広告代理店の選び方|月200万以上を預ける前に確認すること

提案書を書く人と、実際に運用する人が違うからです。
提案の質は営業の力を示しますが、一年後の成果は体制で決まります。
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目次
目次
- 代理店選びが、なぜ提案内容だけでは決まらないのか
- 提案は最も優秀な人が作る
- 提案書から分からないことは、何か
- 質問状に入れる項目を決める
- 体制は、どこまで確認するのか
- 交代が起きたときの取り決めを、先に決める
- 手数料の構造は、どう見るのか
- 成果連動を選ぶ前に決めること
- 契約条件で、先に決めておくことは何か
- 条項を読む人を、法務だけにしない
- 実績と事例は、どう読むのか
- 同業の実績が持つ、二つの面
- 選んだあとの最初の三か月で、何を確認するのか
- 三か月の確認を、誰が行うか
- 選定の準備は、どこから手をつけるのか
- よくある質問
- まとめ
提案書を書く人と、実際に運用する人が違うからです。
提案の質は営業の力を示しますが、一年後の成果は体制で決まります。
代理店選びが、なぜ提案内容だけでは決まらないのか
提案書を書く人と、実際に運用する人が違うからです。
提案の質は営業の力を示しますが、一年後の成果は体制で決まります。
月200万円以上の予算を預ける相手を選ぶとき、多くの企業は提案内容を並べて比較します。
現状分析の深さ、施策の具体性、目標値の置き方。
どれも見るべき項目です。
ただし、この三つを比べても、一年後にどうなっているかは予測できません。
提案書は、その代理店で最も経験のある人が時間をかけて作るものだからです。
契約後に日々の運用を担当するのは、たいてい別の人です。
誰が担当するかを確認しないまま契約すると、提案時の期待と実務が離れます。
この差は、契約から三か月ほどで表に出ます。
提案書に書かれていた考え方が、月次の報告に反映されていない状態になります。
預ける金額の規模から考えると、この確認の不足は不自然です。
月200万円は年間で2,400万円になります。
同じ金額の設備を導入するなら、仕様、保守体制、故障時の対応、部品の供給期間まで確認します。
代理店の選定でも、同じ水準の確認が必要です。
確認が不足する理由は、比較の軸が提案書だけで作られていることにあります。
提案書という同じ形式の書類が並ぶと、その中で比べたくなります。
Testifyが2026年5月14日から18日にかけて実施した調査では、代理店を活用している企業の満足度は82.6%で、約2割が不満を持っていました。
回答数は1,016です。
不満の内容は役職で分かれており、経営層は費用が成果に見合わないが56.3%、マーケティング責任者は成果不振の説明が不十分が53.1%でした。
どちらも、提案書の良し悪しとは別の軸で発生する不満です。
選定の段階で確認すべきなのは、この二つが起きにくい相手かどうかです。
提案の質を見るだけでは、ここは判断できません。
提案は最も優秀な人が作る
提案の段階で登場する人と、契約後に接する人が同じかどうかを確認してください。
確認の方法は、担当予定者の氏名を聞くことです。
氏名が出てこない場合、まだ決まっていないか、決まっているが出したくないかのどちらかです。
どちらであっても、契約前に確定させる必要があります。
氏名が出たら、その人と直接話す場を設けてください。
提案の内容について質問すると、提案を理解しているかが分かります。
提案を作った人と担当予定者が別で、担当予定者が提案の中身を説明できない場合、契約後に提案は実行されません。
この確認は一時間で終わり、一年分の判断材料になります。
提案書は営業の力を示す書類で、一年後の成果は体制で決まります。担当予定者の氏名を確認し、契約前に本人と話す場を設けてください。
提案書から分からないことは、何か
体制、手数料の内訳、契約終了時の扱いの三つです。
どれも聞かなければ出てこず、聞けば必ず答えが返るものです。
提案書に書かれない情報には、共通した傾向があります。
書かないほうが受注に有利になる項目です。
これは代理店側の不誠実さを示すものではありません。
提案書は受注のための書類なので、比較で不利になる情報が自発的に載ることはありません。
書かれないのは、まず担当者が何社を兼務しているかです。
兼務数が多いほど、自社に割かれる時間は減ります。
