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失注理由をマーケの改善につなげる

外注・パートナー選び公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約20分
失注理由をマーケの改善につなげる

分類が営業の報告の都合で作られているからです。
価格が高いという分類が最も多く記録され、そこからマーケの打ち手が出てきません。

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目次

  1. 失注の理由が改善に使えないのは、なぜか
    • 記録する側に、返ってくるものがない
  2. 失注理由の分類は、どう設計するのか
    • 価格という分類を、単独で置かない
  3. 失注理由は、いつ誰が入力するのか
    • 入力する人を、営業から変えない
  4. 失注理由をマーケの打ち手に翻訳するには、何が要るのか
    • 打ち手が出ない分類は、置く意味が薄い
  5. 申告された失注の理由を、そのまま信じてよいのか
    • 全件を深掘りせず、対象を絞る
  6. どの粒度で集計して、どこで使うのか
    • 見る場がないと、集計は使われない
  7. すべての失注理由に対応すべきなのか
    • 対応しないと決めたものを、記録する
  8. 失注理由の立て直しは、どこから始めるのか
  9. よくある質問
  10. まとめ

分類が営業の報告の都合で作られているからです。
価格が高いという分類が最も多く記録され、そこからマーケの打ち手が出てきません。

失注の理由が改善に使えないのは、なぜか

分類が営業の報告の都合で作られているからです。
価格が高いという分類が最も多く記録され、そこからマーケの打ち手が出てきません。

失注の理由が改善に使えないのは、なぜか

失注の理由を記録している会社は多くあります。
その記録がマーケティング側の改善につながっている会社は、それより大幅に少なくなります。

つながらない理由は、記録の量ではありません。
記録が何のために作られたかにあります。

失注の理由は、多くの場合、営業が上長に説明するために書かれています。
説明のための文書なので、書く内容は自分の責任ではないことを示す方向に偏ります。

その結果、記録は三つに集中します。
価格、競合、時期です。

この三つはどれも、営業の努力の外側にある要因として説明できます。
書きやすく、追及もされにくい選択肢です。

価格が高いという分類は、ほぼ全件に書けます。
どの案件でも、相手はもっと安ければよかったと考えているためです。

だから価格という分類は、情報をほとんど含みません。
何と比べて高いと判断したのかが分からなければ、打ち手が出てきません。

タイミングが合わないという分類も、次の行動が決まりません。
いつなら検討するのかが書かれていなければ、再接触の時期を決められません。

競合に決まったという分類は、負けた相手は分かりますが、負けた理由は分かりません。
比較された項目が記録されていなければ、資料も広告も直せません。

自由記述で一行だけ書かれている記録も、よく見ます。
読めば情報はありますが、集計ができません。

件数として傾向が見えないと、優先順位が決まりません。
どの理由が多いかが分からないまま、印象の強い一件に対応することになります。

さらに厄介なのが、検討中のまま放置されて失注として記録されない案件です。
数字の上では、この案件は失注の母数に入りません。

止まった理由が最も分かりにくいのが、この層です。
記録されないため、対策の対象にもなりません。

記録する側に、返ってくるものがない

失注の記録は、書いた本人にとって直接の利益がありません。
書いても書かなくても、その月の数字は変わりません。

書いた内容がどう使われたかが返ってこなければ、記録の質は下がり続けます。
最初の数か月は丁寧に書かれていても、半年後には選択肢の先頭が並びます。

これを止めるには、返す仕組みを作ります。
四半期に一度、失注の理由をもとに何を変えたかを営業に共有してください。

共有する内容は、分布と、その分布を受けて変えたことの二つで足ります。
自分の記録が施策を変えたと分かれば、次の入力の質が変わります。

返す場は、両部門の定例で十分です。
別の場を作ると、その場自体が半年で消えます。

失注の記録は営業の説明のために作られているため、価格と競合と時期に集中します。記録がどう使われたかを返さないかぎり、質は下がり続けます。

失注理由の分類は、どう設計するのか

どの部門の打ち手につながるかで分類します。
現象ではなく、対応する部門で分けると、記録が改善に直結します。

失注理由の分類は、どう設計するのか

分類の設計は、後から変えるのが難しい部分です。
変えると過去のデータと比較できなくなるため、最初に何に使うかから逆算して作ります。

逆算の起点は、この記録を見て誰が何をするかです。
獲得の対象を変えるのか、提案の内容を変えるのか、時間を置いて再接触するのか。

この三つに分かれるように分類を作ります。
現象で分けると、どの部門が動くべきかが決まりません。

対象が合っていない、という分類は、マーケティングが動きます。
業種や規模や業務の形が前提と違っていた場合です。

検討が始まっていなかった、という分類は、育成の担当が動きます。
課題は認識しているが着手前という状態です。

予算が確保されていない、という分類も、育成の担当が動きます。
必要性は認めているが今期の予算がない状態で、次の予算期に再接触します。

機能または要件が合わない、という分類は、商品と営業が動きます。
求める仕様を満たせない場合で、マーケティングが直せる範囲は限られます。

競合に決まった、という分類は、営業とマーケティングの両方が動きます。
比較の材料を整えるのはマーケティング、提案の内容を変えるのは営業です。

社内で承認されなかった、という分類は、営業が動きます。
担当者は前向きだが決裁で止まった場合で、決裁者向けの材料が不足しています。

反応がなくなった、という分類は、営業と育成の担当が動きます。
途中で連絡が取れなくなった状態で、理由が特定できない層です。

この七つで、ほとんどの失注は分類できます。
七つ前後に収めるのは、入力する側が選べる数の上限がこのあたりだからです。

失注理由の分類と、対応する部門

分類中身主に動く部門
対象が合っていない業種や規模や業務の形が前提と違うマーケティング
検討が始まっていなかった課題は認識しているが着手前育成の担当
予算が確保されていない必要性は認めるが今期の予算がない育成の担当
機能または要件が合わない求める仕様を満たせない商品と営業
競合に決まった比較の上で他社が選ばれた営業とマーケティング
社内で承認されなかった担当者は前向きだが決裁で止まった営業
反応がなくなった途中で連絡が取れなくなった営業と育成の担当

