兼任のマーケ担当者が成果を出すには

時間の総量ではなく、まとまった時間が取れないことが原因です。
判断に必要な作業は、細切れの時間では進みません。
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目次
目次
- 兼任のマーケ担当者が、忙しいのに成果が出ないのはなぜか
- 時間が消える場所を、性質で分ける
- 兼任のまま、何を捨てるのか
- 減らした効果を、数字で確認する
- 本業との衝突は、どう処理するのか
- 繁忙期は、はじめから計画を薄くする
- 外部をどう使うと、兼任でも回るのか
- 相手に委ねる範囲を、先に決める
- 社内の承認は、どう軽くするのか
- 確認する人を減らす
- 兼任の担当者は、どう評価するのか
- 兼任の期間を、区切る
- 兼任を解消すべきなのは、どんなときか
- 判断の材料を、先に集めておく
- 兼任のまま、何から先に変えるのか
- よくある質問
- まとめ
時間の総量ではなく、まとまった時間が取れないことが原因です。
判断に必要な作業は、細切れの時間では進みません。
兼任のマーケ担当者が、忙しいのに成果が出ないのはなぜか
時間の総量ではなく、まとまった時間が取れないことが原因です。
判断に必要な作業は、細切れの時間では進みません。
マーケティングを兼任で担当している人に状況を聞くと、時間が足りないという答えが返ります。
この答えは正しいのですが、対処を誤らせます。
時間を増やしても、成果が変わらない場合があるからです。
週に五時間を八時間に増やしても、成果が比例して伸びないという現象が起きます。
理由は、作業の性質にあります。
マーケティングの作業には、細切れの時間で進むものと進まないものがあります。
進むのは、入稿、数字の転記、定型の報告、外部への連絡です。
これらは中断されても、再開すれば続きから進められます。
進まないのは、数字を並べて原因を探す作業、訴求を考える作業、外部と方針を詰める作業です。
これらは中断されるたびに、前提の整理からやり直しになります。
三十分の空き時間が六回あっても、三時間の作業はできません。
再開のたびに、どこまで考えたかを思い出す時間が必要になるためです。
そして、成果を動かすのは後者の作業です。
入稿と報告をどれだけ効率化しても、配分や訴求の判断は変わりません。
兼任の担当者は、前者の作業で一日が埋まります。
本業の合間に処理できるのが、前者だからです。
結果として、忙しさは増えるのに成果は動かないという状態になります。
本人は手を抜いていないため、原因の特定が難しくなります。
見るべき指標は、週に何時間使えるかではありません。
中断されない二時間が、週にいつ取れるかです。
その時間が週に一度もないなら、判断の作業は行われていません。
行われていない以上、成果が動かないのは当然の結果です。
時間が消える場所を、性質で分ける
時間の使われ方を記録すると、消えている場所が見えます。
記録は一週間で足り、十五分単位で足ります。
消える場所は五種類あります。
本業の割り込み、定例の会議、外部とのやり取り、社内の確認と承認、数字の集計です。
本業の割り込みは突発的で、中断によるやり直しを発生させます。
定例の会議は時間を取りますが、判断が進むため無駄にはなりません。
外部とのやり取りは、返信の待ちで作業が分断されます。
社内の確認と承認も、待ち時間を発生させます。
数字の集計は定型の作業で、自動化できる余地があります。
ここを自動化すると、そのぶんが判断の時間に回ります。
記録を取ると、判断に使えていた時間が想定より短いことが分かります。
週に十時間使っていても、そのうち判断に回っていたのが一時間ということがあります。
この一時間を三時間にするのが、改善の目標になります。
総量を増やすより、内訳を変えるほうが早く効きます。
兼任で成果が出ないのは、時間の総量ではなくまとまりの問題です。中断されない二時間が週に取れているかを、最初に確認してください。
兼任のまま、何を捨てるのか
施策の数を減らします。
広く手を出すほどどれも中途半端になり、原因の特定もできなくなります。
兼任の担当者は、多くの施策を少しずつ抱えがちです。
これは本人の判断というより、社内から出る要望に応じた結果です。
営業から展示会の集客を頼まれ、商品部門から新商品の告知を頼まれ、経営から新しい媒体の検証を求められる。