次に、手数料に含まれる作業と別料金になる作業の境目です。
境目が曖昧なまま契約すると、運用が始まってから追加の請求が発生します。
三つ目が、契約を終えるときの手続きと引き継ぎの範囲です。
ここが決まっていないと、後から相手を変える選択肢が実質的になくなります。
これらは、質問しない限り出てきません。
そして、質問すれば答えが返る性質の情報でもあります。
質問は、選定の前に文書で送ってください。
口頭の質疑では、回答が記録に残りません。
記録が残っていないと、契約後に話が違うと感じたときに照合する先がありません。
文書のやり取りは、契約書の付属資料として扱えます。
質問状には、回答の期限も書いてください。
回答までの日数そのものが、体制の余力を示す情報になります。
答えにくい質問への反応も見ておいてください。
うまくいかなかった案件について、何が起きて、どう対応し、最終的にどうなったかを聞きます。
説明できる相手は、契約後に成果が出なかったときも同じように説明します。
説明を避ける相手は、そのときも避けます。
質問状に入れる項目を決める
質問状に入れる項目は、五つに絞ると管理しやすくなります。
担当体制、作業範囲、レポート、アカウントの所有、成果が出ないときの手順です。
担当体制については、担当予定者の氏名、経験した商材、現在の兼務数を聞きます。
具体名が出るかどうかが、最初の分かれ目です。
作業範囲については、手数料に含まれる作業の一覧を求めます。
一覧が出せない相手は、境目を決めていないということです。
レポートについては、項目と頻度と作成者を聞きます。
定型の様式をそのまま使うのか、自社向けに組むのかで、説明の質が変わります。
提案書に出てこない項目と、聞き方
| 項目 | 聞くこと | 回答で見るところ |
|---|---|---|
| 担当体制 | 担当予定者の氏名と経験と兼務数 | 具体名と数字が出るか |
| 作業範囲 | 手数料に含まれる作業の一覧 | 含まれない作業の境目が明示されるか |
| レポート | 項目と頻度と作成者 | 定型か自社向けに組むか |
| アカウントの所有 | 契約終了後の扱い | 自社名義にできるか |
| 成果が出ないとき | 何をどの順で見直すか | 手順が用意されているか |
提案書に載らないのは、体制、手数料の内訳、終了時の扱いの三つです。選定の前に文書で質問状を送り、回答も文書で受け取ってください。
体制は、どこまで確認するのか
担当予定者の氏名と兼務数まで確認します。
組織図ではなく、自社に何時間割かれるかが実務の質を決めます。
体制の確認を、代理店の規模を見ることだと考えると判断を誤ります。
見るべきなのは、自社に割かれる時間です。
規模が大きい代理店は、媒体からの情報が早く入り、事例の蓄積も多くなります。
一方で、自社の出稿額がその代理店の中で小さい位置にあれば、割かれる時間は限られます。
規模が小さい代理店は、自社の比重が大きくなります。
その代わり、媒体の情報や横断的な知見では不利になることがあります。
どちらが良いかという問いには一般的な答えがありません。
確認すべきなのは、自社の予算規模がその代理店の中でどの位置にあるかです。
担当予定者には、契約前に直接会ってください。
聞くべきなのは経験年数ではなく、扱ってきた商材と予算規模です。
自社と近い条件の経験があれば、立ち上がりが速くなります。
条件が違えば、最初の三か月は学習の期間になります。
兼務の数も聞いてください。
社数だけでなく、その合計予算を聞くと、自社が全体の何割を占めるかが分かります。
この比率が、割かれる時間のおおよその目安になります。
一割を切るようであれば、優先順位は上がりません。
不在時に誰が見るかも確認してください。
副担当が決まっていない体制は、担当者が休んだ日に運用が止まります。
上位者がどの場面で関与するかも聞いておきます。
定例と四半期の振り返りに出る形になっていれば、担当者の判断に偏りが出たときに補正が効きます。
交代が起きたときの取り決めを、先に決める
担当者の異動や退職は避けられません。
避けられない以上、起きたときの手順を契約前に決めておくのが実務的です。
決めるのは三つです。
何日前に通知されるか、引き継ぎの期間をどう取るか、引き継ぎの内容を文書で残すか。
通知が交代の当日である体制では、引き継ぎの時間が取れません。
一か月前の通知を条件にしておくと、並走の期間を作れます。
引き継ぎの内容を文書で残す取り決めがないと、経緯が前任者の記憶とともに消えます。
