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削減対象はイベントとCRM|その判断は正しいか

集客・マーケ戦略公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約19分
削減対象はイベントとCRM|その判断は正しいか

効果が出るまでの時間が長く、成果の帰属が示しにくいからです。
削減の順番は効果の低さではなく、説明のしやすさで決まっています。

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目次

  1. イベントとCRMが真っ先に削減候補に挙がるのはなぜか
    • 止めても翌月は何も起きない
  2. イベントを削ると、実際に何が失われるのか
    • 削るなら、規模を落とす形にする
  3. CRMを削ると、どこが先に壊れるのか
    • 削減の判断を、費目をまたいで行う
  4. 削減の判断が誤りやすいのは、どこか
    • 観察には、期間の合意が要る
  5. 削減の対象を、どの順に並べるのか
    • 再開の費用が高いものは、最後に回す
  6. 削った分を、どこに移すのか
    • 削減と配分変更を、同じ資料に混ぜない
  7. 外部に運用を任せている場合、何を確認するか
    • 削減後の成果目標も、同時に交渉する
  8. 削減の判断を、どう組み立て直すか
  9. よくある質問
  10. まとめ

効果が出るまでの時間が長く、成果の帰属が示しにくいからです。
削減の順番は効果の低さではなく、説明のしやすさで決まっています。

イベントとCRMが真っ先に削減候補に挙がるのはなぜか

効果が出るまでの時間が長く、成果の帰属が示しにくいからです。
削減の順番は効果の低さではなく、説明のしやすさで決まっています。

イベントとCRMが真っ先に削減候補に挙がるのはなぜか

予算の見直しが始まると、候補として最初に名前が挙がる費目はほぼ決まっています。
Macbee Planetが2025年12月5日から12日に実施した調査では、削減対象として挙がった項目はBtoCでイベント・展示会・セミナーが42.9%、CRMとリテンションが40.7%でした。

同じ調査では、予算を増やすと答えた企業がBtoCで61.3%、BtoBで52.3%となっています。
総額を増やしながら、この二つの費目を削る会社が同時に存在していることになります。

総額が増えているのに特定の費目が削られるのは、その費目の効果が低いからではありません。
削る理由を説明しやすいから、候補として先に挙がります。

説明のしやすさを決めているのは、三つの条件です。
金額がまとまっていること、効果の発現が遅いこと、成果の帰属が示しにくいことです。

イベントと展示会は、支出の時期が一点に集中します。
一回の出展を見送るだけで数百万円から数千万円が浮くため、削減の効果が金額として大きく見えます。

同じ金額を運用型広告から削ろうとすると、複数のキャンペーンに手を入れる必要があります。
削減の作業量が違うため、まとまった費目のほうが先に選ばれます。

CRMとリテンションは、止めても翌月の数字がほとんど動きません。
動くのは、再購入の周期を過ぎた数か月後です。

この時間差が、削減の判断を心理的に軽くしています。
判断した人が、その影響を自分の評価期間の内側で見ることがありません。

成果の帰属も、この二つでは示しにくくなっています。
展示会で名刺交換した相手が半年後に受注しても、その受注は営業の成果として記録されます。

CRMの配信を見て再購入した顧客も、記録の上では既存顧客の通常の購買です。
配信がなくても買ったのかどうかは、記録からは分かりません。

つまり、この二つは成果が出ていないのではなく、成果が他の名義で記録されています。
名義が自分のところにない費目は、削減の局面で守る人がいません。

止めても翌月は何も起きない

削減の判断が難しいのは、止めた直後に何も起きないためです。
イベントを見送った翌月、リードの件数は減りません。

減るのは、その出展から入ってくるはずだった半年後の商談です。
CRMの配信を止めた場合も、最初の1か月は解約率も再購入率も動きません。

何も起きない期間があると、削減の判断が正しかったという印象が社内に残ります。
影響が出るころには、削減の判断との因果が見えなくなっています。

この構造があるため、翌年も同じ費目が候補に挙がります。
去年削っても問題がなかったという記憶が、判断を後押しします。

対策は、止めた時点で影響が出る時期を明記しておくことです。
半年後にこの数字を確認する、と書いておけば、因果の追跡ができます。

この二つが削られるのは効果が低いからではなく、金額がまとまり、効果が遅く、成果が他の名義で記録されているからです。止めた時点で、影響を確認する時期を決めてください。

