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マーケと営業で共通のKPIを持つべきか

外注・パートナー選び公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約20分
マーケと営業で共通のKPIを持つべきか

部門の境界で起きる押し付け合いを減らすために置きます。
それ以外の問題は、共通のKPIを置いても解決しません。

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目次

  1. 共通のKPIは、そもそも何を解決するために置くのか
    • 責任の共有と、作業の共有は違う
  2. どの数字なら、両部門の共通にできるのか
    • 共通のKPIは一つに絞る
  3. 共通にしてはいけない数字は、どれか
    • 向かない数字を、どこに置くか
  4. 共通のKPIは、部門の評価にどう反映するのか
    • 評価に入れる前に、集計の責任を決める
  5. 共通のKPIの目標値は、どうやって合意するのか
    • 前提を記録しないと、翌期に同じ議論になる
  6. 未達のとき、責任はどちらが負うのか
    • 責任の追及ではなく、次の行動を決める場にする
  7. 共通のKPIを置いても関係が変わらないのは、なぜか
    • 作業の分担を、数字と一緒に決める
  8. 共通のKPIへの切り替えは、どこから始めるのか
  9. よくある質問
  10. まとめ

部門の境界で起きる押し付け合いを減らすために置きます。
それ以外の問題は、共通のKPIを置いても解決しません。

共通のKPIは、そもそも何を解決するために置くのか

部門の境界で起きる押し付け合いを減らすために置きます。
それ以外の問題は、共通のKPIを置いても解決しません。

共通のKPIは、そもそも何を解決するために置くのか

マーケティングと営業に共通のKPIを置く案は、連携の話が出ると必ず上がります。
置くこと自体が目的になると、運用されない数字が一つ増えるだけで終わります。

共通のKPIが解決できる問題は、思っているより狭い範囲です。
その範囲を先に確認しておかないと、期待と結果が合いません。

解決できるのは、境界にある作業が誰のものでもなくなる状態です。
片方の部門だけが責任を持つ数字しかないと、境界の作業は必ず放置されます。

たとえば、渡したリードに営業が着手するまでの時間です。
マーケティングは渡した時点で自分の数字が確定し、営業は商談になってから自分の数字が動きます。

この間の時間は、どちらのKPIにも入っていません。
入っていない以上、優先順位が上がることはありません。

共通のKPIは、この空白を埋めます。
埋めた結果として、両部門が同じ時間を短くしようとする動機が生まれます。

一方で、共通のKPIでは解決しない問題があります。
リードの定義が部門で違う、という問題はその代表です。

定義が違うまま同じ数字を追うと、数字の集計方法の議論が毎月続きます。
共通のKPIを置く前に、定義を揃える作業が必要になります。

引き渡しの運用が人によって違う、という問題も解決しません。
これは運用のルールを決める話で、数字を共有しても揃いません。

営業の提案力が足りない、獲得できる件数が足りない、という問題も同様です。
どちらも共通のKPIの外側にあり、教育や予算の話になります。

部門間の関係が悪い、という問題には部分的に効きます。
同じ数字を見る場ができると、事実の共有から始められるためです。

ただし関係の悪さの原因が過去の経緯にある場合、数字だけでは変わりません。
何を解きたいのかを先に言葉にしてから、置くかどうかを決めてください。

共通のKPIを置くかどうかを決めるのは、両部門の責任者と、予算を承認する立場の三者です。
このうち一人でも欠けた場で決めると、評価への反映の段階で合意が取り直しになります。

