外部パートナーを何社使うのが適切か

足りない職能を埋めるたびに、一社ずつ追加しているからです。
減らす判断をする場がないため、社数は片方向にしか動きません。
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目次
目次
- 外部パートナーの数が、いつのまにか増えているのはなぜか
- 適切な社数は、数の問題ではない
- 社数が増えると、どこに負担が出るのか
- 管理の時間を、実際に測る
- 一社に集約すると、何が起きるのか
- 集約しても、比較の手段を残す
- 社数を決める基準は、どこにあるのか
- 社内の知見が少ないなら、社数を絞る
- 社数を増やしてよいのは、どんなときか
- 試すなら、期間と範囲を区切る
- 社数を減らす判断は、いつ下すのか
- 年に一度、全部を並べる
- 複数社を使うとき、発注側が担う役割は何か
- 情報を渡す範囲を、先に決める
- 社数の見直しは、どこから始めるのか
- 統合の前に、分担を切り直す
- よくある質問
- まとめ
足りない職能を埋めるたびに、一社ずつ追加しているからです。
減らす判断をする場がないため、社数は片方向にしか動きません。
外部パートナーの数が、いつのまにか増えているのはなぜか
足りない職能を埋めるたびに、一社ずつ追加しているからです。
減らす判断をする場がないため、社数は片方向にしか動きません。
外部パートナーの数を数えると、想定より多いことがあります。
一社ずつ増えたため、増えたという実感がありません。
増える経路は、いくつかに分かれます。
どれも、その時点では妥当な判断です。
新しい媒体を始めるときに、その媒体に強い会社を追加する。
既存の相手がその媒体に不慣れであれば、合理的な判断です。
動画が必要になったときに、制作会社を追加する。
静止画を作っていた相手が映像を扱えないなら、これも妥当です。
記事が必要になったときに、別の会社を追加する。
文章の制作は別の技能なので、分けること自体は自然です。
急ぎの案件が出たときに、既存の相手の手が空いていなければ別の会社に出します。
そのときは一時的な発注のつもりでも、その後も続くことがあります。
担当者の入れ替わりでも社数は増えます。
前任が使っていた取引先が残ったまま、後任が新しい取引先を追加する形です。
役員や他部門からの紹介も、経路の一つです。
関係上の経緯で始まった取引は、終える理由を作りにくくなります。
一方で、減る経路はほとんどありません。
契約を終えるには、理由と手続きが要ります。
不満がなければ、終える理由がありません。
成果が可もなく不可もない相手を切る判断は、誰も進んで行いません。
結果として、社数は片方向にしか動かないことになります。
気づいたときには、把握していない取引まで存在します。
把握していない取引は、他部門が独自に発注した案件で発生します。
マーケティング部門の一覧には載らず、請求だけが経理を通っています。
この状態では、同じ作業を二社に発注していても気づけません。
費用の重複は、一覧を作るまで表に出ません。
適切な社数は、数の問題ではない
何社が適切かという問いに、一般的な答えはありません。
業種でも規模でも決まりません。
決めるのは、管理にかけられる時間と、分担の設計です。
同じ五社でも、分担が明確なら回り、曖昧なら回りません。
Testifyが2026年5月14日から18日にかけて実施した調査では、代理店を活用している企業のうち全面委託が37.2%、社内運用との併用が54.4%でした。
回答数は1,016です。
併用が多数を占めていますが、併用の形が機能するかどうかは分担の設計で決まります。
社数そのものを議論の出発点にすると、判断を誤ります。
社数は増える経路だけがあり、減る経路がありません。適切な社数は業種や規模ではなく、管理にかけられる時間と分担の設計で決まります。
社数が増えると、どこに負担が出るのか
発注側の窓口の時間です。
社数が増えるほど、やり取りと調整の時間が増え、判断の時間が減ります。
外部を増やすと、作業は社外に出ます。
一方で、発注側の調整の作業は増えます。
増えるのは、各社への依頼、進捗の確認、会議への出席、成果物の確認、請求の処理です。
これらは社数にほぼ比例して増えます。
一社であれば、定例は月に一回で足ります。
二社から三社になれば、月に二回から三回です。
四社から五社になると、月に四回から五回の定例が入ります。
