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失注した見込み客に何を聞くか

外注・パートナー選び公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約19分
失注した見込み客に何を聞くか

聞く役割が誰にも割り当てられていないからです。
担当営業は聞きにくく、他の部署には接点がありません。
その隙間で、情報が失われ続けます。

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目次

  1. 失注した相手に聞けていないのは、なぜか
    • 聞かないまま続けると、何が起きるのか
  2. 失注した相手のうち、誰に聞くのか
    • 対象の条件を、記録の中で自動的に決まる形にする
  3. いつ、誰が聞きに行くのか
    • 聞き手を固定するか、持ち回りにするか
  4. 断られにくい依頼の仕方は、どうするのか
    • 相手に何の見返りがあるかを書く
  5. 失注の相手から、何を聞き出すのか
    • 価格と言われたときの掘り下げ方
  6. 聞き方として、何を避けるのか
    • 聞いた内容をどう扱うかを、先に伝える
  7. 聞いた内容は、どこに返すのか
    • 外部に依頼する場合に確認すること
  8. 失注ヒアリングは、何から立ち上げるのか
  9. よくある質問
  10. まとめ

聞く役割が誰にも割り当てられていないからです。
担当営業は聞きにくく、他の部署には接点がありません。
その隙間で、情報が失われ続けます。

失注した相手に聞けていないのは、なぜか

聞く役割が誰にも割り当てられていないからです。
担当営業は聞きにくく、他の部署には接点がありません。
その隙間で、情報が失われ続けます。

失注した相手に聞けていないのは、なぜか

失注した理由は、社内の記録には残っています。
ただしそれは、営業が推測して書いた内容です。

相手本人に確認した内容が残っている企業は、ほとんどありません。
記録の欄は埋まっているため、情報が無いことに気づきにくい状態です。

聞けていない理由の1つ目は、担当営業に心理的な負担があることです。
自分が負けた理由を本人から聞く行為は、それ自体が重い作業になります。

加えて、聞いた内容が自分の評価に関わります。
提案の不足が原因だったと分かれば、その記録は自分の評価材料になります。

この構造がある限り、担当営業が聞き手を兼ねる設計では率直な内容は出てきません。
出てくるのは、当たり障りのない理由です。

2つ目は、聞く時期が仕組みとして決まっていないことです。
失注が決まった直後は、断る側にも気まずさがあります。

その時期を過ぎると、案件は記録の中に埋もれます。
誰かが思い出して連絡するという形では、実施は続きません。

3つ目は、聞いた内容の使い道が決まっていないことです。
負けた理由を聞いても、その案件自体は戻りません。

次に活かすという抽象的な目的しかないと、優先順位は必ず下がります。
誰が何に使うのかが決まっていない取り組みは、繁忙期に最初に止まります。

4つ目は、記録の置き場が無いことです。
聞いた内容を書く場所が決まっていないと、聞き手の手元の資料で終わります。

この4つは、どれも営業個人の姿勢の問題ではありません。
聞く人、聞く時期、使う先、置き場の4つが決まっていないという設計の問題です。

聞かないまま続けると、何が起きるのか

失注理由が推測で埋まった記録は、集計すると価格に偏ります。
価格は最も説明しやすく、担当者にとっても角が立たない理由だからです。

この集計を四半期ごとに見ていると、価格競争力の不足という見方に落ち着きます。
そこから出てくる打ち手は、値下げか、割引枠の拡大です。

実際の原因が決裁者向けの材料の不足だった場合、値下げをしても受注率は動きません。
動かないまま利益率だけが下がり、翌期はさらに厳しい議論になります。

この経路は、失注の記録を疑う機会が無いことによって成立しています。
本人に聞いた内容を数件でも持っていれば、記録との食い違いに気づけます。

聞けていない原因は、聞く人と時期と使う先と置き場が決まっていないことです。推測で埋めた失注理由は価格に偏り、値下げという誤った打ち手を呼びます。

失注した相手のうち、誰に聞くのか

全件には聞けません。
見積もり提示後に他社へ決まった案件と、稟議で止まった案件の2つに絞ってください。

失注した相手のうち、誰に聞くのか

失注の件数は、受注の数倍あります。
