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予算の根拠が説明できないまま続いている出稿を止める

集客・マーケ戦略公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約19分
予算の根拠が説明できないまま続いている出稿を止める

止める判断に責任が伴い、続ける判断には責任が伴わないからです。
止めて数字が落ちれば止めた人の責任になり、続けて成果が出なくても誰の責任にもなりません。

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目次

  1. 説明できない出稿が残り続けるのは、なぜか
    • 直すのは、判断の仕組み
  2. 説明できない出稿は、どうやって見つけるのか
    • 目標のない出稿を先に洗い出す
  3. 止める前に、何を確認するのか
    • 確認の深さを、金額で変える
  4. 止め方は、どうするのか
    • 一時停止のあと、戻すかどうかを決める場を作る
  5. 止めた影響は、どう確かめるのか
    • 結論を記録し、影響が出たら戻す
  6. 止められない出稿には、どう向き合うのか
    • 業界の慣行だけは、広告の枠で検証する
  7. 棚卸しを毎年の仕組みにするには、何が要るのか
    • 棚卸しを評価の対象にする
  8. 判断をどこから始めるか
  9. よくある質問
  10. まとめ

止める判断に責任が伴い、続ける判断には責任が伴わないからです。
止めて数字が落ちれば止めた人の責任になり、続けて成果が出なくても誰の責任にもなりません。

説明できない出稿が残り続けるのは、なぜか

止める判断に責任が伴い、続ける判断には責任が伴わないからです。
止めて数字が落ちれば止めた人の責任になり、続けて成果が出なくても誰の責任にもなりません。

説明できない出稿が残り続けるのは、なぜか

広告の一覧を開くと、なぜ出しているのか誰も説明できない出稿が見つかります。
金額が大きくないため、毎年の予算の議論でも議題に上がりません。

この状態が続くのは、判断の非対称があるためです。
止めるという判断には決裁と説明が必要ですが、続けるという判断には何も要りません。

止めた後に数字が落ちれば、止めた人の判断が問われます。
続けたまま成果が出なくても、誰の判断が悪かったのかは問われません。

この構造のもとでは、止めないことが個人にとって合理的な選択になります。
担当者の姿勢の問題ではなく、判断の仕組みが生んでいる結果です。

二つ目の理由は、始めた人がすでにいないことです。
数年前に始まった出稿は、始めた理由を知っている人が社内に残っていません。

引き継ぎで渡されるのは、契約の存在と運用の手順です。
なぜ必要かという理由は、引き継ぎの資料には書かれません。

理由を知らない担当者にとって、その出稿は前提として存在しています。
前提を疑うには、それなりの動機が必要になります。

三つ目は、金額の小ささです。
月に数十万円の出稿は、総額から見れば数%にすぎません。

一本ずつ見れば議題に上げるほどではないため、そのまま残ります。
ところが十数本たまると、合計では無視できない金額になります。

四つ目は、関係先との事情です。
取引先や採用の都合で続いている出稿は、広告の効率だけでは判断できません。

この四つは、いずれも個人の努力では解けません。
解くには、判断の仕組みを作る必要があります。

直すのは、判断の仕組み

止める判断に責任が伴う構造を変えるには、個人の判断に頼らない形にすることです。
期に2回、決まった時期に全出稿を見直す運用をカレンダーに入れます。

仕組みとして実施されていれば、止める判断は個人のものではなくなります。
棚卸しの結果として止まった、という扱いになるためです。

この違いは小さく見えますが、実際の行動は大きく変わります。
誰かが言い出す必要がなくなるためです。

気づいた人がやる形にすると、結局は誰もやりません。
気づくこと自体に、何の報酬もないからです。

仕組みにするときは、実施の時期と担当と手順を決めてください。
三つのうち一つでも決まっていないと、初年度で止まります。

説明できない出稿が残るのは、止める判断にだけ責任が伴う構造があるためです。個人の判断に頼らず、期に2回の棚卸しを仕組みとして置いてください。

説明できない出稿は、どうやって見つけるのか

一つずつ、なぜ出しているのかを書いてもらいます。
書けないものが、説明できない出稿です。

説明できない出稿は、どうやって見つけるのか

棚卸しの方法は単純で、全出稿の一覧に目的の欄を作ることです。
一行で目的が書けるかどうかで、対象が自動的に絞られます。

一覧に入れる項目は、五つで足ります。
出稿の名前、月額、開始した時期、目的、そして目標とする数字です。

このうち最も重要なのが、目的と目標の二つです。
目的が書けても目標が書けない出稿は、成果の判定ができません。

目標が書けない出稿は、成果が出ても出なくても評価が変わりません。
つまり、続ける理由も止める理由も生まれない状態です。

一覧を作るのは、担当者ではなく責任者にしてください。
担当者が作ると、自分が運用している出稿については目的が書けてしまいます。

書けてしまうというのは、後から理由を作れるという意味です。
その出稿を続けるための説明は、運用している人が最も上手に書けます。

責任者が作ると、説明を受けて初めて理解できる出稿が可視化されます。
説明を聞かないと分からない出稿は、一行で書ける目的を持っていません。

一覧には、直近の見直し時期も記録してください。
何年も見直されていない出稿が、最も対象になりやすくなります。

五つの項目は、書けない場合の意味がそれぞれ違います。
目的が書けないのは、なぜ出しているかを誰も知らない状態で、優先度は最も高くなります。

目標とする数字が書けないのは、成果の判定ができない状態です。
開始した時期が書けないのは、経緯が追えないことを意味し、過去の担当者や契約書にあたる必要があります。

