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計測できていないCVをどう拾うか

数字の見方公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約20分
計測できていないCVをどう拾うか

申し込みの経路が、Web上のフォームだけではないからです。
電話、来店、営業経由、紹介。
これらは同じ成果でありながら、広告の記録には残りません。

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目次

  1. 計測できていないCVは、どこで生まれるのか
    • 漏れが均等なら、判断は歪まない
  2. 漏れの量は、どうやって見積もるのか
    • 内訳は仮説のままでよい
  3. 全部拾う必要はあるのか
    • 拾わない判断を、どう説明するか
  4. 拾う価値が高いのは、どの漏れか
    • 検討期間が長い事業は、別の設計になる
  5. オフラインで起きる成果を、どこまで結びつけるのか
    • 記録を営業任せにすると、入力率が落ちる
  6. 拾えない分は、どう扱うのか
    • 目標値を、どちらの数字で置くか
  7. 拾い始めたときに、現場で何が起きるのか
    • 入力の負荷を、誰が見積もるのか
  8. 拾い始めるなら、どこからか
  9. よくある質問
  10. まとめ

申し込みの経路が、Web上のフォームだけではないからです。
電話、来店、営業経由、紹介。
これらは同じ成果でありながら、広告の記録には残りません。

計測できていないCVは、どこで生まれるのか

申し込みの経路が、Web上のフォームだけではないからです。
電話、来店、営業経由、紹介。
これらは同じ成果でありながら、広告の記録には残りません。

計測できていないCVは、どこで生まれるのか

広告の管理画面に出ているCVは、広告に触れた人がサイト上で決められた行動をとったときにだけ記録されます。
記録の条件から外れた申し込みは、事業としては成果でも、広告の数字には存在しません。

この差を「精度の問題」として扱うと、話が技術側に流れます。
決裁者にとっては精度の問題ではなく、予算配分の根拠が部分的に欠けているという問題です。

漏れの出どころは、大きく4種類に分かれます。
経路によるもの、記録の設定によるもの、同意によるもの、期間によるものです。

経路による漏れは、申し込みがWeb上で完結しない事業で起きます。
広告を見て電話をかけた人、広告を見てから店舗に来た人、資料請求のあと営業が直接受注した案件は、いずれもフォームを通りません。

記録の設定による漏れは、社内の分業から生まれます。
フォームを新しく作ったのが別部署で、広告側への連携を誰も依頼していなかった、という形で起きます。

この種類の漏れは、キャンペーンのたびに作られる一時的なページで特に多くなります。
期間限定の施策ほど、通常の手順の外側で作られるからです。

同意による漏れは、外部の仕様で決まります。
GA4では2026年6月15日より、広告データ共有の可否は同意モードのad_storageのみで決まるようになりました。

同じ変更で、Googleシグナルはレポート上のディメンション表示の可否だけを制御する位置づけになっています。
同意モードを実装していない場合、ad_storageは許可を既定として扱われます。

この仕様は、同意の設計が広告の数字を直接決めることを意味します。
同意の取り方を法務と情報システムだけで決めていると、決めた翌月に広告のCV数が動きます。

期間による漏れは、検討が長い事業で起きます。
最初の接触から申し込みまで数か月かかる商材では、記録の有効期間を超えた時点で広告との紐づけが切れます。

この4種類のうち、自社でどれが効いているかは業種と販路でまったく違います。
先に種類を特定しないまま計測の改修に入ると、費用の大半が自社に関係のない漏れの対策に消えます。

漏れが均等なら、判断は歪まない

漏れがあること自体は、必ずしも問題になりません。
問題になるのは、漏れの割合が媒体や施策によって違うときです。

すべての媒体で同じ割合だけCVが落ちていれば、媒体間のCPAの順位は変わりません。
順位が変わらなければ、配分の判断も変わらないため、拾わなくても意思決定は誤りません。

一方で、電話での申し込みが多い媒体と、フォームでの申し込みが多い媒体が混在していると、順位が入れ替わります。
このとき拾わずに判断すると、実際には効いている媒体を止める側に動きます。