全件を対象にすると実施のハードルが上がり、結局やらなくなります。

絞る基準は、案件の金額ではありません。
自社が比較の土俵に乗っていたかどうかです。

見積もりを提示したあとに他社へ決まった案件は、最も情報が濃い対象です。
自社と他社が同じ基準で比べられているため、比較の軸と自社の位置が分かります。

稟議で止まって決まらなかった案件も、同じ優先度で対象にしてください。
他社に決まった案件だけを見ていると、この層が丸ごと漏れます。

どちらも失注ですが、原因の場所がまったく違います。
前者は競合との比較で負けた案件で、後者は社内の説明で止まった案件です。

稟議で止まった案件が多いなら、直すのは提案の内容ではありません。
決裁者に届く材料のほうです。

金額が大きく、最後まで競った案件も対象になります。
判断の基準が明確に語られやすく、1件から得られる情報が多いためです。

一方で、初回商談だけで終わった案件の優先度は下がります。
要件との不一致が理由であることが多く、聞いても一般的な答えが返ります。

問い合わせだけで終わった相手も、同じ理由で後回しにしてください。
ここから分かるのは入口のずれで、広告やページの設計に返す材料にはなりますが、商談の改善には直結しません。

条件が最初から合わなかった相手は、対象外です。
対象外の層の特徴を知る価値はありますが、失注ヒアリングとは別の分析になります。

件数の目安は、四半期に5件から10件です。
この数があれば、複数件に共通して出る論点を拾えます。

全件を目指して1件も実施しないより、対象を絞って確実に続けるほうが情報は積み上がります。
絞り込みの条件は、営業責任者と合意して記録の条件式に落としてください。

対象の条件を、記録の中で自動的に決まる形にする

対象を人の判断で選ぶと、選ぶ作業そのものが負担になります。
その負担が、実施が止まる最初の理由になります。

失注を登録するときに、止まった段階を選択式で入れる運用にしてください。
見積もり提示後、稟議中、初回商談の3択で足ります。

この項目があれば、対象案件は自動的に一覧として出てきます。
聞き手は、出てきた一覧の上から順に連絡するだけになります。

条件を自動化しておくと、実施率という数字も出せるようになります。
対象が曖昧なままだと、何件聞いたかしか報告できません。

対象は見積もり提示後に他社へ決まった案件と、稟議で止まった案件の2つです。止まった段階を失注登録の選択式にすると、対象が自動で決まります。

いつ、誰が聞きに行くのか

失注の連絡から2週間ほど置き、担当営業以外が聞きます。
相手にとって、自分の評価に関わらない相手のほうが話しやすくなります。

いつ、誰が聞きに行くのか

時期と聞き手の組み合わせで、返ってくる内容が大きく変わります。
どちらか一方だけを整えても、率直な話には届きません。

断った直後は、相手にも申し訳なさが残っています。
その状態で理由を聞くと、こちらを気遣った説明になります。

2週間ほど置くと、その気まずさが薄れます。
同時に、決めた相手との初期のやり取りも始まっているため、比較の視点が具体的になります。

1か月から3か月の時期には、別の利点があります。
導入後の状況まで含めた話が出るため、他社の何が評価されているかが分かります。

3か月を超えると、記憶が薄れます。
要点だけは残りますが、迷った論点や社内の議論の中身は出てきません。

聞き手は、担当営業以外にしてください。
担当営業が聞くと、相手は評価に関わる相手として答えることになります。

適しているのは、マーケティング部門の担当者、営業企画、あるいは営業の上長です。
条件は、担当営業ではないことと、商談の経緯を把握していることの2つです。

まったく事情を知らない人が聞くと、案件の説明から始まって時間が足りません。
相手にとっても、説明の手間が増えるだけの場になります。

商談に決裁者が同席していた案件では、その人にも聞けると内容が変わります。
担当者が把握していない社内の議論が出るためです。

ただし決裁者への依頼は、担当者を通してください。
直接連絡すると、失注後であっても担当者の立場を悪くします。

聞く時期と聞き手の組み合わせで、返ってくる内容がどう変わるか

時期聞き手返ってくる内容使いどころ
失注の連絡と同時担当営業定型的な断りの理由記録の埋め合わせにしかならない
1週間以内担当営業気遣いの入った説明実態との差が大きい
2週間から1か月担当営業以外比較の軸と迷った論点最も情報が濃い
1か月から3か月担当営業以外導入後の状況を含めた話他社の評価点が分かる
3か月以降誰でも要点だけが残った記憶傾向の確認に留まる