直近の見直し時期が書けない出稿は、長く放置されています。
月額と年額が書けない場合は、経理や調達に確認して合算したときの規模を先に出してください。

確認する相手も項目ごとに変わります。
目的は運用の担当者、目標と見直し時期はマーケティング責任者、金額は経理と調達が持っています。

目標のない出稿を先に洗い出す

目的は書けるが目標が書けない出稿は、目的も書けない出稿と同じくらい多くあります。
認知のため、関係の維持のためといった目的は書きやすいためです。

目標が書けるかどうかを確認するときは、いつまでにどの数字がどうなれば成功かを聞いてください。
この問いに答えられない出稿は、成果の判定ができません。

答えられないものは、止める候補ではなく、目標を置く候補として扱います。
目標を置いて1四半期見れば、判定ができるようになります。

目標を置くことを拒まれる場合は、その出稿の目的が広告の目的ではない可能性があります。
取引関係や採用の事情で続いているものが該当します。

その場合は、止めるのではなく別の枠に移す判断になります。
広告の予算から外せば、獲得の数字は正確になります。

一覧に目的と目標の欄を作り、書けない出稿を対象にしてください。一覧は運用の担当者ではなく責任者が作ります。

止める前に、何を確認するのか

測れていない影響がないかを確認します。
直接の成果が出ていなくても、指名検索や他の経路の成果に寄与している場合があります。

止める前に、何を確認するのか

説明できない出稿が見つかっても、すぐに止めるのは早計です。
直接の成果として計上されていない寄与がある可能性を、先に確認します。

想定するのは、三つの寄与です。
指名検索への波及、他の経路の成果への寄与、そして計測されていない接点です。

一つ目の指名検索への波及は、その出稿を見た人が後から自社名で検索している場合です。
この場合、成果は指名検索の枠に計上されています。

二つ目は、他の経路の成果への寄与です。
その出稿で認知した人が、後日SNSの広告から申し込んでいることがあります。

三つ目は、計測されていない接点です。
オフラインの接点や、電話での問い合わせは、広告の成果として記録されません。

これらの確認は、記録から完全には出せません。
出せない部分は、止めて観察するという方法で代替します。

観察に入る前に、基準となる数字を記録してください。
止める直前の3か月について、全体の獲得件数、指名検索の量、直接の流入を記録します。

記録せずに止めると、影響が出ても比較の対象がありません。
比較ができなければ、戻す判断も続ける判断もできません。

もう一つ確認するのが、再開できるかどうかです。
枠の確保が必要な媒体や、契約期間のある出稿では、一度止めると同じ条件で戻れないことがあります。

再開が難しい出稿は、確認に時間をかけてから判断してください。
再開が容易な出稿は、確認より止めてみるほうが早く結論が出ます。

確認に時間をかけすぎるのも避けてください。
確認のための分析に数か月を使うと、その間の支出のほうが大きくなります。

確認にかかる時間も、項目によって違います。
指名検索への波及は、止める前後の推移を見るために3か月分の記録が要ります。

他の経路への寄与は、経路をまたいだ接触の記録があれば数日で確認できます。