どれも断りにくく、受けるたびに対象が広がります。
施策の数が増えると、一つあたりに使える時間が減ります。
時間が減ると、実行はできても原因を探す作業ができなくなります。
原因が分からなければ、次の打ち手も決まりません。
打ち手が決まらないまま実行だけを続けると、成果は偶然でしか動きません。
抱えている施策が一つか二つなら、原因の特定と改善まで手が回ります。
三つか四つになると、実行と報告で時間が埋まります。
五つを超えると、実行だけで精一杯になります。
それ以上になると、止まっている施策があることにも気づけません。
減らす基準は、事業の数字に直接つながるかどうかです。
売上や受注件数に接続している施策を残し、そうでないものを外します。
社内から頼まれた作業のうち、成果に結びつかないものが外す候補になります。
成果に結びつくかどうかは、依頼元と一緒に確認してください。
捨てる判断を担当者本人に任せると、断りにくい相手のものが残ります。
役職の高い人からの依頼や、関係の深い部署からの依頼が優先されます。
この優先順位は、事業の優先順位とは一致しません。
そのため、何をやらないかは上位者が決めて社内に伝えてください。
上位者が伝えることで、担当者は断る理由を持てます。
持っていない状態では、要望が来るたびに受けることになります。
伝え方は、やらないことを名指しで示す形にしてください。
優先順位を付けるという言い方では、依頼側は自分の依頼が下位だと理解しません。
やらないと決めた施策は、依頼元にも直接伝えます。
担当者から断らせると、関係の負担が担当者に残ります。
減らした効果を、数字で確認する
施策を減らしたあと、何が変わったかを確認してください。
確認しないと、減らしたこと自体が批判の対象になります。
見るのは、残した施策の指標が改善したかどうかです。
改善していれば、時間の配分が効いたことになります。
数字は説明のための仮の値です。
週に使える時間が六時間で、抱えている施策が七つなら、一つあたり一時間未満です。
この状態では、実行の確認しかできません。
三つに減らせば、一つあたり二時間になり、原因を探す作業が入ります。
抱えている施策の数を、事業の数字につながるものに絞ってください。捨てる判断は担当者本人ではなく、上位者が決めて社内に伝えます。
本業との衝突は、どう処理するのか
時間の配分を先に決め、その枠の外には出さない形にします。
その都度の優先順位で判断すると、常に本業が優先されます。
兼任の担当者は、本業とマーケティングのどちらを優先するかを毎回判断しています。
この判断を都度行うかぎり、結果はほぼ決まっています。
急ぎの依頼は、本業から来ます。
本業の依頼には期限があり、依頼元も近くにいます。
マーケティングの作業には、明確な期限がないことが多くあります。
今日やらなくても、明日でよいという判断になります。
明日でよい判断が毎日続くと、その週は何も進みません。
週が積み重なると、四半期が過ぎます。
対処は、時間を枠として確保することです。
週のうち、マーケティングに使う時間を曜日と時間帯で固定します。
その時間は予定として押さえ、本業の依頼を入れません。
会議の予定と同じ扱いにしてください。
枠の確保は、担当者の意志だけでは守れません。
上位者が了解し、社内にも伝わっている必要があります。
上位者の了解がなければ、枠の時間に依頼が入ります。
断る根拠がないため、担当者は受けることになります。
社内に伝わっていなければ、依頼者は枠の存在を知りません。
知らずに依頼した相手を責めることもできません。
枠の取り方には、いくつかの形があります。
週に固定の枠を取る形と、特定の曜日を充てる形が続きやすい形です。
月の前半に集中させる形は、本業の繁閑が月末に偏っている場合に機能します。
空いた時間に行う形と、枠を取らない形は続きません。
繁忙期は、はじめから計画を薄くする
本業に繁忙期があるなら、その時期のマーケティングの計画を薄くしてください。
同じ量を計画して守れないより、はじめから減らすほうが結果がよくなります。
守れない計画が続くと、計画そのものが信用されなくなります。
信用されない計画は、社内の合意の材料にもなりません。
繁忙期に何をやらないかを、期初に決めておいてください。
決めておけば、その時期に依頼が来ても断れます。
繁忙期の前に、止めても影響が出ない状態を作る作業を先に行います。
配信の設定や制作の発注を前倒しすると、繁忙期は監視だけで済みます。