だから最初に確かめるのは、漏れの総量ではなく偏りの有無です。
偏りがないと分かれば、計測の改修にかける費用をそのまま別の用途に回せます。

確かめる役割はマーケティング責任者が持ち、経路の内訳は営業責任者と店舗の責任者から取ります。
この3者が同じ場で数えない限り、経路の一覧は埋まりません。

漏れの種類と、その原因

種類どこで起きるか主な原因自社で調べる相手
経路電話・来店・営業経由の申し込みWeb上で完結しない営業・店舗の責任者
設定新設フォーム・一時ページ連携の依頼が抜けている情報システム・制作会社
同意同意を拒否した訪問者外部の仕様と自社の同意設計法務・情報システム
期間検討が長い商材記録の有効期間を超えるマーケティング責任者

漏れは4種類あり、自社でどれが効いているかは業種と販路で決まります。総量より先に、媒体ごとの偏りがあるかを確かめてください。

漏れの量は、どうやって見積もるのか

自社の申し込み総数を基準に置き、記録されている数との差を出します。
差の内訳が分からなくても、量だけは先に把握できます。

漏れの量は、どうやって見積もるのか

量を見積もる出発点は、媒体の管理画面ではありません。
自社が同じ期間に受け付けた申し込みの総数です。

この総数は、たいていどこかに存在します。
受注管理の記録、問い合わせ台帳、店舗の受付簿、電話の着信記録のいずれかです。

総数と、広告側に計上されたCV数を同じ期間で並べると、差が出ます。
その差が漏れの上限で、ここには広告経由でない申し込みも含まれています。

上限が分かるだけでも、判断は進みます。
差が総数の1割に満たないなら、計測の改修に大きな費用を投じる理由はありません。

数字は説明のための仮の値です。
自社の申し込み総数が月400件、広告側に記録されたCVが250件なら、差は150件になります。

この150件のうち、どれだけが広告経由かは分かりません。
ただし紹介や既存顧客からの再注文の件数は社内で分かるため、そこを引けば広告経由の可能性がある範囲まで絞れます。