記録がない場合は、どちらも止めて観察する方法に切り替えます。

計測されていない接点は、営業と問い合わせ窓口への聞き取りで1週間ほどかかります。
聞き取りで得た情報は記録に残してください。

再開の可否は、契約条件と媒体の枠を数日で確認できます。
基準となる数字の記録も数日で済み、これだけは省略せずに必ず行ってください。

確認の深さを、金額で変える

すべての出稿に同じ深さの確認を行うと、棚卸しが終わりません。
月額の規模で、確認の深さを変えてください。

月額が小さく再開も容易な出稿は、確認を省いて止めて観察するほうが早く進みます。
止めた影響が小さいため、誤って止めても損失は限定されます。

月額が大きい出稿や、再開が難しい出稿は、止める前の確認に時間をかけます。
この場合は、営業や問い合わせ窓口への聞き取りまで行ってください。

聞き取りで出てくる情報は、記録に残っていないことがほとんどです。
問い合わせの電話で特定の媒体名が挙がっているといった情報は、そこでしか得られません。

確認の深さの基準も、棚卸しの手順に書いておいてください。
書いていないと、毎回どこまで調べるかの議論が発生します。

止める前に、指名検索への波及と他経路への寄与と計測されていない接点を確認してください。確認の深さは、月額の規模と再開の難しさで変えます。

止め方は、どうするのか

一度に全部止めず、期間を区切って止めます。
止めるのではなく、一時停止として扱うと、社内の抵抗が小さくなります。

止め方は、どうするのか

止め方によって、社内の抵抗の大きさと、得られる情報の質が変わります。
最も進めやすいのは、期間を区切った一時停止として提案する形です。

恒久的な停止として提案すると、関係者の反対を受けやすくなります。
一時停止であれば、戻すことが前提になるため合意が取りやすくなります。

期間は、その出稿の効果が出るまでの時間から決めます。
直接の獲得を目的とした出稿なら4週間、認知を目的としたものなら3か月が目安です。

期間中は、他の変更を同時に入れないでください。
同時に複数を変えると、どの変更の影響かが分かりません。

同時に止める本数も、絞る必要があります。
複数を同時に止めると、全体の数字が動いたときに原因を特定できません。

目安としては、一度に止めるのは1本から2本です。
本数が多い場合は、月をずらして順番に止めます。

止める時期も、選んでください。
需要の山にあたる時期に止めると、季節の変動と止めた影響が混ざります。

需要が安定している時期を選ぶと、影響が読み取りやすくなります。
季節性の強い商材では、前年の同じ時期との比較も併せて行います。

止めることを、関係先に事前に伝えることも必要です。
媒体の担当者や代理店に伝えずに止めると、翌月の請求や運用で混乱が出ます。

社内でも、その出稿を見ている部署に伝えてください。
問い合わせの窓口や、営業が広告経由の反応を見ている場合があります。

出稿の止め方の設計

設計の項目推奨する形理由
提案の形期間を区切った一時停止恒久的な停止より合意が取りやすい
止める期間直接獲得なら4週間、認知なら3か月効果が出るまでの時間に合わせる
同時に止める本数1本から2本原因の特定ができる範囲に収める
止める時期需要が安定している時期季節の変動と影響が混ざらない
事前の連絡媒体、代理店、社内の関係部署請求と運用の混乱を避ける

