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ブランド投資と獲得投資の配分

集客・マーケ戦略公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約19分
ブランド投資と獲得投資の配分

効果が出るまでの時間が違うからです。
同じ物差しで比べると、成果が数日で出る獲得の施策が必ず勝ち、ブランドへの投資は毎回後回しになります。

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効果が出るまでの時間が違うからです。
同じ物差しで比べると、成果が数日で出る獲得の施策が必ず勝ち、ブランドへの投資は毎回後回しになります。

ブランドと獲得を分けて考える必要があるのは、なぜか

効果が出るまでの時間が違うからです。
同じ物差しで比べると、成果が数日で出る獲得の施策が必ず勝ち、ブランドへの投資は毎回後回しになります。

ブランドと獲得を分けて考える必要があるのは、なぜか

広告の投資には、効果が出るまでの時間が大きく違う二種類があります。
その日のうちに獲得件数として表れるものと、数か月から数年かけて需要そのものを作るものです。

この二つを同じ表に並べると、比較が成立しません。
片方は今月の数字で評価され、もう片方は今月の数字には何も出ないためです。

比較の場で使われる物差しは、たいてい獲得単価です。
この物差しで並べると、ブランドへの投資は成果ゼロとして表示されます。

成果ゼロの項目は、予算の議論で最初に削られます。
削られた理由は効果がないからではなく、説明のつく数字がないからです。

同じ表に並べ続けるかぎり、この結果は毎年繰り返されます。
物差しを変えない限り、議論の順番を変えても結論は同じです。

分けて管理するというのは、比較の場を分けることを意味します。
獲得の施策どうしは獲得単価で比べ、ブランドの投資は別の数字で評価します。

枠として独立させると、期中の配分変更の対象からも外れます。
外れていないと、数字が苦しい月に真っ先に削減の候補になります。

分けたうえで、全体に対する比率の上限と下限を決めてください。
上限がないと説明できない支出が増え、下限がないと実質ゼロになります。

多くの会社では、この枠が形式上は存在しています。
ところが金額を見ると、実質的にゼロになっていることが少なくありません。

ゼロになっている状態は、意思決定の結果ではありません。
毎年の削減の積み重ねで、気づかないうちにそうなっています。

分ける作業は、いまの出稿を分類するところから始められます。
新しい予算も、新しい施策も必要ありません。

分類の線を、どこに引くか

分類で迷うのは、両方の性質を持つ施策です。
指名検索の獲得や、既存顧客への配信がこれに当たります。

線の引き方は一つで、その施策が需要を作っているか、すでにある需要を取っているかです。
指名検索は、すでに自社を知っている人を取る施策なので獲得に入ります。

動画広告も、配信の目的で分かれます。
獲得を目的としたものは獲得の枠に、認知の形成を目的としたものはブランドの枠に入れます。

同じ媒体の同じ配信面でも、目的が違えば別の枠になります。
媒体名で分類しようとすると、この区別ができません。

分類の基準は文書にして残してください。
残していないと、担当者が代わった時点で分類がずれ、前年との比較ができなくなります。

効果が出るまでの時間が違う二つを同じ物差しで比べると、獲得が必ず勝ちます。比較の場を分け、比率の上限と下限を決めてください。

獲得だけで伸ばし続けると、何が起きるのか

数年のうちに単価が上がり続け、同じ金額で取れる件数が減ります。
需要を作る投資をしないと、すでに検討している人の奪い合いになるからです。

獲得だけで伸ばし続けると、何が起きるのか

獲得の施策は、すでに検討している人に当てる施策です。
その人数は、自社の投資では増えません。

増えるのは、需要を作る投資をした場合だけです。
需要を作らずに獲得だけを増やすと、同じ人数を複数の会社で取り合う形になります。

取り合いが激しくなると、入札の単価が上がります。
同じ検索語に対する広告枠の数は決まっているためです。

単価が上がると、同じ金額で取れる件数が減ります。
このとき、運用の巧拙は原因ではありません。

現場では、単価の上昇は運用の問題として扱われがちです。