設定の理由、過去に試して効かなかった施策、社内の合意事項がここに含まれます。
この取り決めは、契約書か覚書に書いてください。
口頭の合意は、担当者が交代した時点で失われます。
体制の確認は、自社に割かれる時間を見る作業です。担当予定者の兼務数と合計予算を聞き、交代時の通知と引き継ぎの手順を契約前に決めてください。
手数料の構造は、どう見るのか
率だけを比べても判断できません。
含まれる作業の範囲と、予算が増減したときの変化まで見ます。
手数料は、媒体費に対する率で提示されることが一般的です。
率が低いほど有利に見えますが、含まれる範囲が違えば比較になりません。
まず、含まれる作業を一覧で出してもらってください。
運用の調整、レポートの作成、定例への参加、分析の実施、制作物の作成。
このどこまでが含まれるかは、代理店ごとに違います。
含まれない作業は、別料金になるか、実施されないかのどちらかです。
実施されない場合は、その作業を社内で担うことになります。
社内の工数を計算に入れないと、比較が成り立ちません。
数字は説明のための仮の値です。
媒体費が月200万円で手数料が20%なら40万円、別の先が15%でも制作費が月20万円別途なら合計50万円になります。
率だけで並べると順位が入れ替わります。
比較は、含まれる範囲を揃えたうえで総額で行ってください。
予算が変動したときの扱いも、契約前に決めておきます。
繁忙期に予算を二倍にしたとき、率のままなら手数料も二倍になります。
作業量が二倍になるわけではない場合、上限を設ける交渉ができます。
逆に、予算を絞る時期の下限も同時に決めておくと、両者にとって予測が立ちます。
手数料の形式は、率のほかにもあります。
固定額、率と上限の併用、作業量に応じた課金、成果連動の併用です。
予算が安定している事業なら率で足ります。
予算が大きく変動する事業では固定額のほうが管理しやすくなります。
繁忙期に予算が跳ねる事業では、率に上限を設ける形が合います。
依頼の内容が案件ごとに違う場合は、作業量に応じた課金が実態に近くなります。
成果連動を選ぶ前に決めること
成果に応じた報酬は、一見すると合理的に見えます。
実際には、指標の定義と計測の仕様で揉めやすい形式です。
採用する前に、三つを文書にしてください。
コンバージョンの定義、計測の期間、除外する条件です。
コンバージョンの定義が曖昧だと、重複や無効な件が成果として計上されます。
計測の期間が決まっていないと、いつの成果として数えるかで解釈が分かれます。
除外する条件も必要です。
指名検索からの獲得や既存顧客からの再購入を含めるかどうかで、金額が大きく変わります。
これらを決められない段階では、成果連動を採用しないほうが安全です。
決めてから導入しても遅くはありません。
手数料は率ではなく、含まれる範囲を揃えた総額で比べてください。予算が増減したときの扱いと、成果連動を使うなら定義の三点を契約前に決めます。
契約条件で、先に決めておくことは何か
アカウントの所有と、契約終了時の引き継ぎです。
この二つが曖昧なまま契約すると、後から相手を変える選択肢がなくなります。
契約書の条項は、うまくいっているあいだは読まれません。
読むことになるのは、相手を変えようとするときです。
そのときになって、変えられない条件が入っていることに気づきます。
気づいた時点では、交渉の材料がありません。
最初に決めるのは、広告アカウントの名義です。
自社名義であれば、代理店を変えても配信の履歴と学習が残ります。
代理店名義の場合、切り替え時に一から作り直すことになります。
履歴が消えると、配信が安定するまでに数か月を要します。
この差は、切り替えの費用として直接効いてきます。
名義の条件は、他のどの条項よりも先に確認してください。
計測環境の管理者権限も同様です。
権限が代理店側にしかない場合、契約終了時に過去のデータへの経路が切れます。
制作した広告素材の使用範囲も決めておきます。
契約終了後に使えない条件だと、素材を作り直す費用が発生します。
最低契約期間と解約の通知時期も、選択肢の幅を決めます。
通知が六か月前という条件なら、実質的に半年は変えられません。
データの返却についても、範囲と形式を決めてください。
形式が指定されていないと、読めない形で返却されることがあります。
顧客データを共有する場面では、取り扱う範囲、保管の期間、終了後の削除を定めます。