価格という分類を、単独で置かない

価格を選択肢に入れると、そこに集まります。
書きやすく、追及もされにくいためです。

価格という分類を単独で置かず、何と比較して高いと判断されたかを併せて記録する形にしてください。
比較の対象が他社の製品なら、分類は競合に決まったになります。

比較の対象が費用対効果なら、分類は機能または要件が合わないに近くなります。
比較の対象が予算の枠なら、予算が確保されていないです。

つまり価格という言葉は、三つの別の分類の入口になっています。
一つにまとめてしまうと、どの打ち手も出てきません。

迷ったときにどれを選ぶかの基準も、併せて決めてください。
基準がないと、担当者ごとに選ぶ分類が変わります。

分類は現象ではなく、動く部門で分けます。価格は単独の選択肢にせず、何と比べて高いと判断されたかまで記録してください

失注理由は、いつ誰が入力するのか

失注が決まった時点で、商談を担当していた人が入力します。
月末にまとめて入力される記録は、精度が大きく落ちます。

失注理由は、いつ誰が入力するのか

入力のタイミングは、記録の質を左右します。
分類の設計よりも、こちらの影響のほうが大きい場面が多くあります。

失注の直後には、複数の要因が記憶に残っています。
価格も気にしていたし、社内の反対もあったし、時期も合わなかった。

数週間が経つと、この複数の要因が一つに整理されます。
整理されるときに選ばれるのは、説明しやすい理由です。

説明しやすい理由とは、自分の責任ではないと示せる理由です。
つまり、価格か競合か時期になります。

上長からの指摘を受けてから入力した記録は、さらに偏ります。
責任の所在を意識した記録になるためです。

入力しないまま案件を閉じてしまうと、件数から消えます。
分母が減るため、残った記録の構成比も実態から離れます。

対策は二つです。
入力を案件を閉じる操作の中に組み込むことと、選べる理由を二つまでにすることです。

案件を閉じる操作に組み込むと、入力しないという選択肢がなくなります。
任意にすると、忙しい時期から抜けていきます。

ただし、必須にする項目を増やしすぎると、先に進むための適当な値が入ります。
必須にするのは、分類と、比較の対象の二つまでにしてください。

失注の理由は、一つとは限りません。
主な理由と副次的な理由を二つまで選べる形にすると、実態に近くなります。

二つまでにするのは、三つ以上選べる形にすると全部選ぶ人が出るためです。
全部選ばれた記録は、集計の対象になりません。

入力の時期ごとに、記録の精度は段階的に落ちます。
失注が決まった当日から数日以内であれば、複数の要因がそのまま残ります。

一週間以内なら、主要な理由は残ります。
副次的な要因は落ちますが、分類としては実態に近い記録になります。

月末にまとめて入力すると、説明しやすい理由に寄ります。
この時点で、価格と競合と時期の比率が跳ね上がります。

上長からの指摘を受けてから入力した記録は、さらに精度が落ちます。
責任の所在を意識した記録になるためです。

入力しないまま案件を閉じた場合、その案件は件数から消えます。
分母が歪むため、残った記録の構成比も信用できなくなります。

入力する人を、営業から変えない

失注の理由を、営業事務やインサイドセールスが代わりに入力する運用があります。
負担を減らす意図は分かりますが、精度は大きく落ちます。

商談の場にいた人にしか分からない情報が、伝言の過程で落ちるためです。
特に、比較の対象と、決裁で止まった理由は落ちやすくなります。

入力するのは、商談を担当していた本人にしてください。
負担を減らすなら、入力する項目のほうを減らします。

複数の営業が関わった案件は、主担当が入力します。
誰が入力するかを案件ごとに決めていると、その判断の時間だけ入力が遅れます。

入力の期限は、失注が決まってから三営業日以内にしてください。
期限を設けないと、期の締めの時期にまとめて入力されます。

入力は失注の直後に、商談を担当した本人が行います。案件を閉じる操作に組み込み、理由は二つまで選べる形にしてください

失注理由をマーケの打ち手に翻訳するには、何が要るのか

失注理由と、そのリードの獲得経路を突き合わせます。
理由だけを見ても、どの経路を直せばよいかが決まりません。

失注理由をマーケの打ち手に翻訳するには、何が要るのか

失注理由の集計だけでは、マーケティング側の行動は決まりません。
対象が合っていないという失注が30件あったとして、それだけでは何も動かせません。

必要なのは、その30件がどこから来たかです。
獲得の情報と結びつけて初めて、打ち手になります。

対象が合っていない失注が特定の経路に集中しているなら、その経路の対象条件を見直します。
一つの検索語、一つの配信面、一つの資料に集中していることが実際にあります。

