展示会とウェビナーのリードを分けて扱う

商談化率の平均が意味を持たなくなります。
性質の違う経路を足して割った数字では、どちらを増やすべきかが判断できません。
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目次
目次
- 二つの経路を同じリードとして数えると、何が壊れるのか
- 分けて出した瞬間に、判断が変わる
- 展示会とウェビナーは、そもそも何が違うのか
- 件数の出方の違いが、営業の負担を決める
- 評価の期間は、経路ごとにどう分けるのか
- 期間の実績を、中央値で出す
- 経路によって、追い方をどう変えるのか
- 未視聴の申込を、どう扱うか
- 費用の見方は、経路ごとにどう分けるのか
- 削減の議論に、先に上がりやすい
- 名刺とフォームの情報量の差は、どう埋めるのか
- 記録がない名刺を、どの温度で扱うか
- 展示会をやめる判断は、何をもって下すのか
- やめるか続けるかの二択にしない
- 経路ごとに扱いを分けるには、何から始めるのか
- よくある質問
- まとめ
商談化率の平均が意味を持たなくなります。
性質の違う経路を足して割った数字では、どちらを増やすべきかが判断できません。
二つの経路を同じリードとして数えると、何が壊れるのか
商談化率の平均が意味を持たなくなります。
性質の違う経路を足して割った数字では、どちらを増やすべきかが判断できません。
展示会で集めた名刺と、ウェビナーの申込を、同じリード件数として月次で報告している会社があります。
合計の件数と合計の獲得単価だけを見ていると、判断を誤ります。
誤りは、平均という数字の性質から生まれます。
性質の違うものを足して割った数字は、どちらの実態も表しません。
数字は説明のための仮の値です。
展示会の商談化率が5%、ウェビナーが20%だとします。
件数が同じなら平均は12.5%になります。
この12.5%に当てはまる経路は、一つもありません。
この数字の厄介なところは、施策を何も変えていなくても動くことです。
経路の構成比が変わっただけで、平均が上下します。
展示会の多い月は平均が下がり、ウェビナーの多い月は上がります。
月次の会議で、この変動の理由を探すことになります。
探しても見つかりません。
変動の原因は、施策ではなく構成比だからです。
同じ問題が、獲得単価でも起きます。
単価の安い経路を増やせば、全体の獲得単価は下がります。
受注が一件も増えていなくても、数字の上では改善したように見えます。
この見え方が、翌期の予算配分を歪めます。
営業側にも影響が出ます。
同じリード件数として渡されると、同じ追い方をすることになります。
展示会の名刺とウェビナーの視聴完了では、必要な接触の仕方が違います。
違いを伝えずに渡すと、どちらかの経路の成果が落ちます。
分けて出すこと自体には、工数はほとんどかかりません。
記録の段階で経路の区分が入っていれば、集計の切り口を増やすだけです。
分けて出した瞬間に、判断が変わる
経路を分けて、件数、商談化率、受注までの期間を並べてください。
三つの数字を並べるだけで、どちらに寄せるべきかが見えます。
商談化率だけを比べると、ウェビナーが有利に見えます。
受注までの期間を並べると、展示会のほうが金額の大きい案件につながっている場合があります。
さらに受注金額まで並べると、順位が入れ替わることもあります。
件数と率と金額と期間の四つを並べて、初めて比較になります。
この四つを並べた表を、月次の報告の様式に組み込んでください。
様式に入っていれば、毎月同じ形で比較できます。
様式を決めずに毎回作ると、その月に都合のよい切り口で出てきます。
都合のよい切り口は、判断の材料になりません。
経路を合算した平均は、構成比が変わるだけで動きます。件数と率と金額と期間の四つを経路別に並べる様式を、月次の報告に組み込んでください。
展示会とウェビナーは、そもそも何が違うのか
相手が自分から時間を作ったかどうかが違います。
ウェビナーは申し込んだ時点で意思がありますが、展示会は通りがかりが混ざります。
同じ接点に見えて、獲得の構造が違います。
構造が違えば、後の扱いも変えることになります。
ウェビナーは、自社の名前か題材を見て申し込んでいます。
申込という行動に、時間を確保する意思が含まれています。
展示会は、会場に来た理由が自社と関係ないことがあります。
別の出展社が目的で来た人が、通りがかりに名刺を置いていく場面があります。
名刺の交換は、断りにくさで発生することもあります。