聞き手を固定するか、持ち回りにするか

聞き手を1人に固定すると、質問の精度が回を追って上がります。
過去の回答との比較もできるため、傾向の判断が早くなります。

一方で、固定すると属人化します。
その人が異動した時点で、取り組み自体が止まります。

実務では、主担当を1人置いたうえで、四半期に1件は別の人が聞く形が続きます。
主担当が質問の型を維持し、別の人が新しい論点を持ち込みます。

いずれの形でも、聞き手の所属はマーケティング側に置いてください。
聞いた内容を最も多く使うのがマーケティング側であり、使う人が聞くと質問の解像度が上がります。

失注の連絡から2週間置き、担当営業以外が聞いてください。聞き手は商談の経緯を知っていて、かつ評価に関わらない立場の人に限ります。

断られにくい依頼の仕方は、どうするのか

所要時間と聞く範囲を先に示し、再提案ではないことを明示します。
警戒を解くのは内容ではなく、依頼の文面です。

断られにくい依頼の仕方は、どうするのか

失注ヒアリングは、依頼の文面で承諾率がほぼ決まります。
中身をどれだけ練っても、依頼の段階で断られれば一度も使えません。

断った相手から連絡が来たとき、相手が最初に想定するのは再度の売り込みです。
その警戒を最初の数行で解く必要があります。

理由を教えてほしいという依頼は、最も承諾されにくい形です。
追及されると受け取られ、身構えた状態で始まります。

今後の改善のために話を聞きたいという形にすると、協力の依頼として受け取られます。
ただしこれだけでは、どれくらいの負担かが分かりません。

15分で終わること、再提案はしないことを明示すると、承諾率が一段上がります。
負担の大きさと目的の両方が、依頼の時点で確定するためです。

実際には話が続いて30分になることもあります。
それでも、入口の負担は小さく見せておいてください。

提案内容のどこが合わなかったかを聞きたい、という形も通りやすい依頼です。
論点が具体的なため、相手が答えられるかどうかをその場で判断できます。

アンケートへの回答を依頼する形は、承諾率だけを見れば最も高くなります。
ただし得られる情報は浅く、迷った論点や社内の議論は出てきません。

対話が難しい相手には、数問の質問を文面で送る形を用意してください。
情報の深さは落ちますが、何も取れないよりは残ります。

依頼そのものは、担当営業から伝える形にしてください。
関係のある人からの依頼のほうが断りにくく、承諾率が変わります。

伝える人と聞く人を分けることで、心理的な負担も分散します。
担当営業は依頼だけを担い、答えにくい質問には関わらない形になります。

依頼の文面は、毎回作らずに定型を1つ持ってください。
定型があると、失注登録から依頼までの時間が短くなります。

相手に何の見返りがあるかを書く

承諾率をもう一段上げる要素が、相手側の利点です。
協力の依頼である以上、相手に何が残るかを示す必要があります。

実務で使えるのは、比較検討の過程で得た一般的な傾向を共有する形です。
特定の企業名を出さず、同じ規模の企業が何を基準に選んでいるかを伝えます。

この共有には、自社の宣伝を含めないでください。
含めた時点で、再提案ではないという前提が崩れます。

見返りを用意できない場合は、無理に作らないでください。
実行できない約束をすると、次の機会に断られます。

15分で終わること、再提案ではないことを依頼の文面に明示してください。依頼は担当営業から伝え、聞くのは別の人という分担にします。

失注の相手から、何を聞き出すのか

負けた理由は直接聞きません。
比較した相手、比較した軸、最後に迷った点を順に聞くと、理由が後から見えてきます。

失注の相手から、何を聞き出すのか

なぜ弊社ではなかったのかと聞くと、価格という答えが返ってきます。
価格は最も説明しやすく、相手にとっても角が立たない理由だからです。

この答えをそのまま記録すると、社内の失注記録と同じ内容になります。
わざわざ聞いた意味が無くなります。

順序として、事実から聞いてください。
何社を比較したか、最終的に何社に絞ったか、いつ決めたかは事実なので答えやすく、後から検証もできます。

何社を比較したかが分かると、競合の広がりが見えます。
想定していなかった相手が入っていることも、この質問で判明します。

最終的に何社に絞ったかは、自社の位置を示します。
最後の2社に残っていたのか、早い段階で落ちていたのかで、直す場所が変わります。

次に聞くのが、決めた相手のどこが決め手だったかです。
自社が負けた理由より、相手が勝った理由のほうが率直に語られます。

他社を褒めることには抵抗が少ないためです。
ここから、実際に比較されている軸が分かります。

最後まで迷った点は何かも、必ず聞いてください。
迷ったということは、そこが分かれ目だったという意味になります。

検討の中で不足を感じた情報も、聞く価値が高い項目です。
何が分からなくて困ったかは、コンテンツの抜けを直接示します。

マーケティング側が最も使いやすいのが、この情報です。
不足していた情報が複数件で共通していれば、作るべき内容が決まります。

社内で誰が何を懸念していたかは、答えにくい質問です。
最後に置き、答えが返らなくても構わない項目として扱ってください。

価格が理由だと言われた場合は、その場で掘り下げてください。
他社との差がどの程度だったかを聞くと、話が具体になります。

失注の相手に聞く項目と、その狙い

聞くこと狙い答えやすさ返ってきた内容の使い先
何社を比較したか競合の広がりを知る高い広告で扱う論点の見直し
最終的に何社に絞ったか自社が残ったかを知る高い提案の型か入口かの切り分け
決めた相手のどこが決め手だったか比較されている軸を知る中程度比較コンテンツの構成
最後まで迷った点は何か分かれ目を特定する中程度提案書で厚くする箇所
検討の中で不足を感じた情報コンテンツの抜けを知る中程度作るべき記事や資料
社内で誰が何を懸念していたか関与者と論点を知る低い決裁者向け資料の設計