入札やクリエイティブの調整で一時的には戻りますが、翌期にはまた上がります。

構造的な原因は、需要の総量が増えていないことにあります。
自社が需要を作らず、競合も作らなければ、市場全体の単価は上がり続けます。

この変化は、年単位でしか見えません。
月次の数字を見ている限り、毎月の変動として処理されます。

見るべきなのは、年ごとの獲得単価の推移です。
3年並べて右肩上がりであれば、需要側の問題が起きています。

もう一つの兆候が、指名検索の伸びが止まることです。
指名検索は、自社を認知した人の総量に近い数字です。

この数字が横ばいのまま獲得件数を伸ばそうとすると、一般検索やディスプレイへの依存が高まります。
依存が高まるほど、単価の上昇の影響を強く受けます。

指名検索の量が、需要の目安になる

指名検索の量は、ブランドへの投資の成果を測る数字として最も扱いやすいものです。
自社名やサービス名での検索回数は、認知の総量を反映します。

ただし、この数字だけを見ると判断を誤ることがあります。
既存顧客が再訪のために検索している分も含まれるためです。

分けて見るには、新規と再訪の比率を並べてください。
新規の指名検索が伸びていれば、認知の拡大が起きています。

検索そのものの環境が変わっている点にも注意が必要です。
Ahrefsが2026年7月16日に公表した調査では、AI Overviewsが表示される検索で、日本の検索1位のCTR下落率が2025年12月の38.0%から2026年6月には62.7%まで拡大していました。

同じ調査では、日本の予測CTR24.1%に対して実測は9.0%です。
指名検索の回数が同じでも、サイトへの流入は減る局面に入っています。

そのため、指名検索の評価には検索回数と流入の両方を並べてください。
流入だけを見ると、認知が縮小したように見えることがあります。

獲得だけを増やすと、同じ人数の取り合いになって単価が上がり続けます。兆候は年ごとの単価の上昇と、指名検索の伸びの停止です。

比率は、どう決めるのか

事業の成長の段階と、指名検索の伸びで決めます。
一律の比率を当てはめるのではなく、獲得の効率が落ち始めているかどうかを基準にします。

比率は、どう決めるのか

ブランドと獲得の比率に、業種共通の正解はありません。
一律の比率を当てはめると、事業の段階に合わない配分になります。

判断の基準になるのは、獲得の効率が落ち始めているかどうかです。
落ち始めているなら、需要の総量が足りていないことを示しています。

落ち始めの兆候は、追加で使った金額に対する件数の伸びに表れます。
増額しても件数がほとんど増えなければ、取れる人がもういない状態です。

この状態で獲得側にさらに投資しても、単価が上がるだけです。
次の資金は、ブランドの側に置くほうが効きます。

逆に、増額した分だけ件数が伸びる状態であれば、まだ獲得に余地があります。
この段階でブランドに寄せると、当期の成果が落ちます。

事業の段階も、比率を決める要素です。
参入直後で認知がない段階では、獲得だけを回しても母数が集まりません。

拡大の段階では、獲得を主軸にしながらブランドの枠を作り始めます。
成熟した段階では、ブランドの比率を上げないと単価の上昇が止まりません。

事業の段階と、比率の目安

事業の段階獲得の効率ブランド枠の考え方判断に使う数字
参入直後母数が足りず件数が出ない認知の形成に一定量を置く指名検索の絶対量
拡大期増額した分だけ件数が伸びる枠を作り、比率は小さく保つ増額に対する件数の伸び
効率の頭打ち増額しても件数が伸びない次の資金をブランド側に置く追加1件あたりの単価
成熟期年ごとに単価が上がり続ける比率を計画的に引き上げる3年分の単価の推移

比率を変えるときは、一度に大きく動かさないでください。
獲得の枠を急に減らすと、当期の件数がそのまま落ちます。

動かす幅は、四半期ごとに全体の数ポイントまでが目安です。
ブランドの投資は効果が出るまでに時間がかかるため、急いでも成果は早まりません。

比率だけを議論しない

比率の議論だけを進めると、金額の配分の話で終わります。
実際に必要なのは、ブランドの枠で何をするかの計画です。

計画がないまま比率だけを決めると、枠が余ります。
余った枠は、期末に獲得側へ移されて元に戻ります。

ブランドの枠を作るときは、何を、どの対象に、どれだけの期間続けるかを同時に決めてください。
期間は最低でも1年とし、四半期での打ち切りを前提にしないことが条件になります。

