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広告費インフレにどう向き合うか

集客・マーケ戦略公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約11分
広告費インフレにどう向き合うか

出稿する側の予算が増え、枠の供給がそれに追いついていないためです。
需要が増える側の動きは、公表されている市場データからも確認できます。

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出稿する側の予算が増え、枠の供給がそれに追いついていないためです。
需要が増える側の動きは、公表されている市場データからも確認できます。

広告の単価が上がり続ける構造はどこにあるのか

出稿する側の予算が増え、枠の供給がそれに追いついていないためです。
需要が増える側の動きは、公表されている市場データからも確認できます。

広告の単価が上がり続ける構造はどこにあるのか

単価の上昇を、自社の運用の問題として扱うと対処を誤ります。
市場の構造から来ている部分を先に切り分けます。

出稿側の予算は増えている

電通が2026年3月5日に発表した2025年の日本の広告費では、インターネット広告費が4兆459億円で前年比110.8%でした。
Macbee Planetが2025年12月に1,086人を対象に実施した調査では、2026年の予算を増やすと答えたのがBtoCで61.3%、BtoBで52.3%でした。
Comexposium Japanが2025年12月に111社を対象に実施した調査でも、予算増が38.5%、横ばいが50.5%です。

単価が上がる要因

要因性質自社との関係
出稿側の予算増市場全体対処できない
配信面の供給の伸び媒体側の事情対処できない
入札の自動化の普及運用の前提対処できない
自社の訴求の陳腐化自社対処できる
受け皿の転換率の低下自社対処できる

運用の改善では吸収しきれない部分がある

市場全体で需要が増えている状況では、運用の工夫だけで単価を元に戻すことはできません。
吸収できる範囲を超えた部分は、予算か目標のどちらかで調整します。

構造の説明を社内で共有しておく

単価上昇を担当者の力量の問題として扱うと、対処が的外れになります。市場の要因と自社の要因を分けた説明を、期初に共有しておきます。

単価上昇のうち、自社で対処できる部分はどこか

入札の単価ではなく、クリック後の転換率と顧客の単価です。
この2つが動けば、同じ入札単価でも採算が改善します。

単価上昇のうち、自社で対処できる部分はどこか

獲得単価は、入札単価だけで決まりません。
複数の要素の掛け合わせです。

分解して、動かせる場所を探す

対処できる部分と、できない部分

要素動かせるか動かし方
入札単価限定的市場の水準に従う
クリック率動かせる訴求と素材の見直し
サイトでの転換率動かせる受け皿の改善
商談化率動かせるリードの質の管理
顧客単価動かせる商品構成と価格
継続期間動かせる既存顧客の維持

受け皿の改善が最も効きやすい

同じ流入で転換率が1.5倍になれば、獲得単価は3分の2になります。
入札単価を下げるより、確実で再現性があります。

顧客単価と継続期間は、マーケ単独では動かない

商品構成や価格、既存顧客の維持は、他部門との調整が必要です。単価上昇を広告の問題として閉じると、この選択肢が使えません。

許容できる獲得単価をどう決め直すのか

初回の売上ではなく、継続期間まで含めた顧客あたりの利益から決めます。
初回だけで見ると、単価が上がった時点で出稿できなくなります。

許容できる獲得単価をどう決め直すのか

許容単価の決め方を変えないまま単価が上がると、出稿を止める以外の選択肢がなくなります。

決め直しの手順

許容単価の決め直し方

順番出す数字必要なデータ
1顧客あたりの初回利益初回売上と原価
2平均の継続期間過去の顧客データ
3継続期間中の累計利益継続期間と単位利益
4回収までの許容期間資金繰りの制約
5許容獲得単価累計利益と回収期間から

回収期間が制約になる

継続期間まで含めれば許容単価は上がります。
一方で、回収に時間がかかるほど資金繰りの負担が増えます。
どこまでの期間で回収するかは、財務側と合意する項目です。

データがない場合は、初回で判断する

継続期間のデータが揃っていない場合、推測で許容単価を上げるのは危険です。
まず継続期間を測ることから始めます。

決め直しは経営の判断になる

許容単価を上げるということは、回収を後ろ倒しにするということです。マーケティング部門の判断では決められません。

予算を増やす判断と、増やさない判断

獲得単価が許容範囲に収まっている場合だけ、増やす意味があります。
単価が上がっている状態で予算を増やすと、損失が拡大します。

予算を増やす判断と、増やさない判断

単価が上がると、件数を維持するために予算を増やす提案が出ます。
その前に、単価が許容範囲内かを確認します。

増やす条件

予算を増やす条件

獲得単価件数判断理由
許容内不足増やす採算が合う範囲での拡大
許容内充足据え置き増やす必要がない
許容超過不足増やさない損失が拡大する
許容超過充足減らす採算が合っていない
測定できないどちらでも増やさない判断の材料がない