価格と言われたときの掘り下げ方

他社との差が大きかったのなら、実際に価格の問題です。
この場合に検討するのは、価格そのものか、対象とする顧客層の見直しになります。

差がわずかだったのなら、問題は価格ではありません。
同じ金額に対して、他社のほうが価値を説明できていたという意味になります。

この2つを区別せずに価格という記録だけを積むと、値下げの議論に直行します。
差の大きさを聞く質問が1つあるだけで、打ち手が変わります。

差の程度を答えてもらえない場合は、予算の枠内だったかを聞いてください。
枠内だったのに選ばれなかったのなら、価格は理由ではありません。

負けた理由ではなく、比較した相手と勝った理由を聞いてください。価格と言われたら、他社との差の程度まで必ず掘り下げます。

聞き方として、何を避けるのか

反論と、再提案につながる質問を避けます。
その場で挽回しようとすると、以後の協力が得られなくなります。

聞き方として、何を避けるのか

聞く場で最も起きやすい失敗は、聞き手が説明を始めてしまうことです。
相手の理解が事実と違うと感じた瞬間に、訂正したくなります。

その場で訂正すると、話が止まります。
相手は、間違いを指摘される場だと理解するためです。

誤解されていたという事実自体が、こちらにとって重要な情報です。
なぜそう理解されたのかを聞くほうが、はるかに価値があります。

誤解が複数件で共通していれば、原因は相手側ではありません。
資料の書き方か、商談での説明の順序に原因があります。

2つ目に避けるべきは、条件の再提示です。
今ならこの条件でという話が出た時点で、依頼の前提が崩れます。

次の機会に触れるとしても、最後に一言添える程度にしてください。
それ以上踏み込むと、次回から依頼自体が断られます。

3つ目は、他社を批判することです。
決めた相手を否定されると、相手は自分の判断を否定されたと受け取ります。

他社の良かった点を聞く姿勢を保ってください。
批判からは何も出てきませんが、良かった点からは比較の軸が出てきます。

4つ目は、理由を追及することです。
なぜを重ねると、相手は言い訳を探し始めます。

出てくるのは実態ではなく、その場で作られた説明になります。
事実を時系列で聞く形に戻してください。

5つ目は、伝えた時間を超えることです。
15分と言って40分話すと、次回から承諾されません。

時間が来たら、話が盛り上がっていても一度区切ってください。
相手が続けたいと言った場合だけ、延長します。

記録は、要約せずに原文に近い形で残してください。
要約すると、相手が使った表現が消えます。

表現そのものが、広告やページの言葉に転用できる材料になります。
録音する場合は、必ず事前に許可を取ってください。

聞いた内容をどう扱うかを、先に伝える

話しやすさを左右するのが、内容の扱いの説明です。
聞いた内容を社内でどう使うかを、質問に入る前に伝えてください。

個別の企業名を出さず、複数件の傾向としてまとめる旨を伝えると、話す範囲が広がります。
社内の議論の内容など、答えにくい項目でも踏み込んでもらえるようになります。

逆に、扱いを説明しないまま社内の懸念を聞くと、警戒されます。
自社の内部事情を外に出す依頼になるためです。

この説明は、依頼の文面にも入れてください。
承諾を判断する時点で分かっているほうが、当日の会話が早く深いところに入ります。

誤解を訂正せず、他社を批判せず、伝えた時間で切り上げてください。記録は要約せず、相手が使った表現のまま残します。

聞いた内容は、どこに返すのか

マーケティングと営業と商品で、使う部分が違います。
