
候補に入った後の、確認の段階です。
認知を作る力は弱い一方で、候補から外れるかどうかの判断にはほぼ必ず使われます。
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目次
目次
- 口コミが事業の数字に出るのは、どの段階か
- 生成AIが参照する材料にもなっている
- 評判はどこで形成され、どこで参照されるのか
- 参照される場所の一覧を年に一度更新する
- 良い評判より、悪い評判のほうが効くのはなぜか
- 件数で埋める方法が効かない理由
- 評判を作れる場面は、どこにあるのか
- 解約の扱いが、後の評判を決める
- 評判を依頼してよい範囲と、やってはいけないことは何か
- 社内での基準を文書にして共有する
- 悪い評判が出たときに、何をどこまでやるのか
- 一件ごとに反応しない仕組みを作る
- 評判が事業の効率に効いていることを、どう示すのか
- 記録の仕組みを先に作る
- 評判の管理を、どこから始めるのか
- よくある質問
- まとめ
候補に入った後の、確認の段階です。
認知を作る力は弱い一方で、候補から外れるかどうかの判断にはほぼ必ず使われます。
口コミが事業の数字に出るのは、どの段階か
候補に入った後の、確認の段階です。
認知を作る力は弱い一方で、候補から外れるかどうかの判断にはほぼ必ず使われます。
口コミへの投資の議論では、それがどの段階に効くのかが曖昧なまま進むことがあります。
効く場所を特定すると、投資の優先順位が変わります。
まず押さえるのは、評判が認知を作らないことです。
評判は、名前を知った後で参照されます。
名前を知られていない段階で評判を集めても、見る人がいません。
認知への投資と評判への投資には、順番があります。
順番を逆にすると、集めた評判が使われないまま数年が過ぎます。
その間の費用は、成果として説明できません。
効き始めるのは、候補を絞る段階です。
複数の候補を比べるとき、評判は選ぶ理由よりも外す理由に使われます。
良い評判が多いから選ばれるより、悪い評判があるから外されるほうが起きやすくなります。
この非対称が、投資の設計を決めます。
段階ごとに整理すると、優先度がはっきりします。
名前を知る段階ではほとんど効かず、投資の優先度は低くなります。
関心を持つ段階では補助的に効き、優先度は中くらいです。
候補を絞る段階では外す判断に強く効き、優先度は高くなります。
比較する段階では条件の確認に使われ、ここも優先度が高くなります。
契約する段階では最後の後押しになり、優先度は中くらいです。
継続する段階は、次の口コミの源になります。
ここは優先度が高く、投資の効率も最も良い場所になります。
この並びを見ると、投資の順番が決まります。
候補を絞る段階と、継続する段階の二つに寄せる形です。
前者は悪い内容への対処、後者は既存顧客への対応の質になります。
どちらもマーケティングの出稿ではなく、対応の体制に関わる投資です。
生成AIが参照する材料にもなっている
PLAN-Bマーケティングパートナーズが2025年2月から4月にGA4を対象に実施した調査では、83.0%のサイトで生成AI経由のセッションが増加していました。
総流入に占める割合は1%未満ですが、AI経由のCVRが他のチャネルより高かったサイトが35.1%あったと報告されています。
Criteoが2026年2月に米国の小売500社を対象に行った調査では、LLM経由のCVRが他のリファラルの約1.5倍でした。
人が読む場所としてだけでなく、要約の材料としても評判が参照される構造になりつつあります。
この変化は、評判の管理の範囲を広げます。
人が読む場所を整えるだけでなく、要約の元になる情報の状態も対象になります。
ただし、この経路への投資は量としてはまだ小さい段階です。
総流入の1%未満という規模を踏まえて、優先順位を決めます。
いま行うべきなのは、専用の投資ではなく状態の確認です。
自社について書かれている内容が事実と合っているかを、半年に一度見ます。
評判が効くのは候補を絞る段階からです。認知が先で評判が後という順番を逆にすると、集めた評判が使われません。
評判はどこで形成され、どこで参照されるのか
形成される場所と参照される場所は一致しません。
形成は実際の取引の中で起き、参照は検索や人づてで行われます。
評判の管理を、掲載されている場所の管理と同じものとして扱う形があります。
形成の場所を押さえないと、参照の場所だけを整えても内容は変わりません。
形成されるのは、取引の中です。