一時停止のあと、戻すかどうかを決める場を作る

一時停止として止めた場合、期間が終わったときに判断する場が必要です。
場がないと、そのまま止まった状態で放置されます。

放置自体は結果として問題にならないことも多くありますが、判断の記録が残りません。
記録がないと、翌年の棚卸しで同じ確認をやり直すことになります。

判断の場は、棚卸しの一環として設定してください。
期に2回の棚卸しのうち、後半の回で前半に止めたものの判定を行う形です。

判断の基準は、止める前に決めておきます。
全体の獲得件数が何%落ちたら戻す、という基準を数字で書いてください。

基準がないと、判断は印象で行われます。
印象での判断は、翌年に引き継げません。

期間を区切った一時停止として提案し、一度に止めるのは1本から2本にとどめてください。戻すかどうかを判断する場を、棚卸しの一環として設定します。

止めた影響は、どう確かめるのか

全体の獲得件数と、指名検索や直接流入の推移で見ます。
その出稿で計上されていた件数がそのまま減ったかどうかを確認します。

止めた影響は、どう確かめるのか

止めた影響を確かめるときに見るのは、止めた出稿の数字ではありません。
全体の数字がどう動いたかです。

止めた出稿でこれまで計上されていた件数と、全体の減少幅を比べてください。
この二つの関係が、その出稿の実際の寄与を表します。

計上されていた件数がそのまま全体から減っていれば、その出稿には固有の寄与がありました。
戻す判断の根拠になります。

全体がほとんど減らなかった場合は、その件数は他の経路に移っています。
つまり、その出稿がなくても獲得できていた人たちです。

全体が計上件数以上に減った場合は、間接的な寄与がありました。
指名検索や他の経路の成果に寄与していたことになります。

この三つのどれに当たるかは、月次の全体の数字で判断できます。
個別の出稿の数字だけを見ていると、判断できません。

数字は説明のための仮の値です。
月に40件を計上していた出稿を止め、全体の獲得件数が620件から585件に減ったとします。

減少は35件なので、計上件数40件のうち5件が他の経路に移ったことになります。
この出稿には、ほぼ計上どおりの固有の寄与があったと判断できます。

一方、全体が615件までしか減らなければ、減少は5件です。
計上されていた40件のうち35件は、止めても他の経路から獲得できていました。

数か月後に出る影響も、見落とさないでください。
認知を目的とした出稿では、指名検索の減少が3か月から半年後に表れます。

結論を記録し、影響が出たら戻す

止めた結果は、必ず記録に残してください。
記録するのは、止めた出稿、止めた時期、計上されていた件数、全体の減少幅、そして判断の四つです。

この記録があると、翌年の棚卸しで同じ検証をやり直さずに済みます。
記録がないと、数年後に同じ出稿が同じ理由で始まります。

影響が出た場合は、速やかに戻してください。
戻す判断を遅らせると、その間の損失が積み上がります。

戻す基準は、止める前に数字で決めておきます。
全体の獲得件数が計上件数の8割以上減ったら戻す、という形です。

戻した場合も、記録を残します。
止めて影響が出たという事実は、その出稿を続ける根拠として最も強い材料になります。

見るのは止めた出稿の数字ではなく、全体の獲得件数の減少幅です。計上件数と減少幅を比べ、判断を記録してください

止められない出稿には、どう向き合うのか

事業上の理由で止められないものは、広告の予算から外します。
取引関係や採用の事情で続けるなら、その目的の予算として扱います。

止められない出稿には、どう向き合うのか

棚卸しを進めると、効果では説明できないが止められない出稿が残ります。
理由は、広告の効果とは別のところにあります。

多いのは、取引先との関係です。
相手の媒体に出稿することが、取引の条件に近い形で続いている場合があります。

次に多いのが、採用の目的です。
求人と直接関係しない媒体でも、企業名の露出が採用に効いていると判断されていることがあります。

三つ目が、経営の意向です。
特定の媒体への出稿が、経営層の判断で続いている場合があります。

四つ目が、業界の慣行です。
同業他社が出しているから出す、という理由で続いているものです。

これらは、広告の効率では判断できません。
判断できないものを広告の予算に入れておくと、全体の獲得単価が実態より悪く見えます。

対応は単純で、広告の予算から外して別の枠に移すことです。
取引関係であれば営業の費用、採用であれば人事の費用として扱います。

移すことで、広告の予算は獲得の目的だけで構成されるようになります。
獲得単価や配分の判断が、正確な数字でできるようになります。

別の枠に移しても、上限は設けてください。
上限がないと、説明できない出稿の受け皿として枠が膨らみます。

経営の意向で続くものは、理由を書いて記録に残します。
書いた記録があれば、経営が交代したときに見直しの対象として上げられます。

止められない理由と、扱い方

止められない理由移す先の枠上限の置き方見直しの時期
取引先との関係営業の費用取引額に対する比率契約更新のたび
採用の目的人事の費用採用予算に対する比率年に一度
経営の意向別枠として記録金額で上限を置く経営の方針が変わったとき
業界の慣行広告の予算に残す効果の検証を条件にする期に2回の棚卸し