件数目標を守るために増やさない

件数の目標を守るために採算を割る予算を出すと、事業の利益が減ります。
件数の目標と採算のどちらを優先するかを、期初に決めておきます。

増やす場合は、期間を区切る

予算を増やすときは、期間と評価の時期を決めます。増やしたまま評価しないと、単価が上がり続けても気づきません。

単価が合わない媒体から、いつ撤退するのか

許容単価を継続して上回った期間で判断します。
1か月の悪化では判断せず、3か月の継続で決めます。

単価が合わない媒体から、いつ撤退するのか

媒体ごとの撤退の判断は、基準がないと感情で決まります。

判断の基準

撤退の判断基準を、項目ごとに見ていきます。
許容単価を1割超過については、継続期間は1か月、判断は様子を見る。
許容単価を1割超過については、継続期間は3か月、判断は配分を減らす。
許容単価を3割超過については、継続期間は1か月、判断は配分を減らす。
許容単価を3割超過については、継続期間は2か月、判断は停止を検討。
改善の見込みがあるについては、継続期間は期間を問わず、判断は期限を決めて継続。

停止の影響を見込む

媒体を停止すると、そこからの件数がなくなります。
他の媒体で補えるかを、停止の前に確認します。
補えない場合、停止しても全体の件数が減るだけです。

完全停止より縮小を先に試す

いきなり停止すると、戻すときに立ち上がりに時間がかかります。
まず配分を減らし、単価の変化を見ます。

停止した媒体は記録に残す

いつ、どの単価で停止したかを残します。市場の状況が変わったときに、再開の判断ができます。

単価上昇を前提にした年間計画の立て方

単価が一定という前提を外します。
上昇率を織り込んだ複数の前提で計画を作り、どこで目標を見直すかを先に決めます。

単価上昇を前提にした年間計画の立て方

年間計画で単価を一定と置くと、年度の途中で必ず崩れます。

前提の置き方

年間計画の置き方を、項目ごとに見ていきます。
単価は横ばいについては、置く内容は現状の単価が続く、崩れたときの対応は上昇したら予算か目標を調整。
緩やかに上昇については、置く内容は一定率の上昇を織り込む、崩れたときの対応は想定内として進める。
大きく上昇については、置く内容は上限を超えた場合、崩れたときの対応は撤退と配分変更の基準を適用。
転換率の改善で吸収については、置く内容は受け皿の改善を前提、崩れたときの対応は改善が遅れたら目標を調整。

見直しの時点を先に決める

四半期ごとに、単価の前提が妥当かを確認する時点を設定します。
崩れてから議論を始めると、対応が1四半期遅れます。

目標を下げる条件も決めておく

単価が想定を大きく超えた場合に、件数の目標を下げるのか予算を増やすのかを先に決めます。
決めていないと、採算を割る予算が出ます。

経営との合意事項にする

単価上昇時の対応は、マーケティング部門だけでは決められません。期初の目標設定のときに、合意事項として文書に残します。

高騰への対処でやりがちな誤り

単価の低い媒体に一斉に移ることです。
単価が低い理由があり、獲得単価では改善しないことが多くなります。

高騰への対処でやりがちな誤り

単価上昇への対処は、方向を間違えると状況が悪化します。

起きやすい誤り

よくある誤った対処を、項目ごとに見ていきます。
単価の低い媒体に移るについては、何が起きるかは転換率が低く獲得単価は下がらない、代わりにやることは獲得単価で比較する。
入札を下げるについては、何が起きるかは露出が減り件数が落ちる、代わりにやることは受け皿の改善を先に。
配信を広げて量を取るについては、何が起きるかは質が落ちて商談化率が下がる、代わりにやることは質の指標を並べて見る。
代理店を変えるについては、何が起きるかは市場要因は変わらない、代わりにやることは要因の切り分けを先に。
広告を止めて他施策に移すについては、何が起きるかは立ち上げに時間がかかる、代わりにやることは段階的に移す。

代理店の変更で解決する範囲を見極める

Testifyが2026年5月に1,016人を対象に実施した調査では、代理店への不満として経営層の56.3%が費用が成果に見合わないを挙げていました。
単価上昇が市場要因である場合、委託先を変えても単価は下がりません。
変更で改善するのは、運用と説明の部分です。