一回が一時間でも、準備と後処理を含めれば半日が消えます。
六社以上になると、定例だけで週の一定部分が埋まります。
この段階では、判断に使う時間がほとんど残りません。
もう一つの負担が、情報の分断です。
複数の会社に分けると、全体の数字を見ている人が発注側だけになります。
各社は、自分の担当範囲の数字しか見ません。
見る必要もなく、見る権限もない場合があります。
その結果、全体を見る作業が発注側に集中します。
この作業は外部に出せないため、社数が増えるほど負担が増えます。
三つ目の負担が、責任の所在の曖昧さです。
成果が出なかったとき、どの会社の領域の問題かが分かりにくくなります。
広告の反応が悪いのは、配信の設定なのか、素材なのか、着地ページなのか。
それぞれ別の会社が担当していれば、互いの領域の問題として説明されます。
この状態を裁けるのは、発注側だけです。
裁けなければ、原因が特定されないまま時間が過ぎます。
裁くには、各社の担当範囲を工程で分けておく必要があります。
媒体で分けると、同じ工程を複数社が担当することになり、責任が重なります。
工程で分けておけば、どの工程の数字が悪いかで責任の所在が決まります。
配信の反応、素材の反応、着地ページの転換率を分けて見る形です。
管理の時間を、実際に測る
社数の議論は、感覚で行われがちです。
多い、少ないという言葉で議論しても、結論は出ません。
窓口の担当者が外部の管理に使っている時間を、二週間記録してください。
会議、依頼の作成、成果物の確認、請求の処理を分けて記録します。
記録すると、想定との差が見えます。
会議の時間は意識されますが、依頼の作成と成果物の確認は意識されにくい項目です。
社数と、発注側に発生する作業
| 社数 | 定例の回数 | 窓口の作業量 | 判断に残る時間 |
|---|---|---|---|
| 1社 | 月1回 | 少ない | 確保できる |
| 2社から3社 | 月2回から3回 | 中程度 | 確保できる |
| 4社から5社 | 月4回から5回 | 大きい | 削られ始める |
| 6社以上 | 月6回以上 | 非常に大きい | ほとんど残らない |
社数が増えると、全体を見る作業と責任の所在を裁く作業が発注側に集中します。管理に使っている時間を二週間記録し、感覚ではなく数字で議論してください。
一社に集約すると、何が起きるのか
管理は楽になりますが、比較の材料がなくなります。
提案の質が落ちても、それに気づく手段がなくなります。
社数を減らして一社に集約する選択があります。
管理の負担は確実に減ります。
定例は月に一回になり、全体の数字も一社が見ます。
責任の所在も明確になります。
その代わりに、別の問題が出ます。
一社だけに任せると、その会社の提案が妥当かどうかを判断する材料がありません。
単価の水準も、提案の質も、比べる相手がいません。
提示された条件が業界の水準から離れていても、気づけません。
交渉の余地も弱くなります。
他の選択肢がない状態では、条件の見直しを求める根拠がありません。
切り替えの容易さも失われます。
すべてを一社に依存していれば、問題が起きたときの選択肢がありません。
専門性の面でも、その会社の得意分野に依存することになります。
苦手な領域では、質が下がったまま続きます。
依存の度合いを測る方法があります。
その会社との関係が切れたときに何が起きるかを考えてください。
アカウントの所有、データの保有、設定の把握。
このどれもが相手側にあるなら、依存の度合いは高い状態です。
名義が自社にあり、データを自社でも保持し、設定の理由が社内に記録されていれば、一社に集約していても依存は低くなります。
集約と依存は、別の話です。
分けて考えないと、依存を避けるために社数を増やすという判断になります。
社数を増やしても、名義とデータが相手側にあれば依存は下がりません。
先に手を入れるのは、名義とデータと記録のほうです。
この三つが社内にあれば、社数は管理の時間だけで決められます。
集約しても、比較の手段を残す
一社に集約する場合でも、比較の材料は残せます。
方法は三つあります。
一つ目が、定期的に他社の見積もりを取ることです。
実際に発注しなくても、条件の水準は確認できます。
二つ目が、一部の案件だけ別の会社に出すことです。
小さな案件を一件だけ切り出せば、進め方や提案の質を比べられます。
三つ目が、媒体の担当者と直接の接点を持つことです。