全経路に分散しているなら、経路ではなく獲得の的そのものを見直します。
対象の定義が広すぎるか、訴求が対象外の層に刺さっています。

この切り分けができると、打ち手が一つに絞れます。
絞れないまま両方に手を入れると、どちらが効いたのか分からなくなります。

検討が始まっていなかったという失注は、入り口のコンバージョンの種類と突き合わせます。
入門的な資料からの獲得に集中しているなら、育成に回す基準を変えます。

予算が確保されていないという失注は、獲得の時期と突き合わせます。
期の後半に獲得したリードに集中しているなら、接触する時期の設計を変えます。

機能または要件が合わないという失注は、流入したキーワードと閲覧ページを見ます。
自社が対応していない機能を探している層が来ているなら、訴求の内容を修正します。

競合に決まったという失注は、比較検討の段階で自社との接点があったかを見ます。
接点がなければ、比較情報の整備が打ち手になります。

社内で承認されなかったという失注は、接触した役職と突き合わせます。
実務の担当者にしか会えていない案件に集中しているなら、決裁者向けの資料を用意します。

突き合わせる作業は、四半期に一度で足ります。
月次でやると件数が小さく、経路ごとの分布が偶然で動きます。

失注の分類と、突き合わせる情報

失注の分類突き合わせる情報マーケティング側の打ち手
対象が合っていない獲得経路と検索の文脈対象条件と除外の見直し
検討が始まっていなかった入り口のコンバージョンの種類育成に回す基準の変更
予算が確保されていない獲得の時期接触する時期の設計
機能または要件が合わない流入キーワードと閲覧ページ訴求内容の修正
競合に決まった比較検討の段階での接点比較情報の整備
社内で承認されなかった接触した役職決裁者向けの資料の用意