1つの報告書に束ねると、どの部署も動きません。

聞いた内容は、どこに返すのか

聞いた内容を報告書にまとめて全社に共有する形では、読まれるだけで終わります。
自分の担当範囲がどこかが分からないためです。

論点ごとに、返す先を分けてください。
同じ1回のヒアリングから、3つの異なる材料が出ます。

検討中に不足した情報は、コンテンツに返します。
該当する内容を作るという、具体的な作業に落ちます。

比較された相手と軸は、広告と比較コンテンツに返します。
どの論点を扱うかの判断材料になります。

社内で出た懸念は、決裁者向けの資料に返します。
懸念への回答を先回りして用意する形になります。

提案内容への評価は、営業に返します。
提案の型のどこを厚くするかの判断に使います。

要件の不足は、商品と開発に返します。
ただし優先順位の検討材料であって、要望そのものではありません。

価格に対する反応は、単独では判断材料になりません。
他社との差の程度と、比較された軸を添えて初めて意味を持ちます。

返す単位は、1件ごとではなく四半期です。
1件の印象的な発言で施策を変えると、例外に合わせた対応になります。

複数件に共通して出た内容だけを採用してください。
共通して出ない内容は、次の四半期まで保留します。

同時にやるべきなのが、社内の失注記録との突き合わせです。
営業が記録した失注理由と、本人から聞いた内容を並べます。

食い違いが大きい項目があれば、記録の分類そのものに問題があります。
価格という選択肢しか無いために、価格が選ばれている場合もあります。

外部に依頼する場合に確認すること

失注ヒアリングを外部に委託する場合、聞き手が商材を理解しているかを確認してください。
理解がないと、表面的な理由しか引き出せません。

確認の方法は、過去の聞き取りの質問票を見せてもらうことです。
質問が汎用的な項目だけで構成されていれば、業界の事情は出てきません。

納品物の形も、契約の時点で決めてください。
集計された分類だけを納品する形では、相手の表現が消えます。

発言の原文を含めることを取り決めに入れてください。
原文があれば、分類の妥当性を自社で検証できます。

そのうえで、返す先の切り分けは自社で行ってください。
どの部署が何を使うかは、外部には判断できません。

1つの報告書に束ねず、コンテンツ、広告、営業、商品に分けて返してください。四半期でまとめ、複数件に共通して出た内容だけを採用します。

失注ヒアリングは、何から立ち上げるのか

仕組みを作る前に、直近の失注3件に聞いてみるところからです。
実際に聞くと、想定していた質問が機能しないことが分かります。

失注ヒアリングは、何から立ち上げるのか

完璧な設計を作ってから始めようとすると、いつまでも始まりません。
質問票の議論だけで四半期が過ぎます。

先に決めるべきは、質問ではありません。
聞いた内容を誰が何に使うかです。

使い先が決まっていないと、質問は網羅的になります。
網羅的な質問票は答える側の負担が大きく、承諾率が下がります。

使い先が1つ決まれば、そこから逆算して質問が5問前後に絞れます。
絞られた質問票のほうが、深い話に届きます。

失注ヒアリングを立ち上げる順番

順番やること関わる人期間の目安
1聞いた内容を誰が何に使うかを決めるマーケ・営業1週間
2直近で失注した3件に試しに聞くマーケティング3週間
3答えにくかった質問を外し、順序を組み直すマーケティング1週間
4対象の条件と聞き手を決めて運用にする営業責任者2週間
5四半期分を積んで、共通する論点を抽出するマーケティング12週間
6社内の失注記録と突き合わせて分類を見直すマーケ・営業2週間

