
検証の予算が、既存の施策と同じ財布から出ているからです。
同じ財布では、実績のある施策に勝てる理由がありません。
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目次
目次
- 新しい媒体を試す判断が、なぜ後回しになるのか
- 試さないことにも、費用がかかっている
- 検証の枠は、予算のどこから取るのか
- 工数も、同じ枠で確保する
- 新しい媒体は、いつ試すのか
- 制約を先に確認する
- 1回の検証に、いくらとどれだけの期間をかけるのか
- 結果が読めなかったときの扱い
- 検証の合否は、何で判定するのか
- 不合格も、成果として扱う
- 本採用するときに、何をするのか
- 仕様変更に追随できるかを確認する
- 撤退の基準と記録の残し方は、どうするのか
- 撤退した媒体を、いつ再検討するのか
- 検証の枠づくりは、何から手をつけるのか
- よくある質問
- まとめ
検証の予算が、既存の施策と同じ財布から出ているからです。
同じ財布では、実績のある施策に勝てる理由がありません。
新しい媒体を試す判断が、なぜ後回しになるのか
検証の予算が、既存の施策と同じ財布から出ているからです。
同じ財布では、実績のある施策に勝てる理由がありません。
新しい媒体を試したいという話は、毎年出ます。
そして毎年、四半期の数字が読めないという理由で見送られます。
予算の配分を決める場では、過去の実績が判断材料になります。
新しい媒体には、実績がありません。
既存の施策と同じ土俵で議論すれば、行き着く先は毎回同じです。
担当者の説明が足りないからでも、上司が保守的だからでもありません。
2つ目の原因が、成果を当期で求めることです。
検証には、配信の最適化が安定するまでの期間が要ります。
当期の数字に貢献することを条件にすると、その期間を確保できません。
確保できないまま始めると、安定する前の数字で判定することになります。
3つ目が、担当者の余力です。
既存の運用で工数が上限に達している状態では、新しい媒体の立ち上げは進みません。
金額だけ確保しても、動かす人の時間が無ければ止まります。
検証が止まる理由として、実際には最も多い要因です。
4つ目が、失敗が責任として扱われることです。
試して合わなかった結果が担当者の評価に響くなら、試す動機がなくなります。
5つ目が、判断基準の不在です。
続けるか止めるかで揉めると、次の検証を提案する意欲が失われます。
これら5つは、どれも担当者の側では解決できません。
予算の置き方、評価の仕方、工数の確保は、責任者と決裁者の領域です。
そのため、検証が進まない状態を担当者の提案力の問題として扱うと、何も変わりません。
提案の質を上げても、同じ財布で比較される限り行き着く先は同じだからです。
決める場は、期初の予算配分の会議になります。
検証枠を置くかどうかは、個別の施策の議論ではなく予算の構造の議論です。
試さないことにも、費用がかかっている
新しい面が立ち上がった直後は、出稿する企業が限られます。
このとき、単価が後の局面より低いことがあります。
この期間を逃すと、後から入ったときの条件が悪くなります。
同じ成果を出すのに、より多くの費用が必要になります。
つまり、試さない判断にも見えない費用があります。
見えないため、予算の議論には出てきません。
もう1つの費用が、主力チャネルへの依存です。
代替の候補を持たないまま単価が上がると、打てる手がなくなります。
枠が無い状態では、余った予算で突発的に試すことになります。
条件も期間も揃わないため、結果から何も学べません。
同じ財布で議論する限り、実績の無い媒体は毎回負けます。試さないことの費用は見えないため、予算の議論には出てきません。
検証の枠は、予算のどこから取るのか
期初に固定の比率で切り出します。
余った予算で試すのではなく、最初から使う前提の枠にしてください。
検証枠の作り方は、金額の大きさより置き方が効きます。
小さくても、最初に引かれていれば機能します。
年間の広告予算を決めるときに、検証枠を先に引いてください。
残りで、既存の施策の配分を組みます。
この順番でないと、枠は毎回消えます。
既存の配分を先に組むと、検証に回す余地が残らないためです。
決めるのは、5つです。
比率、実施の回数、1件あたりの上限、判断する人、未使用時の扱いになります。
比率は、年間予算の数パーセントが目安です。
