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複数事業がある会社の予算配分

集客・マーケ戦略公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約19分
複数事業がある会社の予算配分

事業ごとに成長の段階が違うのに、同じ物差しで比べているからです。
比較の基準がないところでは、説明の巧拙が配分を決めます。

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事業ごとに成長の段階が違うのに、同じ物差しで比べているからです。
比較の基準がないところでは、説明の巧拙が配分を決めます。

複数の事業を抱えると、予算の配分が声の大きさで決まるのはなぜか

事業ごとに成長の段階が違うのに、同じ物差しで比べているからです。
比較の基準がないところでは、説明の巧拙が配分を決めます。

複数の事業を抱えると、予算の配分が声の大きさで決まるのはなぜか

複数の事業を持つ会社では、予算の配分が毎年の議題になります。
議論の場に出てくるのは、事業ごとの実績と来期の計画です。

このとき使われる物差しは、たいてい投資対効果です。
投じた金額に対してどれだけ売上が立ったかで、事業を並べます。

この物差しで並べると、結論はほぼ決まっています。
最も成熟した事業が一位になり、新しい事業が最下位になります。

成熟した事業は、顧客が認知しており、獲得の経路も確立しています。
同じ金額をかけたときの効率が良いのは、構造として当然です。

一方、立ち上げたばかりの事業は、認知の形成から始める必要があります。
同じ物差しで比べれば、必ず不利になります。

この結果を機械的に適用すると、成熟した事業に全額を寄せることになります。
寄せた先の事業は、すでに獲得の効率が頭打ちに近づいています。

つまり、最も効率の良い事業に寄せる判断は、全社としては最も伸びない選択になります。
この矛盾があるため、投資対効果だけで配分を決める会社は少数です。

では何で決まっているかというと、多くの場合は説明の巧拙です。
比較の基準がない場では、議論の場で説得力のある説明をした事業に配分が付きます。

説明の巧拙は、事業の将来性とは関係ありません。
担当者の経験や、経営との距離で決まります。

過去の実績や、前年の配分を踏襲する力も働きます。
前年に大きな枠を取った事業は、翌年も同じ枠を維持しやすくなります。

決め方がないと、決め方の議論が毎年起きる

配分の基準がないと、毎年の予算の会議は決め方の議論から始まります。
どの数字で比べるかが決まっていないため、それぞれが自分に有利な数字を持ち込みます。

新しい事業は成長率を持ち込み、成熟した事業は投資対効果を持ち込みます。
どちらの数字も正しいため、議論は収束しません。

収束しない議論の結末は、前年の配分の微調整です。
結果として、事業の状況が変わっても配分は動きません。

これを止めるには、比べ方を先に決めておく必要があります。
決めるのは金額ではなく、何を物差しにするかです。

物差しを決める作業は、予算の会議の場では行わないでください。
その場で決めると、いま有利な数字を持っている側の主張が通ります。

成長の段階が違う事業を同じ物差しで比べると、成熟した事業に全額を寄せる結論になります。物差しは、予算の会議とは別の場で先に決めてください。

事業をどう分類して、配分の枠を切るのか

成長の段階で三つに分けます。
段階ごとに評価の物差しを変えると、同じ表で比べられるようになります。

事業をどう分類して、配分の枠を切るのか

分類の軸は、売上規模でも利益率でもありません。
成長の段階です。

三つに分けるのが、実務では扱いやすくなります。
探索、拡大、維持の三つです。

探索の段階は、市場に受け入れられるかをまだ確かめている事業です。
顧客の輪郭が定まっておらず、獲得の経路も固まっていません。

この段階の事業を、獲得単価や投資対効果で評価しないでください。
評価すべきなのは、どの顧客層に反応があるかが分かったかどうかです。

拡大の段階は、獲得の経路が見つかり、増額すれば件数が伸びる事業です。
この段階では、増額に対する件数の伸びが最も重要な数字になります。

投資対効果が多少悪くても、伸びが続くなら投資を続けます。
伸びが鈍った時点で、次の段階に移ったと判定します。

維持の段階は、増額しても件数が伸びなくなった事業です。
この段階では、効率と利益が評価の中心になります。

維持の段階の事業から生まれた利益が、探索の段階の事業の原資になります。
この関係を明示しておくと、配分の議論が構造として理解されます。

段階の判定は、期初に経営と合意してください。
判定が決まらないと、どの物差しで比べるかも決まりません。