声をかけられたから、という理由の交換が一定数含まれます。
この差は、後の接触率と商談化率にそのまま出ます。
分けずに扱うと、展示会の数字が構造的に低く見えます。
取れる情報の種類も違います。
展示会では、その場で会話ができます。
会話ができれば、相手の課題も検討の時期も聞けます。
ただし、聞いた内容が記録されていなければ、この利点は消えます。
ウェビナーでは会話がない代わりに、行動の記録が残ります。
視聴した時間、途中で離脱した位置、質問の有無。
どちらも相手の関心を測る材料になりますが、形が違います。
展示会は人の記憶に、ウェビナーは記録に残ります。
人の記憶に残る情報は、記録しなければ数日で消えます。
記録に残る情報は、設定さえしておけば自動で溜まります。
件数の出方も、大きく違います。
展示会は三日間で数百件が一度に出ます。
ウェビナーは、開催ごとに数十件ずつ分散して出ます。
同じ月に同じ件数が出たとしても、処理の負荷がまったく違います。
展示会とウェビナーの性質の違い
| 観点 | 展示会 | ウェビナー |
|---|---|---|
| 接点の起点 | 会場に来た理由が自社と限らない | 題材か自社名を見て申し込む |
| 意思の強さ | 幅が広く通りがかりが混ざる | 一定以上ある |
| その場の会話 | ある | ない |
| 残る行動の記録 | 会話のメモだけ | 視聴時間と離脱位置と質問 |
| 件数の出方 | 数日にまとまって出る | 開催ごとに分散して出る |
件数の出方の違いが、営業の負担を決める
展示会の直後は、営業の処理能力を超えた件数が一度に渡ります。
超えた分は、接触されないまま日数が経ちます。
日数が経つと、展示会で話した内容を相手が覚えていません。
覚えていない相手への接触は、初回接触と変わらない難易度になります。
つまり、展示会の成果は処理の速度で決まります。
リードの質の問題ではなく、体制の問題です。
この前提で、展示会の前に人の配置を決めてください。
出展を決めた時点で、直後の一週間の接触の体制も一緒に決めます。
決めていない場合、展示会の数字は毎回低く出ます。
低い数字が続くと、出展そのものが削減の対象になります。
ウェビナーは分散して出るため、通常の体制で処理できます。
この違いが、二つの経路の評価を分ける最大の要因になります。
展示会は通りがかりが混ざり、件数が一度に出ます。展示会の成果は質ではなく、直後の処理の速度で決まります。
評価の期間は、経路ごとにどう分けるのか
展示会は受注まで長く、ウェビナーは短い傾向があります。
同じ月次で打ち切ると、展示会だけが常に成果の薄い施策に見えます。
評価の期間を揃えると、長い経路が構造的に不利になります。
これは施策の巧拙とは関係のない、集計の問題です。
展示会で接点を持った相手が商談になるまでに、半年かかることがあります。
月次の獲得単価で評価していると、その半年の間は費用だけが計上されます。
翌期に受注しても、その費用は前期のものです。
期をまたぐと、費用と成果が別の期の数字になります。
この状態で費用対効果を計算すると、展示会は必ず悪い数字になります。
悪い数字が二期続けば、削減の議論に上がります。
避けるには、経路ごとに観測の窓を変えます。
経路ごとに、接点から受注までの期間の実績を出してください。
その期間を過ぎた分だけを、評価の対象にします。
期間を過ぎていない接点は、まだ結果が出ていないものとして分けます。
ウェビナーなら、申込から三か月が目安になります。
三か月を過ぎた申込について、商談化率と受注件数を見ます。
展示会なら、接点から六か月以上が必要になります。
六か月に満たない接点については、接触率と商談化の進捗だけを見ます。
検索広告なら、問い合わせから一か月で足ります。
問い合わせの時点で検討が始まっているため、期間が短くなります。
紹介は、案件化から三か月が目安です。
紹介の時点で信頼の一部が移っているため、受注率が高く期間も短くなります。
この期間は、一般的な目安ではなく自社の数字で出してください。
経路ごとに、接点の日付と受注の日付の差を並べれば出ます。
期間の実績を、中央値で出す
期間の実績を平均で出すと、極端に長い案件に引っ張られます。
一件だけ二年かかった案件があると、平均は大きく伸びます。
中央値で出してください。
半分の案件がその期間内に決着している、という数字になります。
中央値と平均を両方出して、差を見る方法も有効です。
差が大きければ、長期に止まる案件が一定数あることになります。