前倒しの作業には、通常より時間がかかります。
数か月先の訴求を決めるには、その時点の判断材料が足りないためです。
それでも、繁忙期に判断を持ち込むより結果はよくなります。
繁忙期に下す判断は、時間の不足によって質が落ちます。
時間の確保の仕方と、続きやすさ
| 確保の仕方 | 続きやすさ | 成立する条件 |
|---|---|---|
| 空いた時間に行う | 続かない | なし |
| 週に固定の枠を取る | 続きやすい | 上位者の了解と社内への周知 |
| 特定の曜日を充てる | 続きやすい | 本業の繁閑が読めること |
| 月の前半に集中させる | 条件による | 月末に本業が集中する場合 |
| 枠を取らない | 続かない | なし |
時間は枠として先に確保し、上位者の了解と社内への周知をセットにしてください。本業の繁忙期は、期初の段階で計画を薄くします。
外部をどう使うと、兼任でも回るのか
作業ではなく、待ち時間を減らすために使います。
確認と判断の回数が多い進め方をやめると、担当者の時間が空きます。
外部に作業を出せば時間が空く、とは限りません。
やり取りの回数が多ければ、かえって時間を使います。
外部との一回のやり取りには、依頼を書く時間、返信を待つ時間、返ってきた内容を確認する時間が含まれます。
このうち、待つ時間が兼任の担当者には最も負担になります。
待っているあいだに他の作業へ移り、返信が来たら文脈を思い出す必要があります。
思い出す時間が、一回あたり十分から二十分かかります。
やり取りが月に二十回あれば、思い出すだけで三時間から六時間が消えます。
これは、外部に出した作業の時間より長くなることがあります。
そのため、外部の使い方は作業量ではなく、やり取りの回数で設計してください。
回数が少ない進め方を選ぶと、同じ費用でも担当者の負担が変わります。
回数を減らす方法は二つあります。
先に決めておくことを増やす方法と、やり取りを定例にまとめる方法です。
先に決めておくのは、訴求の方向、使ってよい表現、予算の上限、判断の基準です。
これを文書で渡すと、途中の確認が大幅に減ります。
文書を作る時間は、最初に数時間かかります。
その後のやり取りが減るため、二か月で回収できます。
定例にまとめる方法は、日々の依頼と確認を週に一度の場に集約する形です。
急ぎのものだけを個別に扱い、それ以外はその場でまとめて決めます。
定例に持ち込むと、複数の案件を同じ文脈の中で判断できます。
一件ずつ判断するより、思い出す時間が発生しません。
相手に委ねる範囲を、先に決める
どこまでを相手の判断で進めてよいかを決めてください。
範囲が決まっていないと、すべてが確認待ちになります。
決めるのは、金額の範囲と、変更してよい対象です。
一定額までの配分の調整は相手の判断で進める、といった形です。
範囲を決めると、相手も動きやすくなります。
確認を待つあいだ、相手側の作業も止まっているからです。
委ねた範囲での結果は、定例でまとめて報告を受けます。
一件ずつ報告を受けると、確認の回数が元に戻ります。
委ねる範囲は、最初は狭く設定してください。
狭い範囲で運用して問題が出なければ、次の四半期で広げます。
いきなり広く委ねると、判断の質が確認できないまま件数が増えます。
確認できない状態で問題が起きると、範囲を一気に戻すことになります。
範囲を決めた記録は、文書に残してください。
担当者が交代したときに、範囲が分からなくなります。
外部は作業量ではなく、やり取りの回数で設計してください。訴求の方向と予算の上限を先に文書で渡し、日々の依頼を週次の定例に集約します。
社内の承認は、どう軽くするのか
金額と可逆性で階層を分け、小さく戻せる判断は担当者が決める形にします。
承認の待ち時間が、兼任の担当者の時間を最も削ります。
兼任の担当者の作業が止まる場所として、社内の承認があります。
承認を待つあいだ、その施策は進みません。
待ち時間そのものより、待っているあいだに他の作業へ移ることが負担になります。
戻ってきたときに、また文脈を思い出す必要があるためです。
承認が必要な場面は、いくつかの種類に分かれます。
予算の追加、表現の確認、新しい媒体の追加、制作物の確認、外部への依頼です。
予算の追加は、数日から数週間の待ちが発生します。
一定額までの裁量を担当者に渡すと、この待ちがなくなります。
表現の確認は数日かかります。