三つの段階は、判定の条件と配分の決め方がそれぞれ違います。
探索は獲得の経路が固まっていない状態を指し、配分は全社の総額に対する比率で上限を置きます。

拡大は増額すると件数が伸びる状態で、伸びが続く限り追加する形になります。
維持は増額しても件数が伸びない状態で、効率を保てる金額までにとどめます。

評価の物差しも段階ごとに変わります。
探索は反応する顧客層が特定できたか、拡大は増額に対する件数の伸び、維持は効率と利益です。

この三組の対応を一枚にして経営と共有しておくと、配分の議論が短く済みます。
共有していないと、毎回どの数字で比べるかの議論から始まります。

段階は、年に一度だけ見直す

段階の判定は、期中には変えないでください。
期中に変えると、評価の物差しが途中で入れ替わります。

見直しは年に一度、期初の事業計画が固まった直後に行います。
このとき、前期の実績をもとに段階が変わったかを判定します。

拡大から維持への移行は、増額に対する件数の伸びで判定できます。
追加で使った金額を追加で取れた件数で割った数字が、許容できる上限に近づいていれば維持の段階です。

探索から拡大への移行は、獲得の経路が固まったかどうかで判定します。
同じ経路で3か月続けて件数が出ていれば、経路が固まったと見なせます。

判定の記録は残してください。
翌年に段階を見直すとき、前年にどの根拠で判定したかが必要になります。

事業は売上規模ではなく成長の段階で三つに分け、段階ごとに評価の物差しを変えてください。判定は期初に行い、期中には変えません。

探索段階の事業に、いくら出すのか

全社の総額に対する割合で上限を決めます。
その事業の売上や見込みからは決めません。

探索段階の事業に、いくら出すのか

探索の段階にある事業の予算を、その事業の売上や見込みから決めることはできません。
売上がまだ小さく、見込みの精度も低いためです。

見込みから決めようとすると、事業側が出した数字がそのまま予算になります。
その数字には根拠がないため、議論が続きません。

決め方は、全社の総額に対する割合で上限を置くことです。
全社のマーケティング予算のうち、何%までを探索に使うかを先に決めます。

上限の目安は、全社の総額の5%から15%です。
事業の数や、既存事業の安定度によって幅が出ます。

この枠を、探索の段階にある事業で分けます。
一つの事業に集中させるか、複数に分けるかは、事業の数によります。

分けるときは、薄く広く配らないでください。
探索には、反応の有無を判定できるだけの最低限の量が必要です。

量が足りない探索は、結論が出ません。
結論の出ない支出が続くと、探索の枠そのものが翌期に削られます。

探索の成果を件数で測らないことも、設計の条件です。
件数を目標にすると、反応の良い既存の顧客層にだけ配信する動きが出ます。

その動きは既存事業と同じ領域に寄るため、探索になりません。
測るのは、どの顧客層に反応があったかという結論の有無です。

探索の枠を設計するときに決める項目は、五つです。
枠の上限、1事業あたりの下限、期間、評価の物差し、そして打ち切りの条件です。

上限を置かないと、事業側の見込みがそのまま予算になります。
下限を置かないと、結論の出ない支出が続きます。

期間は最低でも2四半期を確保してください。
確保していないと、効果が出る前に打ち切られます。

打ち切りの条件も、開始の時点で決めます。
条件がないと、その事業はいつまでも探索の段階のまま残ります。

枠を守るための仕組み

探索の枠は、期中に削られやすい枠です。
既存事業の数字が悪い月に、原資として狙われます。

守るには、期初に枠を確定し、期中の移動の対象から外しておく必要があります。
外していないと、四半期ごとに同じ議論が起きます。

もう一つの守り方は、探索の枠を事業部ではなく中央で持つことです。
事業部が持つと、事業部内の他の用途に流用されます。

中央で持つ場合は、使途の申請と承認の手続きを軽くしてください。
手続きが重いと、探索の枠が使われないまま期末を迎えます。

使われなかった枠は、翌期に削られます。
削られると、探索の仕組みそのものが消えます。

探索の枠は全社の総額に対する比率で上限を置き、1事業あたりの下限も決めてください。枠は中央で持ち、期中の移動の対象から外します。

共通で発生する費用は、どう配賦するのか

全部を按分しません。
按分すると、どの事業から見ても納得しない数字になります。

共通で発生する費用は、どう配賦するのか

複数の事業を持つと、事業をまたいで発生する費用が出てきます。
サイト全体の制作費、データ基盤、ツールの利用料、共通のブランド投資などです。

これらを全部按分すると、事業ごとの損益は計算できます。
ただし、按分された側はその数字に納得しません。