金額の絶対値ではなく比率で決めると、予算が増減しても枠が維持されます。
実施の回数は、年に何件試すかです。
比率と回数が決まれば、1件あたりの上限は割り算で出ます。
判断する人は、責任者一人に決めてください。
合議にすると、合否の判定が出るまでに時間がかかり、次の検証が始まりません。
未使用時の扱いは、翌期に繰り越さない形にします。
繰り越しを認めると、翌期も同じ理由で使われません。
検証枠が余るのは、運用ができていない状態です。
使い切る前提にして、使われなかった場合は理由を記録してください。
検証枠として期初に決めておくこと
| 決めること | 考え方 | 決める時期 | 決めないと起きること |
|---|---|---|---|
| 比率 | 年間予算の数パーセント | 期初 | 既存の配分に吸収される |
| 実施の回数 | 年に何件試すか | 期初 | 1件に集中して分散が効かない |
| 1件あたりの上限 | 比率と回数から割り出す | 期初 | 1件目で枠を使い切る |
| 判断する人 | 責任者一人に決める | 期初 | 合否が出ないまま延びる |
| 未使用時の扱い | 翌期に繰り越さない | 期初 | 翌期も使われずに残る |
工数も、同じ枠で確保する
金額だけ確保しても、動かす人の時間が無ければ進みません。
検証に使う工数も、月あたりの時間として確保してください。
既存業務の合間では、条件を揃えた検証はできません。
計測の設定や訴求の準備が後回しになり、比較できない結果が出ます。
確保する形は、担当者の月あたりの稼働時間の何割という形が実務的です。
時間が確保されていれば、繁忙期にも最初に削られる対象になりません。
確保を決めるのは、その担当者の上長です。
マーケティング責任者が枠を作っても、上長が業務量を調整しなければ時間は生まれません。
調整の方法は、既存業務のどれを止めるかを決めることです。
足す話だけをして止める話をしないと、時間は確保されません。
止める候補は、月次の定型報告のうち判断に使われていないものです。
確保すべき時間が月20時間なら、その分の作業を具体的に名指しして外してください。
検証枠は年間予算から先に引き、比率で決めて繰り越さない形にします。金額と同時に、月あたりの工数も枠として確保してください。
新しい媒体は、いつ試すのか
面が立ち上がった直後と、既存チャネルの単価が上がり始めたときです。
話題になってから動くと、条件が悪くなっています。
試す時期には、有利な局面とそうでない局面があります。
同じ媒体でも、入る時期で結果が変わります。
提供開始の直後は、出稿する企業が限られます。
競合が少なく、単価も低めに出ます。
代わりに、機能が未整備です。
計測や除外の仕組みが揃っていないことがあり、運用の手間がかかります。
仕様が固まり始めた頃は、最も試す価値が高い局面です。
競合は増え始めますが、機能が整いつつあり、単価もまだ相場に届いていません。
広く使われ始めた頃には、単価が相場に近づきます。
機能は整っているため運用は楽になりますが、条件面での優位はなくなります。
成熟した後は、既存のチャネルと同じ扱いになります。
この段階で試す価値は、代替の確保という観点に限られます。
もう1つの試す時期が、既存チャネルの単価が上がり始めたときです。
主力チャネルの単価が3か月続けて上がっているなら、代替を探す時期です。
上がりきってから動くと、切り替えが間に合いません。
新しい媒体が成果を出すまでには、数か月かかるためです。
この判断をするには、主力チャネルの単価推移を月次で見ている必要があります。
見ていない場合は、上がりきった時点で気づくことになります。
制約を先に確認する
新しい面には、既存の媒体にない制約があることがあります。
制約が自社の条件と合わない場合、試す前に判断できます。
OpenAIがChatGPTで広告を提供する仕組みでは、表示の対象がFreeとGoプランの成人ログインユーザーに限られています。
日本の地域指定は都道府県単位で、カスタムオーディエンスには25,000件以上のマッチが必要です。
代理店専用のコンソールはありません。
自社の顧客リストの規模や、委託先との運用体制によっては、そもそも条件を満たせません。
このような制約は、検証を始めてから判明すると枠を1件分無駄にします。
検証の候補を選んだ段階で、要件を一覧にして確認してください。
確認する項目は、対象の指定単位、必要なリストの規模、計測の連携、運用の権限の4つです。