評判の中身を決めるのは、実際の対応です。
問い合わせへの返答の速さ、契約の説明の丁寧さ、問題が起きたときの対処。
ここで起きたことが、後から言葉になります。
つまり、評判を変える作業はマーケティング部門の外で起きます。
営業、納品の担当、支援の担当が実際に行っていることが内容を決めます。
参照される場所は、業種で違います。
検索の結果、業界の名簿、専門の媒体、同業者どうしの会話。
どこが参照されているかは、業種と対象の規模で変わります。
既存の顧客に、どこで確認したかを聞くのが最も確実です。
評判が形成される場と、参照される場
| 場 | 形成か参照か | 管理できる範囲 |
|---|---|---|
| 問い合わせへの対応 | 形成 | 完全に管理できる |
| 契約と納品の過程 | 形成 | 完全に管理できる |
| 問題が起きたときの対処 | 形成 | 完全に管理できる |
| 検索の結果 | 参照 | 一部のみ |
| 業界の名簿や媒体 | 参照 | 掲載内容のみ |
| 同業者どうしの会話 | 参照 | 管理できない |
| 生成AIの要約 | 参照 | 元になる情報のみ |
この表で分かるのは、管理できる場所が全部形成の側にあることです。
参照の側は、一部しか管理できません。
管理できない場所のほうが、影響は大きくなります。
同業者どうしの会話は、最も信用される一方で、こちらからは見えません。
ここに流れる内容を変えるには、取引の中身を変えるしかありません。
掲載されている内容をいくら整えても、この会話は変わりません。
参照される場所の一覧を年に一度更新する
自社が参照されている場所を、年に一度洗い出します。
新しい場所が増えていることに気づかないまま、古い場所だけを見ていることがあります。
洗い出しの方法は、既存の顧客への聞き取りです。
検討の過程でどこを見たかを、受注の直後に聞きます。
受注の直後に聞くのは、記憶が残っているうちに聞くためです。
半年後に聞くと、見た場所を思い出せません。
聞き取りの記録は、営業の案件の記録に残します。
別の場所に残すと、集計のたびに突き合わせが必要になります。
聞くのは、どこを見たかと、そこで何を確認したかの二つです。
確認した内容まで聞くと、参照の場所ごとに何が読まれているかが分かります。
読まれている内容が分かれば、どの場所を優先して整えるかも決まります。
場所の数だけを把握しても、優先順位はつきません。
形成は取引の中、参照は外です。管理できる場所はすべて形成の側にあり、参照の側は一部しか管理できません。
良い評判より、悪い評判のほうが効くのはなぜか
判断の場面が違うからです。
良い評判は候補の一つに残す理由にしかなりませんが、悪い評判は候補から外す理由になります。
評判への投資を、良い評判を増やす方向だけで考えると効率が落ちます。
効き方の違いを先に押さえます。
外す判断は、一つの材料で成立します。
複数の候補を比べるとき、外す判断は早く下されます。
悪い内容が一つあれば、他を確認せずに候補から外せます。
確認を続ける手間を省けるので、外す側の判断は速く進みます。
良い内容は、複数あっても最終的な決め手にはなりにくくなります。
どの候補にも良い内容が並んでいるので、差がつきません。
組織で買う場合は、この非対称がさらに強く出ます。
社内で承認を取る担当者は、指摘されそうな点を先に確認します。
悪い評判があると、その説明を用意する負担が発生します。
負担を避けて、別の候補が選ばれます。
効き方の差を、項目ごとに見ておきます。
必要な件数では、良い評判は多くないと効かず、悪い評判は一件で効きます。
効く段階では、良い評判は最後の後押しで、悪い評判は候補から外す判断です。
伝わる速さでは、良い評判は遅く、悪い評判は速く伝わります。
残る期間も違います。
良い評判は数か月で流れ、悪い評判は数年残ります。
打ち消す方法も異なります。
良い評判は件数を増やすことで効き、悪い評判は事実の訂正か対処の記録でしか消えません。
件数で埋める方法が効かない理由
悪い内容を、良い内容の件数で埋める方法は効率が悪くなります。
探している人は、悪い内容を意図的に探しているためです。
件数が増えても、悪い内容が消えるわけではありません。
検索の結果の順位が下がっても、一つ下にあるだけです。
指摘されている内容そのものへの対処と、その記録のほうが効きます。
記録があれば、悪い内容を見た人が同じ場所でその後の対処も見られます。
過去の悪い評判は、長く残る前提で扱います。
数年前の内容が検索の結果に残り続けることがあります。
