
公表されている調査では、日本で下落率が半年のうちに38.0%から62.7%へ広がりました。
順位を守っても流入が半分以下になる領域が、現実に存在します。
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目次
目次
- 1位のクリック率は、どこまで落ちたのか
- 公表されている下落率
- 日本と米国で、下落の進み方はなぜ違うのか
- 水準の差と、変化の速さの差
- 予測値と実測値の差は、何を意味するのか
- 差の大きさ
- 順位1位の価値を、どう計算し直すのか
- 評価の単位をクエリ群に変える
- SEOへの投資判断は、どこを変えるのか
- 削る前に分解する
- 下落が止まる前提で計画を立ててよいのか
- 2つの前提で試算する
- 下落率の数字を社内で使うときの注意
- 起こりやすい誤用
- 順位投資の見直しをどう進めるか
- 追う数字を決める
- よくある質問
- まとめ
公表されている調査では、日本で下落率が半年のうちに38.0%から62.7%へ広がりました。
順位を守っても流入が半分以下になる領域が、現実に存在します。
1位のクリック率は、どこまで落ちたのか
公表されている調査では、日本で下落率が半年のうちに38.0%から62.7%へ広がりました。
順位を守っても流入が半分以下になる領域が、現実に存在します。
検索順位への投資は長く、1位を取れば流入が得られるという前提の上に成り立っていました。
その前提が崩れたかどうかを、感覚ではなく数字で確認します。
公表されている下落率
Ahrefsが2026年7月16日に公表した調査では、AI Overviewsが表示される検索において、1位のクリック率の下落率が測られています。
日本は2025年12月時点で38.0%、2026年6月時点で62.7%でした。
米国は同じ期間で58.0%から68.8%です。
公表されている下落率の推移
| 項目 | 日本 | 米国 | 差 |
|---|---|---|---|
| 2025年12月の下落率 | 38.0% | 58.0% | 20.0ポイント |
| 2026年6月の下落率 | 62.7% | 68.8% | 6.1ポイント |
| 半年の拡大幅 | 24.7ポイント | 10.8ポイント | 日本のほうが速い |
| 予測クリック率 | 24.1% | 調査では日本のみ提示 | 比較対象なし |
| 実測クリック率 | 9.0% | 調査では日本のみ提示 | 比較対象なし |
下落率であって、流入の減少率ではない
この数字は、AI Overviewsが表示される検索における1位のクリック率が、表示されない場合と比べてどれだけ低いかを示しています。
自社サイト全体の流入が62.7%減るという意味ではありません。
影響を受けるのは、要約が表示されるクエリで上位にいるページだけです。
影響の大きさは、クエリ構成で決まる
要約が出やすいクエリに流入が集中している事業ほど、打撃が大きくなります。指名検索や取引直前のクエリが中心なら、影響は限定されます。自社のクエリ構成を知らないままでは、この数字を自社に当てはめられません。
日本と米国で、下落の進み方はなぜ違うのか
米国は先に下落が進み、日本は後から急速に追いついている形です。
到達点は近づきつつあり、日本側の変化の速さのほうが計画に効きます。
同じ調査の日米比較は、単なる地域差ではなく時間差として読めます。
水準の差と、変化の速さの差
米国は2025年12月時点ですでに58.0%まで進んでいました。
日本は38.0%で、半年後に62.7%です。
水準では並び、変化の速さでは日本のほうが大きくなっています。
日米の違いを生む要因
| 要因 | 米国 | 日本 | 計画への含意 |
|---|---|---|---|
| 要約の展開時期 | 早い | 遅れて開始 | 日本は変化が後から来る |
| 半年の変化幅 | 10.8ポイント | 24.7ポイント | 日本は計画の前提が動きやすい |
| 到達水準 | 68.8% | 62.7% | 差は縮んでいる |
| 予測との乖離 | 調査では日本側で大きい | 大きい | 従来の予測式が使えない |
先に進んだ市場を、参考値として使う
米国の水準は、日本がこれから向かう先を示す目安になります。
ただし検索の使われ方や業種の構成は同じではありません。
上限の目安として扱い、そのまま自社の予測に当てはめないようにします。
変化が速い市場での計画の置き方
日本側の半年の変化幅が大きいということは、年初に立てた前提が年度の途中で崩れるということです。年1回の見直しでは追いつきません。
予測値と実測値の差は、何を意味するのか
同じ調査で、日本は予測クリック率24.1%に対して実測が9.0%でした。
順位からクリック率を推定する従来のやり方が、実態から離れています。
SEOの投資計画は、順位からクリック率を推定し、そこから流入を見積もる形で組まれてきました。
この推定式が現実と合わなくなると、計画の根拠が消えます。
差の大きさ
予測と実測の差の読み方
| 項目 | 数値 | 読み方 |
|---|---|---|
| 予測クリック率 | 24.1% | 従来の順位別想定に基づく値 |
| 実測クリック率 | 9.0% | 実際に観測された値 |
| 差 | 15.1ポイント | 計画がこの幅で過大になる |
| 比率 | 実測は予測の4割弱 | 流入見込みが2倍以上ずれる |