評価の期間も同時に決めます。
決めていないと、半年後に効果がないという議論が起きます。

計画と期間と評価の三つが決まって初めて、比率の議論に意味が出ます。
この順序を逆にすると、毎年同じ議論を繰り返すことになります。

比率は一律ではなく、増額に対する件数の伸びと事業の段階で決めてください。比率を決める前に、何をどの期間続けるかの計画を先に固めます。

ブランドへの投資は、何で評価するのか

件数と単価では評価できません。
指名検索の量、直接の流入、獲得側の単価の変化という三つの間接的な数字で見ます。

ブランドへの投資は、何で評価するのか

ブランドの投資を獲得単価で評価すると、必ず不合格になります。
直接のコンバージョンを目的にしていない配信だからです。

評価に使うのは、三つの間接的な数字です。
指名検索の量、直接の流入、そして獲得側の単価の変化です。

指名検索の量は、認知の総量に最も近い数字です。
自社名やサービス名での検索回数の推移を、月次で追います。

直接の流入は、広告や検索を経由せずにサイトに来た数です。
この数字が伸びていれば、自社の名前が記憶されていることを示します。

三つ目の獲得側の単価の変化が、最も分かりやすい効果です。
認知が広がると、同じ獲得の施策でも反応率が上がります。

反応率が上がれば、獲得単価は下がります。
つまり、ブランドの投資の成果は獲得側の数字に表れます。

この関係を先に共有しておくと、評価の議論が短くなります。
ブランドの枠を増やした四半期に、獲得側の単価が下がっているかを見れば足ります。

ただし、三つとも外部の要因で動きます。
競合が大量に出稿すれば、自社の投資とは無関係に指名検索が減ることがあります。

そのため、単月の変化では判断しないでください。
最低でも四半期、できれば1年の推移で見ます。

営業に聞くという方法も、補助的には使えます。
商談の冒頭で自社を知っていた相手の比率が上がっていれば、認知が広がっています。

この情報は数字として記録されていないことが多いため、商談の記録に1項目を足す運用が要ります。
足す項目は、初回接触時に自社を知っていたかどうかの一つだけで足ります。

ブランド投資の評価に使う数字

数字何を表すか外部要因で動く場面見る期間
指名検索の回数認知の総量競合の大量出稿、季節の需要四半期から1年
直接の流入名前が記憶されているか既存顧客の再訪の増減四半期から1年
獲得側の獲得単価認知が獲得に効いているか入札競争の激化、媒体の仕様変更1年
商談冒頭での認知の有無営業の現場での実感担当者による記録のばらつき四半期

統計的な手法を使う場合

複数のチャネルの投入量と成果の関係を、時系列で推定する手法があります。
Googleはオープンソースの分析基盤としてMeridianを提供しており、地域別に扱うGeoXも近日公開とされています。