業界の慣行だけは、広告の枠で検証する

四つの理由のうち、業界の慣行だけは広告の予算に残してください。
理由が広告の効果に関するものだからです。

他社が出しているから出すという判断は、検証の対象になります。
他社が出しているのは自社と同じ理由かどうかは、確かめないと分かりません。

検証の方法は、期間を区切って止めてみることです。
止めた影響が出なければ、慣行として続ける理由はありません。

影響が出た場合も、その中身を確認してください。
指名検索が減ったのであれば、それは慣行ではなく実際の効果です。

慣行で続いている出稿は、複数社が同時に止めると全体の単価が下がることもあります。
自社だけで判断できる範囲で、まず検証してください。

事業上の理由で止められない出稿は、広告の予算から外して別の枠に移してください。移した枠にも上限を置き、業界の慣行だけは広告の枠で検証します。

棚卸しを毎年の仕組みにするには、何が要るのか

時期と手順をカレンダーに入れることです。
気づいた人がやる形にすると、誰もやりません。

棚卸しを毎年の仕組みにするには、何が要るのか

棚卸しを一度だけ行っても、数年で元の状態に戻ります。
新しい出稿が増え、始めた理由を知る人がまた減っていくためです。

仕組みにするために必要なのは、三つです。
実施の時期、担当する役割、そして手順です。

実施の時期は、期初の予算組みとは別にしてください。
予算組みと同時に行うと、総額の議論に飲み込まれて個別の判断ができません。

推奨できるのは、期の第2四半期と第4四半期です。
第4四半期に行えば、翌期の予算に結果を反映できます。

第2四半期に行うのは、期初に始めた出稿の初回の見直しのためです。
新しい施策ほど、早い段階で見直す必要があります。

担当は、運用の担当者ではなく責任者にしてください。
運用している人が自分の出稿を判定する形では、判定が甘くなります。

手順は、一覧の作成、目的と目標の記入、確認、止め方の設計、影響の検証という順です。
この手順を文書にして、毎回同じ形で回します。

新しい施策を始めるときは、最初から見直しの時期を決めてください。
開始の決裁の中に、いつ見直すかを入れておく形です。

見直しの時期が決まっていれば、その施策は自動的に棚卸しの対象になります。
決めていないと、新しい施策も数年後には説明できない出稿になります。

止めた記録は、蓄積して残してください。
何を止めて何が起きたかの記録は、次の判断の精度を上げます。

五つの要素は、決めないときに起きることがそれぞれ違います。
実施の時期を決めないと、予算組みの議論に飲み込まれて個別の判断が止まります。

担当する役割を決めないと、運用している人が自分の出稿を判定することになり、判定が甘くなります。
手順を決めないと、毎回やり方が変わって前年との比較ができません。

新規施策の扱いを決めないと、いま始めた施策が数年後に説明できない出稿になります。
記録の蓄積がないと、数年おきに同じ検証をやり直すことになります。

この五つは、一度決めれば毎年使い回せます。
決める作業そのものは、半日から1日で終わります。

棚卸しを評価の対象にする

棚卸しを仕組みとして定着させるには、実施したことを評価の対象にしてください。
止めた金額ではなく、実施したことそのものを評価します。

止めた金額を評価にすると、止めることが目的になります。
効いている出稿まで止める動きが出て、翌期の成果が落ちます。

評価するのは、一覧が作られ、目的と目標が記入され、判断が記録されているかどうかです。
結果としてどれも止めないという判断でも、棚卸しは実施されています。

この形であれば、止める判断への心理的な負担が下がります。
止めることが求められていないため、正直な判定ができます。

初年度は、目的の欄が埋まらない出稿が多く出ます。
その状態を問題として扱わず、翌年に減っているかを見てください。

実施の時期と担当する役割と手順の三つを決め、期の第2四半期と第4四半期にカレンダーへ入れてください。評価するのは止めた金額ではなく、実施したことです。

判断をどこから始めるか

全出稿の一覧に、目的と目標の欄を作ることからです。
書けない欄が、そのまま見直しの対象になります。

判断をどこから始めるか

棚卸しを始めるのに、新しいデータの集計は必要ありません。
いまある出稿の一覧に、二つの欄を足すところから始まります。

足すのは、目的と目標の二つです。
この二つが書けるかどうかで、対象が自動的に絞られます。

出稿の棚卸しを始める順序

順番やること関わる人期間の目安
1全出稿の一覧に目的と目標の欄を作るマーケ責任者1週間
2書けない出稿を抜き出すマーケ責任者数日
3止める前の確認を、金額の規模に応じて行うマーケ・営業2週間
4基準の数字を記録し、1本から2本ずつ止めるマーケティング1か月
5全体の件数の減少幅と計上件数を比べるマーケティング1か月
6判断を記録し、翌期の棚卸しの時期を決めるマーケ責任者数日