計画が過大になる仕組み
順位1位を取れば想定のクリック率が得られるという前提で流入を見積もると、実際の2倍以上の数字が出ます。
その流入をもとにリード数を置き、リード数をもとに予算を通すと、未達が構造的に発生します。
推定式を使い続けるなら、係数を持つ
順位別のクリック率の一般値を使うこと自体は否定されません。ただし自社の実測との比率を係数として持ち、掛け合わせて使います。係数は四半期ごとに更新します。
順位1位の価値を、どう計算し直すのか
順位ではなく、そのクエリから実際に得られた流入と問い合わせで評価します。
1位の価値はクエリごとに違い、平均では判断できません。
順位を成果指標にしてきた組織では、順位の価値そのものを測り直す必要があります。
評価の単位をクエリ群に変える
サイト全体の平均順位には意味がありません。
要約が出やすい群と出にくい群で、1位の価値が桁違いに違うためです。
1位の価値の計算の組み替え
| 従来の見方 | 置き換えた見方 | 使う数字 |
|---|---|---|
| 平均順位 | クエリ群別の順位 | 群ごとの平均 |
| 順位からの推定流入 | 実測の流入 | 検索経由のセッション |
| 流入からの推定CV | 実測の問い合わせ | クエリ群別の問い合わせ |
| 順位改善の効果 | 1順位あたりの流入増 | 過去の改善実績 |
価値が残っている領域を特定する
要約が出にくく、かつ事業に近いクエリ群があります。
ここでの1位は従来どおりの価値を持ちます。
投資を残すのはこの領域です。
価値が薄れた領域の扱い
要約で答えが完結するクエリでの1位維持には、維持コストがかかります。そのコストに見合う流入が残っているかを、年に一度は確認します。
SEOへの投資判断は、どこを変えるのか
総額の削減ではなく、配分の組み替えです。
順位獲得への投資を減らし、流入後の転換と指名の獲得に回します。
下落率の数字を見て、SEO予算をまとめて削る判断が出ることがあります。
これは多くの場合、過剰反応です。
削る前に分解する
投資判断の変更点を、項目ごとに見ていきます。
情報収集型の記事量産については、従来の位置づけは流入の主力、見直し後の扱いは縮小。
比較や選び方の解説については、従来の位置づけは中程度、見直し後の扱いは残すが本数を絞る。
指名検索を増やす施策については、従来の位置づけは後回し、見直し後の扱いは前に出す。
サイト内の転換導線については、従来の位置づけは担当が曖昧、見直し後の扱いは明確に配分。
技術的な改善については、従来の位置づけは継続、見直し後の扱いは継続。
総額を維持したまま、配分を変える理由
検索からの流入が減っても、検索が使われなくなったわけではありません。
残った流入は検討が進んだ層であり、その受け皿への投資は効きます。
総額を削ると、この受け皿まで薄くなります。
稟議での説明の組み立て
順位獲得への投資の期待値が下がったこと。その分を転換と指名に回すこと。総額は据え置くこと。この3点を並べると、削減案より通りやすくなります。
下落が止まる前提で計画を立ててよいのか
止まる前提では立てません。
下げ止まりと、さらに進行の両方で計画が成立するかを確認してから予算を置きます。
下落率がどこまで進むかは、外部から予測できません。
できるのは、どちらに転んでも耐えられるかを確かめることです。
2つの前提で試算する
前提の置き方と、そのリスクを、項目ごとに見ていきます。
下げ止まりについては、置く数字は現在の水準が続く、成立しなくなる条件はさらに進行する、備えは指名施策の前倒し。
緩やかに進行については、置く数字は半年で数ポイント、成立しなくなる条件は急激に進行する、備えは四半期ごとの点検。
米国水準まで進行については、置く数字は米国の到達点に近づく、成立しなくなる条件は下げ止まる、備えは予算を削りすぎない。
検索以外で補うについては、置く数字は他チャネルで件数を維持、成立しなくなる条件は補いきれない、備えは補完先の単価を先に実測。
需要そのものが縮むについては、置く数字は市場全体が減る、成立しなくなる条件は需要は維持される、備えは市場データとの突き合わせ。
補完先の候補を、先に測っておく
検索の代わりになるチャネルがあるかは、事業によって違います。
候補を言葉だけで挙げるのではなく、小さく出稿して実際の単価を測っておきます。
必要になってから探すと、単価が読めないまま予算を動かすことになります。
期中の見直し回数を決める
日本側の変化の速さを踏まえると、年1回の見直しでは追いつきません。四半期ごとに前提の妥当性だけを確認する場を設けておきます。
下落率の数字を社内で使うときの注意
下落率をそのまま自社の流入減の見込みとして使わないことです。
条件が限定された数字であることを、説明の段階で明示します。
外部の調査数値は、社内の説明では強い根拠になります。
そのぶん、条件を落として伝わると後で問題になります。
起こりやすい誤用
数字を使うときの誤用を、項目ごとに見ていきます。
流入が62.7%減ると説明については、何が誤りかは全クエリには当てはまらない、正しい扱いは要約が出るクエリに限定。
SEOは無意味と結論については、何が誤りかは指名や取引型は影響が小さい、正しい扱いはクエリ群ごとに判断。
米国の数字を日本に適用については、何が誤りかは市場の条件が違う、正しい扱いは上限の目安として扱う。