事前に許容範囲を決めておけば、範囲内は確認なしで進められます。
新しい媒体の追加は、数週間かかることがあります。
検証の枠として事前に承認しておく形にすると、個別の稟議が不要になります。
制作物の確認も数日かかります。
確認する人を一人に絞ると、意見の調整の時間がなくなります。
外部への依頼は、定型のものを事前承認にしてください。
毎回同じ内容の依頼に承認を求めるのは、手続きのための手続きです。
事前承認にする範囲は、金額と対象を書いて文書に残します。
残しておかないと、承認者が交代した時点で運用が元に戻ります。
判断の分け方は、金額と可逆性の二つです。
小さな金額で、止めれば元に戻る判断は担当者に任せます。
戻せない判断と大きな金額だけを、承認にかけてください。
この線引きを文書にしておくと、毎回の確認が不要になります。
確認する人を減らす
制作物の確認に複数の人が関わると、意見が分かれます。
分かれた意見を調整するのは、担当者の仕事になります。
調整に一往復ずつ時間がかかり、確認者が三人いれば三往復です。
一往復が二日なら、確認だけで一週間近くかかります。
最終の確認者を一人に決めてください。
他の人は意見を出しますが、差し戻しの権限は持たない形にします。
意見を出す人と、承認する人を分けることが要点です。
分けていないと、全員が拒否権を持つ状態になります。
確認の依頼には期限を付けてください。
期限を過ぎたら承認とみなす形にすると、待ちが大幅に減ります。
小さな金額で戻せる判断は担当者に渡し、戻せない判断だけを承認にかけてください。制作物の最終確認者は一人に絞り、確認の依頼には期限を付けます。
兼任の担当者は、どう評価するのか
専任と同じ目標を置きません。
使える時間に見合った範囲の成果で評価しないと、続きません。
兼任の担当者に専任と同じ目標を置くと、達成できない状態が続きます。
時間が半分しかない相手に、同じ成果を求めているためです。
達成できない状態が続くと、本業に戻る動機が強まります。
本業では達成できているなら、なおさらです。
結果として、兼任の担当者が離脱します。
離脱すると、また新しい兼任者を立てることになり、立ち上げからやり直しです。
評価の設計は、使える時間から逆算してください。
週に何時間使えるかが決まれば、担当できる範囲が決まります。
週に五時間未満であれば、実行の管理までが範囲です。
置ける目標は、計画した施策を実行したかどうかになります。
五時間から十時間であれば、一つの施策の改善まで担えます。
その施策の指標を目標に置けます。
十時間から二十時間であれば、複数の施策の管理ができます。
主要な指標の推移を目標に置けます。
二十時間以上であれば、全体の設計まで担えます。
事業に接続する指標を目標にできます。
この範囲を超える目標を置く場合は、人を増やすか外部を使うかの判断になります。
担当者の努力で埋める前提にすると、埋まらないまま期末を迎えます。
兼任の担当者は、二つの評価軸を持つことになります。
どちらの比重が大きいかを、本人と上位者で合意してください。
合意がないと、どちらの評価でも不利になります。
本業ではマーケティングに時間を取られていると見られ、マーケティングでは本業を優先していると見られます。
兼任の期間を、区切る
兼任の状態を無期限にすると、体制の見直しが起きません。
いつまでこの形で進めるかを決めてください。
期間は半年か一年が目安です。
その時点で、専任にするか、外部を増やすか、範囲を狭めるかを判断します。
判断の材料は、記録した時間と施策の数です。
記録がなければ、議論が感覚の話になります。
期間を区切ると、担当者も見通しを持てます。
無期限の兼任は、本人の負担感を大きくします。
使える時間と、置ける目標の範囲
| 週あたりの時間 | 担当できる範囲 | 置ける目標 |
|---|---|---|
| 5時間未満 | 実行の管理のみ | 計画した施策を実行したか |
| 5時間から10時間 | 一つの施策の改善 | その施策の指標 |
| 10時間から20時間 | 複数の施策の管理 | 主要な指標の推移 |
| 20時間以上 | 全体の設計 | 事業に接続する指標 |
評価は、週に使える時間から担当できる範囲を決めて置いてください。兼任の期間を半年か一年で区切り、その時点で体制を判断します。
兼任を解消すべきなのは、どんなときか
