1人目のマーケターに何を任せるか

任せたいことを全部書き出しているからです。
一人で全部を担える人はいないため、応募もなく、採れても定着しません。
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目次
目次
- 一人目のマーケターの募集が、なぜ何でも屋の求人になるのか
- 任せない範囲を決めるのが、最も難しい
- 一人目に任せる範囲は、どうやって切るのか
- 詰まっている場所を、どう特定するか
- 一人目に任せてはいけないものは、何か
- 任せない仕事を、求人票にも書く
- 外部のパートナーとは、どう組み合わせるのか
- 外部に出す順番を決める
- 最初の半年は、何をもって成果とするのか
- 経営との合意を、採用の前に取る
- 一人目が辞めるのは、どんなときか
- 経営が定期的に話を聞く
- 二人目を採るのは、いつか
- 採用と外注を、同じ様式で比べる
- 一人目を迎えるまでに、何を整えるのか
- よくある質問
- まとめ
任せたいことを全部書き出しているからです。
一人で全部を担える人はいないため、応募もなく、採れても定着しません。
一人目のマーケターの募集が、なぜ何でも屋の求人になるのか
任せたいことを全部書き出しているからです。
一人で全部を担える人はいないため、応募もなく、採れても定着しません。
一人目のマーケターを採用するとき、求人票には多くの業務が並びます。
広告の運用、サイトの改善、記事の企画、イベント、資料の制作、データの集計。
社内で誰も担っていない業務を集めた結果、一人分を超えた内容になります。
集めた側に悪意はありません。
これまで誰もやっていなかった仕事を、まとめて任せたいと考えているだけです。
問題は、そのまとめ方が採用の成否を決めてしまうことにあります。
求人票の業務欄が長いほど、応募者は自分に合うかを判断できなくなります。
書かれた業務のすべてに経験がある人は存在しないためです。
経験のない業務が並んでいると、応募を見送られます。
判断の基準が分からないまま応募するより、条件が明確な求人を選ぶほうが合理的です。
応募が来たとしても、次の問題が起きます。
期待の幅が広すぎて、入社後に噛み合いません。
採用する側は全部をやってくれると考え、入社した側は自分の得意な領域を担うと考えます。
このずれは、三か月目あたりで表面化します。
職種名だけを書く求人票もあります。
応募は来ますが、入社後に想定と違うと分かる点は同じです。
範囲を絞って書くと、応募は絞られます。
そのかわり、入社直後から動ける人が来ます。
成果の定義まで書くと、応募者が自分で判断できます。
半年で何を達成することを期待されているかが分かるためです。
任せない範囲も書くと、誠実な印象になります。
外部との分担が最初から見えるため、入社後の齟齬も減ります。
任せない範囲を決めるのが、最も難しい
任せる範囲を決めるより、任せない範囲を決めるほうが難しくなります。
任せない範囲は、誰かが担うか、やらないかのどちらかになるためです。
社内に担える人がいないから採用しているので、この判断は経営が行います。
マーケティングの担当者を置く前の段階では、他に決められる人がいません。
任せないと決めた仕事は、三つの行き先があります。
経営が担う、外部に出す、やらないと決める。
このどれかを、業務ごとに決めてください。
決めずに求人票から外すと、入社後に結局その人のところに来ます。
やらないと決めた業務は、記録に残します。
記録がないと、半年後に誰かが思い出して依頼します。
この整理には、二週間程度かかります。
求人票を書く前に、この二週間を確保してください。
求人票が長くなるのは、任せない範囲を決めていないからです。任せない業務は経営が担うか外部に出すかやらないかを、業務ごとに決めてください。
一人目に任せる範囲は、どうやって切るのか
事業が今つまずいている場所に合わせます。
集客が足りないのか、獲得した後が続かないのかで、任せる範囲が変わります。
一人目の職能は、事業の状態から決まります。
どの会社にも共通する正解はありません。
まず、どこが詰まっているかを特定してください。
集客の量が足りないのか、来た人が離脱しているのか、獲得したリードが商談にならないのか。
この三つは、必要な職能がまったく違います。
集客の量が足りないなら、広告と流入の設計ができる人です。
サイトでの離脱が問題なら、導線と訴求の改善ができる人になります。
リードの質が問題なら、対象と訴求の見直しができる人です。