媒体側からの情報があれば、提案の妥当性を別の角度から確認できます。
これらの手段を持たずに集約すると、数年後に条件の妥当性が誰にも分からなくなります。
分からない状態では、契約の更新も判断できません。
集約で失うのは、提案と単価の妥当性を判断する材料です。定期的な見積もりの取得か、小さな案件の切り出しで、比較の手段を残してください。
社数を決める基準は、どこにあるのか
管理にかけられる時間から逆算します。
理想の分担から決めると、管理が破綻します。
社数は、任せたい作業の種類から決めがちです。
広告に一社、制作に一社、記事に一社、分析に一社という形です。
この決め方は、分担としては合理的に見えます。
ただし、管理の時間を考慮していません。
実際に上限を決めるのは、管理にかけられる時間です。
分担の理想がどうであれ、管理できなければ回りません。
逆算の順番は単純です。
窓口の担当者が外部の管理に使える時間を出します。
次に、一社あたりに必要な時間を出します。
定例、依頼の作成、成果物の確認、請求の処理を合計した時間です。
前者を後者で割ると、管理できる社数が出ます。
この数が上限になります。
一社あたりに必要な時間は、相手や案件の性質で変わります。
定例が月に一回で依頼が定型であれば短く、案件ごとに条件が違えば長くなります。
そのため、一律の時間で割らないでください。
取引先ごとに必要な時間を出し、合計が使える時間に収まるかで判断します。
数字は説明のための仮の値です。
窓口が外部の管理に使える時間が週に八時間で、一社あたり週に二時間必要なら、管理できるのは四社です。
五社目を追加するなら、窓口の時間を増やすか、一社あたりの時間を減らす必要があります。
一社あたりの時間を減らすには、委ねる範囲を広げる設計が要ります。
社数を増やす方向に働く要素と、減らす方向に働く要素があります。
管理に使える時間が多く、職能の幅が広く必要で、出稿の規模が大きく、社内に知見があり、案件の変動が大きい場合は、社数が増えます。
逆に、管理の時間が少なく、職能が狭く、規模が小さく、知見がなく、一貫性が強く求められる場合は、社数を絞るほうが機能します。
自社がどちらに寄っているかを、先に確認してください。
社内の知見が少ないなら、社数を絞る
社内に判断できる人がいない状態で複数社を使うと、各社の主張を裁けません。
それぞれが自分の領域では正しいことを言うため、判断がつきません。
裁けない状態では、声の大きい会社の主張が通ります。
主張の正しさではなく、伝え方で決まることになります。
知見が少ないほど、社数を絞るほうが機能します。
一社であれば、少なくとも整合した提案を受け取れます。
知見を蓄えたうえで社数を増やすという順序にしてください。
順序が逆になると、判断できないまま管理の負担だけが増えます。
社内の知見の有無は、各社の提案に対して理由を持って反論できるかで判断できます。
反論できないなら、まだ社数を増やす段階ではありません。
社数の上限は、窓口が管理に使える時間を一社あたりに必要な時間で割って決まります。社内に判断できる人がいないうちは、社数を絞るほうが機能します。
社数を増やしてよいのは、どんなときか
既存の会社が担えない職能が必要になったときだけです。
成果が出ないから別の会社も使うという理由では、増やしません。
社数を増やす判断には、妥当な理由と妥当でない理由があります。
妥当でない理由で増やすと、管理の負担だけが増えます。
妥当なのは、必要な職能が社内にも既存先にもない場合です。
映像の制作、特定の媒体の運用、専門的な分析などが該当します。
この場合、代わりの手はありません。
社数を増やすか、その職能を諦めるかの二択です。
条件によって妥当になるのが、既存先の手が足りない場合です。
一時的な繁忙であれば、既存先の体制の増強で対応できることがあります。
構造的に足りないのであれば、追加が妥当です。
どちらかを判断するには、既存先に体制の見通しを聞いてください。
妥当でないのが、成果が出ないから他も試すという理由です。
成果が出ない原因が特定できていない状態で会社を増やすと、原因がさらに分かりにくくなります。
二社が並行して施策を打てば、どちらが効いたかが分かりません。
分からないまま、両方を継続することになります。
比較の材料がほしいという理由は、条件によります。
見積もりの取得だけで足りる場合が多くあります。
社内の別部門が独自に発注した場合も、妥当ではありません。