関連する規制は改定されることがあるため、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
条項を読む人を、法務だけにしない
契約条項の確認を法務部門だけに任せると、実務上の影響が見落とされます。
法務が見るのは、条項の法的な妥当性です。
アカウント名義が代理店になっていることは、法的には問題になりません。
実務上、切り替えの費用が跳ね上がるという点は、運用を知る人でなければ気づけません。
そのため、条項の確認はマーケティング責任者と法務の両方で行ってください。
運用担当も、計測環境の権限については意見を出せます。
確認にかかる期間は三週間程度を見込んでください。
締結を急ぐと、この工程が最初に削られます。
契約前に決めておく項目
| 項目 | 決めること | 決めていないと起きること |
|---|---|---|
| アカウント名義 | 自社名義にできるか | 切り替え時に履歴と学習を失う |
| 計測環境の権限 | 管理者権限の所在 | 過去のデータへの経路が切れる |
| 制作物の使用範囲 | 終了後に使えるか | 素材を作り直す費用が出る |
| 最低契約期間 | 期間と中途解約の条件 | 見直しの機会が限られる |
| 解約通知 | 通知の時期と方法 | 切り替えの準備期間が取れない |
契約前に決めるのは、アカウント名義と終了時の引き継ぎです。条項の確認は法務だけでなく、マーケティング責任者と運用担当も加えてください。
実績と事例は、どう読むのか
改善率ではなく、条件を見ます。
どの規模で、どの期間で、何を変えたのかが書かれていない事例は、比較に使えません。
提案書に載る事例は、その代理店が最も良い結果を出した案件です。
これは当然のことで、悪い事例を載せる理由がありません。
問題は、その事例が自社に再現するかどうかです。
再現の可否は、条件が近いかどうかで決まります。
見るべき条件は三つです。
扱っていた予算の規模、改善にかかった期間、改善の前の水準です。
予算規模が自社の十分の一の案件であれば、同じ手順は使えません。
使える媒体も、配信の量も違うためです。
改善にかかった期間が書かれていないと、再現に必要な時間が見積もれません。
三か月で達成したのか、二年かかったのかで、社内の説明も変わります。
改善の前の水準は、最も見落とされやすい項目です。
獲得単価が半減したという事例でも、元の水準が極端に悪ければ、標準的な状態に戻しただけということがあります。
分母が示されていない改善率は、比較に使えません。
どこからどこへ改善したのかを聞いてください。
何を変えたのかも確認します。
施策を変えたのか、体制を変えたのか、予算を増やしたのかで、自社で実行できるかが変わります。
予算を三倍にして件数が三倍になった事例は、改善の事例とは言えません。
自社で同じ判断ができるかどうかも、別の問題です。
継続性も確認してください。
改善した後にその水準が維持されたのか、一時的な効果だったのかで、意味が変わります。
一時的な効果であった場合、その後に何が起きたのかを聞きます。
競合の入札が戻った、素材が消耗した、担当者が交代したなど、理由が説明できれば判断の材料になります。
事例の件数が多いことも、そのままでは評価になりません。
自社と条件が近い事例が一件でもあるかどうかのほうが、再現の見通しに効きます。
Google公式に掲載されている事例には、条件が明示されているものがあります。
P-MAXについては、MonotaROがROAS48%増と新規法人顧客44%増、freeeがCV価値169%増とROAS96%増、IDOMが成約率1.4倍と成約単価30%減、イトーヨーカドーがROAS890%といった数字が公開されています。
代理店が提示する事例についても、同じ水準で条件を開示できるかを見てください。
開示できない理由があるなら、その理由を聞きます。
同業の実績が持つ、二つの面
同業での実績があると、商材の理解が早いという利点があります。
業界特有の規制や、購買の習慣を説明する手間が省けます。
一方で、同業の競合を複数担当している場合、配信の方針が重なることがあります。
同じキーワードで自社と競合が入札していれば、単価は上がります。
競合の担当状況を確認してください。
担当していること自体は問題ではなく、情報の取り扱いがどう分離されているかが論点です。
担当者を分けているか、情報の共有範囲をどう定めているかを聞きます。