この4つを満たせない媒体は、検証の候補から外して記録に残します。
記録に残す理由は、条件が後から変わることがあるためです。
地域指定の単位が細かくなったり、必要なリストの規模が下がったりする更新は実際に起きます。
外した理由が記録されていれば、更新の告知を見たときに再検討の判断ができます。
記録が無いと、条件が変わったこと自体に気づけません。
仕様が固まり始めた頃が最も有利で、単価が上がりきってからでは遅れます。対象の単位、リスト規模、計測、運用権限の4つを試す前に確認してください。
1回の検証に、いくらとどれだけの期間をかけるのか
判断できる最小の量から逆算します。
金額を絞りすぎると、データが足りずに判断そのものができません。
検証の失敗で最も多いのは、金額が小さすぎて判断できないことです。
結果が出ないのではなく、結果を読めない状態になります。
必要なのは、合否を判断できるだけのCVまたは反応の件数です。
想定される単価に、その必要件数を掛けた金額が最低の投下額になります。
これを下回る金額で試すなら、検証にはなりません。
件数を減らしてでも、1件あたりの金額を確保してください。
年に3件試す計画で予算が足りないなら、2件に減らします。
3件とも判断できない検証をするより、2件を判断できる形で行うほうが得られるものは多くなります。
期間の決め方にも、注意点があります。
配信の最適化が働く仕組みでは、開始直後の数字は安定しません。
安定するまでの期間を除いて、評価の対象期間を数えてください。
この期間も、検証の費用には含めます。
比較の相手も、先に決めます。
既存のどのチャネルと比べるかが決まっていないと、良し悪しが判定できません。
比べる相手は、同じ役割のチャネルにしてください。
上流の役割の媒体を、刈り取りのチャネルと比べても意味がありません。
測る指標も、1つに絞ります。
合否の判定に使う数字を事前に1つ決めておくと、後から基準を変えることができなくなります。
やらないことも、決めてください。
同時に複数の要素を変えないという原則です。
新しい媒体と、新しい訴求と、新しい入口のページを同時に試すと、結果の原因が分かりません。
変えるのは媒体だけにして、訴求と入口は既存で成果の出ているものを使います。
結果が読めなかったときの扱い
投下額を確保しても、件数が集まらないことがあります。
配信量そのものが伸びなかった場合です。
このとき、不合格として記録してはいけません。
判定できなかったという事実と、配信量が伸びなかった理由を記録してください。
不合格と判定不能を区別していないと、記録が次の判断に使えません。
配信量が伸びなかった媒体は、条件を変えれば再検証の価値が残ります。
区別するために、記録の形式に判定の欄を3択で置いてください。
合格、不合格、判定不能の3つです。
判定不能が続く場合は、枠の設計そのものを見直してください。
1件あたりの上限が、自社の想定単価に対して小さすぎる可能性があります。
見直す方向は、年に試す件数を減らして1件あたりを増やすことです。
枠の比率を上げる提案より、件数を減らす提案のほうが期中でも通ります。
投下額は判断に必要な件数から逆算し、足りないなら件数を減らします。合格と不合格に加えて、判定不能を記録の選択肢に入れてください。
検証の合否は、何で判定するのか
既存チャネルと同じ水準を求めません。
将来の伸びしろと、運用にかかる手間を含めて判断してください。
新しい媒体を既存の主力と同じ単価で評価すると、ほぼ不合格になります。
主力チャネルは、数年かけて最適化された結果の数字だからです。
判定の基準は、5つの観点で作ります。
単価、質、運用、伸びしろ、再現性です。
単価は、許容単価に対する比率で見ます。
既存チャネルの実績ではなく、許容できる上限との比較にしてください。
質は、商談化率と受注率です。
既存チャネルと比べて劣らないかを確認します。
単価が既存より高くても、商談化率が高ければ最終的な費用は逆転します。
CVの数だけで判定せず、その先の質まで追ってください。
追うには、検証の段階でCVに印を付けておく必要があります。
後から遡って判別することは、ほとんどの場合できません。
運用は、かかった工数と制約です。
続けられる手間の範囲に収まっているかを見ます。
伸びしろは、配信量を増やせるかどうかです。
単価が良くても、規模を拡大できないなら本採用の価値は限定されます。