窓口の一本化が本来の対処です。
増やす前に、既存先が担えるかを必ず確認してください。
担えるなら、社数を増やさずに済みます。
試すなら、期間と範囲を区切る
新しい会社を試す場合は、期間と範囲を先に区切ってください。
区切らないと、試したまま継続します。
期間は三か月から六か月が目安です。
この期間で、進め方と提案の質は判断できます。
範囲は、一つの媒体か一つの制作の種類に限定します。
広い範囲を任せると、既存先との比較ができなくなります。
区切った期間の終わりに、継続の可否を判断する場を設けてください。
場を設けていないと、自動的に継続します。
判断の基準も、開始前に決めておきます。
何が達成できていれば継続するかを、数字で書いてください。
基準を書いていないと、期間が終わった時点で判断が主観になります。
主観の判断は、関係の良さで決まりがちです。
増やしてよいのは、既存先にも社内にもない職能が必要になったときだけです。成果が出ないという理由で増やすと、原因の特定がさらに難しくなります。
社数を減らす判断は、いつ下すのか
担当範囲が重なったときと、管理の時間が足りなくなったときです。
成果の良し悪しだけでは、減らす判断はできません。
減らす判断は、増やす判断より起きにくいものです。
不満がなければ、終える理由がないためです。
そのため、判断の場を先に決めておく必要があります。
場がなければ、減る方向には動きません。
減らす判断の材料は、五つあります。
担当範囲の重なり、管理の時間の不足、発注額の小ささ、連絡の頻度の低下、属人化です。
担当範囲が重なっている場合は、分担が曖昧になっています。
統合するか、範囲を切り直すかの判断になります。
重なりは、時間とともに発生します。
当初は分かれていた範囲が、それぞれの提案によって広がるためです。
管理の時間が足りていない場合は、社数が上限を超えています。
この場合は、成果の良し悪しに関わらず減らす判断が要ります。
発注額が小さい会社がある場合は、注意が要ります。
発注額が小さいと、相手側でも優先順位が下がるためです。
対応が遅くなり、提案も減ります。
分散させるより、集約したほうが条件がよくなることがあります。
連絡の頻度が落ちている場合は、関係が薄くなっています。
継続の可否を確認してください。
担当者しか関係を知らない場合は、属人化しています。
棚卸しして、取引の内容を文書にしてください。
属人化した取引は、担当者の異動とともに宙に浮きます。
誰も内容を知らないまま、契約だけが自動更新されることになります。
年に一度、全部を並べる
取引のある外部を全部並べ、継続の可否を判断する場を年に一度作ってください。
この場がないと、減る方向には動きません。
並べる項目は、担当範囲、年間の発注額、定例の頻度、直近の提案件数の四つです。
この四つを並べると、重なりと優先度の低下が見えます。
判断は、継続、統合、終了の三択にしてください。
保留を選択肢に入れると、ほとんどが保留になります。
場は、期初か契約更新の時期に置きます。
更新の時期に合わせると、判断がそのまま契約に反映できます。
判断の結果は記録してください。
継続と決めた理由が残っていれば、翌年の判断が早くなります。
減らす判断は、担当範囲の重なりと管理の時間の不足で行います。年に一度、取引先を全部並べて継続、統合、終了の三択で判断する場を作ってください。
複数社を使うとき、発注側が担う役割は何か
全体の数字を見ることと、会社をまたぐ判断を下すことです。
この役割を担わないなら、複数社を使う意味がありません。
複数社の体制では、発注側にしかできない仕事があります。
その仕事をしなければ、分散させた意味がなくなります。
一つ目が、全体の予算配分です。
各社に任せると、それぞれが自分の枠の拡大を求めます。
どの会社も、自分の担当領域に予算を寄せる提案をします。
これは不誠実さではなく、自分の領域の成果を最大化しようとする自然な行動です。
配分の判断は、事業の優先順位から下すものです。
各社は事業の全体像を持っていないため、判断できません。
二つ目が、会社をまたぐ数字の統合です。
各社の報告を足しても、全体の成果にはなりません。
媒体をまたぐと、同じ獲得を複数の会社が自社の成果として報告することがあります。
統合した数字を発注側が持たないと、合計が実態を超えます。
実態を超えた合計を経営に報告すると、翌期の計画が過大になります。