商談化までの接続が問題なら、営業との連携と情報設計ができる人になります。
指名の少なさが問題なら、認知の施策を企画できる人です。
それぞれ、外部に出す部分も変わります。
集客が中心なら、運用の作業と制作を外に出します。
離脱が中心なら、デザインと実装を外に出します。
リードの質が中心なら、配信の運用を外に出します。
任せる中心は、一つに絞ってください。
中心が二つあると、成果の定義が書けません。
書けないと、評価もできません。
片方が進まなかったときに、もう片方で説明できてしまいます。
どこが詰まっているか分からない状態なら、それを明らかにすること自体を最初の仕事にします。
最初の三か月を現状把握に充てると、割り切ってください。
この割り切りを採用の前にしておかないと、入社直後から数字を求めることになります。
数字を求めると、既存の施策の延長しかできません。
事業の詰まりと、一人目に任せる中心
| 詰まっている場所 | 一人目に任せる中心 | 外部に出す部分 |
|---|---|---|
| 集客の量 | 広告と流入の設計 | 運用の作業と制作 |
| サイトでの離脱 | 導線と訴求の改善 | デザインと実装 |
| リードの質 | 対象と訴求の見直し | 配信の運用 |
| 商談化までの接続 | 営業との連携と情報設計 | ツールの設定 |
| 指名の少なさ | 認知の施策の企画 | 制作と媒体の運用 |
詰まっている場所を、どう特定するか
採用の前に詰まりを特定するには、社内にある数字を並べます。
サイトへの流入数、問い合わせの件数、商談の件数、受注の件数。
この四つの前月比を並べると、どこで落ちているかが見えます。
数字がなければ、そこが詰まっている場所です。
数字は説明のための仮の値です。
月間の流入が2万で問い合わせが80件、商談が20件、受注が5件だとします。
流入から問い合わせが0.4%、問い合わせから商談が25%、商談から受注が25%になります。
この三つの率を同業の一般的な水準と比べると、どこが低いかが分かります。
比べる相手がいない場合は、前年の同月と比べてください。
落ちている率が、詰まっている場所です。
この作業は、経営か既存の担当者が半日で行えます。
採用の前にこれをやるかどうかで、求人票の質が変わります。
任せる中心は、事業が詰まっている場所に合わせて一つに絞ります。詰まりが分からないなら、最初の三か月を現状把握に充てると割り切ってください。
一人目に任せてはいけないものは、何か
社内の調整に依存する仕事と、判断の権限がないと進まない仕事です。
入社直後の人が社内の力関係を動かすことはできません。
一人目に任せる範囲を決めるとき、任せないものも決めます。
任せてはいけないものには、共通の特徴があります。
一つ目が、社内の力関係が要る仕事です。
部門をまたぐデータの統合、営業のプロセスの変更、既存の取引先の見直し。
どれも社内の関係が必要で、入社直後の人には動かせません。
権限を渡しても、誰と話せばよいかが分からないためです。
二つ目が、過去の経緯を知らないと判断できない仕事です。
既存の取引先の見直しが、これに当たります。
その取引先がなぜ選ばれたのか、過去にどんな経緯があったのか。
知らないまま見直すと、社内の反発を招きます。
三つ目が、事業計画との接続が必要な仕事です。
予算の総額の決定は、事業計画を理解していなければできません。
四つ目が、他部門の権限に関わる仕事です。
営業のプロセスの変更は、営業責任者と経営が決めます。
五つ目が、経営の判断事項です。
全社のブランドの方針は、マーケティングの担当者が決めるものではありません。
六つ目が、情報システムとの調整が必要な仕事です。
ツールの全社導入は、情報システムと経営が主導します。
これらを一人目に任せると、成果が出ません。
出ない理由が本人の能力に見えるため、評価も下がります。
権限を渡せば動けると考えるのは、誤りです。
権限があっても、社内の誰と話せばよいかが分からなければ進みません。
経営が同席する場を、最初の数か月だけ作ってください。
同席の回数は、月に二回程度で足ります。
任せない仕事を、求人票にも書く
任せない範囲を求人票に書くと、入社後の齟齬が減ります。
書かないと、候補者は全部を任されると受け取ります。
書き方は、この役割では扱わない範囲として一行で並べる形で足ります。
理由まで書く必要はありません。
書くことで、候補者からの質問の質も変わります。
では誰が担うのかという質問が出れば、その場で体制を説明できます。