こうした手法は、数年分のデータと、投入量の変動がないと精度が出ません。
毎月同じ金額を出している状態では、推定に使える材料そのものがありません。

導入を検討するなら、先に投入量を意図的に動かす期間を作ってください。
地域や時期を分けて出稿量を変えた記録があると、推定の精度が上がります。

手法の導入は、評価の仕組みが整っていない段階では優先度が低くなります。
三つの間接的な数字を1年分そろえるほうが、先に効きます。

導入する場合も、出てきた推定値を単独の根拠にはしないでください。
推定の前提が問われると、その場で判断が止まります。

ブランドの投資は、指名検索の量、直接の流入、獲得側の単価の変化で評価します。単月ではなく四半期から1年の推移で見てください。

どちらを増やすべきかは、どの数字で分かるのか

獲得の増額に対して件数がどれだけ伸びるかを見ます。
増やした分に対して件数の伸びが鈍っているなら、次の資金はブランド側に置きます。

どちらを増やすべきかは、どの数字で分かるのか

次の資金をどちらに置くかは、獲得側の伸び方で判断できます。
見るのは、平均の獲得単価ではありません。

見るのは、追加で使った金額を追加で取れた件数で割った数字です。
この数字が許容できる上限に近づいていれば、獲得側は頭打ちです。

数字は説明のための仮の値です。
月300万円で150件を獲得していた施策を月390万円に増やし、件数が180件になったとします。

全体の平均単価は2万円から2万1,667円に上がります。
一方、追加分は90万円で30件なので、追加1件あたりは3万円です。

許容できる上限が3万円であれば、この増額でちょうど上限に達しています。
これ以上の増額は、上限を超える獲得になります。

この状態で次の資金を獲得側に置いても、費用だけが増えます。
置くべき先は、需要を作る側です。

判断には、指名検索の伸びも併せて見てください。
指名検索が伸びているのに獲得の件数が伸びない場合は、獲得側の設計に問題があります。

この場合は、ブランドへの投資を増やしても解決しません。
着地ページや訴求の問題である可能性が高くなります。

指名検索も獲得件数もともに横ばいであれば、需要の総量が足りていません。
このときに初めて、ブランド側への配分が正しい判断になります。

競合の動きでも需要は変わります。
競合が認知の投資を増やせば市場全体の需要が増え、自社の獲得の効率が上がることがあります。

この変化を自社の成果と取り違えると、判断を誤ります。
指名検索の伸びと、一般的な検索語の検索量の推移を分けて見てください。

判断は四半期ごとに行う

どちらに置くかの判断は、月次では行わないでください。
追加1件あたりの単価は、増額の前後でしか計算できません。

月ごとに配分を動かすと、増額の効果を測る前に次の変更が入ります。
結果として、どの判断が効いたのかが分からなくなります。

四半期ごとであれば、増額の効果が安定してから次の判断に移れます。
ブランド側の投資は、そもそも四半期では効果が出ません。

判断の記録には、そのときの数字と判断の理由を残してください。
残していないと、翌年に同じ状況で同じ議論をやり直します。

記録する数字は、追加1件あたりの単価、指名検索の推移、そして判断した配分の三つです。
この三つがあれば、翌期の設計の出発点になります。

追加1件あたりの単価が上限に近づき、指名検索も横ばいであれば、次の資金はブランド側です。判断は四半期ごとに行ってください。

ブランド投資を削ってよいのは、どんなときか

資金繰りが厳しいときだけです。
効果が測れないことは、削ってよい理由にはなりません。

ブランド投資を削ってよいのは、どんなときか

ブランドへの投資を削る判断が正当化されるのは、資金の制約がある場合だけです。
効果が数字で示せないことは、削減の理由にはなりません。

測れていないことと、効いていないことは別の問題です。
測れていないのは、自社の計測の設計の問題です。

この二つを同じに扱うと、測定が整っていない領域から順に消えていきます。
残るのは、測定が整っている刈り取りの施策だけです。

刈り取りだけが残った状態では、翌期以降に刈り取る対象が増えません。
数年単位で見ると、獲得単価が上がり続ける形になります。

資金の制約で削る場合も、ゼロにはしないでください。
一度ゼロにすると、積み上がった認知はゆっくり減り、再開しても元の水準には戻りません。

再開時の立ち上がりは、他の施策より長くかかります。
数か月から1年をかけて、ゼロから積み直すことになります。

削るなら、金額を落とす形にしてください。
半分にしても接点は残り、再開のときの立ち上がりが早くなります。

削った影響が出るのは、翌期以降です。
当期の獲得件数には、ほとんど変化が出ません。

この時間差が、削減の判断を容易にしています。
判断した人が、その影響を自分の評価期間の内側で見ることがありません。

削る場合は、影響を確認する時期を先に決めてください。
半年後と1年後に、指名検索と獲得単価を確認すると書いておきます。

1年は続けてから判断する