納得しない理由は、按分の基準が恣意的に見えるためです。
売上で按分するのか、件数で按分するのか、人数で按分するのかで、結果が大きく変わります。

どの基準を選んでも、不利になる事業から異議が出ます。
その異議に答えるために基準を精緻にすると、計算が複雑になって誰も検証できなくなります。

実務で回るのは、三つに分けて扱う方法です。
按分するもの、中央で持つもの、そして使った事業が負担するものです。

按分するのは、すべての事業が同じように使っているものです。
サイトの基盤や、全社共通のツールが該当します。

中央で持つのは、特定の事業に紐づけられないものです。
企業ブランドへの投資や、全社のデータ基盤が入ります。

使った事業が負担するのは、利用量が事業ごとに大きく違うものです。
制作の依頼や、個別のツールの追加ライセンスが該当します。

この三つに分けると、按分の対象が全体の一部に減ります。
対象が減れば、按分の基準についての議論も小さくなります。

按分するのは、全事業が同じように使う基盤やツールです。
負担のさせ方は売上比か件数比の単純な按分にし、異議が出ても基準を精緻にせず単純さを優先してください。

中央で持つのは、企業ブランドへの投資と全社のデータ基盤です。
事業には配賦せず、全社の投資として別に説明します。

使った事業が負担するのは、制作の依頼や追加のライセンスです。
実際の利用量で請求する形にするため、利用量の記録を残す運用が前提になります。

この三つの線引きは、期初に経理と合意してください。
期中に変えると、事業ごとの損益の推移が比べられなくなります。

按分の精度を上げすぎない

按分の基準を精緻にするほど、計算の手間は増えます。
増えた手間に見合う判断の改善は、ほとんどありません。

按分された金額は、事業側が動かせる費用ではないためです。
動かせない費用の精度を上げても、行動は変わりません。

そのため、按分は単純な基準で行ってください。
売上比か件数比のどちらか一つを選び、毎年同じ基準を使います。

基準を毎年変えると、事業ごとの損益の推移が比べられなくなります。
比べられないと、事業の状態の変化が分からなくなります。

中央で持つ費用については、その存在を事業側に説明してください。
説明しないと、事業側は自分の予算だけが全社の予算だと認識します。

全社の総額のうち、中央で持っている金額がいくらかを共有すると、配分の議論が現実的になります。
共有していないと、事業側の要求の合計が全社の総額を超えます。

共通費用は、按分するもの、中央で持つもの、使った事業が負担するものの三つに分けてください。按分の基準は単純にし、毎年変えないことが条件です。

事業をまたいで顧客が重なるとき、配分をどう見るのか

重なりを無視すると、同じ顧客の獲得に二重に費用をかけます。
先に、どの事業が最初の接点を取るかを決めます。

事業をまたいで顧客が重なるとき、配分をどう見るのか

複数の事業が同じ顧客層に出稿していると、同じ人に対して複数の事業が費用をかけます。
費用は二重にかかりますが、顧客は一人です。

この状態は、事業ごとの管理では見えません。
それぞれの事業が、自分の獲得として件数を計上しているためです。

重なりを見つける方法は、事業をまたいだ顧客の重複を数えることです。
同じ会社名や同じ担当者が、複数の事業のリストに入っているかを確認します。

BtoBであれば会社名、BtoCであればメールアドレスや電話番号で照合できます。
照合の作業は、顧客データが統合されていれば数日で終わります。

統合されていない場合は、まず統合の設計が必要になります。
この作業は、配分の議論より先に着手する対象です。

重なりが確認できたら、どの事業が最初の接点を取るかを決めてください。
決めないと、同じ検索語に複数の事業が入札する状態が続きます。

入札が重なると、自社どうしで単価を押し上げることになります。
この損失は、どちらの事業のレポートにも表れません。

最初の接点を取る事業を決めたら、その事業から他の事業への紹介の仕組みを作ります。
紹介の成果は、元の事業に戻してください。

戻さないと、最初の接点を取る事業の投資対効果が実態より低く見えます。
低く見えると、翌期にその事業の枠が削られます。

事業間の重なりと、対処

重なりの形見つけ方対処注意すること
同じ検索語に複数事業が入札媒体のレポートで語を突き合わせる接点を取る事業を一つに決める除外の設定を過剰にしない
同じ顧客がリストに重複会社名やメールで照合最初の接点を取った事業に寄せる顧客データの統合が前提
同じ媒体の同じ面に複数事業配信面の一覧を並べる配信の時期をずらすか統合するクリエイティブの整合を取る
紹介の成果が元の事業に戻らない紹介の記録を確認成果を元の事業に配賦する配賦の基準を先に決める