イベントを削ると、実際に何が失われるのか

名刺の枚数ではなく、対面でしか取れない情報と、検討の初期にいる層への接点です。
代替手段があるかどうかで、削ってよいかが決まります。

イベントを削ると、実際に何が失われるのか

イベントの成果を名刺の枚数で評価すると、削減の判断は簡単になります。
同じ枚数を広告で獲得したほうが安いという計算が、たいてい成立するためです。

この計算が成立するのは、名刺を件数としてしか見ていない場合です。
実際に得ているものは、件数だけではありません。

一つ目は、対面でしか取れない情報です。
どの競合と比較しているか、社内の誰が決裁するか、いつごろ動くのかといった内容が、その場の会話で分かります。

同じ情報をフォームで取ろうとすると、入力項目が増えて完了率が落ちます。
広告から入ってきたリードでは、こうした情報は商談まで分かりません。

二つ目は、検討の初期にいる層への接点です。
展示会には、まだ課題を言語化していない段階の人が来ます。

この層は検索をしていないため、検索広告では届きません。
届く手段が限られているぶん、接点としての価値があります。

三つ目は、既存顧客との接触です。
展示会は新規獲得の場として扱われがちですが、既存顧客の担当者が立ち寄る場でもあります。

四つ目は、社内の営業が顧客の反応を直接見る機会です。
この効果は数字に出ませんが、訴求の作り方に影響します。

削ってよいかを決めるのは、これらに代替手段があるかどうかです。
代替手段があるものは削れますが、ないものは削ると穴が残ります。

代替手段の有無は、費目ごとではなく、得ているものごとに確認してください。
名刺の件数には代替がありますが、検討初期の層への接点には代替が少なくなっています。

削るなら、規模を落とす形にする

出展をやめるか続けるかの二択で考えると、判断が重くなります。
実際には、規模を落とすという選択肢があります。

小間の面積を半分にする、出展する展示会の数を減らす、装飾の費用を下げるといった形です。
規模を落とせば、接点の量は減っても、接点そのものは残ります。

接点が残っていれば、翌年に規模を戻すときの立ち上がりが早くなります。
完全に止めると、出展枠の確保から社内の体制まで、ゼロから組み直すことになります。

規模を落とす場合は、何を優先して残すかを先に決めてください。
来場者の数を優先するのか、話せる密度を優先するのかで、削る場所が変わります。

削った結果は、翌年の判断のために記録します。
面積を半分にしたときに商談が何件になったかは、他社の平均からは分かりません。

イベントで得ているのは名刺の枚数ではなく、対面でしか取れない情報と検討初期の層への接点です。全額を止めず、規模を落とす形を先に検討してください

CRMを削ると、どこが先に壊れるのか

既存顧客の再購入と、解約率です。
どちらも新規獲得の費用に跳ね返るため、削減額より大きな費用として戻ってきます。

CRMを削ると、どこが先に壊れるのか

CRMの費用を削ったとき、最初に動く数字は決まっています。
再購入の率と、解約の率です。

動く順番は商材によって違いますが、どちらも削減から数か月遅れて表れます。
再購入の周期が3か月の商材なら、影響が見えるのは早くて4か月目です。

この二つが動くと、既存顧客からの売上が落ちます。
売上目標が変わらなければ、落ちた分は新規獲得で埋めることになります。

ここで削減額と、埋めるための費用を比べてください。
既存顧客への接触費用は、新規の獲得費用より一桁小さいことが普通です。

つまり、CRMを削って新規で埋める構造は、費用を増やす方向に働きます。
削減額よりも、埋めるための広告費のほうが大きくなります。

もう一つの跳ね返りが、許容できる獲得単価の低下です。
顧客あたりの継続期間が短くなると、1件から得られる粗利の総額が減ります。

粗利の総額が減れば、新規獲得に払える上限も下がります。
つまり、CRMを削ると新規獲得の側の条件まで悪くなります。

この連鎖は、削減の議論では見えません。
CRMの費目と広告の費目が別々に管理されているためです。

削る場合は、全額を止めるのではなく頻度を落とす形を先に検討してください。
配信の頻度を半分にしても、接点が切れるわけではありません。

全額を止めると、配信の設計と顧客データの整備がやり直しになります。
再開の費用は、止めていた期間の費用を上回ることがあります。

CRMを削った後に動く数字と、その時期

動く数字動き始める時期跳ね返る先確認の方法
再購入率再購入の周期を過ぎた頃既存売上の減少前年同月との比較
解約率3か月から6か月後顧客あたり粗利の総額コホート別の残存率
許容獲得単価半年後新規獲得の上限の低下粗利からの逆算をやり直す
新規獲得の必要件数半年から1年後広告費の増加売上目標との差分