ブランドへの投資を始めた場合は、最低1年は続けてから判断してください。
四半期での打ち切りを前提にすると、効果が出る前に止まります。

続ける期間を先に決めていないと、半年後に効果がないという議論が起きます。
その議論は、期間の合意がない限り必ず起きます。

合意する相手は、予算を承認する立場の人です。
実務の側だけで期間を決めても、期中に判断を覆されます。

1年続けたうえで、指名検索も直接流入も獲得単価も動いていなければ、施策の内容を見直します。
見直すのは金額ではなく、対象と訴求です。

対象を変えずに金額だけを増減させても、結果は変わりません。
この点を最初に共有しておくと、1年後の議論が具体的になります。

削ってよいのは資金の制約があるときだけで、測れないことは理由になりません。削る場合もゼロにせず、影響を確認する時期を先に決めてください。

社内で合意を取るとき、何が障害になるのか

効果が当期の数字に出ないことです。
当期の評価を受ける立場の人にとって、翌期以降に効く投資を支持する動機がありません。

社内で合意を取るとき、何が障害になるのか

ブランドへの投資の合意が取りにくいのは、論理の問題ではありません。
評価の期間と、効果が出る期間がずれていることが原因です。

当期の目標を負っている立場の人にとって、翌期以降に効く投資は自分の評価を下げます。
同じ金額を獲得側に置けば、当期の件数が増えるためです。

この構造がある限り、説明を丁寧にしても合意は進みません。
必要なのは、評価の期間と投資の期間を分ける仕組みです。

実務で使いやすいのは、中期の計画に組み込む方法です。
単年度の予算の議論ではなく、3年の計画の一部として扱います。

中期の計画に入れば、当期の評価とは別の枠で管理されます。
期中の削減の対象からも外れます。

もう一つ有効なのが、飽和の証拠を数字で出す方法です。
獲得側がすでに頭打ちであることを示せば、ブランド側に置く理由が具体的になります。

示す数字は、追加1件あたりの単価の推移と、年ごとの獲得単価の推移です。
この二つが上がり続けていれば、獲得側への追加投資の効率が落ちていることが分かります。

証拠がない状態で比率の話を始めると、議論は感覚のぶつけ合いになります。
数字を先に出すと、議論の対象が比率から期間と計画に移ります。

小さく始めて数字を作る方法も、実務では現実的です。
最初から大きな枠を要求せず、限定した範囲で1年続けて数字を出します。

限定の仕方は、地域を絞る、商材を絞る、期間を絞るのいずれかです。
絞った範囲で指名検索や獲得単価に変化が出れば、拡大の根拠になります。

この方法は、統計的な手法を将来使う場合の準備にもなります。
投入量に差がある期間の記録が、推定の材料になるためです。

評価の期間を、先に決めて文書に残す

合意を取るときに最も効くのは、評価の期間を先に決めることです。
いつ、どの数字を見て、どう判断するかを文書に残します。

文書がないと、四半期ごとの会議で毎回、効果の有無が議題になります。
議題になるたびに、当期の数字を負っている人から削減の提案が出ます。

文書に書く内容は、期間、見る数字、判断の基準の三つです。
1年後に指名検索が何%伸びていれば継続、という形まで書きます。

基準を数字で書くのが難しい場合は、判断の方法だけでも書いてください。
前年同期との比較で判断する、という記載があるだけで議論は減ります。

この文書は、予算の資料と同じ場所に置きます。
別の場所に置くと、予算の議論のときに参照されません。

障害は論理ではなく、評価の期間と効果が出る期間のずれです。中期の計画に組み込み、評価の期間と判断の基準を先に文書に残してください

運用をどこから始めるか

いまの出稿を、獲得とブランドに分類することからです。
分類してみると、ブランド側の枠が実質ゼロになっている会社が少なくありません。

運用をどこから始めるか

ブランドと獲得の配分を設計する作業は、新しい予算を取るところからは始まりません。
いま出している金額を分類し直すところから始まります。

分類の基準は、その施策が需要を作っているか、すでにある需要を取っているかです。
媒体名ではなく、配信の目的で分けてください。

ブランドと獲得の枠を整備する道筋

順番やること関わる人期間の目安
1いまの出稿を需要を作る側と取る側に分類するマーケティング1週間
2分類の基準を文書にして残すマーケ責任者数日
3年ごとの獲得単価と指名検索の推移を並べるマーケティング1週間
4追加1件あたりの単価を直近の増額から出すマーケ・代理店2週間
5ブランド枠の計画と評価の期間を決めるマーケ・経営2週間
6中期の計画に組み込み、比率の上限と下限を置く経営2週間

数字は説明のための仮の値です。
年間予算1億8,000万円のうち、分類してみると需要を作る側が900万円、5%しかなかったとします。

年ごとの獲得単価が3年で2万円から2万8,000円に上がっており、追加1件あたりの単価が上限に近づいているなら、獲得側は頭打ちです。
この場合、翌期にブランド枠を10%まで引き上げる提案に根拠が付きます。