完全な分離を目指さない

重なりをゼロにしようとすると、除外の設定が積み上がって配信量が落ちます。
目的は分離ではなく、二重の費用を把握することです。

把握できていれば、全社の判断は正しく行えます。
事業ごとの数字を足した合計が実際より多いことを前提に、全社の数字で管理してください。

事業をまたいだ統合が難しい場合は、重なりの大きい組み合わせだけを対象にします。
すべての組み合わせを確認しようとすると、作業が終わりません。

対象を絞るときは、同じ顧客層に出している事業の組み合わせから見てください。
顧客層が違う事業どうしでは、重なりはほとんど起きません。

確認の頻度は、四半期に一度で足ります。
毎月確認しても、重なりの構造は短期間では変わりません。

重なりを無視すると、自社どうしで単価を押し上げます。最初の接点を取る事業を決め、紹介の成果は元の事業に戻してください

配分を動かす頻度と、幅をどうするか

期中の移動は、探索枠と拡大段階の事業の間だけにします。
維持段階の事業の予算を期中に動かすと、計画が崩れます。

配分を動かす頻度と、幅をどうするか

事業間の配分を期中に動かすかどうかは、事業の段階で分けてください。
すべての事業を同じ頻度で動かす必要はありません。

維持の段階にある事業は、期中に動かさないでください。
この段階の事業は、計画の精度が高く、予算の変動が直接、計画の未達につながります。

拡大の段階にある事業は、期中の増額の対象になります。
増額に対して件数が伸びている状態であれば、追加の投資は成果に直結します。

探索の段階の事業は、枠そのものが期初に決まっています。
枠の内側での配分の変更は、事業側の判断で行えます。

つまり、期中に動かす範囲は探索枠と拡大段階の事業の間に限られます。
この範囲を先に決めておけば、期中の議論の対象が絞られます。

移動の判断は、四半期に一度にしてください。
月ごとに動かすと、増額の効果を測る前に次の変更が入ります。

移動の幅も、上限を決めます。
一度の移動は、移動元の事業の予算に対して1割から2割までが目安です。

これを超えて動かすと、移動元の事業の計画が成立しなくなります。
計画が崩れた事業は、その期の評価ができなくなります。

移動の履歴は、必ず残してください。
いつ、どの事業から、どの事業に、いくら、なぜ動かしたかの五つです。

探索の段階にある事業は、枠の内側であれば事業側の判断で動かせます。
枠そのものは期初に確定しているため、全社の設計は崩れません。

拡大の段階にある事業は、四半期に一度、増額の対象になります。
移動の幅は、移動元の事業の予算に対して1割から2割までが上限です。

維持の段階にある事業は、原則として期中には動かしません。
動かす必要が出た場合は、配分の変更ではなく計画の見直しとして扱ってください。

段階の判定が終わっていない事業は、判定が出るまで移動の対象になりません。
物差しが決まっていない状態では、移動の根拠が作れないためです。

移動の判断を、誰がするのか

事業間の移動の判断は、事業側では決められません。
移動元になる事業が、自ら予算を出すことはないためです。

判断するのは、全社の予算を持っている立場の人です。
中央のマーケティング責任者か、経営のいずれかになります。

判断の材料は、事業ごとの増額に対する件数の伸びです。
この数字が事業間で比べられる形になっていれば、判断は短時間で済みます。

比べられる形にするには、測定の定義を揃える必要があります。
獲得の件数の定義が事業ごとに違うと、比較そのものが成立しません。

定義を揃える作業は、中央が担ってください。
事業側に任せると、それぞれが自分に有利な定義を採ります。

期中に動かすのは探索枠と拡大段階の事業の間だけにし、判断は四半期に一度にしてください。移動の幅は移動元の1割から2割までとします。

事業部制の会社では、権限をどう置くのか

総額と枠の設計は中央が持ち、枠の中の使い方は事業側が持ちます。