決める時期は、期初の目標が固まった直後です。
目標が固まる前に指標だけ決めると、目標が動いた時点で全部やり直しになります。

責任の共有と、作業の共有は違う

数字を共有しても、作業が分担されていなければ動きません。
共通のKPIを置いた会社で最もよく見るのが、この状態です。

数字は両部門の資料に載っていますが、その数字を動かすための作業を誰もやっていません。
載っているだけなので、未達でも誰も困りません。

共通のKPIを置くときは、その数字を動かすための作業を同時に書き出してください。
書き出した作業に、一つずつ担当を割り当てます。

割り当てる担当は、部門ではなく個人にします。
部門に割り当てると、部門の中でまた押し付け合いが起きます。

作業の数は、最初は三つまでにしてください。
数字を一つ共有して、それを動かす作業が三つ。この規模なら運用に乗ります。

共通のKPIが解くのは、境界の作業が放置される問題だけです。定義のずれ、運用の差、提案力や予算の不足には効きません。

どの数字なら、両部門の共通にできるのか

両方の部門が行動で動かせる数字に限られます。
片方しか動かせない数字を共通にすると、動かせない側の納得が得られません。

どの数字なら、両部門の共通にできるのか

共通にする数字の選択は、動かせるかどうかで決まります。
事業にとって大事かどうかではありません。

大事さで選ぶと、売上や受注件数が候補になります。
どちらも事業の中心にありますが、マーケティング側の行動では直接動きません。

判定の基準は一つです。
マーケティングが獲得の対象を変えれば動き、営業が接触の仕方を変えても動く数字かどうか。

この両方が成り立つ数字は、実際にはそれほど多くありません。
創出された商談の金額と、商談になった件数の二つが主な候補になります。

創出商談金額は、マーケティング側がリードの対象を変えれば動きます。
企業規模の大きい層を狙えば、一件あたりの見込み金額が上がります。

同時に、営業側が商談の作り方を変えても動きます。
初回の会話で扱う範囲を広げれば、見込み金額の記入も変わります。

商談件数も同じ構造です。
渡すリードの質を変えても動き、着手の速さと初動の内容を変えても動きます。

渡したリードへの着手率は、条件付きで共通にできます。
主に動かすのは営業ですが、渡す件数と質によって着手のしやすさは変わります。

渡す件数と質が安定していなければ、着手率だけを営業に負わせることになります。
共通にする前に、渡す件数の月ごとの振れ幅を確認してください。

振れ幅が大きい月に着手率が落ちるのは、営業の怠慢ではなく供給の問題です。
この区別が付かない数字を共通にすると、未達の議論が毎月同じところで止まります。

件数だけを共通にすると、小さな商談を数で稼ぐ動きが出ます。
金額を共通にすると、この動きは止まります。

ただし金額を共通にするには、商談の金額が入力されている必要があります。
入力の精度が低い状態で金額を共通のKPIにすると、数字の信頼性の議論が先に立ちます。

入力の運用を先に整えてから、金額に切り替える順番が実務では回ります。
それまでは件数を共通にして、金額は参考として並べる形にしてください。

共通のKPIは一つに絞る

共通のKPIを複数置くと、どちらを優先するかで再び議論になります。
件数と金額の両方を共通にすると、件数が足りない月に金額の話が消えます。

共通にするのは一つにして、残りは各部門の指標として持ってください。
マーケティングは有効リード数、営業は受注件数を、それぞれ自部門の指標に置きます。

一つに絞ると、未達のときの会話が短くなります。
見る数字が一つしかないため、分解の議論にすぐ入れるためです。

絞る作業は、期初に一度だけ行います。
期中に候補が持ち込まれたときは、参考指標として受けてください。

共通のKPIを変えるのは、期の変わり目だけです。
期中に変えると、前の期間との比較ができなくなります。

共通にできるのは、両部門が行動で動かせる数字だけです。件数から始め、金額の入力が整ってから金額に切り替えてください。

共通にしてはいけない数字は、どれか

片方しか動かせない数字と、定義が揺れる数字です。
共通にすると責任の所在が曖昧になり、誰も動かさない数字になります。

共通にしてはいけない数字は、どれか

共通にする数字を間違えると、置かないほうがましな状態になります。
どの数字が向かないかを、先に知っておいてください。

獲得件数は、営業が動かせません。
共通にしても、マーケティングだけの数字として扱われ続けます。

このとき起きるのは、形式だけの共有です。
資料には両部門の名前が並びますが、未達のときに動くのはマーケティングだけです。

受注率は、その逆です。
マーケティングがリードの質を変えても、受注率は営業の提案と価格と競合状況で決まります。

共通にすると、営業が一方的に負う形になります。
負う側の納得が得られない数字は、翌期には形骸化します。

売上金額は、下流すぎて打ち手が遠くなります。
売上が未達だと分かっても、明日何をするかが決まりません。

行動と数字の距離が近いものを選んでください。
距離が遠い数字は、経営の指標として別に置きます。

サイトの流入数は、事業との距離が遠すぎます。
達成しても受注が増えないため、共通にする意味がありません。

定義が揺れる指標も、共通には向きません。
商談の定義が部門で違う状態で商談数を共通のKPIにすると、数字そのものの議論が続きます。

初回訪問を商談と数える営業と、提案書を出した案件だけを商談と数える営業がいると、同じ活動でも件数が二倍近く変わります。
この状態では、達成したかどうかの判定もできません。