この説明ができるかどうかで、候補者の判断が変わります。
説明できない会社は、入社後も同じ状態が続くと予想されるためです。
任せない仕事の担い手も、求人票に書いてください。
経営が担う、外部パートナーが担う、と書くだけで十分です。
書けない業務があれば、それはまだ決まっていない業務です。
決めてから募集を出してください。
社内の力関係が要る仕事と経営の判断事項は任せないでください。任せない範囲と、その担い手を求人票に書くと入社後の齟齬が減ります。
外部のパートナーとは、どう組み合わせるのか
一人目には判断を任せ、手を動かす部分は外に置きます。
一人で作業まで抱えると、判断に使う時間がなくなります。
一人目のマーケターが作業に追われる状態は、よく起きます。
作業をしている限り、事業の判断は進みません。
分ける基準は、判断か作業かです。
どこに出すか、何を訴求するか、どの数字を追うかは判断です。
入稿、集計、素材の制作、レポートの作成は作業になります。
一人目には判断を残し、作業は外に出してください。
広告の領域では、対象と訴求と予算の配分が判断です。
入稿と日々の調整は作業になります。
制作の領域では、何を伝えるかの決定が判断です。
デザインと実装は作業になります。
分析の領域では、どの数字を見るかの決定が判断です。
集計とレポートの作成は作業です。
サイトの領域では、改善する箇所の判断が判断にあたります。
制作と公開の作業は、外に出せます。
記事の領域では、テーマと構成の決定が判断です。
執筆と編集は、外に出せます。
立ち上げの初期は、一人目が作業まで担うことがあります。
外部を探す時間もないため、自分でやるほうが早いためです。
この期間を、何か月と決めておいてください。
過ぎたら外に出す、という約束を採用の時点でしておきます。
期間を決めないと、作業が固定されます。
固定された作業は、後から外に出すのが難しくなります。
外部の選定は、一人目に任せてかまいません。
誰と組むかは、判断の一部です。
経営が先に決めた外部先を渡すと、組み合わせが噛み合いません。
一人目が選べる形にしておくと、成果への責任も明確になります。
外部に出す順番を決める
作業をすべて同時に外に出すことはできません。
費用も、管理の手間もかかります。
順番を決める基準は、時間のかかる順です。
一人目の時間を最も使っている作業から、外に出します。
多くの場合、最初に出るのはレポートの作成です。
毎月決まった形で作る作業で、定型化しやすいためです。
次が、制作の実作業です。
デザインと実装は、外部の市場が最も整っています。
三番目が、広告の入稿と日次の調整です。
ここは、対象と訴求の判断を社内に残したまま出せます。
出した後に確認するのは、空いた時間が判断に使われているかです。
空いた時間が別の作業で埋まっているなら、出す意味がありません。
一人目の時間配分を記録しておくと、この確認ができます。
記録は、週に一度の自己申告で足ります。
判断は一人目、作業は外部という分け方にします。作業を抱える期間を採用の時点で区切り、外に出す順番は時間のかかる順で決めてください。
最初の半年は、何をもって成果とするのか
獲得件数ではありません。
何が詰まっていたかを特定し、次の打ち手が決まった状態を成果とします。
一人目の評価を獲得件数で行うと、短期で数字が出る施策に寄ります。
立ち上げの期間にそれをやると、その後が続きません。
短期で数字が出る施策とは、既存の施策の延長です。
すでに効いている経路に、予算を追加する形になります。
追加すれば、一時的に件数は増えます。
増えた分の単価は上がり、半年後には元の水準に戻ります。
その半年のあいだに、詰まりの特定も仕組みの整備も進みません。
一年後に振り返ると、何も残っていない状態になります。
これを避けるには、期間ごとに成果の定義を変えます。
最初の一か月、二か月から三か月、四か月から六か月で、見るものが変わります。
最初の一か月の成果は、事業と数字の現状を把握していることです。
現状の整理が文書になっているかを見ます。
二か月から三か月の成果は、詰まっている場所を特定していることです。
どこを直すかが決まっているかを見ます。
四か月から六か月の成果は、最初の打ち手が動いていることです。
施策が計画どおり実行されたかを見ます。
七か月から十二か月の成果が、初めて数字になります。
主要な指標の推移を見ます。
十二か月以降の成果は、仕組みが回っていることです。
担当が休んでも止まらないかを見ます。
この定義を、入社時に文書で渡してください。