打ち手が出ない分類は、置く意味が薄い

どの部門も動けない分類は、集計しても使われません。
分類を見直すときは、打ち手が出るかどうかで判断してください。

たとえば、その他という選択肢は打ち手が出ません。
置くなら、自由記述と組み合わせて、四半期ごとに中身を読む前提にします。

読んだ結果、同じ内容が10件以上あれば、新しい分類として独立させます。
それ未満なら、その他のまま置いておきます。

対応しないと決める分類もあります。
要件が根本的に合わない相手は、獲得の時点で除外するしかありません。

除外できない場合は、対応しないと決めることも打ち手の一つです。
決めた記録を残しておけば、翌期に同じ議論をやり直さずに済みます。

失注理由は獲得経路と突き合わせて初めて打ち手になります。特定の経路に集中しているか全経路に分散しているかで、直す場所が変わります。

申告された失注の理由を、そのまま信じてよいのか

申告された理由と、実際の理由はずれます。
特に価格の申告は、価値が伝わらなかったことの言い換えである場合があります。

申告された失注の理由を、そのまま信じてよいのか

相手が断るときに使う言葉は、角の立たないものが選ばれます。
記録された理由を額面どおりに受け取ると、打ち手を間違えます。

価格が理由だと言えば、それ以上追及されません。
提案の内容を否定せずに断れる、便利な言い方です。

実際には、提示された価値がその価格に見合わないと判断されています。
同じ金額でも、価値が伝わっていれば通ります。

確かめる方法があります。
同じ価格帯で受注している案件があるかを見てください。

あるなら、価格ではなく伝え方の問題です。
その価格で通っている案件と、通らなかった案件の違いを探します。

なければ、価格そのものが市場と合っていない可能性があります。
これは商品側の判断になり、マーケティングの範囲を超えます。

タイミングが合わないという申告も、そのままではありません。
多くの場合、優先順位が低いと判断されています。

確かめるには、半年後の再接触の反応を見ます。
本当に時期の問題なら、半年後には検討が始まっています。

始まっていなければ、優先順位の問題でした。
この区別は、再接触の設計そのものを変えます。

社内で承認されなかったという申告は、説得の材料を渡せていなかった可能性があります。
決裁者に直接会えていたかどうかを確認してください。

会えていなければ、担当者が一人で説明していたことになります。
その場合、渡していた材料が社内の説明に耐える内容だったかが論点になります。

他社に決まったという申告は、比較の土俵に乗れていなかった可能性があります。
比較された項目を聞けていれば、どの段階で外れたかが分かります。

検討をやめたという申告は、課題そのものが取り下げられた場合があります。
組織の変更や、優先課題の入れ替わりが背景にあります。

全件を深掘りせず、対象を絞る

すべての失注を深掘りする時間はありません。
対象を絞ってください。

絞る基準は、金額の大きさと、競合に決まったかどうかの二つです。
金額の大きい案件は、一件あたりの学びも大きくなります。

競合に決まった案件は、比較の材料が直接手に入ります。
この二つに該当する案件だけ、担当者から詳しく聞く場を月次で設けます。

聞く場は30分で足ります。
何と比較されたか、どの項目で負けたか、どこで決まったかの三つを聞きます。

聞いた内容は、分類とは別に記録してください。
分類は集計のため、詳細は打ち手のためと、用途を分けます。

聞く相手を営業一人に固定しないでください。
担当者ごとに商談の進め方が違うため、一人分の話が全体の傾向に見えます。

価格という申告は、価値が伝わらなかったことの言い換えである場合があります。同じ価格帯での受注があるかを見て、伝え方の問題かどうかを切り分けてください。