どちらか一方に寄せると、必ず不具合が出ます。

事業部制の会社では、権限をどう置くのか

予算の権限を中央に集めるか事業側に渡すかは、事業部制の会社で必ず議論になります。
どちらか一方に寄せると、別の不具合が出ます。

中央に集めすぎると、判断が遅れます。
事業の現場で起きている変化が中央に届くまでに時間がかかり、対応が後手に回ります。

また、中央が事業ごとの事情を把握しきれないため、配分が前年の踏襲になりがちです。
結果として、事業の状況が変わっても配分が動きません。

事業側に渡しすぎると、全社の最適が崩れます。
それぞれの事業が自分の成果を最大化するため、探索への投資が消えます。

探索は、当期の成果には寄与しません。
事業側の判断に任せると、当期の数字が優先されます。

事業をまたいだ重なりも、事業側の判断では解けません。
どちらの事業も、自分の獲得を減らす判断はしないためです。

実務で回るのは、階層で分ける形です。
総額と枠の設計は中央が持ち、枠の中の使い方は事業側が持ちます。

中央が決めるのは、全社の総額、事業ごとの枠、探索の枠、そして測定の定義です。
事業側が決めるのは、枠の中でどの媒体にいくら出すかです。

この分け方であれば、事業側の判断の速さを保ったまま、全社の設計を維持できます。
中央の関与は、期初と四半期の判断に限られます。

予算の権限の分け方

決める内容持つ側決める時期渡すと起きること
全社の総額中央期初事業の要求の合計が総額を超える
事業ごとの枠中央期初説明の巧拙で配分が決まる
探索の枠中央期初当期の成果が優先されて消える
測定の定義中央期初と改定時事業ごとに有利な定義を採る
枠の中の媒体配分事業側随時判断が遅れて機会を逃す
クリエイティブと訴求事業側随時現場の事情が反映されない

測定の定義だけは、中央が握る

権限を事業側に渡す範囲を広げる場合でも、測定の定義だけは中央が持ってください。
定義が事業ごとに違うと、事業間の比較ができなくなります。

比較ができなければ、中央が枠を決める根拠がありません。
根拠がない状態で枠を決めると、また説明の巧拙で配分が決まります。

揃える定義は、獲得の件数の定義、有効なリードの定義、商談の定義の三つです。
この三つが揃っていれば、事業間の比較は成立します。

定義を改定するときは、過去のデータも同じ定義で再集計してください。
再集計せずに定義だけ変えると、数字の変化が施策の成果に見えます。

定義の文書は、中央が管理する場所に置きます。
事業ごとに写しを持つと、改定が反映されない事業が出ます。

総額と枠の設計と測定の定義は中央が持ち、枠の中の媒体配分は事業側が持ってください。どちらか一方に寄せると、判断の遅れか全社最適の崩れが起きます。

事業間の配分は、どこから組み直すのか

事業ごとの段階を判定し、経営と合意するところからです。
段階が決まらないと、どの物差しで比べるかが決まりません。

事業間の配分は、どこから組み直すのか

配分の組み直しは、金額の議論からは始まりません。
事業ごとの段階を判定し、評価の物差しを決めるところから始まります。

段階の判定は、事業側と一緒には行わないでください。
自分の事業を探索や拡大に分類したいという動機が、判定に影響します。

事業間の配分を組み直す段取り

順番やること関わる人期間の目安
1事業ごとの段階を判定する中央・経営2週間
2段階ごとの評価の物差しを決める中央・経営1週間
3測定の定義を揃え、事業間で比べられる形にする中央3週間
4探索の枠の比率と下限を決める中央・経営1週間
5共通費用を三つの扱いに分ける中央・経理2週間
6事業間の重なりを確認し、接点を取る事業を決める中央・各事業2週間

数字は説明のための仮の値です。
全社のマーケティング予算が年間6億円で、事業がA、B、Cの三つだとします。

Aが維持、Bが拡大、Cが探索の段階であれば、探索の枠を全社の10%にあたる6,000万円として先に切り出します。
残りの5億4,000万円を、AとBの間で配分します。