使える時間の範囲を、事業の要求が超えたときです。
担当者の努力では埋まらない差が出た時点で、体制の判断に移します。
兼任は、永続的な体制ではありません。
立ち上げの段階や、事業の規模が小さい段階で成立する形です。
解消すべき時期を見分ける基準を、先に持ってください。
基準がないと、限界を超えてから対処することになります。
一つ目の基準は、管理する予算の規模です。
予算が増えると、判断の回数と責任が増えます。
判断の回数は予算にほぼ比例します。
規模が一定を超えたら、兼任では扱えません。
二つ目の基準は、施策が止まったまま数か月経っていることです。
時間が取れていない状態が、そのまま現れています。
この場合、範囲を減らすか人を増やすかの判断になります。
放置すると、止まった施策が事業の計画に影響します。
三つ目の基準は、判断の遅れが成果に出ていることです。
意思決定の速さが足りていない状態です。
遅れが成果に出ているかどうかは、競合との比較では分かりません。
自社の中で、提案から実行までの日数が伸びているかを見てください。
権限の委譲で改善する場合もありますが、時間そのものが足りていないなら専任化が必要です。
どちらかは、承認待ちで止まっている件数を見れば分かります。
四つ目の基準は、本業の成果が落ちていることです。
兼任の負担が本業に及んでいるなら、すでに範囲を超えています。
この状態は、両方の成果が落ちるため、最も早く手を打つべき局面です。
どちらかに寄せる判断を、経営に上げてください。
五つ目の基準は、担当者が辞める意向を示したことです。
この段階では、負担が限界を超えています。
判断の材料を、先に集めておく
体制の判断を経営に上げるとき、材料がなければ通りません。
感覚で足りないと言っても、増員は認められません。
集めるのは、週に使った時間、抱えている施策の数、承認待ちで止まっている件数の三つです。
いずれも、月次で一行記録するだけの作業です。
半年分たまれば、体制の議論を数字で行えます。
数字がなければ、議論は主観のぶつけ合いになります。
数字は説明のための仮の値です。
管理する予算が月200万円から600万円に増えたのに、使える時間が六時間のままなら、一円あたりに割ける時間は三分の一になります。
この比率を示すと、体制の議論が具体的になります。
予算を増やす判断と、体制を増やす判断を同じ場で行えるためです。
解消の基準は、予算規模、施策の停止、判断の遅れ、本業への影響の四つです。本業の成果が落ちている状態は両方が損なわれるため、最優先で手を打ってください。
兼任のまま、何から先に変えるのか
抱えている施策の数を数えるところからです。
数が多いことに気づかないまま時間を確保しても、状況は変わりません。
兼任の状態を改善する作業は、時間を増やすことではありません。
やることを減らし、待ち時間を削ることです。
最初にやるのは、抱えている施策を書き出すことです。
書き出すと、想定より多いことが分かります。
書き出した施策に、事業の数字とのつながりを一行で書いてください。
書けないものが、外す候補になります。
外す判断は、上位者と一緒に行います。
担当者一人では、依頼元との関係で断れません。
次に、週に固定の時間枠を取ります。
曜日と時間帯を決め、上位者の了解を得て社内に周知します。
三番目に、承認が要るものと要らないものを分けます。
小さな金額で戻せる判断を、担当者の裁量に移します。
四番目に、外部への依頼を定例にまとめます。
急ぎのものだけを個別に扱う形にしてください。
五番目に、数字の集計を自動で出る形にします。
手で集める作業は判断を生まないため、ここを削ると判断の時間が増えます。
最後に、使える時間に見合う目標に置き換え、見直しの時期を決めます。
期間を区切っておくと、体制の議論が期日どおりに起きます。
兼任の負荷を下げる順序
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 抱えている施策を書き出し、数字につながらないものを外す | 担当者・上位者 | 1週間 |
| 2 | 週に固定の時間枠を取り、上位者の了解と社内周知を得る | 担当者・上位者 | 1週間 |
| 3 | 承認が要るものと要らないものを分ける | 上位者 | 1週間 |
| 4 | 外部への依頼を定例にまとめる | 担当者 | 1週間 |
| 5 | 数字の集計を自動で出る形にする | 担当者 | 2週間 |