どの粒度で集計して、どこで使うのか

月次は件数の傾向、四半期は経路との突き合わせに使います。
単月の失注理由の内訳で獲得の設計を変えると、振れに反応することになります。

どの粒度で集計して、どこで使うのか

失注理由のデータは、見る頻度によって使い道が変わります。
どの会議で何を見るかを決めておいてください。

月次で見るのは、理由別の件数の推移です。
大きな変化がないかを確認するだけで、判断には使いません。

失注の件数は、月ごとに振れます。
一つの分類が前月の倍になっても、それだけでは何も分かりません。

三か月分をまとめてから判断してください。
三か月で傾向が続いていれば、それは振れではなく変化です。

四半期で見るのは、理由と獲得経路の突き合わせです。
ここが、獲得条件を変えるかどうかの判断材料になります。

同じ四半期に、理由と企業属性の突き合わせも行います。
狙う対象を変えるかどうかの判断材料です。

半期で見るのは、失注から再商談に至った件数です。
育成の設計が機能しているかを確認します。

年次で見るのは、理由の構成比の変化です。
期初の方針を決める材料になり、事業側への提案の根拠にもなります。

この頻度の分け方を、最初に決めてください。
決めていないと、毎月の会議で全部の集計を見ることになります。

全部を毎月見ると、振れに反応する判断が増えます。
判断が増えると、施策が毎月変わり、効果の測定ができなくなります。

見る場がないと、集計は使われない

集計しても、見る会議が決まっていなければ放置されます。
月次の定例の議題に、固定で入れてください。

固定するというのは、失注理由という議題名が毎回の議事次第に入っている状態です。
毎回話す内容があるとは限りませんが、枠があることが重要になります。

枠があれば、変化があった月に自然に議題になります。
枠がなければ、変化に気づいた人が議題を立てる必要があり、たいてい立ちません。

四半期の突き合わせは、予算と施策の見直しの会議で扱います。
別の会議を作ると、参加者が集まらなくなります。

年次の構成比は、期初の方針を決める場で扱ってください。
この場に持ち込むには、前年との比較ができる形で集計されている必要があります。

分類を変えた年は、過去のデータも新しい分類で数え直します。
数え直さないと、構成比の変化が分類の変更によるものか実態の変化か分かりません。

月次は傾向の確認、四半期は経路と属性の突き合わせに使います。単月の内訳で獲得の設計を変えると、振れに反応する判断になります。

すべての失注理由に対応すべきなのか

対応しません。
件数と、対応にかかる手間と、対応した場合に戻ってくる金額で順番を決めます。

すべての失注理由に対応すべきなのか

失注理由の一覧を前にすると、全部に対応したくなります。
限られた時間では、順番を決めるほうが成果につながります。

順番を決める軸は三つです。
該当する件数、対応の難しさ、対応した場合に戻ってくる金額。

件数が多く、対応が簡単なものから着手します。
これが最も早く成果が出る組み合わせです。

対象が合っていないという失注は、件数が多く、対応も比較的簡単です。
獲得条件の変更で減らせるため、最初に手を付ける対象になります。

反応がなくなったという失注も、件数が多く対応が簡単な部類に入ります。
接触の運用を変えるだけで改善の余地があります。

検討が始まっていなかったという失注は、件数は多いものの、対応に時間がかかります。
育成の仕組みを作る必要があるためです。

機能または要件が合わないという失注は、対応が最も難しくなります。
商品側の判断が必要で、マーケティング単独では動かせません。