対処を済ませていても、その記録がなければ現在の状態が伝わりません。
対処したという記録を、指摘と同じ場所か、参照されやすい場所に残します。
記録に書くのは、何を変えたかと、いつ変えたかです。
謝罪だけを書いても、状態が変わったことは伝わりません。
この記録は、商談の場でも使えます。
指摘を見て確認してきた相手に、そのまま示せる材料になります。
悪い評判は一件で効き、数年残ります。件数で埋めるのではなく、指摘への対処と、その記録で扱ってください。
評判を作れる場面は、どこにあるのか
問題が起きた後の対処です。
順調に進んだ取引よりも、問題が起きて適切に対処された取引のほうが、語られる内容になります。
評判の材料になる場面は限られています。
どこで生まれるかを把握すると、投資する場所が決まります。
順調な取引は、語られにくい性質があります。
想定どおりに進んだ取引は、話題になりません。
満足していても、わざわざ他人に伝える動機が生まれません。
期待どおりだったという体験は、言葉にする理由を持ちません。
最も語られるのは、問題が起きたときの対応です。
問題が起きたときの対応は、記憶に残ります。
対処が良ければ良い評判になり、悪ければ悪い評判になります。
同じ場面が、両方向に振れます。
接点ごとに、語られやすさと対処の余地を見ておきます。
問い合わせへの初回の返答は語られやすさが中くらいで、返答の速さと内容に余地があります。
契約前の説明も中くらいで、説明の丁寧さに余地があります。
納品や導入の過程は語られやすさが高く、期限と品質の管理に余地があります。
問題が起きたときの対処は最も語られやすく、対応の速さと責任の取り方に余地があります。
契約の更新や解約も語られやすさが高く、手続きの扱い方に余地があります。
担当者の交代は中くらいで、引き継ぎの質に余地があります。
どの接点も、マーケティング部門の外で起きています。
そのため、評判を改善する計画は部門をまたいで立てます。
マーケティング部門が単独で立てた計画は、実行の段階で止まります。
立てる場は、営業責任者と支援の担当の責任者が入る会議にします。
入らない部門の接点は、計画に書いても動きません。
解約の扱いが、後の評判を決める
解約する相手への対応が悪いと、そこから悪い評判が生まれます。
続く見込みのない相手への対応を軽くすると、業界内での評判に影響します。
解約した相手は、その後も同じ業界にいます。
転職して別の会社で決裁者になることもあります。
そのため、解約の手続きの扱いは、契約のときと同じ水準にします。
手続きの期間、返金の条件、データの引き渡しを、事前に決めておきます。
評判を作る投資は、対応の体制に向けます。
広告ではなく、対応の速さと担当者の人数に投資するほうが、評判の面では効きます。
この費用は、通常は販売費として扱われていません。
そのため、評判への投資として稟議を立てる場合は、部門をまたいだ説明が必要になります。
説明の相手は、対応の体制を持つ部門の責任者と、予算を承認する立場です。
マーケティング部門の予算から出す形にすると、他部門の人員の話になって進みません。
進める形は、評判の状態の数字を出して、対応の体制の課題として提起することです。
提起の場は、部門をまたいだ会議に置きます。
語られるのは問題が起きた後の対処と、解約の扱いです。評判への投資は広告ではなく、対応の体制に向けてください。
評判を依頼してよい範囲と、やってはいけないことは何か
顧客に感想を書いてもらう依頼は可能ですが、内容の指定と関係の秘匿はできません。
掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
評判を増やす活動には、明確に許されない範囲があります。
ここを曖昧にしたまま進めると、後から大きな損失になります。
依頼すること自体は、問題になりません。
取引のあった相手に、感想を書いてもらうよう依頼することは通常行われています。
問題になるのは、内容を指定することと、関係があることを隠すことです。
この二つは、第三者の意見という前提を壊します。
対価を渡す場合は、その関係を明示する必要があります。
明示せずに第三者の意見として出すと、問題になります。
具体的な基準は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
制度は改正されることがあるため、社内の資料に基準を書き写して運用しないほうが安全です。
依頼のやり方と、その可否