渡さないと、本人と上司で期待がずれます。
ずれたまま半年が過ぎると、評価の場で初めて食い違いが表面化します。
そのときには、修正する時間がありません。
期間ごとの成果の定義
| 期間 | 成果の定義 | 評価で見るもの |
|---|---|---|
| 最初の1か月 | 事業と数字の現状を把握している | 現状の整理が文書になっているか |
| 2か月から3か月 | 詰まっている場所を特定している | どこを直すかが決まっているか |
| 4か月から6か月 | 最初の打ち手が動いている | 施策が計画どおり実行されたか |
| 7か月から12か月 | 数字が動いている | 主要な指標の推移 |
| 12か月以降 | 仕組みが回っている | 担当が休んでも止まらないか |
経営との合意を、採用の前に取る
期間ごとの成果の定義は、採用の前に経営と合意しておいてください。
採用してから説明すると、遅すぎます。
合意する内容は、最初の三か月に数字を求めないことです。
この一点が合意できていれば、あとは調整できます。
合意できない場合は、採用の時期を考え直してください。
三か月で数字を求められる状態で入った人は、半年で辞めます。
合意の記録は、文書で残します。
経営が交代した場合でも、記録があれば説明ができます。
記録に含めるのは、期間ごとの成果の定義と、その定義にした理由です。
理由まで書いておくと、途中で変えようとする動きを止められます。
途中で変える必要が出た場合は、変える理由を記録に追加してください。
記録なしに変えると、本人から見ると恣意的な変更になります。
最初の三か月は現状把握、四か月から六か月は打ち手の実行を成果とします。この定義を採用の前に経営と合意し、入社時に文書で渡してください。
一人目が辞めるのは、どんなときか
成果を出したのに評価されないときと、判断の相談相手がいないときです。
どちらも仕事の量ではなく、孤立が原因になります。
一人目のマーケターの離職は、業務量よりも環境で起きます。
量が多いことは、事前に分かっているためです。
最も多いのが、相談相手がいない状態です。
社内にマーケティングを理解している人がいなければ、判断の相談ができません。
判断が正しいかどうかを確かめられないまま、実行し続けることになります。
実行した結果が出るのは数か月後で、その間は不安が続きます。
この状態は、外から見えません。
本人も、相談できないこと自体を問題として言い出しにくくなります。
対策は、外部に助言者を置くことです。
実務を依頼している先とは別に、判断を相談できる相手を用意します。
実務の委託先に相談すると、その委託先に有利な提案が返ることがあります。
利害のない相手を選んでください。
二つ目が、評価の基準が曖昧な状態です。
成果を出しても認められないと感じる場面が続きます。
期間ごとの成果の定義を入社時に渡していれば、この問題は起きません。
渡していない場合は、いま作って渡してください。
三つ目が、作業に追われる状態です。
判断の時間が取れないと、自分の仕事が何なのか分からなくなります。
四つ目が、成果が出る前に問われる状態です。
短期の数字を求められると、長期の施策に着手できません。
五つ目が、社内の理解がない状態です。
施策の説明に時間を取られ、実行の時間が減ります。
この五つのうち、二つ以上が重なると離職の確率が上がります。
どれも、体制の側で手当てできます。
経営が定期的に話を聞く
一人目の直属の上司が経営である場合、話を聞く時間を定期的に取ってください。
報告の場ではなく、判断を一緒に確認する場として設けます。
報告の場にすると、本人は進捗を説明することに時間を使います。
確認の場にすると、迷っている判断を出せます。
頻度は、最初の三か月は隔週、その後は月次で足ります。
一回30分で構いません。
この時間を確保できないなら、採用の時期を後ろにずらす判断もあります。
時間を取れない状態で採用すると、孤立が確実に起きます。
話を聞くときに、答えを出す必要はありません。
経営がマーケティングを知らなくても、判断の前提を一緒に確認することはできます。
なぜその判断をしたのか、他にどの選択肢があったのか。
この二つを聞くだけで、本人の思考の整理が進みます。
離職の原因は量ではなく孤立です。利害のない外部の助言者を置き、経営が隔週30分の確認の場を持ってください。
二人目を採るのは、いつか
一人目が作業に時間の半分以上を使うようになったときです。
業務量が増えたからではなく、判断の時間が削られたときが基準になります。