競合に決まったという失注は、中程度の件数と中程度の難しさです。
比較情報を整備すれば改善の余地があります。

社内で承認されなかったという失注は、件数は少なくなります。
ただし金額が大きい案件に集中していれば、優先度を上げる判断があります。

三つ目の軸である金額が効くのは、この場面です。
件数が少なくても、一件あたりの金額が大きければ着手の価値があります。

金額の情報がなければ、この判断はできません。
失注の記録に、見込み金額を残しておく設計が前提になります。

三つの軸を並べると、着手の順番はほぼ機械的に決まります。
件数が多く難しさが低いのは、対象が合っていないと反応がなくなったの二つです。

件数は多いが難しさが中程度なのが、検討が始まっていなかったです。
育成の仕組みを作る必要があるため、着手から成果までに一四半期以上かかります。

件数も難しさも中程度なのが、競合に決まったです。
比較情報の整備で改善の余地があり、二番目のまとまりとして扱えます。

件数は少ないが金額が大きくなりやすいのが、社内で承認されなかったです。
金額の軸で見たときだけ、優先度が上がります。

最も難しいのが、機能または要件が合わないです。
商品側の判断が必要なため、マーケティング単独では着手できません。

対応しないと決めたものを、記録する

対応しない判断も記録してください。
記録がないと、次の期に同じ議論を最初からやり直すことになります。

記録する内容は、対応しないと決めた分類、その理由、再検討する条件の三つです。
再検討する条件を書いておくと、状況が変わったときに拾えます。

たとえば、機能が合わない失注に対応しないと決めた場合、再検討する条件は商品側の開発計画になります。
その機能が開発の計画に入った時点で、再検討の対象になります。

この記録の置き場所は、失注の集計と同じ場所にしてください。
別の場所に置くと、集計を見るときに参照されません。

年に一度、対応しないと決めた項目を見直します。
件数が増えていれば、判断を変える材料になります。

件数が多く対応が簡単なものから着手します。件数が少なくても金額が大きい分類は優先度を上げ、対応しない判断も記録に残してください

失注理由の立て直しは、どこから始めるのか

今ある失注理由の記録を集計してみることからです。
集計してみると、分類が使える形になっているかどうかがすぐに分かります。

失注理由の立て直しは、どこから始めるのか

分類の設計を先に議論すると、時間がかかります。
理想の分類を考え始めると、会議が三回では終わりません。

今の記録を集計して、何が分からないかを見つけるほうが早く進みます。
分からないことが具体的に出てくれば、分類の設計も具体的になります。

集計するのは、過去一年分です。
四半期では件数が少なく、分類の偏りが振れなのか構造なのか分かりません。

集計して、価格が半分を超えていれば、分類の設計に問題があります。
どの分類も一割から二割の範囲に収まっていれば、分類は機能しています。

次に、各分類から打ち手が出るかを確認します。
この分類が多いとき、誰が何をするか。これを一行ずつ書きます。

書けない分類が、作り直しの対象になります。
書ける分類は、そのまま残してください。

作り直した分類は、七つ前後に収めます。
入力のタイミングと必須化は、分類が決まってから決めます。

失注理由の運用を立て直す順番

順番やること関わる人期間の目安
1過去一年の失注理由を集計するマーケ担当1週間
2各分類から打ち手が出るかを一行で書く両部門の担当1回の会議
3分類を七つ前後に作り直す両部門の担当2週間
4入力のタイミングと必須化を決める営業責任者2週間
5失注理由と獲得経路を突き合わせるマーケ担当1か月
6四半期の見直しの議題に固定で入れる両部門の責任者継続