| やり方 | 可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 取引先に感想を依頼する | できる | 内容を指定しなければ問題にならない |
| 書く内容を指定する | できない | 第三者の意見ではなくなる |
| 対価を渡して関係を明示する | できる | 関係が分かる形なら成立する |
| 対価を渡して関係を隠す | できない | 第三者の意見に見せかけることになる |
| 社員が第三者として書く | できない | 関係を隠すことになる |
| 悪い内容の削除を依頼する | 場合による | 事実と異なる場合に限られる |
この線引きは、現場では判断が分かれます。
内容の指定にあたるかどうかが、実務では曖昧になりやすいためです。
たとえば、どの点について書いてほしいかを伝える行為は、指定にあたる可能性があります。
迷う場合は、依頼の文面を一つに統一し、その文面を法務に確認しておきます。
外部に依頼する場合は、方法を契約の前に確認します。
評判を増やす作業を外部に任せると、やり方が見えなくなります。
方法を確認せずに件数だけを成果として契約すると、やってはいけない方法が使われることがあります。
使われた場合の責任は、依頼した側に及びます。
社内での基準を文書にして共有する
現場の判断に任せると、基準がばらつきます。
依頼してよい範囲を文書にして、営業と担当者に共有します。
文書に書くのは、できることとできないことの一覧と、依頼の文面です。
文面を決めておけば、個別の判断が要りません。
共有の範囲は、顧客と直接やり取りする全員です。
営業だけに共有すると、支援の担当が独自に依頼を始めます。
見直しの時期も決めておきます。
制度が改正された場合に備えて、年に一度は内容を確認します。
確認するのは法務か、外部の助言を受けられる立場です。
マーケティング部門の判断で運用を続けると、改正に気づかないまま進みます。
依頼はできますが、内容の指定と関係の秘匿はできません。依頼の文面を一つに決め、顧客と接する全員に共有してください。
悪い評判が出たときに、何をどこまでやるのか
事実かどうかで対応を分けます。
事実に基づく指摘は対処と記録で、事実と異なる内容は訂正の申し入れで扱います。
悪い評判への対応は、速さよりも判断の順序が結果を決めます。
急いで反応すると、後から訂正することになります。
最初に行うのは、事実確認です。
指摘された内容が実際に起きたことかを確認します。
確認の前に反応すると、事実だった場合に立場が悪くなります。
社内で否定した内容が事実だと分かると、二重の問題になります。
事実である場合は、対処と記録で扱います。
指摘された問題を解消し、何を変えたかを記録に残します。
この記録が、同じ指摘を見た人への説明になります。
削除を求めても、内容が事実であれば通りません。
対応の段階は、期間の目安とともに決めておきます。
事実かどうかの確認は3日以内、対処の内容の決定は1週間以内です。
指摘した相手への直接の連絡も1週間以内、変更した内容の記録は2週間以内に残します。
同種の指摘が出ない仕組みを作るまでを、1か月で見ます。
事実と異なる場合は、掲載されている場所の規定に沿って訂正の申し入れを行います。
対応の手順は掲載先によって異なるため、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
申し入れが通らない場合もあります。
その場合は、こちらの説明を別の場所に残す形で対応します。
残す場所は、自社のサイトのうち検索で見つかりやすい位置にします。
見つからない場所に置いても、参照する人には届きません。
一件ごとに反応しない仕組みを作る
すべての指摘に個別に反応すると、担当者の負担が大きくなります。
負担が大きくなると、対応の質が落ちます。
対応する基準を決め、基準に当たらないものは記録だけ残します。
基準は、事実に基づくか、同種の指摘が繰り返されているか、影響の範囲が広いかの三つで置きます。
記録だけ残したものも、四半期ごとに見返します。
個別には小さくても、同じ内容が並んでいれば事業側の問題を示します。
同種の指摘が続く場合は、個別の対応では止まりません。
取引の過程のどこかに原因があります。
その場合は、対応の担当ではなく、その過程を持つ部門に話が移ります。
移す判断を誰がするかを、手順に書いておきます。
書いておかないと、対応の担当が個別の対処を続けます。
続けている間、同じ指摘は出続けます。
移す基準は、同じ内容の指摘が四半期に3件を超えた場合といった形で置きます。