定義を揃えてから共通にしてください。
揃えるのに二週間かかっても、揺れたまま一期を過ごすよりは短くて済みます。

外部要因の影響が大きい指標も避けます。
努力と結果がつながらない数字は、評価として納得されません。

共通にすると機能しない数字と、その理由

数字向かない理由置いたときに起きること
獲得件数営業が行動で動かせないマーケだけの数字として扱われる
受注率マーケがほぼ動かせない営業が一方的に負う形になる
売上金額下流すぎて打ち手が遠い数字を見ても明日の行動が決まらない
サイトの流入数事業との距離が遠い達成しても受注が増えない
定義が揺れる指標数え方で結果が変わる集計方法の議論に時間が取られる
外部要因が大きい指標努力と結果がつながらない評価として納得されない

向かない数字を、どこに置くか

共通にできない数字も、見なくてよいわけではありません。
各部門の指標として、それぞれが責任を持つ形で残します。

獲得件数はマーケティングの指標に、受注率は営業の指標に置きます。
売上金額は経営の指標として、両部門の上に置きます。

置き場所を決めておくと、共通にしない理由を説明しやすくなります。
外すのではなく、別の場所に移すという説明になるためです。

流入数は、目標を置かずにモニタリング指標として残してください。
外部環境で動く局面があり、未達が施策の失敗を意味しないためです。

この整理を期初に一度行い、文書に残してください。
残しておかないと、期中に同じ議論が繰り返されます。

片方しか動かせない数字と、定義が揺れる数字は共通にしないでください。外すのではなく、各部門の指標として置き場所を決めます。

共通のKPIは、部門の評価にどう反映するのか

部門の評価の一部に入れます。
全体を共通の数字にすると、自分の担当領域の改善に手が回らなくなります。

共通のKPIは、部門の評価にどう反映するのか

共通のKPIを置いても、評価に反映されなければ行動は変わりません。
反映しない形で始めた共通のKPIは、半年で報告項目の一つに戻ります。

一方で、反映の比重が大きすぎても機能しません。
自部門の改善に手が回らなくなるためです。

実務で効くのは、部門の評価の二割から三割に入れる形です。
この比重だと、境界の作業に手をつける動機が生まれます。

比重が五割を超えると、自部門の指標が後回しになります。
マーケティングが獲得件数の改善をやめ、営業が受注率の改善をやめる状態です。

十割を共通にすると、責任の所在が消えます。
どちらの部門も、自分が何に責任を持っているかを説明できなくなります。

参考として見るだけの形も、議論の材料にはなります。
ただし行動を変える力はないため、境界の作業は放置されたままです。

個人の評価まで下ろすかどうかは、別の判断になります。
下ろすと効き方は強くなりますが、個人の努力では動かせない部分が増えます。

商談の金額を共通のKPIにしている場合、一人の営業が動かせるのは自分の担当分だけです。
他の担当の未達まで評価に響くと、納得が得られません。

部門の評価に入れるところで止め、個人には自部門の指標を割り当てる形が扱いやすくなります。
個人まで下ろすのは、共通のKPIが二期以上運用されてからにしてください。

評価の比重は、期初に決めて期中に変えないでください。
期中に変えると、何を優先すべきかが分からなくなります。

一期は同じ形で運用してから、効いたかどうかを確認します。
効いていなければ、比重ではなく数字の選び方を疑ってください。

評価に入れる前に、集計の責任を決める

評価に入れる以上、その数字が正しく集計されている必要があります。
集計の責任者を決めていない状態で評価に入れると、数字の正しさが毎月の議題になります。

集計する部門は、どちらでもかまいません。
決めておくことと、集計の方法を文書にしておくことのほうが先に来ます。

もう一方の部門は、集計の方法を確認する立場に回ります。
確認した記録を残しておけば、後から数字を疑う理由がなくなります。

集計の方法を変えるときは、両部門の合意を取ってください。
片方が変えた集計で評価が決まると、関係が一度で壊れます。

評価に入れる前の一四半期は、集計だけを回す期間にしてください。
この期間で集計の揺れを潰しておくと、評価に入れてからの運用が安定します。

評価への反映の比重と、その効き方

部門の評価に占める比重境界の作業への効き方副作用
反映しない行動が変わらない報告項目が一つ増えるだけになる
参考として見る議論の材料にはなる優先順位は上がらない
二割から三割境界の作業が動き始める自部門の指標との両立が要る
五割強く効く自部門の改善が手薄になる
十割責任の所在が消える自分が何に責任を持つか説明できなくなる

