っていれば、手を入れるのは既存です。
この場合に新規の獲得を強化しても、翌年も横ばいのままになります。
定着を見る基準を、項目ごとに見ていきます。
12か月移動の売上については、周期は月次、診断での役割は止まった時期の特定。
新規と既存の内訳については、周期は月次、診断での役割は原因の側の特定。
件数と平均単価については、周期は月次、診断での役割は量か単価か。
上位10社の構成比については、周期は四半期、診断での役割は依存の度合い。
段階別の数と率については、周期は四半期、診断での役割は落ちている位置。
稼働率と対応日数については、周期は月次、診断での役割は供給側の制約。
分解の軸を増やしすぎない
商材別、地域別、担当別と分け続けると、母数が足りなくなります。
まず2段階の分解で当たりをつけ、必要になってから軸を足します。
診断を定期の作業にする
止まってから診断するのではなく、四半期ごとに同じ分解を並べます。
止まりかけている段階で気づけます。
成長が止まった原因の所在が分からない場合は、無料相談で売上の分解を一緒に見てもらうところから始められます。集客の構造ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
売上が横ばいのとき、最初に何を見ればいいですか
新規顧客からの売上と既存顧客からの売上に分けます。新規が増えて既存が減っていても合計は横ばいになるため、合算したままでは原因が読めません。
市場が縮んでいるのかシェアを失っているのか、どう判別しますか
業界統計、検索需要の推移、上場している同業の売上の伸びなど、市場の代わりになる数字を一つ置いて自社の伸びと比べます。自社の数字だけでは判別できません。
平均単価が下がっているのですが、値引きが原因でしょうか
値引きが進んだ場合と、安い商材の比率が上がった場合があります。商材別の件数を並べて構成の変化を確認してから、対処を決めてください。
問い合わせは減っていないのに受注が増えません
供給側で止まっている可能性があります。商談化率の低下、納期の延び、見積提出の遅れが重なっていれば、集客への投資では解決しません。
原因が複数見つかった場合はどうしますか
金額への影響が大きい順に並べ、上から2つに絞ります。すべてに同時に手を入れると、どれも中途半端になります。
まとめ
- 既存顧客からの売上と、新規顧客からの売上に分けます。この2つを合算したまま原因を探すと、打ち手を間違えます
- 売上を件数と平均単価に割り、どちらが止まったかを見ます。両方が同時に止まることは少なく、たいていは片方です
- 自社の数字だけでは判別できません。市場の動きを一つ置いてから、自社の伸びと比べます
- 認知、検討、比較、決定のどこで落ちているかを段階ごとの数で見ます。最上流から順に、絶対数と率の両方を確認します
- 継続する顧客の数、取引の頻度、1回あたりの金額のどれかです。3つに割ると、対処する先が決まります
- 引き合いはあるのに受けきれていない場合があります。このとき集客に投資しても、売上は増えません
- 分解の経路と、どこで止まっているかを1枚に収めます。打ち手の提案より先に、現状の地図を共有します
- 売上を新規と既存、件数と単価に分けて12か月分並べることからです。この2段階の分解で、原因の候補はかなり絞れます