件数で置くと、判断に個人差が出ません。
3日以内に事実確認を行い、事実なら対処と記録で扱います。同種の指摘が続く場合は、その過程を持つ部門に議題を移してください。
評判が事業の効率に効いていることを、どう示すのか
評判に接触した人と接触していない人で、受注率と商談の期間を比べます。
評判そのものの件数では、投資の判断ができません。
評判への投資を稟議に載せるには、事業の数字とのつながりが要ります。
件数だけでは、いくらの価値があるかに答えられません。
掲載されている件数や、良い内容の割合は、状態を示す数字です。
状態が良くなったことと、事業の数字が良くなったことは別です。
決裁の場では、いくらの価値があるかを問われます。
答えられないと、判断は前年の踏襲になります。
つなぎ方は、商談の中で確認することです。
商談の初期に、どこで会社を知ったか、何を確認したかを聞きます。
この記録を積み上げると、評判を見た相手とそうでない相手の差が出ます。
差が出れば、評判の効き方を金額に換算できます。
比べる対象は、五つあります。
評判を確認した相手の受注率は、外されずに残ったかを示します。
評判を確認した相手の商談の期間は、確認の手間が減ったかを示します。
指摘への対処の後の同種の指摘の件数は、原因が解消したかを示します。
評判の掲載件数と指名での問い合わせの関係は、参照の材料が増えたかを示します。
解約した相手のその後の言及は、解約の扱いが適切だったかを示します。
数字は説明のための仮の値です。
評判を確認したうえで問い合わせた相手の受注率が40%、確認していない相手が25%であれば、その差が評判の効き方の目安になります。
記録の仕組みを先に作る
この比較には、商談ごとの記録が要ります。
記録がないまま評判への投資を始めると、後から効果を示せません。
記録するのは、確認した場所と、確認した内容の二つです。
案件の登録の時点で選ぶ形にすると、後から思い出す必要がなくなります。
聞き取るのは営業なので、記録の仕組みは営業責任者の合意が要ります。
合意を得るには、記録の用途を先に示します。
用途は、評判への投資の判断です。
営業の評価に使うものではないことを、最初に明示します。
集計に使えるようになるまで、3か月から6か月かかります。
評判への投資を来期に予定しているなら、今期のうちに記録を始めます。
記録が溜まるまでの期間は、投資の判断ができません。
その間は、参照されている場所の確認と、悪い内容への対処だけを進めます。
この二つは記録がなくても進められ、しかも効果が大きい作業です。
順番としては、こちらが先に来ます。
件数ではなく、評判を確認した相手とそうでない相手の受注率と商談の期間を比べてください。記録の仕組みが先に要ります。
評判の管理を、どこから始めるのか
参照されている場所の洗い出しと、現在の内容の確認からです。
どこに何が書かれているかを把握していない状態では、投資の優先順位が決まりません。
評判の管理は、掲載を増やす作業より前に、現状の把握から始めます。
把握の前に増やす作業を始めると、悪い内容が残ったまま参照が増えます。
評判の管理体制を作る順序
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 自社が参照されている場所を洗い出す | マーケ・営業 | 2週間 |
| 2 | 各場所の現在の内容を確認して分類する | マーケティング | 2週間 |
| 3 | 事実に基づく指摘への対処の計画を作る | 各部門 | 3週間 |
| 4 | 依頼してよい範囲を文書にして共有する | マーケ・法務 | 2週間 |
| 5 | 商談で参照の有無を記録する仕組みを作る | 営業 | 3週間 |
| 6 | 問題が起きたときの対応の手順を決める | 責任者 | 2週間 |
この工程は、着手から手順の確定までで3か月前後が目安になります。
洗い出しは、自社で探すより既存の顧客に聞くほうが正確です。
社内で想定していない場所が出てくることがあります。
出てきた場所は、一覧に追加して翌年も確認します。
一覧の管理は、マーケティング部門が持ちます。
持ち主を決めないと、洗い出しが一度きりの作業で終わります。
対処の計画は、認知への投資より先に置きます。
悪い内容が残ったまま認知への投資を増やすと、その内容を見る人が増えます。
増えた人のうち一定の割合が、候補から外す判断をします。
つまり、認知の投資の効率が下がります。
この関係は、稟議の場で説明しておきます。