部門の評価の二割から三割に入れる形が効きます。個人まで下ろすのは、共通のKPIが二期以上運用されてからにしてください

共通のKPIの目標値は、どうやって合意するのか

両部門が別々に出した数字を突き合わせます。
片方が出した数字をもう一方が受け入れる形にすると、未達のときに合意が崩れます。

共通のKPIの目標値は、どうやって合意するのか

共通のKPIで最も揉めるのは、目標値の決め方です。
決め方の手順を先に決めておくと、毎期の議論が短くなります。

最もよくないのは、片方が出した数字をもう一方が受け入れる形です。
受け入れた側は、未達のときに自分が決めた数字ではないと考えます。

この形で合意した目標値は、一度未達になると効力を失います。
翌月からは、前提が違ったという議論が毎回出ます。

避けるには、三つの数字を並べる手順を取ります。
事業目標から降ろした必要量、マーケティングが積み上げた供給量、営業が積み上げた処理量です。

事業目標からの必要量は、売上目標を受注単価と各段階の率で割り戻して出します。
これが上から見た数字になります。

マーケティングの供給量は、直近の獲得実績と予算の見込みから積み上げます。
現実に出せる件数と金額がここに出ます。

営業の処理量は、担当者数と一人あたりの同時案件数から積み上げます。
渡されても処理できない量を、先に明らかにする作業です。

この三つは、ほぼ確実に一致しません。
一致しないこと自体は問題ではなく、差の大きさが情報になります。

差が出た部分に、認識のずれが表れます。
マーケティングの供給量が必要量に届かないなら、予算か施策の議論になります。

営業の処理量が供給量より小さいなら、渡す基準か人員の議論になります。
どちらを動かすかを決めるのが、この場の役割です。

差を埋める施策か、目標そのものの修正か。
どちらかを選んで、選んだ理由を記録してください。

前提を記録しないと、翌期に同じ議論になる

目標値がどういう前提で作られたかを記録します。
記録するのは、使った率、想定した予算、想定した人員の三つです。

前提が崩れたときに、目標を見直す根拠になります。
記録がなければ、未達の原因が前提なのか実行なのかを切り分けられません。

記録する場所は、KPIを決めた文書と同じ場所にしてください。
別の資料に書くと、翌期の設計時に更新履歴を追えなくなります。

前提の見直しは、四半期に一度行います。
実測値と前提を並べて、差が二割を超えた項目だけを議題にしてください。

全部の項目を毎回見直すと、議論が長くなり、結局どれも動きません。
差の大きいものだけに絞ると、四半期の会議は一時間で終わります。

上からの必要量、マーケの供給量、営業の処理量の三つを並べます。差を埋める施策か目標の修正かを選び、使った前提を記録してください

未達のとき、責任はどちらが負うのか

責任を分けるのではなく、どこの数字が想定を外れたかを特定します。
切り分けの基準を先に決めておかないと、未達のたびに同じ議論が起きます。

未達のとき、責任はどちらが負うのか

共通のKPIの弱点は、未達のときに責任の所在が不明確になることです。
これを補うために、切り分けの基準を期初に置きます。

切り分けの方法は、共通のKPIを構成要素に分解しておくことです。
商談の金額を共通のKPIにしている場合、三つに分解できます。

渡した件数、商談化率、商談の平均金額です。
この三つの掛け算が、共通のKPIの実績になります。

どの要素が想定を外れたかで、次に動く部門が決まります。
渡した件数が足りないなら、マーケティングが獲得の量を増やします。

商談化率が低いなら、両部門で渡す条件と引き渡しの運用を見直します。
この要素だけは、どちらか一方では原因を特定できません。

商談の平均金額が小さいなら、対象の企業規模を見直します。
これも両部門の作業になり、マーケティングは獲得の対象、営業は商談での扱う範囲を変えます。

三つとも想定どおりなのに金額が未達なら、目標値の前提が違っていたことになります。
この場合は、次の四半期の目標を置き直す議論に入ります。

分解の粒度は、三つか四つに留めてください。
五つ以上に分けると、どの要素も件数が小さくなり、振れと変化を区別できません。

分解した各要素に、想定値を置いておきます。
置いておかないと、想定を外れたかどうかを判定できません。

想定値は、目標値を合意した場で同時に決めます。
別の場で決めると、掛け合わせたときに共通のKPIの目標値と合わなくなります。

責任の追及ではなく、次の行動を決める場にする

未達の会議で責任の所在を議論すると、次の行動が決まらないまま終わります。
議論の時間の大半が、なぜそうなったかの説明に使われるためです。

会議の進め方を、先に決めておいてください。
どの要素が外れたかを確認し、次に何をするかを決める。この二つだけです。