| 6 | 使える時間に見合う目標に置き換え、見直しの時期を決める | 担当者・上位者 | 1週間 |
この六工程は、着手から運用開始までで六週間前後が目安になります。
期初に間に合わせるには、前の期の終盤に一番目と二番目を終えておいてください。
数字は説明のための仮の値です。
週に使える時間が六時間で、抱えている施策が七つなら、一つあたり一時間未満になります。
この状態では、実行の確認しかできません。
三つに減らせば一つあたり二時間になり、原因を探す作業が入ります。
集計の自動化は、効果が分かりやすい工程です。
手で集めていた時間がそのまま判断の時間に回るため、成果に直結します。
自動化の範囲は、媒体の数字を一つの表に集約するところまでで足ります。
分析まで自動化しようとすると、構築に時間がかかり着手が遅れます。
兼任の状態を測る数字
| 数字 | 見る頻度 | 何を確かめるか |
|---|---|---|
| 週にマーケティングに使った時間 | 週次 | 枠が守られているか |
| 中断されない2時間が取れた回数 | 週次 | 判断の時間があるか |
| 抱えている施策の数 | 月次 | 増えていないか |
| 承認待ちで止まっている件数 | 週次 | 待ち時間が発生していないか |
| 本業の成果の推移 | 月次 | 兼任の負担が及んでいないか |
時間の記録は、兼任を続けるかどうかの判断にも使います。
記録がないと、体制の議論が感覚の話になります。
記録の負担を重くしないでください。
週に一度、五項目を一行書くだけで足ります。
着手点は、抱えている施策の数を数えて外すことです。時間を増やす前に、やることを減らし、承認と外部とのやり取りの待ちを削ってください。
兼任の体制で成果を出せるか判断がつかない場合は、無料相談で現状の業務量を見てもらうところから始められます。
体制と外注の分担ごと設計する段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
兼任でマーケティングを担当していますが成果が出ません
時間の総量ではなく、中断されないまとまった時間が取れているかを確認してください。数字を並べて原因を探す作業や訴求を考える作業は、細切れの時間では進みません。週に一度、二時間の枠が取れているかが目安です。
兼任のまま何を減らせばよいですか
施策の数です。抱えている数が五つを超えると、実行だけで精一杯になります。事業の数字に直接つながるものを残し、それ以外を外してください。捨てる判断は担当者ではなく上位者が行い、社内に伝えます。
本業が優先されてマーケティングが進みません
その都度の優先順位で判断すると、期限のある本業が常に優先されます。週のうちマーケティングに使う時間を曜日と時間帯で固定し、上位者の了解を取って社内にも周知してください。
兼任の担当者はどう評価しますか
専任と同じ目標を置きません。週に使える時間から担当できる範囲を決め、その範囲の成果で評価します。本業の評価とマーケティングの評価の比重を、本人と上位者で合意しておいてください。
兼任を解消する目安はありますか
管理する予算の規模が担当できる範囲を超えたとき、施策が数か月止まっているとき、判断の遅れが成果に出ているとき、本業の成果が落ち始めたときです。本業に影響が出ている状態は、両方の成果が落ちるため最優先です。
まとめ
- 時間の総量ではなく、まとまった時間が取れないことが原因です。判断に必要な作業は、細切れの時間では進みません
- 施策の数を減らします。広く手を出すほどどれも中途半端になり、原因の特定もできなくなります
- 時間の配分を先に決め、その枠の外には出さない形にします。その都度の優先順位で判断すると、常に本業が優先されます
- 作業ではなく、待ち時間を減らすために使います。確認と判断の回数が多い進め方をやめると、担当者の時間が空きます
- 金額と可逆性で階層を分け、小さく戻せる判断は担当者が決める形にします。承認の待ち時間が、兼任の担当者の時間を最も削ります
- 専任と同じ目標を置きません。使える時間に見合った範囲の成果で評価しないと、続きません
- 使える時間の範囲を、事業の要求が超えたときです。担当者の努力では埋まらない差が出た時点で、体制の判断に移します
- 抱えている施策の数を数えるところからです。数が多いことに気づかないまま時間を確保しても、状況は変わりません