紹介と再注文が70件だとすれば、残り80件が広告経由かもしれない範囲です。
250件に対して80件なら、記録されているCVは実態の8割弱という見立てになります。

この見立ての精度は高くありませんが、判断には足ります。
2割前後の漏れがあると分かれば、媒体間の比較にどれだけの幅を見込むべきかが決まります。

期間は、最低でも3か月を通してください。
単月で出すと、その月にたまたま多かった経路の影響が見立て全体に乗ります。

この作業を情報システムに依頼する必要はありません。
既にある台帳を並べる作業なので、マーケティング部門の担当者が1週間で終えられます。

見積もりを出す時期は、期初の予算を組む前です。
予算が決まった後に漏れの量が出てくると、配分の根拠を組み直すことになります。

内訳は仮説のままでよい

差の内訳を厳密に出そうとすると、そこで作業が止まります。
経路ごとの件数を正確に出すには記録の仕組みが要り、その仕組みを作るために量を知りたかったはずです。

順序を逆にしてください。
量を粗く出し、内訳は営業と店舗への聞き取りで仮説として置きます。

聞き取りの質問は1つで足ります。
直近1か月で受けた申し込みのうち、Webのフォームを通らずに来たものはどのくらいの割合かという問いです。

現場の感覚値は、実測と2割程度ずれます。
それでも、経路が全体の半分を占めるのか1割なのかという桁の判断には使えます。

仮説として置いた内訳は、文書に仮であることを明記して残します。
明記していない仮説は、半年後には確定値として扱われます。

漏れの量は、自社の申し込み総数と記録されたCV数の差で出します。内訳は聞き取りの仮説で構いません。

全部拾う必要はあるのか

必要ありません。
判断が変わる分だけ拾えば足ります。

全部拾う必要はあるのか

計測の改修は、拾えば拾うほど良いという性質のものではありません。
拾うたびに、記録の手間と維持の負担が現場に乗るからです。

判断の基準は1つです。
その漏れを拾ったとき、予算の配分か施策の継続の判断が変わるかどうかです。

変わらないなら、拾う理由はありません。
数字が実態に近づくこと自体には、事業上の価値がないからです。

この基準を置かないと、計測の改修は際限なく広がります。
どの漏れにも「拾えていない」という事実があり、拾わない理由を数字で示せないからです。

判断が変わるのは、主に3つの場面です。
媒体間の順位が入れ替わるとき、施策の停止基準を跨ぐとき、そして受注単価の高い案件が特定の経路に集中しているときです。

3つ目は見落とされやすい場面です。
件数として小さくても、そこに高単価の受注が集まっていれば、金額で見た順位は大きく動きます。

だから量の判断は、件数と金額の両方で行います。
件数で1割の漏れが、金額では4割になることがあります。

金額で見る方法は単純です。
漏れている経路から入った案件の平均受注単価を営業に出してもらい、推定件数に掛けます。

数字は説明のための仮の値です。
電話経由の申し込みが月40件で、その平均受注単価がフォーム経由の3倍なら、金額で見た寄与は件数の見た目の3倍になります。

この計算をすると、拾う順番が自然に決まります。
金額の大きい経路から順に、拾う費用と見合うかを検討する形です。

拾わないと決めた漏れは、決めたこと自体を記録に残してください。
記録がないと、担当者が交代するたびに同じ議論が起きます。

拾わない判断を、どう説明するか

経営に対して「拾っていない」とだけ伝えると、管理が甘いという受け取られ方をします。
伝えるべきは、拾わないことで判断がどう変わるかです。

説明の形は決まっています。
漏れの推定量、その漏れが媒体間で偏っているかどうか、偏っていない場合に配分の判断が変わらない理由の3点です。

この3点を1枚にしておけば、外部の監査や親会社の点検で問われたときにも同じ資料が使えます。
毎回作り直す資料は、作られなくなります。

拾わない判断には期限を置いてください。
半年ごとに、経路の構成が変わっていないかだけを確認する形で足ります。

経路の構成が変わる典型は、店舗の新設と、電話番号を出した広告の増加です。
どちらも営業側の施策なので、マーケティング部門には自動的には伝わりません。

拾うかどうかは、判断が変わるかで決めます。件数だけでなく金額で見て、拾わない判断は理由ごと記録に残してください

拾う価値が高いのは、どの漏れか

費用が小さく、量が多いものからです。
記録の設定が抜けているだけの漏れは、最も費用対効果が高くなります。

拾う価値が高いのは、どの漏れか

漏れの種類によって、拾うためにかかる費用はまったく違います。
同じ100件の漏れでも、設定の追加で済むものと、営業の入力運用を作り直す必要があるものがあります。

最初に潰すのは、記録の設定が抜けているだけの漏れです。
既にWeb上で完結している申し込みなので、現場に新しい作業が発生しません。

この種類の漏れは、フォームの一覧を作れば見つかります。
サイト内のフォームを全部並べ、どれが広告側に連携されているかを突き合わせる作業です。

作業量は、フォームが20個ある規模で1日程度です。
情報システムか制作会社に依頼する場合も、見積もりは数万円の範囲に収まります。

次に見るのが、電話での申し込みです。
ここは業種によって価値が大きく変わります。

来店や訪問が前提の事業、高額で相談が必要な事業では、電話が主要な経路になります。
一方で、Web上で完結する低単価の商材では、電話の件数自体が小さく、拾う価値も小さくなります。