答えられない相手は、分離の仕組みを持っていないということです。
事例は改善率ではなく、予算規模、期間、改善前の水準の三つで読んでください。同業の実績がある場合は、競合の担当状況と情報の分離を確認します。
選んだあとの最初の三か月で、何を確認するのか
提案時の前提が実務で守られているかを見ます。
担当者、作業範囲、レポートの三つが約束どおりかを、早い段階で確認します。
契約して終わりではありません。
最初の三か月が、その後の関係を決めます。
この期間に確認すべきなのは、成果の数字ではありません。
配信には学習の期間があるため、最初の一、二か月の数字は安定しません。
数字で評価すると、判断を誤ります。
見るのは、約束が守られているかどうかです。
一か月目に確認するのは、担当者と体制が提案どおりかです。
契約後に担当が変わることがあり、その場合は経験と兼務数を改めて確認します。
同じ一か月目に、作業範囲が実施されているかも確認します。
提案で含まれるとされた作業が、レポートに現れていなければ、実施されていない可能性があります。
二か月目に確認するのは、レポートの項目と頻度です。
定型の様式のまま運用されていると、自社の判断に必要な項目が欠けます。
質問への回答の速度も、この時点で測り始めてください。
依頼から回答までの日数を記録し、三か月分を並べると傾向が見えます。
三か月目に確認するのは、提案の前提が実務と合っているかです。
提案時に置いた目標値や前提条件が、実際の運用で成立しているかを見ます。
成立していない場合は、前提を置き直す場を持ちます。
置き直さないまま進むと、期末に目標との差だけが残ります。
是正の依頼は、必ず文書で行ってください。
口頭の指摘は記録に残らず、対応されなかったときに根拠がありません。
文書には、対応の期限も書きます。
この記録が、継続を判断するときの材料になります。
三か月の確認を、誰が行うか
確認の作業を運用担当だけに任せると、体制に関わる指摘が出にくくなります。
日々やり取りしている相手に、体制の不備を指摘するのは負担が大きいためです。
マーケティング責任者が、三か月目の確認の場に入ってください。
提案時の資料と実際の運用を並べて確認する形にします。
確認の項目は、選定時の質問状と同じにしてください。
同じ項目で比べると、差が明確になります。
この確認を一度も行わないまま一年が経過すると、提案時の前提が誰にも分からなくなります。
担当者が交代していれば、なおさらです。
最初の三か月は数字ではなく、約束が守られているかを見てください。是正の依頼は文書で行い、選定時の質問状と同じ項目で確認します。
選定の準備は、どこから手をつけるのか
自社が何を任せたいかを先に文書にすることからです。
任せる範囲が決まらないと、提案を比較する軸が作れません。
代理店の選定は、提案を受け取る前の準備で質が決まります。
準備なしに提案を集めると、提案の見栄えで順位が付きます。
最初にやるのは、任せる範囲と社内に残す判断を決めることです。
対象を誰にするか、何を訴求するか、予算をどう配分するか。
この三つを社内に残すのか、外部に委ねるのかを決めます。
次に、評価する軸と配点を決めます。
提案を見てから軸を決めると、提案の印象に引きずられます。
軸は、体制、費用、考え方、契約条件の四つで足ります。
配点を先に決め、提案を受け取る前に社内で合意しておきます。
三番目が、提案書に出てこない項目の質問状を作ることです。
担当体制、作業範囲、レポート、アカウントの所有、成果が出ないときの手順の五項目です。
四番目に、候補先へ資料と質問状を送ります。
自社の情報をどこまで出すかも、この段階で決めておきます。
五番目が、担当予定者との面談です。
提案を作った人ではなく、実際に担当する人と話します。
最後に、契約条項を法務とマーケティング責任者の両方で確認して締結します。
ここに三週間を見込んでおくと、締結を急いで条項を飛ばす事態を避けられます。
代理店を選ぶまでの手順
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 任せる範囲と社内に残す判断を決める | マーケ責任者・経営 | 2週間 |
| 2 | 評価する軸と配点を決める | マーケ責任者 | 1週間 |
| 3 | 提案書に出てこない項目の質問状を作る | マーケ責任者・運用担当 | 1週間 |
| 4 | 候補先に資料と質問状を送る | マーケ責任者 | 1週間 |