削減の判断を、費目をまたいで行う

CRMの削減が新規獲得の費用を押し上げるという構造は、費目ごとの管理では見えません。
見えるようにするには、削減の判断を費目をまたいで行う必要があります。

具体的には、CRMの削減案を出す場に、新規獲得の担当者を入れてください。
削減額と、新規側で増える費用を同じ表に並べます。

並べると、削減が全体で費用の増加になる場合があることが分かります。
その場合は、別の費目を削る提案に切り替えます。

この確認は、削減が決まってからでは間に合いません。
削減の候補を挙げる段階で行ってください。

確認の結果は記録に残します。
翌期に同じ費目が候補に挙がったとき、同じ計算をやり直さずに済みます。

CRMを削ると再購入率と解約率が動き、許容獲得単価まで下がります。削減額と、新規側で増える費用を同じ表に並べてから判断してください

削減の判断が誤りやすいのは、どこか

効果が測れていないことを、効果がないことと同じに扱う場面です。
測定の不足は、施策の不足とは別の問題です。

削減の判断が誤りやすいのは、どこか

削減の議論で最も多い誤りは、測れていない施策を効いていない施策として扱うことです。
この二つは、まったく別の問題を指しています。

測れていないのは、自社の計測の設計の問題です。
効いていないのは、施策そのものの問題です。

同じ施策でも、計測が整っている会社では数字が出て、整っていない会社では出ません。
つまり測れていないという状態は、施策の性質ではなく自社の状態を表しています。

この区別をしないまま削ると、次に同じ種類の施策を始めても、また測れないままになります。
削減の判断と同時に、なぜ測れていなかったかを一行で残してください。

測れていない施策を削る判断そのものは、多くの場合で妥当です。
説明できない支出を残すほうが、社内の合意を得にくいためです。

ただし、削る前に確認することがあります。
測定の設計を入れれば測れるものか、構造的に測れないものかです。

構造的に測れないのは、認知の形成や、購入までの期間が長い商材の初期接点です。
設計を入れても、1件ごとの帰属は追えません。

設計を入れれば測れるものは、削る前に設計を入れるほうが早く進みます。
1四半期で数字が出れば、その数字で判断できます。

構造的に測れないものについては、止めて観察するという方法があります。
止めた前後で、指名検索や直接流入がどう動いたかを見ます。

この方法を使うなら、止める前に基準となる数字を記録してください。
止めてから計測を始めても、比較の対象がありません。

観察の期間も、止める前に合意します。
3か月なのか6か月なのかを決めていないと、影響が出る前に判断が確定します。

観察には、期間の合意が要る

止めて観察する方法は、期間の合意がないと機能しません。
合意がないと、影響が出る前に効果がなかったという結論が出ます。

期間は、その施策の効果が出るまでの時間から決めます。
CRMなら再購入の周期の2倍、展示会なら商談化までの平均期間が目安になります。

合意する相手は、削減を決めた立場の人です。
実務の側だけで期間を決めても、期中に判断を覆されます。

観察の期間中は、他の変更を同時に入れないでください。
同時に複数を変えると、どの変更の影響かが分かりません。

期間が終わったら、結果を記録して翌期の判断に戻します。
記録しないと、翌期も同じ議論から始まります。

測れていないことと効いていないことは別の問題です。設計を入れれば測れるものは先に設計を入れ、構造的に測れないものは期間を合意したうえで止めて観察してください

削減の対象を、どの順に並べるのか

金額の大きさではなく、止めたときに失うものと復旧の費用で並べます。
この二つを書き出すと、順番が自然に変わります。

削減の対象を、どの順に並べるのか

削減の候補一覧は、たいてい金額の大きい順に並んでいます。
削減額を早く積み上げるには、その順番が効率的に見えます。

この並べ方には、事業への影響という観点が入っていません。
金額が大きい費目ほど、事業に対する寄与も大きいことが多くあります。

並べ直すときに使う軸は三つです。
止めたときに失うもの、復旧にかかる費用、そして影響が出るまでの時間です。