電話を拾う方法には幅があり、費用も幅があります。
着信件数を経路別に数えるだけなら安く済み、個々の着信を広告に紐づけようとすると仕組みの費用が一段上がります。

決裁の順序としては、まず件数を数えるところまでで止めてください。
件数が分かれば、それ以上の投資が必要かどうかの判断ができます。

営業経由の受注は、3番目に来ます。
ここを拾うには、受注の記録に「最初のきっかけ」を1項目足す必要があり、入力する人は営業です。

入力の追加は、マーケティング部門の裁量では決められません。
営業責任者が自部門の運用として決める必要があるため、依頼ではなく合意の形にしてください。

同意による漏れは、拾えません。
拾えないものに費用をかけないという線引きを、最初に引いておいてください。

漏れの種類ごとの費用と効果

漏れの種類拾うためにかかること現場の負担着手の優先度
記録の設定フォームの棚卸しと連携の追加ほぼ発生しない最初に潰す
電話着信の経路別の集計受付の記録が増える業種で判断する
営業経由の受注受注記録に項目を1つ足す営業の入力が増える営業責任者と合意してから
検討期間の超過接触の記録を長期で保持する仕組みの費用が大きい量を確かめてから
同意による拒否拾えない該当なし着手しない

検討期間が長い事業は、別の設計になる

検討に数か月かかる事業では、記録の有効期間を延ばすという発想では解決しません。
延ばすほど、無関係な接触まで成果に紐づくようになるからです。

この場合に採るのは、個々の紐づけをあきらめて、期間をまとめて見る方法です。
四半期単位で、広告の投下量と申し込み総数の関係を見る形になります。

粒度は粗くなりますが、判断には使えます。
広告を増やした四半期に申し込み総数が増えているかどうかは、この粒度でも分かります。

この切り替えを決めるのは、マーケティング責任者と経営です。
個別のCVを追う設計をやめるという判断なので、現場の裁量では決められません。

切り替えた後は、媒体ごとのCPAを主指標から外してください。
外さないまま粗い集計を併用すると、どちらの数字で判断しているのかが会議ごとに変わります。

設定の抜けは最初に潰し、電話は件数を数えるところまでで一度止めます。営業経由の入力追加は営業責任者との合意が前提です。

オフラインで起きる成果を、どこまで結びつけるのか

個人単位で結びつける必要はありません。
経路別の集計で足りる場面が大半です。

オフラインで起きる成果を、どこまで結びつけるのか

オフラインの成果を広告に結びつけると聞くと、個人を特定して紐づける話に聞こえます。
実際には、そこまでの粒度が必要な場面は限られています。

粒度は3段階で考えられます。
経路別に集計する段階、キャンペーン別に紐づける段階、個人単位で紐づける段階です。

経路別の集計は、受注の記録に「最初のきっかけ」を1項目足すだけで実現します。
Webの広告、検索、紹介、展示会、飛び込みといった選択肢から選ぶ形です。

この段階で答えられるのは、広告経由の受注が全体の何割かという問いです。
予算を広告に割くかどうかという、最も金額の大きい判断はここで足ります。

キャンペーン別の紐づけは、どの施策から来た人が受注したかを見る段階です。
ここまで来ると、施策ごとの継続と停止の判断に使えます。

実現には、申し込み時点で取得した情報を受注の記録まで引き継ぐ必要があります。
引き継ぎが人手だと、途中で欠落するため、仕組みの費用が発生します。

個人単位の紐づけが要るのは、個人ごとに何かを出し分ける場合だけです。
既に接触した人を広告の配信対象から外す、あるいは受注済みの人に別の訴求を出すといった用途です。

出し分ける予定がないなら、個人単位の紐づけは投資に見合いません。
取り扱うデータの範囲も広がるため、管理と説明の負担が増えます。

この判断は、法務と情報システムを交えて行ってください。
2026年4月7日に個人情報保護法の改正法案が閣議決定されており、課徴金制度の新設などが含まれています。

施行日は確認できていないため、要件の中身は掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
制度の方向としては、取得したデータをどう使うかの説明責任が重くなる側に動いています。