過大な計画は、期中に修正が必要になります。
三つ目が、成果の帰属の判断です。
どの接点がどの程度貢献したかを決めるのは、発注側の役割です。
四つ目が、共通の方針の提示です。
方針を示さなければ、各社が別々の訴求で配信します。
方針には、狙う層、伝える内容の核、使わない表現を含めてください。
この三つがあれば、各社の表現が揃います。
訴求がばらつくと、同じ相手が異なるメッセージに接触します。
接触の重複による効果が失われ、費用だけが増えます。
五つ目が、情報の共有です。
事業の方針、顧客の情報、他社の担当範囲を共有しないと、各社が同じ調査を重複して行います。
情報を渡す範囲を、先に決める
各社に同じ情報を渡すか、範囲を分けるかを先に決めてください。
決めていないと、担当者の判断でばらつきます。
渡す情報は、事業の方針、許容できる獲得単価、他社の担当範囲の三つが基本です。
この三つがあれば、各社は自分の役割の中で判断できます。
顧客のデータを渡す場合は、取り扱いの範囲を取り決めてください。
関連する規制は改定されることがあるため、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
競合関係にある会社を同時に使う場合は、情報の分離が必要です。
どこまでを共有し、どこからを分離するかを文書にしてください。
複数社の体制で、発注側が担う仕事
| 仕事 | 外部に任せられるか | 担わないと起きること |
|---|---|---|
| 全体の予算配分 | 任せられない | 各社が自分の枠の拡大を求める |
| 会社をまたぐ数字の統合 | 任せられない | 合計が実態を超える |
| 成果の帰属の判断 | 任せられない | 同じ成果が重複して計上される |
| 共通の方針の提示 | 任せられない | 訴求がばらつく |
| 事業情報の共有 | 任せられない | 各社が同じ調査を重複して行う |
予算配分、数字の統合、成果の帰属、方針の提示、情報の共有は外部に任せられません。この五つを担えないなら、社数を絞るほうが機能します。
社数の見直しは、どこから始めるのか
取引のある外部を全部書き出すところからです。
一覧にすると、把握していなかった取引が出てきます。
社数の見直しは、一覧を作ることから始まります。
一覧がないと、議論の対象が定まりません。
書き出す範囲は、マーケティング部門の発注だけにしないでください。
他部門が独自に発注している取引も含めます。
含めると、想定より社数が多いことが分かります。
把握していなかった取引が、そこで見つかります。
次に、担当範囲と年間の発注額を並べます。
並べたうえで、担当範囲が重なっている箇所に印を付けてください。
重なりは、複数社の体制で最も費用を無駄にする箇所です。
同じ作業に二重に払っている場合があります。
三番目に、窓口が外部の管理に使っている時間を測ります。
二週間の記録で足ります。
四番目に、管理できる社数の上限を出します。
管理に使える時間を、一社あたりに必要な時間で割ります。
五番目に、統合または終了の候補を決めます。
上限を超えている社数のぶんが、候補になります。
最後に、各社に渡す共通の情報を整理し、見直しの時期を決めます。
年に一度の場を設定しておいてください。
社数を見直す段取り
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 取引のある外部を他部門の分も含めて全部書き出す | マーケ責任者 | 1週間 |
| 2 | 担当範囲と年間の発注額を並べ、重なりに印を付ける | マーケ責任者・窓口 | 1週間 |
| 3 | 窓口が外部の管理に使っている時間を測る | 窓口担当 | 2週間 |
| 4 | 管理できる社数の上限を出す | マーケ責任者 | 数日 |
| 5 | 統合または終了の候補を決める | マーケ責任者・経営 | 1週間 |
| 6 | 各社に渡す共通の情報を整理し、見直しの時期を決める | マーケ責任者 | 2週間 |
数字は説明のための仮の値です。
年間の外注費が6,000万円で、五社のうち一社が200万円という配分なら、その一社に使っている管理の時間を確認してください。
管理に月二時間かかっているなら、年間で二十四時間です。
200万円の発注に対して、その時間が見合っているかを判断します。
見合っていなければ、統合の候補になります。