再現性は、同じ結果が繰り返せるかです。
一度きりの結果は、判定の材料になりません。
新しい媒体の合否を判定する5つの観点
| 観点 | 見るもの | 合格の考え方 | 見落としたときに起きること |
|---|---|---|---|
| 単価 | 許容単価に対する比率 | 上限の内側に収まったか | 既存の実績と比べて不当に落とす |
| 質 | 商談化率と受注率 | 既存チャネルと比べて劣らないか | 件数は出るが商談が増えない |
| 運用 | かかった工数と媒体側の制約 | 続けられる手間の範囲か | 本採用後に担当者が回らなくなる |
| 伸びしろ | 配信量を増やせる余地 | 規模を拡大できるか | 本採用しても全体が動かない |
| 再現性 | 同じ条件で繰り返せるか | 一度きりの結果でないか | 翌月に成果が消える |
不合格も、成果として扱う
試して合わなかったという結果は、次の判断に使えます。
どの条件で合わなかったかが分かれば、次の候補の選び方が変わります。
不合格を失敗として扱うと、誰も試さなくなります。
そして検証枠は、使われないまま毎期残ります。
何を試して、なぜ合わなかったかを記録することを、検証の成果物にしてください。
成果物が記録であるなら、不合格でも成果は出ています。
この扱いを明示するのは、判断する責任者の役割です。
枠を作るだけでは、担当者の側の動機は変わりません。
明示の仕方は、期初の共有の場で口頭で伝えるだけでは足りません。
検証の記録の様式に、判断の理由を書く欄を設けてください。
欄があれば、記録を書くこと自体が業務として扱われます。
不合格の記録が業務の成果として残る形になれば、動機の問題は構造的に解決します。
判定は単価、質、運用、伸びしろ、再現性の5観点で行い、既存の実績と単価だけで比べないでください。記録を成果物とすれば、不合格も成果になります。
本採用するときに、何をするのか
検証枠から外して、通常の枠に移します。
移した時点で、評価の基準も通常のものに切り替えてください。
検証で合格した媒体を、そのまま検証枠で運用し続ける例があります。
枠が埋まったままになり、次の検証ができなくなります。
移行の判断時に決めることは、5つです。
予算の出どころ、評価の基準、運用の担当、拡大の上限、撤退の条件になります。
予算の出どころは、どの役割の枠に入れるかです。
役割が決まっていないと、既存のチャネルと同じ指標で比較されて、また削られます。
評価の基準は、通常の指標に切り替えます。
検証中の基準を引きずると、その媒体だけ甘い基準で運用されることになります。
運用の担当は、誰が継続して見るかです。
検証を担当した人がそのまま持つか、既存の運用担当に引き継ぐかを決めます。
引き継ぐ場合は、検証中に得た設定の意図を文書で渡してください。
設定だけを引き継ぐと、仕様変更が起きたときに判断できません。
渡す内容は、なぜその対象に絞ったか、なぜその訴求を選んだか、何を試して外したかの3点です。
この3点があれば、引き継いだ側が条件を変える判断を自分でできます。
引き継ぎを口頭で済ませると、半年後には誰も理由を説明できなくなります。
説明できない設定は、次の見直しのときにまとめて変更され、成果が落ちます。
拡大の上限は、移行後1か月の時点で決めます。
検証時の配信量から一気に増やすと、単価も質も変わることがあります。
撤退の条件は、移行の判断時に決めてください。
本採用した媒体でも、仕様の変更や競合の増加で条件が変わります。
仕様変更に追随できるかを確認する
新しい面は、仕様の変更が頻繁に起きます。
本採用の判断は、変更を追う体制があるかどうかの判断でもあります。
LINEヤフーは2025年9月25日に広告サービスの統合を発表し、2026年4月1日にリリースしています。
LINE広告のみを利用していた企業は、Yahoo!計測タグの新規設置が必須となり、移行ツールの利用にはビジネスIDが必要とされました。
Googleは2025年5月6日にAI Max for Search campaignsを発表しています。
自動作成アセットとキャンペーンレベル部分一致は2026年9月に自動アップグレードされ、DSAは2027年2月に延期、2026年9月以降は新規のDSAキャンペーンを作成できないとしています。
こうした変更は、事前の告知から実施までの期間が数か月から1年程度です。
追う体制が無い場合、変更の適用後に配信が止まってから気づくことになります。