数字は説明のための仮の値です。
四半期の失注が100件で、対象が合っていないが30件、そのうち20件が同じ獲得経路なら、その経路の条件から見直します。

30件が10の経路に分散していれば、経路ではなく対象の定義を見直します。
同じ30件でも、分布によって打ち手がまったく変わります。

突き合わせの作業は、一度やれば手順が決まります。
二回目からは、半日で終わります。

立て直しの後に見る数字

数字見る頻度この数字で分かること
失注理由の入力率毎月記録が実態を反映しているか
理由別の失注件数毎月大きな変化が起きていないか
理由と獲得経路の対応四半期どの経路を直すべきか
理由と企業属性の対応四半期狙う対象が合っているか
対応を決めた項目の進捗四半期議論が行動になっているか

入力率は毎週でも見られますが、月次で足ります。
入力率が九割を下回ったら、必須化の設定か分類の数を確認してください。

集計の結果は、必ず営業に返してください。
失注理由をもとに何を変えたかを、記録した側に返します。

返らないと、記録が形だけになります。
返す場は、四半期の見直しの会議で五分使えば済みます。

分類の見直しは、年に一度にしてください。
頻繁に変えると、期をまたいだ比較ができなくなります。

変えるときは、過去のデータも新しい分類で数え直します。
数え直さずに変えると、構成比の変化の理由が分からなくなります。

着手点は分類の設計ではなく、過去一年の集計です。各分類から打ち手が出るかを一行で書けるかどうかが、作り直しの判断基準になります。

失注の理由が改善につながっていない場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
獲得から提案までの設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

失注理由が価格ばかりになります

価格を単独の選択肢にすると、書きやすいためそこに集まります。何と比較して高いと判断されたかを併せて記録し、同じ価格帯での受注があるかを確認してください。あるなら、価格ではなく伝え方の問題です。

失注理由の分類は、どう作ればいいですか

現象ではなく、対応する部門で分けてください。獲得の対象を変えるもの、提案を変えるもの、時間を置いて再接触するものに分かれる形が使いやすく、分類は七つ前後に収めます。

いつ入力してもらうべきですか

失注が決まってから三営業日以内です。時間が経つほど、記憶が説明しやすい一つの理由に置き換わります。案件を閉じる操作の中に組み込み、理由は二つまで選べる形にしてください。

失注理由だけ見ても打ち手が決まりません

獲得経路や企業属性と突き合わせてください。同じ理由でも、特定の経路に集中しているのか全体に分散しているのかで、直す場所が変わります。突き合わせは四半期に一度で足ります。

すべての失注理由に対応すべきですか

該当件数と対応の難しさと戻ってくる金額で順番を決めてください。件数が多く対応が簡単なものから着手し、対応しないと決めたものは理由と再検討の条件を記録しておきます。

Webマーケティング支援

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まとめ

  • 分類が営業の報告の都合で作られているからです。価格が高いという分類が最も多く記録され、そこからマーケの打ち手が出てきません
  • どの部門の打ち手につながるかで分類します。現象ではなく、対応する部門で分けると、記録が改善に直結します
  • 失注が決まった時点で、商談を担当していた人が入力します。月末にまとめて入力される記録は、精度が大きく落ちます
  • 失注理由と、そのリードの獲得経路を突き合わせます。理由だけを見ても、どの経路を直せばよいかが決まりません
  • 申告された理由と、実際の理由はずれます。特に価格の申告は、価値が伝わらなかったことの言い換えである場合があります
  • 月次は件数の傾向、四半期は経路との突き合わせに使います。単月の失注理由の内訳で獲得の設計を変えると、振れに反応することになります
  • 対応しません。件数と、対応にかかる手間と、対応した場合に戻ってくる金額で順番を決めます
  • 今ある失注理由の記録を集計してみることからです。集計してみると、分類が使える形になっているかどうかがすぐに分かります