ただし、その一社でしか担えない職能があるなら、判断は別です。
契約を終える場合は、引き継ぎの内容を先に決めてください。
設定の情報、データ、アカウントの権限を引き継ぎます。
引き継ぎの範囲を決めずに終えると、情報が失われます。
失われた情報は、次の相手が一から作り直すことになります。
外部の体制を評価する数字
| 数字 | 見る頻度 | 何を確かめるか |
|---|---|---|
| 取引のある外部の社数 | 四半期 | 増えていないか |
| 窓口が管理に使っている時間 | 月次 | 上限を超えていないか |
| 一社あたりの年間発注額 | 四半期 | 分散しすぎていないか |
| 担当範囲が重なっている箇所の数 | 四半期 | 分担が保たれているか |
| 各社からの提案の件数 | 四半期 | 関係が機能しているか |
判断の基準は社数ではなく、窓口の時間です。
社数が多くても、管理の時間が足りているなら問題ありません。
逆に、三社でも管理の時間が足りていなければ、判断の時間が削られています。
社数の議論を、時間の議論に置き換えてください。
統合の前に、分担を切り直す
統合の候補が決まっても、すぐに契約を終える必要はありません。
分担を切り直すだけで、重なりが解消することがあります。
切り直しの方法は、担当範囲を媒体ではなく工程で分ける形です。
配信の設定と素材の制作を分けると、重なりが起きにくくなります。
切り直した範囲は、各社に文書で伝えてください。
口頭で伝えると、数か月で元に戻ります。
切り直して三か月運用し、それでも重なりが残るなら統合します。
先に切り直しを試すと、切り替えの費用を払わずに済む場合があります。
着手点は、他部門の分も含めた取引先の一覧です。判断の基準は社数ではなく窓口の時間で、統合の前に分担の切り直しを試してください。
外部パートナーの体制が適切か判断がつかない場合は、無料相談で現状の取引先を一緒に整理するところから始められます。
分担ごと設計し直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
外部パートナーは何社使うのが適切ですか
一般的な適正数はありません。窓口の担当者が外部の管理に使える時間を、一社あたりに必要な時間で割った数が上限です。社内に判断できる人が少ないほど、社数を絞るほうが機能します。
一社に集約すると何が起きますか
管理の時間は減りますが、提案と単価の妥当性を判断する材料がなくなります。集約する場合も、定期的に他社の見積もりを取る、小さな案件だけ別の会社に出すといった形で比較の手段を残してください。
成果が出ないので別の会社も使うべきですか
原因が特定できていない状態で会社を増やすと、二社が並行して施策を打つため、どちらが効いたか分からなくなります。原因の特定が先です。試す場合は期間と範囲を区切り、継続の判断基準を開始前に決めてください。
複数社を使うとき発注側は何をしますか
全体の予算配分、会社をまたぐ数字の統合、成果の帰属の判断、共通の方針の提示、事業情報の共有です。媒体をまたぐと同じ獲得を複数社が自社の成果として報告することがあり、統合した数字は発注側しか持てません。
社数を減らす判断はいつしますか
担当範囲が重なったときと、管理の時間が足りなくなったときです。年に一度、他部門の分も含めて取引先を全部並べ、継続、統合、終了の三択で判断する場を作ってください。場がないと社数は増える方向にしか動きません。
まとめ
- 足りない職能を埋めるたびに、一社ずつ追加しているからです。減らす判断をする場がないため、社数は片方向にしか動きません
- 発注側の窓口の時間です。社数が増えるほど、やり取りと調整の時間が増え、判断の時間が減ります
- 管理は楽になりますが、比較の材料がなくなります。提案の質が落ちても、それに気づく手段がなくなります
- 管理にかけられる時間から逆算します。理想の分担から決めると、管理が破綻します
- 既存の会社が担えない職能が必要になったときだけです。成果が出ないから別の会社も使うという理由では、増やしません
- 担当範囲が重なったときと、管理の時間が足りなくなったときです。成果の良し悪しだけでは、減らす判断はできません
- 全体の数字を見ることと、会社をまたぐ判断を下すことです。この役割を担わないなら、複数社を使う意味がありません
- 取引のある外部を全部書き出すところからです。一覧にすると、把握していなかった取引が出てきます