二人目の採用の時期は、業務量では決まりません。
一人目の時間の使い方で決まります。
業務量で判断すると、常に忙しいため、常に採用が必要という結論になります。
時間の使い方で判断すると、外注で足りるのか人が要るのかが分かれます。
一人目の時間を、四つに分けて記録してください。
判断、作業、社内調整、外部とのやり取りの四つです。
記録は、週に一度の自己申告で足ります。
正確な時間である必要はなく、割合が分かれば判断できます。
作業の比率が二割以下なら、判断に集中できています。
そのままで問題ありません。
三割から四割なら、やや作業に寄っています。
作業の一部を外部に出す時期です。
五割以上なら、判断の時間が足りていません。
外部を増やすか、二人目を採るかの判断になります。
七割以上なら、実質的に作業者になっています。
役割の再設計が必要な段階です。
社内調整が五割を超えている場合は、別の問題です。
社内の摩擦が大きく、経営の関与を増やす必要があります。
この記録を四半期ごとに見ると、傾向が分かります。
作業の比率が上がり続けているなら、外注か増員の時期が近づいています。
二人目を採るときは、一人目と違う職能を選んでください。
同じ職能の人を増やすと、作業の量は増えますが幅は広がりません。
一人目が手薄な領域を、二人目で埋めます。
一人目が広告に強いなら、二人目は計測とデータの整備です。
外部で埋める選択も、同じ様式で比べてください。
費用だけでなく、知見が社内に残るかどうかも並べます。
採用と外注を、同じ様式で比べる
二人目の採用と、外部への追加委託を並べて比べる様式を作ってください。
比べる項目は、五つで足ります。
一つ目が、費用の年額です。
採用なら人件費と採用費、外注なら委託費を入れます。
二つ目が、立ち上がりまでの期間です。
採用なら募集から戦力化まで、外注なら契約から稼働までです。
三つ目が、量の変動への対応です。
採用は固定で、外注は変動に対応できます。
四つ目が、知見が社内に残るかどうかです。
ここが、ノウハウの蓄積を目的とする場合に効きます。
五つ目が、いなくなったときの影響です。
採用した人が辞めると業務が止まり、外注は契約を切り替えられます。
この五項目を並べると、費用だけで決めない判断ができます。
並べる作業は、一人目が半日で行えます。
二人目の時期は、一人目の作業の比率が五割を超えたときです。採用と外注を五つの項目で並べて、費用だけで決めないでください。
一人目を迎えるまでに、何を整えるのか
任せる範囲と任せない範囲を文書にすることからです。
この文書がないまま採用を始めると、求人票が何でも屋の内容になります。
一人目の採用は、募集を出す前の作業で大半が決まります。
募集を出してから考えると、応募が来ない期間が続きます。
最初にやるのは、事業のどこが詰まっているかの整理です。
社内にある数字を並べて、どの段階で落ちているかを見ます。
次に、任せる範囲の中心を一つ決めます。
同時に、任せない仕事の担い手も決めます。
この二つが決まると、求人票の骨格ができます。
決まっていない状態で書き始めると、業務欄が長くなります。
三つ目が、期間ごとの成果の定義です。
最初の三か月に数字を求めないことを、経営と合意します。
四つ目が、判断と作業の切り分けです。
作業を外に出す範囲と、出す時期を決めます。
五つ目が、外部の候補の確認です。
出すと決めた作業の受け手が存在するかを、先に確認してください。
存在しなければ、その作業は一人目が担うことになります。
担う前提で、求人票の内容も変わります。
六つ目が、評価の基準と相談の場を決めて、求人票に反映することです。
ここまでで、募集を出す準備が整います。
一人目を迎えるまでの準備
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 事業のどこが詰まっているかを整理する | 経営とマーケ担当 | 2週間 |
| 2 | 任せる範囲の中心と、任せない仕事の担い手を決める | 経営 | 2週間 |
| 3 | 期間ごとの成果の定義を書く | 経営 | 1週間 |
| 4 | 判断と作業の切り分けと、出す時期を決める | 経営 | 1週間 |
| 5 | 作業を出す外部の候補を確認する | 経営 | 2週間 |
| 6 | 評価の基準と相談の場を決め、求人票に反映する | 経営と人事 | 1週間 |
入社初日に渡すものも、この期間に用意してください。