失うものを書き出すと、代替手段の有無が見えます。
代替手段のあるものは、金額が大きくても削る対象になります。

復旧の費用は、再開するときにかかる金額と時間です。
出展枠の確保、契約の再締結、顧客データの再整備といった作業が該当します。

復旧の費用が高いものは、削減の順番としては最後に回します。
一度止めると、戻すときに削減額以上がかかるためです。

影響が出るまでの時間は、判断の責任と関係します。
影響が1年後に出る費目は、削減の判断が正しかったかを短期では検証できません。

この三つで並べ直すと、金額の大きい順とはかなり違う順序になります。
金額が小さくても復旧の費用が高い費目が、上位から外れます。

もう一つ見落とされるのが、小さい費用の合算です。
月に数万円のツールが十数本あると、合計では大きな金額になります。

一本ずつでは削減の候補に挙がらないため、そのまま残り続けます。
一覧に出すときは、金額ではなく契約の本数でも並べてみてください。

削減候補の並べ替えの軸

見る内容上位に来るもの下位に回すもの
失うもの代替手段があるか代替のあるもの対面や既存接点のような代替のないもの
復旧の費用再開に必要な金額と時間再開が容易なもの枠の確保や再整備が要るもの
影響の時期影響が出るまでの月数すぐ分かるもの1年後に出るもの
契約の本数少額の積み上がり使われていないツール基幹に組み込まれたもの

再開の費用が高いものは、最後に回す

削減の一覧を作るとき、再開の費用の欄は空欄になりがちです。
止めることだけを考えている段階では、戻す話が出てこないためです。

この欄を先に埋めると、順番が変わります。
再開に3か月かかる費目と、翌日から戻せる費目では、削減の意味が違います。

再開の費用には、金額だけでなく社内の工数も含めてください。
契約の再締結には、稟議と法務の確認が改めて必要になります。

一度止めた外部との関係も、戻すときの負担になります。
展示会の出展枠や、代理店との継続的な関係は、止めた翌年に同じ条件では戻りません。

この欄を埋める作業は、削減の指示が来る前にやっておくのが理想です。
指示が来てからでは、数日で埋めることはできません。

削減の候補は金額ではなく、失うものと復旧の費用と影響の時期で並べ直してください。再開に時間と費用がかかる費目は、順番の最後に回します。

削った分を、どこに移すのか

移し先を決めずに削ると、総額だけが減って成果も減ります。
削減が目的なのか、配分の変更が目的なのかを先に分けます。

削った分を、どこに移すのか

削減の指示には、二つの種類があります。
総額を減らす指示と、配分を変える指示です。

この二つは、同じ言葉で伝えられることがよくあります。
どちらなのかを確認しないまま作業を始めると、途中で前提が変わります。

総額を減らす指示であれば、削った分の移し先はありません。
そのまま予算から抜けるため、目標への影響を計算して報告します。

配分を変える指示であれば、削った分の移し先が必要です。
移し先を決めずに削ると、総額だけが減って成果も減る形になります。

確認の方法は単純で、削った分を別の施策に使ってよいかを聞くことです。
使ってよいなら配分の変更、使えないなら総額の削減です。

配分の変更である場合、次に確認するのは移し先の受け入れ余力です。
効率の良い施策に移すという判断は、その施策にまだ在庫がある場合にだけ成立します。

在庫がない施策に金額を移すと、単価が上がって件数は増えません。
移した分が無駄になるだけでなく、削った側の成果も失われます。

受け入れ余力の確認は、直近の増額の前後を見れば概算できます。
増やした分だけ件数が増えていれば余力があり、単価だけが上がっていれば余力はありません。

余力のある移し先が見つからない場合は、移さずに留保する選択もあります。
期の後半に、余力が出た時点で使う形です。

留保する場合は、いつまでに使うかを決めてください。
決めていないと、期末に使い切りの出稿として消えます。

削減と配分変更を、同じ資料に混ぜない

削減の報告と配分変更の報告を同じ資料にすると、経営には総額が減ったようにしか見えません。
逆に、配分を変えただけなのに削減として報告すると、翌期の枠がその分下がります。