本採用の判断の際には、誰が仕様変更を追うかを決めてください。
委託先に任せる場合も、変更の通知を自社にも共有する取り決めを契約に入れます。
合格した媒体は検証枠から通常の枠に移し、役割と評価基準を切り替えます。仕様変更を誰が追うかを、本採用の判断と同じ場で決めてください。
撤退の基準と記録の残し方は、どうするのか
撤退の条件は、始める前に文書にします。
記録がないと、数年後に同じ検証を繰り返すことになります。
撤退の判断が遅れる原因は、基準が無いことです。
あと1か月という判断が、積み重なります。
条件は、5つの種類で書けます。
単価、量、質、工数、制約です。
単価の条件は、許容単価の一定倍を超えたまま改善しない場合です。
判断の時期は、期間の終了時になります。
量の条件は、配信量が必要な水準まで伸びない場合です。
これは期間の中間で判断できます。
質の条件は、商談化率が既存の半分を下回る場合です。
期間の終了時に判断します。
工数の条件は、想定した工数の一定倍を超えた場合です。
これも期間の中間で判断できます。
制約の条件は、自社の条件では要件を満たせない場合です。
開始前または開始直後に判明します。
期間の中間で判断できる条件を置いておくことが、撤退を早める要点です。
終了時にしか判断できない条件だけを置くと、途中で止める判断ができません。
記録に残す項目も、先に決めてください。
試した媒体、期間、投下額、設定した条件、結果、判断の理由の6項目です。
同じ形式で残すことで、担当者が変わっても読める状態になります。
形式が揃っていない記録は、翌年には参照されません。
撤退した媒体を、いつ再検討するのか
一度合わなかった媒体でも、仕様が変わって条件が変わることがあります。
記録に、再検討の目安時期を書いておいてください。
目安の置き方は、撤退の理由によって変わります。
制約が理由なら、その制約が緩和されたときが再検討の時期です。
単価が理由なら、競合の状況が変わるまで戻す意味はありません。
工数が理由なら、自動化の機能が追加された時点で再検討の価値が出ます。
Testifyが2026年5月14日から18日に実施した調査では、代理店を活用する企業が9割を超え、全面委託が37.2%でした。
委託先が提案する新媒体を試す場合も、撤退の条件は自社で決めてください。
委託先にとっては、運用する媒体が増えること自体に意味があります。
撤退の判断を委ねると、条件が合わないまま運用が続きます。
委託先の提案で試す場合も、判定の基準と撤退の条件は自社の文書を使ってください。
媒体ごとに基準が変わると、社内での比較ができなくなります。
提案を受けた時点で、その媒体が5つの観点のどこで優位なのかを聞いてください。
単価の安さだけが根拠として出てくる提案は、伸びしろと再現性の確認が済んでいません。
撤退の条件は5種類で書き、期間の中間で判断できるものを必ず含めます。記録には再検討の目安時期を、撤退の理由に応じて書き添えてください。
検証の枠づくりは、何から手をつけるのか
期初に検証枠の比率を決めることからです。
枠がなければ、条件を揃えた検証は始まりません。
仕組みを先に作り、試す媒体を選ぶのはその後です。
媒体の選定から始めると、枠が無いまま個別の稟議になります。
個別の稟議で通した検証は、条件も期間も揃いません。
比較できない結果が残り、翌年の判断にも使えません。
検証の枠づくりに着手する順番
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 年間予算から検証枠の比率を決める | 予算の承認者 | 期初に合わせる |
| 2 | 年に何件試すかと1件あたりの上限を決める | マーケ責任者 | 1週間 |
| 3 | 検証に使う工数を月あたりで確保する | 担当者の上長 | 1週間 |
| 4 | 判定の基準と撤退の条件を文書にする | マーケ責任者 | 1週間 |
| 5 | 記録の形式を決めて過去の検証も書き戻す | マーケティング | 2週間 |
| 6 | 最初の1件を選んで条件を揃えて開始する | マーケティング | 1か月 |
5で過去の検証を書き戻す理由は、既に試したものを再度試す事態を避けるためです。
記録が無い状態では、数年前に不合格だった媒体が新しい候補として上がります。
数字は説明のための仮の値です。
年間の広告予算が6,000万円で検証枠を5%とすると、300万円になります。