観測の窓は、中央値の1.5倍前後に置くと、大半の案件が入ります。
ここは事業によって変わるため、分布を見て決めてください。
窓の長さを決めたら、一年は変えないでください。
変えると、前の期間との比較ができなくなります。
経路ごとに観測の窓を変え、窓を過ぎた分だけを評価します。期間は平均ではなく中央値で、自社の受注実績から出してください。
経路によって、追い方をどう変えるのか
展示会は速度、ウェビナーは内容で差がつきます。
展示会の名刺は記憶が残っているうちに接触し、ウェビナーは当日の内容を前提に話します。
経路が違えば、最初の接触で使える材料が違います。
材料が違えば、接触の設計も変わります。
展示会で会場で話した内容を、相手が覚えているのは数日です。
一週間を過ぎると、どのブースだったかも分からなくなります。
覚えているうちに接触できれば、会話の続きから始められます。
覚えていなければ、最初から説明することになります。
この差は、接触の成功率にも商談化率にも出ます。
だから、展示会の直後に人手を集中させる設計にします。
会話が成立した名刺は、三営業日以内に接触してください。
会話の内容を材料にできるのが、この期間です。
交換しただけの名刺は、二週間以内に接触します。
使える材料が出展の題材しかないため、優先度は下がります。
ウェビナーは、内容を前提に話せます。
当日の題材、視聴した時間、出た質問が分かっているためです。
これが分かっていれば、最初の接触で何を話すかが決まります。
視聴の記録を営業に渡すかどうかで、初回の会話の質が大きく変わります。
渡す形式は、三項目で足ります。
どの回を見たか、どこまで見たか、質問をしたか。
この三つを営業が見られる場所に置いてください。
渡すのではなく、見られる状態にしておくほうが運用が続きます。
視聴を完了した人は、三営業日以内に接触します。
記憶が新しく、内容についての質問も出やすい期間です。
申し込んだが見ていない人は、別の扱いにしてください。
視聴者と同じに扱うと、接触率が落ちます。
経路別の初回接触の期限と担当
| 経路 | 接触の期限 | 使う材料 | 担当 |
|---|---|---|---|
| 展示会で会話が成立した名刺 | 3営業日以内 | 会場での会話の内容 | 営業 |
| 展示会で交換しただけの名刺 | 2週間以内 | 出展した題材 | インサイドセールス |
| ウェビナーの視聴完了 | 3営業日以内 | 題材と出た質問 | インサイドセールス |
| ウェビナーの申込のみで未視聴 | 1週間以内 | 録画の案内 | マーケティング |
未視聴の申込を、どう扱うか
申込だけで視聴していない人は、時間が取れなかっただけの場合があります。
関心がないと判断して外すと、一定数の見込みを捨てることになります。
まず、録画の案内を送ってください。
案内から視聴した人は、視聴完了者と同じ扱いに移します。
案内を送っても視聴しない人は、一斉の情報提供の対象に回します。
個別の接触の対象からは外しますが、接点は維持します。
この分岐を設けるだけで、ウェビナーの商談化率の分母が揃います。
申込数を分母にした率と、視聴完了数を分母にした率では、意味が違います。
営業に渡すのは、視聴を完了した人だけにしてください。
未視聴の申込まで渡すと、営業から見た経路の評価が下がります。
渡す基準を先に決めておけば、毎回の判断が不要になります。
基準がないと、開催ごとに渡す範囲が変わります。
展示会は三営業日以内の接触で成果が決まります。ウェビナーは視聴の記録を営業が見られる状態にし、未視聴の申込は別の経路として扱ってください。
費用の見方は、経路ごとにどう分けるのか
展示会は固定費、ウェビナーは変動費に近い性質を持ちます。
件数で割った単価だけを並べると、増減のしやすさの違いが消えます。
同じ獲得単価でも、増やすときの動き方が違います。
この違いは、単価という一つの数字には現れません。
展示会の費用は、ブースの区画と人員でほぼ決まります。
出展を決めた時点で、費用の大半が確定します。
件数が想定の半分でも、費用は変わりません。
そのため、件数が少ない回は単価が跳ね上がります。
逆に、良い感触があっても翌月に倍にはできません。
出展の枠は半年前から押さえる必要があるためです。
つまり展示会は、成果に応じて増減できない費用です。
予算の計画の中では、固定費として扱うほうが実態に合います。
ウェビナーは、開催の回数と集客の広告費で調整できます。
反応が良ければ回数を増やし、悪ければ止められます。