二つは別の資料に分けてください。
削減の資料には目標への影響を、配分変更の資料には移し先と期待する効果を書きます。

この分離は、翌期の予算の議論で効いてきます。
配分を変えた分が削減として記録されていると、翌期の基準値が実態より低くなります。

記録の場所も分けてください。
同じ表に混ぜると、数年後に区別がつかなくなります。

削減と配分変更の判断は、どちらもマーケティング部門だけでは完結しません。
総額に関わる判断は経営、移し先の余力は代理店や運用の担当と確認が要ります。

削減の指示が総額を減らすものか配分を変えるものかを先に確認してください。移す場合は、移し先に受け入れる余力があるかを増額の前後から確かめます。

外部に運用を任せている場合、何を確認するか

削減の提案が、任せている範囲の外から出ているかを見ます。
自社の担当範囲だけを守る提案になっていないかを確認します。

外部に運用を任せている場合、何を確認するか

運用を外部に任せている場合、削減の候補は委託先から提案されることがあります。
この提案には、構造的な偏りが入ります。

委託先が提案しやすいのは、自社が担当していない範囲の費目です。
自分の担当範囲を削る提案は、自社の売上を減らす提案になるためです。

この偏り自体は、悪意によるものではありません。
担当範囲の外側については、情報も判断の材料も持っていないだけです。

そのため、削減の提案を受けたときは、その提案が全体を見たものかを確認してください。
確認の方法は、自社の担当範囲の削減案も含まれているかを見ることです。

含まれていない場合は、全体を見た提案ではありません。
その提案を採用すると、削減の対象が委託先の担当外に偏ります。

複数の委託先に分けて任せている場合、この偏りはさらに強く出ます。
それぞれが自分の範囲を守るため、誰も担当していない費目だけが削られます。

誰も担当していない費目は、たいてい計測が整っていない領域です。
結果として、測れていない領域から順に消えていく構造になります。

この構造を止めるには、全体を見る人を社内に一人決める必要があります。
委託先ごとの提案をまとめ、全体の順番を決める役割です。

Testifyが2026年5月14日から18日に実施した調査では、回答者の9割超が代理店を活用しており、全面委託が37.2%、社内運用との併用が54.4%でした。
満足度は82.6%である一方、約2割が不満を持っています。

不満の内訳は役職で分かれ、経営層は費用が成果に見合わないが56.3%、マーケティング責任者は成果不振の説明不足が53.1%、運用担当はレスポンスが遅いが50.8%です。
削減の局面では、この不満が判断に影響します。

削減後の成果目標も、同時に交渉する

委託先に削減を伝えるとき、金額だけを伝えると成果目標がそのまま残ります。
少ない予算で同じ目標を求める形になり、無理な運用を誘発します。

伝えるのは、削減後の金額と、その金額に対応した成果目標の両方です。
目標の更新は、削減の伝達と同じ場で行ってください。

後日あらためて交渉すると、その間の実績が未達として記録されます。
記録が残ると、後から目標を下げても評価は戻りません。

手数料の構造も、この場で確認します。
媒体費に対する定率であれば、削減によって委託先の収入も同じ比率で下がります。

下がった分だけ、かけられる工数も下がります。
同じ運用の質を期待するなら、手数料率の見直しか業務範囲の縮小のどちらかが必要です。

委託先からの削減提案は、担当範囲の外側に偏ります。全体を見る人を社内に一人決め、削減後の成果目標を同じ場で更新してください

削減の判断を、どう組み立て直すか

費目の一覧に、失うものと再開の費用の欄を足すことからです。
この二列があるだけで、削減の順番が変わります。

削減の判断を、どう組み立て直すか

削減の判断を組み立て直す作業は、新しい資料を作ることから始まりません。
いまある費目の一覧に、二つの列を足すだけで始められます。

足すのは、止めたときに失うものと、再開にかかる費用です。
この二列が埋まると、金額順に並んでいた一覧の順番が変わります。

削減の判断をやり直す手順

順番やること関わる人期間の目安
1費目の一覧に失うものと再開費用の欄を足すマーケティング1週間
2一行で書けない費目を抜き出すマーケ責任者数日
3削減が総額か配分変更かを確認する経営数日
4失うものと再開費用で順番を並べ直すマーケ責任者1週間
5費目をまたいで跳ね返る費用を計算するマーケ・営業1週間
6観察の期間と確認する数字を合意する三者数日

一行で書けない費目は、そこで止めてください。
何を得ているかを書けない支出は、削減の可否以前に、続ける理由を説明できません。

数字は説明のための仮の値です。
年間のCRM費用が1,200万円で、これを止めた結果として既存顧客の再購入が月30件減るとします。

同じ30件を新規獲得で埋める場合、1件あたり4万円なら月120万円、年間で1,440万円が必要になります。
削減額1,200万円に対して、新規側で1,440万円が増える計算です。