Bの増額に対する件数の伸びがまだ続いているなら、Bへの配分を前年より増やします。
Aは増額しても件数が伸びないため、効率を保てる金額までにとどめます。

この判断ができるのは、AとBの獲得件数の定義が揃っている場合だけです。
定義が揃っていなければ、比較の前に定義を揃える作業が入ります。

事業をまたいで比べる数字

数字見る頻度見るときの観点
増額に対する件数の伸び四半期拡大の段階にあるか、維持に移ったか
獲得件数と有効リードの定義年に一度事業間で揃っているか
探索枠の消化と結論の有無四半期枠が使われ、結論が出ているか
事業間で重複している顧客の数四半期二重の費用がどれだけ出ているか
中央で持つ費用の総額年に一度事業側に共有されているか

四半期に見るのは、増額に対する件数の伸びと探索枠の状況です。
この二つが、翌四半期の配分の判断に直接使われます。

事業間で重複している顧客の数も、四半期に一度は確認してください。
重複が増えていれば、接点を取る事業の取り決めが守られていません。

期末には、配分の結果を振り返ってください。
どの事業にいくら置き、何が起きたかの記録が、翌期の配分の根拠になります。

振り返りの記録には、動かさなかった判断も残します。
段階が変わったのに配分を動かさなかった理由は、翌期に必要になります。

着手点は、事業ごとの段階を判定して経営と合意することです。判定は事業側と一緒に行わず、測定の定義を揃えてから比べてください。

事業間の配分の決め方が定まらない場合は、無料相談で現状の投資額と成果を一緒に整理するところから始められます。
事業横断の体制ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

事業ごとの予算配分は何を基準に決めますか

売上規模ではなく、成長の段階で分けます。探索、拡大、維持の三つに分類し、段階ごとに評価の物差しを変えてください。投資対効果だけで比べると、構造として成熟した事業が必ず勝ち、全社としては最も伸びない配分になります。

新規事業に配分する金額はどう決めますか

全社の総額に対する比率で上限を置きます。目安は5%から15%です。その事業の売上や見込みから決めると、根拠のない数字がそのまま予算になります。1事業あたりの下限も決め、判定に足る件数が出る金額を確保してください。

共通で発生する費用はどう配賦しますか

全部を按分しないでください。全事業が同じように使う基盤は単純な基準で按分し、企業ブランドや全社のデータ基盤は中央で持ち、利用量が事業ごとに違うものは使った事業に負担させます。按分の基準は毎年変えないことが条件です。

複数の事業が同じ顧客層に出稿しています

同じ検索語に自社どうしで入札すると、単価を押し上げることになります。最初の接点を取る事業を一つ決め、その事業から他の事業への紹介の仕組みを作ってください。紹介の成果は元の事業に戻さないと、その事業の枠が翌期に削られます。

予算の権限は中央と事業部のどちらが持つべきですか

階層で分けてください。全社の総額、事業ごとの枠、探索の枠、測定の定義は中央が持ち、枠の中の媒体配分とクリエイティブは事業側が持ちます。中央に集めすぎると判断が遅れ、事業側に渡しすぎると探索への投資が消えます。

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  • オンライン30〜45
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まとめ

  • 事業ごとに成長の段階が違うのに、同じ物差しで比べているからです。比較の基準がないところでは、説明の巧拙が配分を決めます
  • 成長の段階で三つに分けます。段階ごとに評価の物差しを変えると、同じ表で比べられるようになります
  • 全社の総額に対する割合で上限を決めます。その事業の売上や見込みからは決めません
  • 全部を按分しません。按分すると、どの事業から見ても納得しない数字になります
  • 重なりを無視すると、同じ顧客の獲得に二重に費用をかけます。先に、どの事業が最初の接点を取るかを決めます
  • 期中の移動は、探索枠と拡大段階の事業の間だけにします。維持段階の事業の予算を期中に動かすと、計画が崩れます
  • 総額と枠の設計は中央が持ち、枠の中の使い方は事業側が持ちます。どちらか一方に寄せると、必ず不具合が出ます
  • 事業ごとの段階を判定し、経営と合意するところからです。段階が決まらないと、どの物差しで比べるかが決まりません