一斉の移行を避ける

新しい媒体は、立ち上がりに時間がかかります。一斉に移すと、その期間の件数が落ちます。

単価上昇への構えをどう作るか

許容単価の根拠を継続期間まで含めて作り直すことからです。
根拠がないまま単価の上下に反応すると、判断が毎月変わります。

単価上昇への構えをどう作るか

構えを作るとは、判断の基準を先に決めておくことです。

対応の進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去12か月の獲得単価の推移を出す、期間の目安は1週間。
2については、やることは顧客の継続期間と累計利益を出す、期間の目安は2週間。
3については、やることは回収期間を財務と合意する、期間の目安は2週間。
4については、やることは許容獲得単価を決め直す、期間の目安は1週間。
5については、やることは媒体ごとの撤退と縮小の基準を決める、期間の目安は1週間。
6については、やることは四半期ごとの前提の見直し時点を設定する、期間の目安は3日。

単価の動きを見る数字を決める

数字は説明のための仮の値です。
たとえば顧客あたりの初回利益が2万円、平均継続期間が18か月で累計利益が9万円だとします。
12か月での回収を条件にすると、許容獲得単価は6万円です。
初回利益だけで判断していた場合の2万円から、判断の幅が広がります。

単価の動きを見る数字を、項目ごとに見ていきます。
媒体別の獲得単価については、頻度は月次、使い方は許容単価との比較。
サイトでの転換率については、頻度は月次、使い方は自社で対処できる部分。
商談化率については、頻度は月次、使い方は質が落ちていないか。
顧客の平均継続期間については、頻度は四半期、使い方は許容単価の前提。
回収までの期間については、頻度は四半期、使い方は資金繰りの制約。

月次で反応しない

単価は月ごとに振れます。
3か月の推移で判断する形にしておくと、対応が安定します。

記録を残して翌期に使う

どの単価でどの判断をしたかを残します。
翌期の計画で、前提の妥当性を確認できます。

広告の単価上昇にどう対応するか判断がつかない場合は、無料相談で現状の獲得単価を見てもらうところから始められます。媒体の配分と受け皿ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

広告の単価はなぜ上がり続けるのですか

出稿する側の予算が増え、枠の供給が追いついていないためです。電通が2026年3月に発表した2025年の日本の広告費ではインターネット広告費が前年比110.8%でした。Macbee Planetが2025年12月に実施した調査でも、2026年の予算を増やす企業がBtoCで61.3%、BtoBで52.3%となっています。

運用の改善で単価は下げられますか

入札単価そのものは市場の水準に従うため、限定的です。動かせるのはクリック率、サイトでの転換率、商談化率、顧客単価、継続期間です。同じ流入で転換率が1.5倍になれば獲得単価は3分の2になります。

許容できる獲得単価はどう決めますか

初回の売上ではなく、継続期間まで含めた顧客あたりの累計利益から決めます。回収までの許容期間を財務側と合意したうえで計算してください。継続期間のデータがない場合は、推測で上げずにまず測ることから始めます。

単価が上がったら予算は増やすべきですか

獲得単価が許容範囲に収まっている場合だけです。許容を超えている状態で件数目標を守るために予算を増やすと、損失が拡大します。件数の目標と採算のどちらを優先するかを期初に決めておいてください。

単価の低い媒体に移せばよいのではないですか

単価が低い媒体は転換率も低いことが多く、獲得単価では改善しない場合があります。比較はクリック単価ではなく獲得単価で行ってください。新しい媒体は立ち上がりにも時間がかかるため、一斉に移すとその期間の件数が落ちます。

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お見積りまでの4段階で費用は発生しません。媒体費(広告費)とサービス費用は別勘定です。

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まとめ

  • 出稿する側の予算が増え、枠の供給がそれに追いついていないためです。需要が増える側の動きは、公表されている市場データからも確認できます
  • 入札の単価ではなく、クリック後の転換率と顧客の単価です。この2つが動けば、同じ入札単価でも採算が改善します
  • 初回の売上ではなく、継続期間まで含めた顧客あたりの利益から決めます。初回だけで見ると、単価が上がった時点で出稿できなくなります
  • 獲得単価が許容範囲に収まっている場合だけ、増やす意味があります。単価が上がっている状態で予算を増やすと、損失が拡大します
  • 許容単価を継続して上回った期間で判断します。1か月の悪化では判断せず、3か月の継続で決めます
  • 単価が一定という前提を外します。上昇率を織り込んだ複数の前提で計画を作り、どこで目標を見直すかを先に決めます
  • 単価の低い媒体に一斉に移ることです。単価が低い理由があり、獲得単価では改善しないことが多くなります
  • 許容単価の根拠を継続期間まで含めて作り直すことからです。根拠がないまま単価の上下に反応すると、判断が毎月変わります