説明しないと、認知への投資と評判の管理が別の議題として扱われます。
評判の状態を表す数字
| 数字 | 見る頻度 | 見るところ |
|---|---|---|
| 参照されている場所の数 | 半年ごと | 新しい場所が増えていないか |
| 事実に基づく指摘の件数 | 毎月 | 同種のものが繰り返されていないか |
| 指摘から対処までの期間 | 毎月 | 体制が機能しているか |
| 商談で評判を確認した相手の比率 | 毎月 | 参照が起きているか |
| 評判を確認した相手の受注率 | 四半期 | 事業の数字に出ているか |
| 解約した相手からの言及 | 四半期 | 解約の扱いが適切か |
件数より、繰り返しを見ます。
同じ内容の指摘が繰り返されているかを見ます。
一件ごとの増減より、繰り返しのほうが事業の問題を示します。
繰り返しがある項目は、対応の担当ではなくその過程を持つ部門に渡します。
対応の期間も、指標に置きます。
指摘から対処までの期間は、管理の体制が機能しているかを示します。
この期間が延びているときは、担当者の負担が限界に近づいています。
負担が限界に近づくと、対応の質が落ち、悪い評判が増えます。
月次の確認は、マーケティング責任者と対応の担当の二者で行います。
四半期の確認には、営業責任者も加えます。
営業責任者を加えるのは、受注率と商談の期間を扱うためです。
これらの数字は営業の記録から出るので、解釈にも営業側の情報が要ります。
着手点は参照されている場所の洗い出しです。悪い内容が残ったまま認知への投資を増やすと、その投資の効率が下がります。
評判の管理をどこから始めるかで判断に迷う場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
集客の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
口コミはどの段階に効きますか
候補に入った後の確認の段階です。名前を知られていない段階では参照する人がいないため、認知への投資が先になります。候補を絞る場面では、選ぶ理由より外す理由として使われます。
良い口コミを増やせば悪い口コミは打ち消せますか
件数で埋める方法は効率が悪くなります。悪い内容は一件で候補から外す理由になり、数年残ります。探している人は意図的に探しているため、順位が下がっても消えません。指摘への対処と、何を変えたかの記録のほうが効きます。
顧客に口コミを依頼してもよいですか
内容を指定せず、対価がある場合は関係を明示するなら依頼できます。内容の指定、関係の秘匿、社員が第三者として書くことはできません。具体的な基準は掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
悪い内容が書かれた場合はどうしますか
まず3日以内に事実かどうかを確認します。事実であれば対処し、何を変えたかを記録に残します。事実と異なる場合は、掲載先の規定に沿って訂正を申し入れます。申し入れが通らない場合は、説明を別の場所に残します。
評判への投資を稟議に載せるには何が要りますか
掲載の件数ではなく、評判を確認した相手とそうでない相手の受注率と商談の期間の差です。この比較には商談ごとの記録が必要で、集計に使えるまで3か月から6か月かかります。記録の仕組みを先に作ってください。
まとめ
- 候補に入った後の、確認の段階です。認知を作る力は弱い一方で、候補から外れるかどうかの判断にはほぼ必ず使われます
- 形成される場所と参照される場所は一致しません。形成は実際の取引の中で起き、参照は検索や人づてで行われます
- 判断の場面が違うからです。良い評判は候補の一つに残す理由にしかなりませんが、悪い評判は候補から外す理由になります
- 問題が起きた後の対処です。順調に進んだ取引よりも、問題が起きて適切に対処された取引のほうが、語られる内容になります
- 顧客に感想を書いてもらう依頼は可能ですが、内容の指定と関係の秘匿はできません。掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください
- 事実かどうかで対応を分けます。事実に基づく指摘は対処と記録で、事実と異なる内容は訂正の申し入れで扱います
- 評判に接触した人と接触していない人で、受注率と商談の期間を比べます。評判そのものの件数では、投資の判断ができません
- 参照されている場所の洗い出しと、現在の内容の確認からです。どこに何が書かれているかを把握していない状態では、投資の優先順位が決まりません