粒度を上げる判断は、期初に一度だけ行ってください。
期中に段階を上げると、前後で数字の意味が変わり、比較ができなくなります。

記録を営業任せにすると、入力率が落ちる

受注記録に項目を足す方法は費用が小さい一方で、入力されなければ意味がありません。
入力率が7割を切ると、経路別の割合が実態からずれ始めます。

入力率を保つ条件は2つです。
選択肢が10個以内に収まっていることと、入力しないと次の工程に進めない形になっていることです。

選択肢が多いと、迷った営業は「その他」を選びます。
その他が3割を超えた時点で、この記録は判断に使えなくなります。

入力率そのものを月次で見てください。
経路別の割合より先に、入力率が下がっていないかを確認する順序です。

入力率の責任は営業責任者が持ちます。
マーケティング部門が督促する構図にすると、依頼が数か月で形骸化します。

出し分ける予定がなければ、個人単位の紐づけは不要です。受注記録に経路を1項目足し、入力率を月次で見てください。

拾えない分は、どう扱うのか

不明分として一定の割合があることを前提に、指標の見方を変えます。
絶対値ではなく、割合と傾向で判断します。

拾えない分は、どう扱うのか

どれだけ整えても、拾えない分は残ります。
同意を拒否した訪問者、複数の端末をまたいだ接触、記録の有効期間を超えた検討がそれに当たります。

拾えない分を隠すと、数字全体が信用されなくなります。
広告側のCV数と自社の申し込み総数が合わないことに誰かが気づいた時点で、報告の前提が疑われるからです。

扱い方は単純です。
不明分を1つの数字として持ち、報告の資料に毎回載せます。

不明分の割合が安定しているうちは、原因を調べる必要はありません。
安定した不明分は、比較の邪魔をしないからです。

数字は説明のための仮の値です。
不明分が総申し込みの2割で、その割合が4か月続いているなら、媒体間の比較はそのまま成立します。

調べるのは、割合が動いたときだけです。
2割だった不明分が翌月に35%になったなら、記録の仕組みか外部の仕様のどちらかが変わっています。

この「動いたときだけ調べる」という運用にしておくと、会議の時間が節約できます。
毎月不明分の中身を議論しても、結論は毎回同じになるからです。

不明分を按分して各媒体に割り振る方法もありますが、按分の根拠を先に決めてください。
記録されたCVの比率で按分するのが最も単純で、根拠も説明しやすい形です。

按分した数字は、按分したと分かる形で残します。
按分値と実測値を同じ列に並べると、翌期には区別がつかなくなります。

経営への報告では、不明分を含む総数と、広告に紐づいた数の両方を出してください。
片方だけを出すと、経営側が別の資料で見ている総数と食い違い、説明に時間を取られます。

目標値を、どちらの数字で置くか

不明分を持つと決めた後に必ず出るのが、目標値をどちらで置くかという問いです。
広告に紐づいた数で置くのか、自社の申し込み総数で置くのかという選択です。

原則は、自社の申し込み総数で置くことです。
事業が追っているのは総数であり、広告に紐づいた数は内訳にすぎません。

ただし、マーケティング部門の評価を総数で行うと、他部門の施策の影響を受けます。
展示会や営業の活動が増えれば総数は増え、広告の良し悪しとは関係なく数字が動きます。