原因の説明は、五分以内に収めます。
説明を長くしても、次の行動は変わりません。

未達のときに何を見直すかも、期初に決めておきます。
決めていないと、その場の力関係で決まります。

見直す対象は、施策、渡す条件、目標の前提の三つに限定してください。
共通のKPIそのものと目標値は、期中には触りません。

共通のKPIを三つか四つの要素に分解し、各要素に想定値を置きます。未達の会議は、外れた要素の特定と次の行動の決定だけに使ってください。

共通のKPIを置いても関係が変わらないのは、なぜか

数字を共有しているだけで、作業の分担と会議体が伴っていないからです。
形だけの共通KPIには、見分けられる兆候があります。

共通のKPIを置いても関係が変わらないのは、なぜか

共通のKPIを導入したが、以前と何も変わらない。
この状態には、いくつかの共通した特徴があります。

最も分かりやすいのが、共通の数字を報告するのが片方の部門だけ、という状態です。
もう一方は、自分の数字だと思っていません。

報告する部門が固定されていると、その部門の数字として扱われます。
数字の名前が共通でも、扱いは共通になっていません。

これを直す方法は単純です。
共通のKPIの報告を、月ごとに部門を交代して行います。

自分の数字として説明する機会があると、扱いが変わります。
説明のために数字の中身を確認するようになるためです。

二つ目の兆候が、未達のときの議論が責任の所在に向かうことです。
切り分けの基準が決まっていないと、この議論は避けられません。

三つ目が、共通の数字を見る会議がないことです。
資料に載っているだけで、その数字を議題にする場がない状態です。

数字は、判断に使われて初めて機能します。
見る場がなければ、載せる意味がありません。

四つ目が、部門の評価に入っていないことです。
行動を変える理由がないため、優先順位は上がりません。

五つ目が、数字の集計方法を片方しか知らないことです。
もう一方は、出てきた数字を信じるか疑うかしかできません。

六つ目が、共通の数字が複数あることです。
優先順位で再び対立が起きます。

このうち二つ以上に当てはまるなら、共通のKPIは形だけになっています。
直す順番は、会議体、評価への反映、報告の交代の順です。

作業の分担を、数字と一緒に決める

数字を共有しても、誰が何をするかが決まっていなければ動きません。
これが、形骸化の最も大きな原因になります。

共通のKPIを動かすための作業を書き出して、担当を決めてください。
書き出す作業は、両部門にまたがるものだけにします。

片方の部門で完結する作業は、その部門の指標の話になります。
共通のKPIの議題に持ち込むと、時間が足りなくなります。

決めた作業は、月次の会議の冒頭で実施状況を確認します。
確認の場がないと、決めることだけが増えていきます。

作業が三か月動かなければ、その作業は実行できない設計だったことになります。
担当を責めるのではなく、作業の内容を分割し直してください。

形骸化の兆候は、報告が片方だけ、見る会議がない、評価に入っていないの三つです。数字と同時に、両部門にまたがる作業の担当を決めてください。

共通のKPIへの切り替えは、どこから始めるのか

どの作業が境界で放置されているかを特定することからです。
放置されている作業がなければ、共通のKPIを置く必要はありません。

共通のKPIへの切り替えは、どこから始めるのか

共通のKPIは、目的があって初めて機能します。
先に、解きたい問題を特定してください。

特定の方法は、両部門の担当者を集めて、境界で止まっている作業を書き出すことです。
一回の会議で、十件前後は出てきます。

出てきた作業のうち、どちらの部門の指標にも入っていないものを選びます。
これが、共通のKPIで動かす対象になります。

一件も出てこなければ、共通のKPIは必要ありません。
その場合は、各部門の指標の精度を上げるほうに時間を使ってください。

次に、選んだ作業に効く数字を一つ選びます。
両部門が行動で動かせる数字であることを、その場で確認します。

選んだら、その数字の定義を揃えます。
分母と分子、集計の対象期間、除外する条件を文書にします。

定義が揃ったら、構成要素に分解して切り分けの基準を決めます。
ここまでが、目標値を決める前の準備になります。

共通のKPIを置くまでの道筋

順番やること関わる人期間の目安
1境界で放置されている作業を書き出す両部門の担当1回の会議
2その作業に効く数字を一つ選ぶ両部門の責任者1回の会議
3選んだ数字の定義を文書で揃える両部門の担当2週間
4構成要素に分解して切り分けの基準を決める両部門の担当2週間
5三つの数字を並べて目標値を合意する両部門の責任者1か月
6期初から部門の評価の一部に入れる経営期の変わり目