数字は説明のための仮の値です。
全出稿が28本、年間1億2,000万円のうち、目的が書けなかった出稿が7本、合計で年間1,400万円だったとします。

このうち月額が小さく再開も容易な4本から先に止めます。
残りの3本は、再開が難しいか金額が大きいため、止める前の確認に時間をかけます。

最初は小さい金額から始めてください。
小さいものを止めて影響がないことを示せば、次の判断への抵抗が下がります。

止めた分の使い道も、先に決めておきます。
使い道を決めずに止めると、浮いた金額が総額の削減として扱われます。

棚卸しの状態を示す指標

数字見る頻度見るときの観点
目的が書けない出稿の本数と金額期に2回前回から減っているか
止めた出稿の本数と金額期に2回判断が記録されているか
全体の獲得件数毎月止めた影響が出ていないか
指名検索と直接流入毎月間接的な寄与が失われていないか
別枠に移した出稿の金額年に一度受け皿として膨らんでいないか

毎月見るのは、全体の獲得件数と指名検索の二つだけです。
棚卸しの実施状況は、期に2回の確認で足ります。

目的が書けない出稿の本数は、棚卸しの成果を示す数字です。
初年度は多く出ますが、2年目以降に減っていれば仕組みが機能しています。

別枠に移した出稿の金額も、年に一度は確認してください。
受け皿として使われ続けると、説明できない支出が別の場所に溜まります。

止めた記録を蓄積していくと、自社で何が効いていて何が効いていないかの一覧ができます。
この一覧は、新しい施策を検討するときの判断材料になります。

着手点は、全出稿の一覧に目的と目標の欄を作ることです。最初は小さい金額から止め、止めた分の使い道を先に決めてください。

根拠の説明できない出稿がどれかを見極めたい場合は、無料相談で現状の一覧を見てもらうところから始められます。
出稿の構成ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

効果の分からない出稿が止められません

止めて数字が落ちれば止めた人の責任になり、続けて成果が出なくても誰の責任にもならないという非対称があるためです。個人の判断に頼らず、期に2回の棚卸しを仕組みとしてカレンダーに入れ、実施したこと自体を評価の対象にしてください。

無駄な出稿はどうやって見つけますか

全出稿の一覧に目的と目標の欄を作り、一行で書けないものを抜き出します。一覧は運用の担当者ではなく責任者が作ってください。担当者が作ると、続けるための説明が後から書けてしまい、対象が絞られません。

止めてもいいか分からないときはどうしますか

指名検索への波及、他の経路への寄与、計測されていない接点の三つを確認します。確認の深さは月額の規模と再開の難しさで変えてください。小さく再開も容易な出稿は、基準の数字を記録したうえで期間を区切って止めるほうが早く結論が出ます。

止めたのに全体の件数があまり減りません

その出稿で計上されていた件数の多くが、他の経路からも獲得できていたことを意味します。固有の寄与が小さいため、戻す必要はありません。ただし認知を目的とした出稿では、指名検索の減少が3か月から半年後に表れることがあります。

取引先との関係で止められない出稿はどうしますか

広告の予算から外し、営業や人事など目的に合った枠に移してください。移すことで広告の予算は獲得の目的だけで構成され、獲得単価や配分の判断が正確になります。移した枠にも、取引額や採用予算に対する比率で上限を置きます。

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  • オンライン30〜45
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まとめ

  • 止める判断に責任が伴い、続ける判断には責任が伴わないからです。止めて数字が落ちれば止めた人の責任になり、続けて成果が出なくても誰の責任にもなりません
  • 一つずつ、なぜ出しているのかを書いてもらいます。書けないものが、説明できない出稿です
  • 測れていない影響がないかを確認します。直接の成果が出ていなくても、指名検索や他の経路の成果に寄与している場合があります
  • 一度に全部止めず、期間を区切って止めます。止めるのではなく、一時停止として扱うと、社内の抵抗が小さくなります
  • 全体の獲得件数と、指名検索や直接流入の推移で見ます。その出稿で計上されていた件数がそのまま減ったかどうかを確認します
  • 事業上の理由で止められないものは、広告の予算から外します。取引関係や採用の事情で続けるなら、その目的の予算として扱います
  • 時期と手順をカレンダーに入れることです。気づいた人がやる形にすると、誰もやりません
  • 全出稿の一覧に、目的と目標の欄を作ることからです。書けない欄が、そのまま見直しの対象になります