そのため、目標は総数で置き、部門の評価は紐づいた数と不明分の割合の両方で見る形にしてください。
この2段構えを期初に決めておかないと、期末の評価で毎回もめます。

決める場は、マーケティング責任者と営業責任者、そして予算を承認する立場の3者です。
不明分の扱いは評価の話でもあるため、この3者が揃っていないと決まりません。

不明分は隠さず数字として持ち、割合が動いたときだけ調べます。目標は自社の申し込み総数で置き、評価は紐づいた数と不明分の割合で見てください。

拾い始めたときに、現場で何が起きるのか

記録されるCVが増え、CPAが下がって見えます。
前後の比較ができなくなるため、切り替えの時期と告知が要ります。

拾い始めたときに、現場で何が起きるのか

漏れを拾い始めた月は、CV数が跳ね上がります。
広告の成果が改善したわけではなく、これまで数えていなかったものを数え始めただけです。

この変化を事前に共有していないと、2つのことが起きます。
1つは、改善したと誤解した経営が翌期の目標を引き上げることです。

もう1つは、逆の誤解です。
CPAが下がったことを不自然に感じた人が、数字そのものを疑い始めます。

どちらも、切り替えの前に一度説明していれば起きません。
説明すべきは、何を数え始めるのか、それによりCV数が何割増える見込みか、いつから切り替えるかの3点です。

見込みの割合は、前の章で出した漏れの推定量から出せます。
推定が2割なら、CV数は2割前後増え、CPAは同じだけ下がる計算になります。

切り替えの時期は、期の区切りに合わせてください。
期中に切り替えると、その期の目標に対する達成率が途中から別の物差しになります。

期初に間に合わない場合は、四半期の区切りを使います。
月の途中での切り替えだけは避けてください。

切り替えた後の3か月は、旧の定義でも並行して集計してください。
前年同月との比較を行う場面が、四半期の報告で必ず出るからです。

並行の集計は、切り替えから1年で止めます。
それ以上続けると、どちらが正の数字なのかが社内で分からなくなります。

目標値も、同じ時期に置き直します。
CV数の目標を据え置いたまま定義を広げると、達成が自動的に容易になります。

入力の負荷を、誰が見積もるのか

営業や店舗に入力を依頼する場合、負荷の見積もりは依頼する側が出してください。
現場に「どのくらい手間ですか」と聞くと、答えは必ず「手間です」になります。

見積もりの出し方は、1件あたりの秒数と月間の件数を掛けるだけです。
1件15秒で月200件なら、月50分という数字になります。

この数字を出してから依頼すると、議論が具体的になります。
月50分のために何が得られるのかという比較ができるからです。

見積もりを出さずに依頼すると、入力の要否そのものが論点になります。
論点が「やるかやらないか」になった時点で、合意までの期間が数か月単位で延びます。

負荷の見積もりと合意の記録は、マーケティング責任者が残してください。
残っていないと、担当者の交代後に入力が静かに止まります。

拾い始めるとCV数が増えてCPAが下がります。期の区切りで切り替え、旧定義の集計を1年だけ並行させ、目標値も同時に置き直してください

拾い始めるなら、どこからか

漏れの総量を出すことからです。
総量が小さければ、着手しない判断も成立します。

拾い始めるなら、どこからか

計測の改修は、仕組みを選ぶところから始めたくなる作業です。
その順序で進めると、自社に不要な機能まで含んだ見積もりが出てきます。

先にやるのは、量を出すことです。
自社の申し込み総数と広告側のCV数を並べ、差を把握します。

次に、その差が媒体ごとに偏っているかを確かめます。
偏っていなければ、そこで着手しない判断が成立します。

偏っていた場合だけ、経路の一覧を作る作業に進みます。
一覧は、営業と店舗の責任者への聞き取りで1週間あれば埋まります。

経路が特定できたら、拾う費用と、拾ったときに変わる判断を並べます。
ここで初めて、仕組みの検討に入る条件が揃います。

埋めていく順番

順番やること関わる人期間の目安
1申し込み総数と記録されたCV数を3か月分並べるマーケティング1週間
2媒体ごとに漏れの割合が偏っているかを見るマーケティング1週間
3偏りがあれば経路の一覧を作るマーケ・営業・店舗1週間
4経路ごとに拾う費用と変わる判断を並べるマーケ・情報システム2週間
5着手する範囲と着手しない範囲を決めて記録する3者1週間
6切り替えの時期を決めて社内に告知するマーケティング1週間

この6工程で、着手の判断までに6週間ほどかかります。
期初に間に合わせるには、前の期の第3四半期のうちに1と2を終えておく必要があります。

数字は説明のための仮の値です。
申し込み総数が月400件、記録されたCVが250件、紹介と再注文が70件なら、広告経由の可能性がある漏れは80件という見立てになります。

この80件が特定の媒体に集中していれば着手し、全媒体に散っていれば着手しない、という分岐になります。
分岐の条件を先に決めておくと、数字が出た後の議論が短くなります。