引き上げは一度に行わず、四半期ごとに数ポイントずつ動かします。
獲得の枠を急に減らすと、当期の件数がそのまま落ちます。

指名検索の推移は、いまの時点から記録を始めてください。
過去にさかのぼって取得できない場合でも、今後の判断には1年分あれば足ります。

ブランドと獲得の状態を示す数字

数字見る頻度見るときの観点
指名検索の回数と流入毎月認知の総量が伸びているか
直接の流入毎月名前が記憶されているか
追加1件あたりの単価増額の前後獲得側が頭打ちに近づいているか
年ごとの獲得単価期ごと需要の総量が不足していないか
ブランド枠の比率四半期上限と下限の内側にあるか

毎月見るのは、指名検索と直接流入の二つだけにしてください。
獲得単価の年次の推移は、期ごとに一度並べれば足ります。

指名検索は、検索回数と流入の両方を並べて見てください。
AI Overviewsの影響で、検索回数が同じでも流入が減る局面があります。

評価の期間は、枠を作る時点で決めます。
決めていないと、半年後に効果がないという議論が起きます。

分類の基準と評価の期間を書いた文書は、予算の資料と同じ場所に置いてください。
別の場所に置くと、予算の議論のときに参照されません。

着手点は、いまの出稿を需要を作る側と取る側に分類することです。分類の基準と評価の期間を文書にし、予算の資料と同じ場所に置いてください。

ブランドと獲得のどちらに配分すべきか判断に迷う場合は、無料相談で現状の構成を見てもらうところから始められます。
投資の枠組みごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

ブランドと獲得の予算は分けるべきですか

分けます。効果が出るまでの時間が違うため、同じ表に並べると成果が数日で出る獲得が必ず勝ちます。説明のつく数字がない項目は削減のときに最初に消えるため、独立した枠として管理し、比率の上限と下限を決めてください。

比率はどれくらいが適正ですか

一律の正解はありません。増額に対して件数がどれだけ伸びるかと、事業の段階で決めます。増やしても件数が伸びず、指名検索も横ばいであれば、次の資金はブランド側です。比率を動かす幅は四半期ごとに数ポイントまでにとどめてください。

ブランド投資の効果はどう測りますか

指名検索の量、直接の流入、獲得側の単価の変化という三つの間接的な数字で見ます。いずれも外部要因で動くため、単月ではなく四半期から1年の推移で判断してください。商談の記録に、初回接触時に自社を知っていたかの項目を足す方法も補助として使えます。

効果が測れないブランド投資は削るべきですか

測れていないことと効いていないことは別の問題です。削ってよいのは資金の制約があるときだけで、その場合もゼロにせず金額を落とす形にしてください。一度ゼロにすると、再開しても元の水準に戻るまでに数か月から1年かかります。

社内でブランド投資の合意が取れません

当期の評価を負う人にとって、翌期以降に効く投資は自分の評価を下げるためです。中期の計画に組み込んで単年度の議論から外し、追加1件あたりの単価と年ごとの獲得単価の推移で獲得側の頭打ちを示してください。

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  • オンライン30〜45
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まとめ

  • 効果が出るまでの時間が違うからです。同じ物差しで比べると、成果が数日で出る獲得の施策が必ず勝ち、ブランドへの投資は毎回後回しになります
  • 数年のうちに単価が上がり続け、同じ金額で取れる件数が減ります。需要を作る投資をしないと、すでに検討している人の奪い合いになるからです
  • 事業の成長の段階と、指名検索の伸びで決めます。一律の比率を当てはめるのではなく、獲得の効率が落ち始めているかどうかを基準にします
  • 件数と単価では評価できません。指名検索の量、直接の流入、獲得側の単価の変化という三つの間接的な数字で見ます
  • 獲得の増額に対して件数がどれだけ伸びるかを見ます。増やした分に対して件数の伸びが鈍っているなら、次の資金はブランド側に置きます
  • 資金繰りが厳しいときだけです。効果が測れないことは、削ってよい理由にはなりません
  • 効果が当期の数字に出ないことです。当期の評価を受ける立場の人にとって、翌期以降に効く投資を支持する動機がありません
  • いまの出稿を、獲得とブランドに分類することからです。分類してみると、ブランド側の枠が実質ゼロになっている会社が少なくありません