ただし、完全な変動費ではありません。
題材の準備と登壇者の時間が制約になります。
登壇者が社内の限られた人に依存している場合、回数は増やせません。
この制約は、費用ではなく工数の形で現れます。
準備の期間も違います。
展示会は半年前から準備が始まり、ウェビナーは一か月程度で組めます。
社内の工数のかかり方も違います。
展示会は当日に集中し、ウェビナーは準備に分散します。
当日に集中する工数は、他の業務を止めます。
分散する工数は、他の業務と並行できます。
この違いは、費用の数字には出てきません。
出展を判断する場では、工数の形も一緒に示してください。
削減の議論に、先に上がりやすい
費用が大きく、成果が見えるまで時間がかかる経路は、削減の対象に挙がりやすい位置にあります。
Macbee Planetが2025年12月に実施した調査では、予算を削減する対象としてBtoCで最も多く挙がったのがイベント・展示会・セミナーで42.9%でした。
同じ調査で、BtoCでは予算を増やす企業が61.3%、BtoBでは52.3%でした。
全体としては増える傾向にありながら、展示会は削減の候補として名前が挙がっています。
削るかどうかを決める前に、受注までの期間を織り込んだ数字を出しておいてください。
月次の単価だけを持って議論の場に行くと、削減が決まります。
出す数字は、接点から六か月の受注件数と受注金額です。
複数回の出展の平均で出すと、一回の当たり外れの影響が消えます。
この数字を持っていれば、議論の土俵が変わります。
単価の議論から、期間を織り込んだ費用対効果の議論になります。
展示会は成果に応じて増減できない固定費です。削減の議論に上がる前に、接点から六か月の受注金額を複数回の平均で出しておいてください。
名刺とフォームの情報量の差は、どう埋めるのか
名刺には会社と肩書しかなく、関心の情報がありません。
その場のメモを構造化して残すかどうかで、後の扱いが変わります。
展示会の名刺は、そのままでは判定に使えません。
会社名、部署、肩書、連絡先。ここまでは分かります。
分からないのは、何に関心があるかと、いつ検討するかです。
この二つがなければ、優先順位も付けられません。
会話の中では、この二つが出てきます。
出てきても、記録されなければ数日で消えます。
会話の内容を全部残そうとすると、誰も記録しません。
会場では、一人と話した直後に次の人が来ます。
記録する項目を三つに絞ってください。
どの題材に反応したか、いま困っていること、検討の時期。
この三つなら、その場でも記録できます。
記録にかける時間は、一人あたり20秒が上限です。
記録の形式は、選択式にしてください。
自由記述は会場では書かれません。
出展の題材を三つか四つ並べて、選ぶだけにします。
検討の時期も、三段階から選ぶ形にします。
いま困っていることだけは、短い自由記述にする必要があります。
ここは相手の言葉が使えるため、後の訴求の材料になります。
記録の道具は、紙でも端末でもかまいません。
重要なのは、記録した内容が名刺と紐づくことです。
紐づかない記録は、後から突き合わせる作業が発生します。
この作業は、展示会の直後の忙しい時期に回されるため、実行されません。
会話が成立していない名刺は、記録が空欄になります。
空欄の名刺は、会話が成立した名刺とは別の扱いにしてください。
記録がない名刺を、どの温度で扱うか
会話が成立していない名刺は、ウェビナーの未視聴申込に近い状態です。
関心の有無が分からず、接触の材料もありません。
同じ温度として扱わず、情報提供から始めてください。
いきなり架電すると、接触率が低く、営業側の経路への評価も下がります。
情報提供の内容は、出展した題材に関するものにします。
会場で見た内容と関連していれば、思い出される可能性が上がります。
情報提供に反応した相手だけを、個別の接触に移します。
この分岐を設けると、営業が接触する件数は減りますが、接触率は上がります。
会話が成立した名刺と、そうでない名刺の比率は、出展ごとに記録してください。
この比率が、次回の出展でブースの設計を決める材料になります。
比率が低ければ、区画の広さより人の数が足りていません。
比率が高ければ、区画を広げて来場者数を増やす判断ができます。
会場で記録するのは、反応した題材、困っていること、検討の時期の三つです。会話が成立していない名刺は、情報提供から始めてください。
展示会をやめる判断は、何をもって下すのか
一回の出展の単価ではなく、受注までを織り込んだ複数回の実績で決めます。