着手した後は、量の変化を毎月見てください。
一度整えた記録は、フォームの追加やサイトの改修で静かに壊れます。

漏れの量を測る数字

数字見る頻度見るときの観点
申し込み総数とCV数の差毎月差の割合が前月から動いていないか
媒体別の漏れの割合四半期媒体間で偏りが出ていないか
受注記録の入力率毎月7割を下回っていないか
不明分の割合毎月安定しているか、急に動いたか
経路の構成半年店舗の新設や電話誘導の増加で変わっていないか

毎月見るのは、差の割合と入力率の2つだけにしてください。
残りは四半期か半年で足り、毎月見ても打ち手が変わりません。

見る場は、既存の月次のマーケティング会議に1枠を足す形で足ります。
専用の会議を作ると、3か月で開かれなくなります。

着手点は仕組みの選定ではなく、総量の把握と偏りの確認です。偏りがなければ着手しない判断も同じ重さで成立します。

計測できていないCVがどのくらいあるか分からない場合は、無料相談で現状の数字を整理するところから始められます。
計測の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

計測漏れはどのくらいあるものですか

業種と申し込み経路によって大きく変わるため、一般的な水準は言えません。自社の申し込み総数と広告側に記録されたCV数を同じ期間で比べ、差の割合を出すところから始めてください。3か月分を並べると、単月の偏りに引きずられずに見立てが立ちます。

漏れは全部拾うべきですか

必要ありません。漏れが全媒体に均等に発生しているなら媒体間の順位は変わらず、配分の判断を誤りません。漏れが媒体ごとに偏っている場合や、高単価の受注が漏れに集中している場合だけ拾う価値があります。拾わないと決めた場合は、その理由も記録に残してください。

どの漏れから手をつければいいですか

記録の設定が抜けているだけの漏れは、現場に新しい作業が発生しないため最初に潰します。次に、電話や来店での申し込みが多い業種ではその件数を数えるところまで進めてください。同意を拒否した分は拾えないため、費用をかけない線引きを先に引いておきます。

オフラインの成果は個人単位で結びつける必要がありますか

個人に対して何かを出し分ける予定がなければ不要です。受注の記録に初回のきっかけを1項目追加して経路別に集計すれば、予算を広告に割くかどうかという最も金額の大きい判断には足ります。粒度を上げるほど、扱うデータの範囲と説明の負担が増えます。

拾えない分はどう扱えばいいですか

不明分の割合を毎月記録し、絶対値ではなく割合と傾向で判断してください。割合が安定しているうちは原因を調べる必要はなく、急に動いたときだけ記録の仕組みか外部の仕様の変化を疑います。経営への報告では、不明分を含む総数と広告に紐づいた数の両方を出してください。

Webマーケティング支援

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まとめて任せる。

戦略設計、Meta・Google・TikTok等の広告運用、クリエイティブ制作、LP改善、レポート自動化、AI導入までを一気通貫で支援します。

  • 無料マーケ診断は毎月10社限定
  • オンライン30〜45
  • 事前資料の準備は不要

お見積りまでの4段階で費用は発生しません。媒体費(広告費)とサービス費用は別勘定です。

まずは無料で相談する>>>

まとめ

  • 申し込みの経路が、Web上のフォームだけではないからです。電話、来店、営業経由、紹介。これらは同じ成果でありながら、広告の記録には残りません
  • 自社の申し込み総数を基準に置き、記録されている数との差を出します。差の内訳が分からなくても、量だけは先に把握できます
  • 必要ありません。判断が変わる分だけ拾えば足ります
  • 費用が小さく、量が多いものからです。記録の設定が抜けているだけの漏れは、最も費用対効果が高くなります
  • 個人単位で結びつける必要はありません。経路別の集計で足りる場面が大半です
  • 不明分として一定の割合があることを前提に、指標の見方を変えます。絶対値ではなく、割合と傾向で判断します
  • 記録されるCVが増え、CPAが下がって見えます。前後の比較ができなくなるため、切り替えの時期と告知が要ります
  • 漏れの総量を出すことからです。総量が小さければ、着手しない判断も成立します