数字は説明のための仮の値です。
共通のKPIを創出商談金額として四半期で一億円と置いた場合、渡した件数と商談化率と平均金額の三つに分解します。

渡した件数が1,000件、商談化率が20%、平均金額が50万円なら、掛け合わせて一億円です。
この三つに想定値を置いておくと、未達のときの特定が数分で済みます。

分解した想定値は、目標値と同じ文書に書いてください。
別の場所に書くと、掛け合わせの整合が崩れたまま運用が始まります。

共通のKPIが機能しているかを見る項目

数字見る頻度この数字で分かること
共通のKPIの進捗毎月全体が想定どおりに動いているか
分解した構成要素の実績毎月どの要素が想定を外れているか
共通のKPIを報告した部門毎月片側だけの数字になっていないか
決めた作業の実施状況毎月数字を動かす行動が起きているか
未達時に決めた対応の実行四半期合意が守られているか

見る頻度は、月次で統一してください。
週次にすると構成要素の件数が小さくなり、振れと変化を区別できません。

導入した期の途中で評価の比重を変えると、行動が定まりません。
一期を同じ形で回し、期末に効いたかどうかを確認してください。

共通のKPIを置いても放置されている作業が動かないなら、原因は別のところにあります。
続ける理由がなければ、やめる判断も取ってください。

やめた記録も残します。
記録がないと、翌年に同じ提案が出てきて、同じ準備をやり直すことになります。

着手点は数字の選定ではなく、境界で放置されている作業の書き出しです。一件も出てこなければ、共通のKPIは置かないでください。

共通のKPIを置くべきかどうか判断がつかない場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
指標と評価の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

マーケと営業に共通のKPIは必要ですか

部門の境界で放置されている作業がある場合に効きます。それがない状態で置いても、報告する数字が一つ増えるだけです。まず両部門の担当者で、どちらの指標にも入っていない作業を書き出してください。

どの数字を共通にすればいいですか

両方の部門が行動で動かせる数字に限られます。創出された商談の金額や商談になった件数が候補で、獲得件数や受注率は片方しか動かせないため向きません。金額の入力が整っていなければ、まず件数から始めます。

共通のKPIはいくつ置くべきですか

一つです。複数置くと、どちらを優先するかで再び対立が起きます。残りは各部門の指標として、置き場所を決めて残してください。

未達のときは、どちらの責任になりますか

責任を分けるのではなく、三つか四つの構成要素に分解してどこが想定を外れたかを特定します。各要素に想定値を置き、切り分けの基準を期初に決めておくと、毎回の議論が短くなります。

共通のKPIを置いたのに何も変わりません

数字の共有だけで、作業の分担と会議体が伴っていない可能性があります。報告が片方の部門だけになっていないか、見る会議があるか、部門の評価に入っているかを確認してください。

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  • オンライン30〜45
  • 事前資料の準備は不要

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まとめ

  • 部門の境界で起きる押し付け合いを減らすために置きます。それ以外の問題は、共通のKPIを置いても解決しません
  • 両方の部門が行動で動かせる数字に限られます。片方しか動かせない数字を共通にすると、動かせない側の納得が得られません
  • 片方しか動かせない数字と、定義が揺れる数字です。共通にすると責任の所在が曖昧になり、誰も動かさない数字になります
  • 部門の評価の一部に入れます。全体を共通の数字にすると、自分の担当領域の改善に手が回らなくなります
  • 両部門が別々に出した数字を突き合わせます。片方が出した数字をもう一方が受け入れる形にすると、未達のときに合意が崩れます
  • 責任を分けるのではなく、どこの数字が想定を外れたかを特定します。切り分けの基準を先に決めておかないと、未達のたびに同じ議論が起きます
  • 数字を共有しているだけで、作業の分担と会議体が伴っていないからです。形だけの共通KPIには、見分けられる兆候があります
  • どの作業が境界で放置されているかを特定することからです。放置されている作業がなければ、共通のKPIを置く必要はありません