単発の数字で切ると、時間のかかる経路から順に消えます。
展示会は費用が見えやすいので、削減の議論に上がりやすい施策です。
見えやすいというのは、請求書が一枚で来るということです。
広告費のように分散していないため、金額の大きさが目立ちます。
目立つ費用から削るのは、判断としては自然に見えます。
しかし、一回の数字では決まりません。
同じ展示会でも、年によって来場者の構成が変わります。
主催者が集客の方法を変えた年、競合の出展が増えた年、日程が繁忙期と重なった年。
こうした要因で、同じ費用でも件数が倍近く変わります。
二回か三回の実績を並べてから判断してください。
一回の実績で切ると、たまたま悪かった回で判断することになります。
判断に使う数字は、接点から六か月の受注件数と受注金額です。
複数回の平均で出すと、回ごとの振れが消えます。
次に見るのが、接触できた名刺の割合です。
会話が成立した割合が低ければ、出展の設計に改善の余地があります。
出展の題材と来場者の合致も確認します。
来場者の業種の分布が、自社の対象と合っているかです。
合っていなければ、その展示会そのものが合っていません。
別の展示会を探す判断になります。
もう一つ、先に決めておくべきことがあります。
受注以外の効果を数えるかどうかです。
既存顧客との接点、競合の動きの把握、採用の応募。
これらを数えるのかどうかを決めておかないと、議論が毎回振り出しに戻ります。
数えるなら、数え方も決めてください。
既存顧客との接点なら、会場で会った既存顧客の社数で数えられます。
やめるか続けるかの二択にしない
やめるか続けるかの二択にすると、判断の幅が出ません。
中間の選択肢を並べてください。
区画を小さくして、会話の成立率を上げる進め方があります。
費用が下がり、一人あたりの接客時間が増えます。
出展する展示会を変える選択もあります。
来場者の業種が自社の対象と合う展示会を探します。
出展はせず、来場だけする選択もあります。
競合の動きの把握が主目的なら、この形で足ります。
社内の工数も、判断の材料に含めてください。
当日に何人が何日間を使ったかを、人日で出します。
費用に人件費を含めた数字と、含めない数字では、単価が二倍近く変わることがあります。
どちらの定義で議論しているかを、その場で明示してください。
判断は複数回の実績と、接点から六か月の受注金額で行います。やめるか続けるかの二択にせず、区画の縮小や出展先の変更も並べてください。
経路ごとに扱いを分けるには、何から始めるのか
最初にやるのは、経路の区分を記録に残すことです。
区分がなければ、分けて見ることも分けて追うこともできません。
分けて扱うには、記録の段階で分かれている必要があります。
集計のときに分けようとしても、元のデータに区分がなければ分けられません。
リードの記録に、取得の経路を必須項目で入れてください。
必須にしないと、手で登録されたリードで空欄になります。
区分の粒度は、最初は粗くてかまいません。
展示会、ウェビナー、広告、検索、紹介。この五つで足ります。
細かく分けすぎると、一つあたりの件数が小さくなります。
件数が小さいと、率の比較ができません。
次に、過去12か月分の経路別の商談化率と受注までの期間を出します。
これが、観測の窓を決める材料になります。
過去のデータに経路が入っていない場合でも、諦める必要はありません。
取得日と施策の日程を突き合わせれば、大半は復元できます。
展示会の会期中に登録されたリードは、展示会の経路です。
ウェビナーの開催日の前後に登録されたリードも、同様に特定できます。
完全でなくても、傾向が見える程度で足ります。
復元できた件数の割合を記録しておけば、数字の信頼度も示せます。
経路ごとの扱いを分けるまでの順番
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | リードの記録に取得の経路を必須で入れる | 情報システム | 2週間 |
| 2 | 過去12か月の経路別の商談化率と受注期間を出す | マーケ担当 | 2週間 |
| 3 | 経路ごとの評価の窓を決める | マーケ責任者 | 1週間 |
| 4 | 初回接触の期限と担当を経路ごとに決める | 両部門の責任者 | 2週間 |
| 5 | 展示会の会場での記録項目を三つに絞る | マーケ担当 | 1週間 |
| 6 | 月次の報告を経路別の様式に変える | マーケ担当 | 1週間 |
数字は説明のための仮の値です。
展示会の名刺500件のうち、会話が成立したのが120件だとします。