| 5 | 担当予定者との面談を行う | マーケ責任者・運用担当 | 2週間 |
| 6 | 契約条項を法務と確認して締結する | 法務・マーケ責任者 | 3週間 |
数字は説明のための仮の値です。
媒体費が月200万円で、手数料率20%の先と、15%で制作費が月20万円別途の先を比べると、前者が240万円、後者が250万円になります。
率で並べれば後者が有利に見えますが、総額では前者が安くなります。
この計算を、含まれる作業の一覧を揃えたうえで行ってください。
相見積りを取る場合も、同じ作業範囲で見積もりを出してもらいます。
範囲が違う見積もりを並べても、比較にはなりません。
選んだ理由は、文書に残してください。
担当者が交代したときに、この記録が判断の前提を引き継ぎます。
選んだあとに経過を追う数字
| 数字 | 見る頻度 | 目安の考え方 |
|---|---|---|
| 自社が代理店の担当予算に占める比率 | 契約時と年次 | 割かれる時間の目安になる |
| 手数料を含めた総額 | 毎月 | 率ではなく総額で比べる |
| 依頼から回答までの日数 | 毎月 | 体制の余力が現れる |
| 依頼していない提案の件数 | 四半期 | 関係が能動的に保たれているか |
| 契約条件の最終確認日 | 年次 | 更新時に見直せているか |
依頼から回答までの日数は、選定の直後から記録してください。
契約後の数か月と、一年後を比べると、体制の変化が見えます。
自社が担当予算に占める比率も、年次で確認します。
代理店側の受注が増えれば、自社の比重は下がります。
選定の質は、提案を受け取る前の準備で決まります。任せる範囲と評価の配点を先に決め、質問状を送ってから提案を受け取ってください。
広告代理店の選び方が分からない場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
委託の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
代理店は提案内容で選んでよいですか
提案を書く人と運用する人は別であることが一般的です。提案の質は営業の力を示しますが、一年後の成果は体制で決まります。担当予定者の氏名、経験した商材、兼務数と合計予算まで確認し、契約前に本人と話してください。
手数料の率は何を基準に比べればいいですか
率だけでは比較になりません。含まれる作業の範囲が代理店ごとに違うためです。作業の一覧を揃えたうえで、制作費や分析費を含めた総額で比べてください。予算が増減したときの扱いも契約前に決めます。
契約前に必ず決めておくべきことは何ですか
広告アカウントの名義と、契約終了時の引き継ぎの範囲です。代理店名義のまま契約すると、後から相手を変えるときに配信の履歴と学習を失い、安定まで数か月かかります。計測環境の管理者権限も同様です。
提案書の事例はどう読めばいいですか
改善率ではなく条件を見ます。予算規模、改善にかかった期間、改善前の水準の三つが分かると、自社に当てはめられるかを判断できます。分母が示されない改善率は比較に使えません。
契約後の最初の数か月は何を見ればいいですか
数字ではなく、約束が守られているかを見ます。配信には学習の期間があるため最初の数字は安定しません。担当者、作業範囲、レポートの三つが提案どおりかを、選定時の質問状と同じ項目で確認してください。
まとめ
- 提案書を書く人と、実際に運用する人が違うからです。提案の質は営業の力を示しますが、一年後の成果は体制で決まります
- 体制、手数料の内訳、契約終了時の扱いの三つです。どれも聞かなければ出てこず、聞けば必ず答えが返るものです
- 担当予定者の氏名と兼務数まで確認します。組織図ではなく、自社に何時間割かれるかが実務の質を決めます
- 率だけを比べても判断できません。含まれる作業の範囲と、予算が増減したときの変化まで見ます
- アカウントの所有と、契約終了時の引き継ぎです。この二つが曖昧なまま契約すると、後から相手を変える選択肢がなくなります
- 改善率ではなく、条件を見ます。どの規模で、どの期間で、何を変えたのかが書かれていない事例は、比較に使えません
- 提案時の前提が実務で守られているかを見ます。担当者、作業範囲、レポートの三つが約束どおりかを、早い段階で確認します
- 自社が何を任せたいかを先に文書にすることからです。任せる範囲が決まらないと、提案を比較する軸が作れません