事業の数字の現状、過去の施策の記録、外部の取引先の一覧、決裁の流れの四つです。
この四つがあると、最初の一か月の立ち上がりが大きく変わります。
なければ、本人が社内を回って集めることになります。
集める作業に一か月かかると、現状把握の期間がそのぶん後ろにずれます。
三か月で詰まりを特定する予定が、四か月になります。
数字は説明のための仮の値です。
月間の広告費が400万円、獲得件数が80件、商談化率が25%という現状の数字を、最初の資料として並べます。
この三つがあれば、初日から議論が始められます。
なければ、初日は自己紹介と社内の案内で終わります。
採用後の半年で見る数字
| 数字 | 見る頻度 | 何を確かめるか |
|---|---|---|
| 一人目の時間配分 | 毎月 | 判断の時間が確保できているか |
| 現状把握の進み方 | 最初の3か月は毎月 | 詰まりの特定が進んでいるか |
| 実行に移った施策の件数 | 毎月 | 判断が実行につながっているか |
| 外部に出している作業の割合 | 四半期 | 作業を抱え込んでいないか |
| 主要な指標の推移 | 毎月 | 4か月目以降の評価に使う |
最初の三か月は、主要な指標の推移を評価には使いません。
見てはおきますが、評価の材料にはしないでください。
一人目の時間配分は、採用後も記録を続けます。
この数字が、二人目の採用や外部の追加の判断材料になります。
経営が話を聞く時間は、最初の三か月は隔週で確保してください。
この時間を確保できないなら、採用の時期を後ろにずらす判断もあります。
準備の期間は、全部で二か月前後です。
募集から入社までにさらに三か月かかるため、必要な時期の五か月前には着手してください。
着手点は、事業の詰まりの整理と任せない仕事の担い手の決定です。入社初日に渡す四つの資料を、募集の期間中に用意してください。
一人目に何を任せるべきか判断がつかない場合は、無料相談で現状の体制を見てもらうところから始められます。
外部との分担ごと設計する段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
一人目のマーケターには何を任せますか
事業が今つまずいている場所に合わせて、中心を一つに絞ります。集客の量が足りないのか、リードの質なのか、商談化までの接続なのかで必要な職能が変わります。中心が二つあると成果の定義が書けません。
求人票に業務を全部書くとどうなりますか
すべてに経験がある人は存在しないため、応募を見送られます。応募が来ても期待の幅が広すぎて入社後に噛み合いません。任せない範囲と、その仕事を誰が担うかも書くと、入社後の齟齬が減ります。
一人目に任せてはいけない仕事はありますか
部門をまたぐ仕組みの変更、既存の取引先の見直し、予算の総額の決定などです。社内の力関係や過去の経緯が必要で、入社直後の人には動かせません。これらは経営または責任者が担います。
一人目の評価は何で行いますか
最初の3か月は獲得件数ではなく、事業の詰まりを特定できたかで見ます。4か月から6か月で最初の打ち手が動いたか、7か月以降で数字が動いたかを見ます。この定義は採用の前に経営と合意し、入社時に文書で渡します。
二人目はいつ採用しますか
一人目が時間の5割以上を作業に使うようになったときです。業務量が増えたからではなく、判断の時間が削られたときが基準です。採用と外注を、費用と立ち上がりと知見の残り方で並べて比べてください。
まとめ
- 任せたいことを全部書き出しているからです。一人で全部を担える人はいないため、応募もなく、採れても定着しません
- 事業が今つまずいている場所に合わせます。集客が足りないのか、獲得した後が続かないのかで、任せる範囲が変わります
- 社内の調整に依存する仕事と、判断の権限がないと進まない仕事です。入社直後の人が社内の力関係を動かすことはできません
- 一人目には判断を任せ、手を動かす部分は外に置きます。一人で作業まで抱えると、判断に使う時間がなくなります
- 獲得件数ではありません。何が詰まっていたかを特定し、次の打ち手が決まった状態を成果とします
- 成果を出したのに評価されないときと、判断の相談相手がいないときです。どちらも仕事の量ではなく、孤立が原因になります
- 一人目が作業に時間の半分以上を使うようになったときです。業務量が増えたからではなく、判断の時間が削られたときが基準になります
- 任せる範囲と任せない範囲を文書にすることからです。この文書がないまま採用を始めると、求人票が何でも屋の内容になります