この120件と残りの380件は、別の経路として扱ってください。
同じ展示会でも、後の扱いがまったく違います。
商談化率を出すときも、分母を120件にした率と500件にした率を別に出します。
120件を分母にした率が、ウェビナーの視聴完了数を分母にした率と比較できる数字になります。
経路別に並べる数字
| 数字 | 展示会での見方 | ウェビナーでの見方 |
|---|---|---|
| 獲得件数 | 名刺の総数と会話成立数 | 申込数と視聴完了数 |
| 初回接触までの時間 | 3営業日以内の割合 | 3営業日以内の割合 |
| 商談化率 | 会話成立数を分母にする | 視聴完了数を分母にする |
| 受注までの期間 | 接点から受注までの中央値 | 申込から受注までの中央値 |
| 費用 | 出展費と人件費の合計 | 集客費と制作の工数 |
分母を揃えずに比べないでください。
展示会の名刺総数とウェビナーの視聴完了数を並べても、比較になりません。
会話が成立した名刺と、視聴を完了した申込を並べます。
どちらも、相手が一定の時間を使ってくれた状態です。
月次の報告の様式を変えるのが、最後の工程になります。
様式が変われば、会議での会話が自動的に変わります。
様式を変えずに集計だけ変えると、報告する人の判断で切り口が毎回変わります。
様式に固定することが、運用を続ける唯一の方法です。
この六工程は、着手から報告の様式変更までで二か月前後が目安になります。
展示会の出展の判断に間に合わせるには、次の出展の半年前までに終えておく必要があります。
着手点は、リードの記録に経路の区分を必須で入れることです。過去分は取得日と施策の日程から復元でき、完全でなくても傾向は見えます。
経路ごとにリードの扱いをどう分けるかで迷う場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
接点の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
展示会とウェビナーのリードを分けて数える必要はありますか
あります。合算した商談化率や獲得単価は構成比が変わるだけで動くため、施策を変えていなくても数字が改善したり悪化したりします。どちらを増やすべきかの判断ができません。
展示会のリードの商談化率が低いのですが
分母を確かめてください。会話が成立していない名刺まで分母に入れていると率は下がります。会話が成立した名刺だけを分母にした率を別に出し、ウェビナーは視聴完了数を分母にした率と比べます。
展示会の評価はいつ締めればよいですか
接点から六か月以上の窓で見ます。月次で締めると受注までの期間が長い経路ほど成果の薄い施策に見え、削減の対象になりやすくなります。期間は平均ではなく中央値で、自社の実績から出してください。
会場でどこまで記録すればよいですか
反応した題材、いま困っていること、検討の時期の三つです。選択式にして、一人あたり20秒で記録できる形にします。自由記述は会場では書かれないため、困っていることだけを短い記述にします。
展示会をやめる判断はどう下しますか
一回の出展の単価ではなく、二回か三回の実績と接点から六か月の受注金額で決めます。やめるか続けるかの二択にせず、区画の縮小や出展先の変更、来場のみといった中間の選択肢も並べてください。
まとめ
- 商談化率の平均が意味を持たなくなります。性質の違う経路を足して割った数字では、どちらを増やすべきかが判断できません
- 相手が自分から時間を作ったかどうかが違います。ウェビナーは申し込んだ時点で意思がありますが、展示会は通りがかりが混ざります
- 展示会は受注まで長く、ウェビナーは短い傾向があります。同じ月次で打ち切ると、展示会だけが常に成果の薄い施策に見えます
- 展示会は速度、ウェビナーは内容で差がつきます。展示会の名刺は記憶が残っているうちに接触し、ウェビナーは当日の内容を前提に話します
- 展示会は固定費、ウェビナーは変動費に近い性質を持ちます。件数で割った単価だけを並べると、増減のしやすさの違いが消えます
- 名刺には会社と肩書しかなく、関心の情報がありません。その場のメモを構造化して残すかどうかで、後の扱いが変わります
- 一回の出展の単価ではなく、受注までを織り込んだ複数回の実績で決めます。単発の数字で切ると、時間のかかる経路から順に消えます
- 最初にやるのは、経路の区分を記録に残すことです。区分がなければ、分けて見ることも分けて追うこともできません