最初の3件で、設計はほぼ固まります。
答えにくい質問と、意外なほど率直に答えてもらえる質問が分かるためです。

順序も、この3件で組み直してください。
答えやすい事実の質問を前に置くと、後半の踏み込んだ質問にも答えてもらえます。

数字は説明のための仮の値です。
四半期の対象案件が20件、実施できたのが6件、依頼に対する承諾率が6割だったとします。

この場合、依頼そのものを送れたのが10件で、承諾が6件という計算になります。
実施率が3割に留まっている原因は、承諾率ではなく依頼の数のほうにあります。

同じ実施率でも、依頼を18件送って6件が承諾した場合は読み方が変わります。
そのときの原因は依頼の文面で、所要時間や目的の書き方を見直すことになります。

実施率という1つの数字だけでは、どちらかが分かりません。
依頼を送った件数と承諾率を、必ず分けて見てください。

失注ヒアリングが続いているかを見る数字

数字見る頻度判断の目安
対象案件に対する依頼の送付率四半期低いなら対象の抽出が自動化されていない
依頼に対する承諾率四半期低いなら依頼の文面を見直す
営業の記録と食い違った件の割合四半期高いなら失注理由の分類に問題がある
聞いた内容が施策に反映された件数四半期ゼロなら使い先が決まっていない
複数件に共通して出た論点の数四半期少ないなら対象の絞り方を変える

四半期に一度だけ実施しても、そのときの競合環境しか分かりません。
続けて初めて、比較される相手や軸の変化が見えます。

続ける条件は、営業側にも役立つ形で内容を返すことです。
失注案件の情報も、依頼の橋渡しも、営業の協力が前提になっています。

営業にとっての利点は、提案の型の改善と、次の案件での懸念の先回りです。
この2つが実際に起きていると分かれば、協力は続きます。

逆に、マーケティング側の材料としてしか使われない状態が続くと、協力は静かに止まります。
四半期の報告に、営業向けの1枚を必ず含めてください。

質問票より先に使い先を決め、3件試してから仕組みにしてください。実施率は依頼の送付率と承諾率に分けて見ます。

負けた理由が分からないまま同じ失注が続く場合は、無料相談で現状の商談の流れを見てもらうところから始められます。
獲得の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

失注した相手に聞いても答えてもらえますか

依頼の仕方で変わります。15分で終わること、再提案ではないことを明示すると承諾率が上がります。依頼は担当営業から伝え、実際に聞くのは別の担当者という形にすると、関係のある人からの依頼になるため断られにくくなります。

いつ聞くのが適切ですか

失注の連絡から2週間ほど置いた時期です。直後は相手にも気まずさがあり、こちらを気遣った説明になります。1か月から3か月なら導入後の状況も含めた話が出ますが、3か月を超えると迷った論点や社内の議論は出てこなくなります。

何を聞けば実態に近づきますか

負けた理由を直接聞かず、何社比較したか、最終的に何社に絞ったか、決めた相手のどこが決め手だったかを事実として聞いてください。他社を褒めることには抵抗が少なく、実際に比較されている軸が見えてきます。

価格が理由と言われた場合はどうしますか

他社との差がどの程度だったかを聞いてください。大きな差なら実際に価格か対象顧客層の問題ですが、わずかな差なら同じ金額に対する価値の説明で負けたという意味になります。この区別をせずに価格という記録を積むと、値下げの議論に直行します。

失注案件すべてに聞くべきですか

全件を対象にすると実施のハードルが上がり続きません。見積もり提示後に他社へ決まった案件と、稟議で止まった案件に絞り、四半期に5件から10件を確実に実施してください。止まった段階を失注登録の選択式にしておくと、対象が自動で一覧になります。

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  • オンライン30〜45
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まとめ

  • 聞く役割が誰にも割り当てられていないからです。担当営業は聞きにくく、他の部署には接点がありません。その隙間で、情報が失われ続けます
  • 全件には聞けません。見積もり提示後に他社へ決まった案件と、稟議で止まった案件の2つに絞ってください
  • 失注の連絡から2週間ほど置き、担当営業以外が聞きます。相手にとって、自分の評価に関わらない相手のほうが話しやすくなります
  • 所要時間と聞く範囲を先に示し、再提案ではないことを明示します。警戒を解くのは内容ではなく、依頼の文面です
  • 負けた理由は直接聞きません。比較した相手、比較した軸、最後に迷った点を順に聞くと、理由が後から見えてきます
  • 反論と、再提案につながる質問を避けます。その場で挽回しようとすると、以後の協力が得られなくなります
  • マーケティングと営業と商品で、使う部分が違います。1つの報告書に束ねると、どの部署も動きません
  • 仕組みを作る前に、直近の失注3件に聞いてみるところからです。実際に聞くと、想定していた質問が機能しないことが分かります