一度の調査を将来の確定値にについては、何が誤りかは時点の値である、正しい扱いは更新前提で扱う。
外部に説明を任せる場合の確認
代理店や支援会社から下落率の説明を受けたとき、自社のクエリ構成に当てはめた試算が付いているかを確認します。
一般論としての数字だけでは、予算の判断には足りません。
数字の出どころを記録する
調査名と公表日を記録に残します。半年後に同じ調査の更新が出たとき、比較ができます。
順位投資の見直しをどう進めるか
自社のクエリ群を要約の出やすさで分け、群ごとに1位の価値を測り直します。
その結果が出るまでは、予算の総額を動かしません。
見直しは分類から始めます。
分類なしに投資を動かすと、価値が残っている領域まで削ります。
投資の組み替えの手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは主要クエリを5つ程度の群に分類する、期間の目安は1週間。
2については、やることは群ごとに要約の表示有無を確認する、期間の目安は1週間。
3については、やることは群ごとの順位と実測流入を並べる、期間の目安は1週間。
4については、やることは実測と推定の比率を係数として出す、期間の目安は3日。
5については、やることは群ごとに投資を残すか縮めるかを決める、期間の目安は2週間。
6については、やることは指名と転換への配分を決める、期間の目安は1週間。
追う数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
たとえば情報収集型の群で1位のページの流入が前年比40%、取引型の群で前年比95%なら、投資を残すのは後者です。
係数が0.4であれば、順位からの推定流入に0.4を掛けて計画を立てます。
下落を把握する指標を、項目ごとに見ていきます。
群別の1位ページの流入については、頻度は月次、使い方は下落の進み方を見る。
実測と推定の比率については、頻度は四半期、使い方は計画の係数を更新する。
要約の表示率については、頻度は四半期、使い方は影響範囲の変化を見る。
指名検索の流入については、頻度は月次、使い方は補完が進んでいるか。
検索経由の問い合わせ数については、頻度は月次、使い方は事業への影響を測る。
係数は、公表値ではなく自社の値を使う
外部の調査は全体の傾向を示すものです。
投資判断に使うのは、自社のクエリで測った比率です。
判断の記録を残す
どの群への投資をいつ減らしたかを残します。
下げ止まった場合に、戻す判断ができます。
検索順位への投資をどこまで残すか決めかねる場合は、無料相談で現状のクエリ構成を見てもらうところから始められます。検索まわりの予算配分ごと組み替える段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
検索1位のクリック率はどれだけ落ちたのですか
Ahrefsが2026年7月16日に公表した調査では、AI Overviews表示時の1位のクリック率の下落率が日本で2025年12月の38.0%から2026年6月の62.7%に広がっていました。米国は同じ期間で58.0%から68.8%です。要約が表示される検索に限った数字である点に注意してください。
この数字は自社の流入がその分減るという意味ですか
違います。要約が表示されるクエリで上位にあるページに当てはまる数字です。自社の流入への影響は、要約が出やすいクエリに流入がどれだけ集中しているかで決まります。
予測24.1%に対して実測9.0%という差は何を示していますか
順位からクリック率を推定する従来の方法が実態から離れたということです。この推定を使って流入を見積もると、計画が2倍以上過大になります。自社の実測との比率を係数として持ち、掛け合わせて使ってください。
SEOの予算は削るべきですか
総額を削るのではなく、配分を組み替えます。順位獲得への投資を減らし、指名検索を増やす施策と流入後の転換に回します。検索からの流入は減っても、残った流入は検討が進んだ層です。
下落はこれ以上進みますか
外部からは予測できません。下げ止まる場合とさらに進む場合の両方で計画が成立するかを確認し、四半期ごとに前提を点検してください。日本側は半年で24.7ポイント広がっており、年1回の見直しでは追いつきません。
まとめ
- 公表されている調査では、日本で下落率が半年のうちに38.0%から62.7%へ広がりました。順位を守っても流入が半分以下になる領域が、現実に存在します
- 米国は先に下落が進み、日本は後から急速に追いついている形です。到達点は近づきつつあり、日本側の変化の速さのほうが計画に効きます
- 同じ調査で、日本は予測クリック率24.1%に対して実測が9.0%でした。順位からクリック率を推定する従来のやり方が、実態から離れています
- 順位ではなく、そのクエリから実際に得られた流入と問い合わせで評価します。1位の価値はクエリごとに違い、平均では判断できません
- 総額の削減ではなく、配分の組み替えです。順位獲得への投資を減らし、流入後の転換と指名の獲得に回します
- 止まる前提では立てません。下げ止まりと、さらに進行の両方で計画が成立するかを確認してから予算を置きます
- 下落率をそのまま自社の流入減の見込みとして使わないことです。条件が限定された数字であることを、説明の段階で明示します
- 自社のクエリ群を要約の出やすさで分け、群ごとに1位の価値を測り直します。その結果が出るまでは、予算の総額を動かしません