年に3件試すなら、1件あたり100万円です。
想定CPAが2万円で判断に50件必要なら、100万円で足りる計算になります。
想定CPAが4万円なら、50件で200万円が必要になります。
この場合は、年に3件ではなく1件か2件に減らす判断が要ります。
件数を優先して1件あたりを減らすと、3件とも判定不能になります。
枠の使い方として最も避けるべきなのが、この形です。
検証の枠が機能しているかを見る数字
| 数字 | 見る頻度 | 目安の考え方 |
|---|---|---|
| 検証枠の消化率 | 四半期 | 使い切れているか |
| 試した件数 | 半期 | 期初の計画どおり進んでいるか |
| 合格して本採用した件数 | 年次 | 枠が成果を生んでいるか |
| 検証経由のCVの商談化率 | 検証ごと | 件数だけでなく質まで追えているか |
| 主力チャネルの単価推移 | 月次 | 代替を探す時期が来ていないか |
主力チャネルの単価推移だけは、月次で見てください。
代替を探し始める時期の判断に使う数字だからです。
3か月続けて上がっている場合は、その四半期のうちに検証を1件始めます。
上がりきってから動くと、切り替えが間に合いません。
判断する人も、期初の時点で共有してください。
検証の合否を誰が決めるかが曖昧だと、判定が出ないまま次の期に入ります。
責任者を一人決めて、その人が期間終了後2週間以内に判定する形にしてください。
判定の期限を決めておかないと、記録も残りません。
着手点は媒体の選定ではなく、期初の枠づくりと過去の検証の書き戻しです。主力チャネルの単価推移だけは月次で見て、代替を探す時期を判断してください。
新しい媒体を試す枠が作れていない場合は、無料相談で現状の配分を一緒に整理するところから始められます。
予算の組み方ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
検証の予算はどのくらい確保すればいいですか
年間予算から数パーセントを期初に切り出してください。金額の絶対値ではなく比率で決めると、予算が増減しても枠が維持されます。繰り越しは認めないほうが機能し、使われなかった場合は理由を記録してください。
新しい媒体はいつ試すのが有利ですか
仕様が固まり始めた頃が最も有利です。競合は増え始めますが機能が整いつつあり、単価もまだ相場に届いていません。もう1つの時期が、主力チャネルの単価が3か月続けて上がり始めたときです。
1回の検証にいくらかければいいですか
合否を判断できる件数から逆算します。想定単価に必要件数を掛けた金額が最低の投下額です。これを下回るなら、年に試す件数を減らして1件あたりの金額を確保してください。判定できない検証を3件行うより、判定できる検証を2件行うほうが得られるものは多くなります。
既存チャネルより単価が高かった場合は不合格ですか
単価だけで落とさないでください。商談化率が高ければ最終的な費用は逆転します。比較の基準も、既存チャネルの実績ではなく許容できる単価の上限に置いてください。質、運用の手間、配信量を増やせる余地、再現性まで含めて判定します。
試して合わなかった場合はどう扱いますか
試した媒体、期間、投下額、条件、結果、判断の理由を同じ形式で記録します。このとき、不合格と判定不能を分けてください。配信量が伸びずに件数が集まらなかった場合は不合格ではなく、条件を変えれば再検証の価値が残ります。
まとめ
- 検証の予算が、既存の施策と同じ財布から出ているからです。同じ財布では、実績のある施策に勝てる理由がありません
- 期初に固定の比率で切り出します。余った予算で試すのではなく、最初から使う前提の枠にしてください
- 面が立ち上がった直後と、既存チャネルの単価が上がり始めたときです。話題になってから動くと、条件が悪くなっています
- 判断できる最小の量から逆算します。金額を絞りすぎると、データが足りずに判断そのものができません
- 既存チャネルと同じ水準を求めません。将来の伸びしろと、運用にかかる手間を含めて判断してください
- 検証枠から外して、通常の枠に移します。移した時点で、評価の基準も通常のものに切り替えてください
- 撤退の条件は、始める前に文書にします。記録がないと、数年後に同じ検証を繰り返すことになります
- 期初に検証枠の比率を決めることからです。枠がなければ、条件を揃えた検証は始まりません