この計算を出さずに削ると、全体では費用が増えます。
費目ごとの管理では、この跳ね返りが見えません。

全額を止める前に、規模や頻度を落とす形も検討してください。
配信頻度を半分にする、出展の面積を半分にするという形であれば、接点は残ります。

削減後に監視する数字

数字見る頻度見るときの観点
既存顧客の再購入率毎月削減の影響が出始めていないか
解約率毎月顧客あたり粗利の総額が減っていないか
新規獲得の必要件数毎月既存の減少を埋める負担が増えていないか
指名検索と直接流入毎月接点を止めた影響が出ていないか
許容獲得単価四半期粗利からの逆算をやり直す必要があるか

毎月見るのは、再購入率と解約率と新規の必要件数の三つです。
この三つは、削減の影響が最初に現れる場所です。

許容獲得単価は、四半期に一度、粗利からの逆算をやり直して更新してください。
継続期間が短くなっていれば、新規獲得に払える上限も下がっています。

観察の結果は、必ず記録に残します。
記録がないと、翌期も同じ費目が同じ理由で候補に挙がります。

記録に残すのは、止めた費目、止めた時期、影響が出た時期、実際に動いた数字の四つです。
この四つがあれば、翌期の削減の議論は前提の確認から始められます。

着手点は費目の一覧に失うものと再開費用の欄を足すことです。費目をまたいで跳ね返る費用を計算し、観察の期間と見る数字を先に合意してください

どの費目から削るべきか判断がつかない場合は、無料相談で費目の一覧を一緒に見てもらうところから始められます。
配分ごと組み直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

イベントとCRMを削るのは間違いですか

一律に間違いとは言えません。削られやすいのは効果が低いからではなく、金額がまとまっていて効果の発現が遅く、成果が他の名義で記録されるためです。削る前に、その費用で何を得ているかと、再開にいくらかかるかを書き出してから判断してください。

展示会をやめると何が失われますか

名刺の枚数ではなく、対面でしか取れない検討状況の情報と、まだ検索していない検討初期の層への接点です。名刺の件数には代替手段がありますが、この二つには代替が少なくなっています。全額を止める前に、規模を落とす形を検討してください。

CRMの費用を削った影響はいつ出ますか

再購入の周期を過ぎたあたりから再購入率が、3か月から6か月後に解約率が動きます。どちらも既存売上を減らし、同じ売上目標を新規獲得で埋めることになるため、削減額より大きな広告費として戻ってくることがあります。

効果が測れていない施策は削ってよいですか

測れていないことと効いていないことは別の問題です。設計を入れれば測れるものは、先に設計を入れて1四半期の数字を見てください。構造的に測れないものは、基準値を記録したうえで期間を合意して止め、指名検索や直接流入の動きで判断します。

削減の指示が来たら最初に何を確認しますか

総額を減らす指示なのか、配分を変える指示なのかです。削った分を別の施策に使ってよいかを聞けば判別できます。配分の変更であれば、移し先に受け入れる余力があるかを直近の増額の前後から確かめてから移してください。

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  • オンライン30〜45
  • 事前資料の準備は不要

お見積りまでの4段階で費用は発生しません。媒体費(広告費)とサービス費用は別勘定です。

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まとめ

  • 効果が出るまでの時間が長く、成果の帰属が示しにくいからです。削減の順番は効果の低さではなく、説明のしやすさで決まっています
  • 名刺の枚数ではなく、対面でしか取れない情報と、検討の初期にいる層への接点です。代替手段があるかどうかで、削ってよいかが決まります
  • 既存顧客の再購入と、解約率です。どちらも新規獲得の費用に跳ね返るため、削減額より大きな費用として戻ってきます
  • 効果が測れていないことを、効果がないことと同じに扱う場面です。測定の不足は、施策の不足とは別の問題です
  • 金額の大きさではなく、止めたときに失うものと復旧の費用で並べます。この二つを書き出すと、順番が自然に変わります
  • 移し先を決めずに削ると、総額だけが減って成果も減ります。削減が目的なのか、配分の変更が目的なのかを先に分けます
  • 削減の提案が、任せている範囲の外から出ているかを見ます。自社の担当範囲だけを守る提案になっていないかを確認します
  • 費目の一覧に、失うものと再開の費用の欄を足すことからです。この二列があるだけで、削減の順番が変わります