TOPMEDIA集客・マーケ戦略

マーケティング予算の決め方|売上比率と目標逆算のどちらを使うか

集客・マーケ戦略公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約19分
マーケティング予算の決め方|売上比率と目標逆算のどちらを使うか

決め方の方式を先に合意していないからです。
売上比率で考える人と、目標から逆算する人が同じ会議で別の数字を出すため、議論が金額の綱引きになります。

なお、TimeValue株式会社では、広告運用・クリエイティブ制作・LP改善・データ分析・AI導入までを一括で引き受けるWebマーケティング支援「KAIZEN」を提供しています。

現在、オンラインの無料マーケティング診断を毎月10社限定で実施中です。いまの数字を見ながら、どこから直すのが早いかを一緒に整理します。

今月の無料診断は残り4社です

無料マーケ診断を申し込む

広告からLPまで、まとめて見ます。オンラインで30分から対応しています。

TV
この記事を書いた人TimeValue株式会社 編集部Meta・Google・YouTube・TikTokの広告運用と、クリエイティブ制作、LP改善、データ分析、マーケティング業務のAI導入までを支援しています。
支援の現場で繰り返し相談される論点を、判断に使える形にしてまとめています。

Webマーケティング支援

KAIZENby TimeValue

広告・LP・計測・AIまで、
まとめて任せる。

戦略設計、Meta・Google・TikTok等の広告運用、クリエイティブ制作、LP改善、レポート自動化、AI導入までを一気通貫で支援します。

  • 無料マーケ診断は毎月10社限定
  • オンライン30〜45
  • 事前資料の準備は不要

お見積りまでの4段階で費用は発生しません。媒体費(広告費)とサービス費用は別勘定です。

まずは無料で相談する>>>

目次

  1. マーケティング予算の総額が毎年もめるのは、なぜか
    • 総額の決め方と、配分の決め方を分ける
  2. 売上比率で決めると、何が起きるのか
    • 比率を使うなら、見直しの周期を決める
  3. 目標逆算で決めると、何が起きるのか
    • 規模を広げると、単価は必ず上がる
  4. 二つの方式は、どちらを主にするのか
    • 提示の順番を決めておく
  5. 事業の段階によって、方式は変わるのか
    • 複数の事業を持つ会社での扱い
  6. 二つの数字が離れたとき、どう着地させるのか
    • 決めたことを記録に残す
  7. 競合の出稿額を基準にしてよいのか
    • 競合の情報で、参考になるもの
  8. 着手をどこから始めるか
  9. よくある質問
  10. まとめ

決め方の方式を先に合意していないからです。
売上比率で考える人と、目標から逆算する人が同じ会議で別の数字を出すため、議論が金額の綱引きになります。

マーケティング予算の総額が毎年もめるのは、なぜか

決め方の方式を先に合意していないからです。
売上比率で考える人と、目標から逆算する人が同じ会議で別の数字を出すため、議論が金額の綱引きになります。

マーケティング予算の総額が毎年もめるのは、なぜか

予算の話し合いが長引く会社には、共通した特徴があります。
金額そのものを先に議論していることです。

営業本部が2億円と言い、マーケティング部が3億円と言う。
このとき両者は、違う考え方で数字を出しています。

片方は昨年の売上に対する比率から出しています。
もう片方は、来期の目標に必要な獲得量から出しています。

どちらが正しいかは、金額を見比べても決まりません。
根拠の作り方が違う以上、比較する基準そのものがないためです。

先に決めるべきは、この会社は何を基準に予算を決める会社なのかという方式です。
方式が決まれば、金額は計算の結果として出てきます。

方式が文書になっていない会社では、担当者が変わるたびに考え方が変わります。
前任者がどう組んだかが分からないため、また金額の綱引きが始まります。

綱引きの結果として決まった金額には、根拠が残りません。
根拠がないと、期中に未達が出たときに予算の妥当性から議論が始まります。

方式は、大きく4つに分かれます。
売上比率、目標逆算、支出可能額、競合対抗の4つです。

売上比率は、売上見込みに一定の比率を掛ける形です。
事業が安定していて、市場も大きく動かない状況に向きます。

目標逆算は、必要な獲得件数から必要な費用を積む形です。
目標が前年と大きく違う年に向きます。

支出可能額は、利益計画から出せる上限を決める形です。
資金に制約がある場合や、実績のない新規事業で使います。

競合対抗は、同業他社の出稿量に合わせる形です。
シェア争いの局面以外では、根拠として弱くなります。

この4つのうち、どれか1つに決める必要はありません。
主に使う方式と、確認に使う方式を組み合わせる形が実務では回ります。

予算の決め方の主な方式

方式総額の出し方向いている状況
売上比率売上見込みに一定比率を掛ける事業が安定し市場も大きく動かない
目標逆算必要な獲得件数から費用を積む目標が前年と大きく違う
支出可能額利益計画から出せる上限を決める資金に制約がある
競合対抗同業他社の出稿量に合わせるシェア争いの局面

総額の決め方と、配分の決め方を分ける

総額が決まったあとの積み上げ作業と、媒体ごとの配分は別の話です。
この2つを同じ会議で扱うと、どちらも決まりません。

配分の議論は具体的で、参加者全員が意見を持てます。
そのため、総額の方式が決まる前に配分の議論が始まると、そちらに時間が流れます。

順番を固定してください。
まず、どの方式で全体の枠を決めるかを揃えます。

枠が決まってから、費目と施策への分解に入ります。
この順番を守ると、配分の議論は総額の制約の中で行われます。

総額の方式を決める場と、配分を決める場は、出席者も変えてください。
総額は経営と財務が関わり、配分は部門の内側で決まります。

金額を比べる前に、この会社が何を基準に予算を決めるかという方式を合意します。総額の方式を決める場と、配分を決める場を分けてください。

売上比率で決めると、何が起きるのか

計算は早く、社内も納得しやすくなります。
その代わり、売上が落ちた年に予算も落ちるので、回復のための投資ができなくなります。

売上比率で決めると、何が起きるのか

売上比率は、最も広く使われている決め方です。
来期の売上見込みに、あらかじめ決めた比率を掛けるだけで総額が出ます。

利点は、早さと説明のしやすさです。
経理も経営も理解できる形になっているため、承認が通りやすくなります。

期中に売上が上振れしたときも、筋道が作れます。
比率を維持する形で増額を申請できるためです。

一方で、この方式には構造的な弱点があります。
売上が下がると、予算も自動的に下がることです。

売上が落ちている年こそ、獲得を増やす必要があります。
比率で固定していると、逆の動きをします。

この動きは、翌年にさらに響きます。
投資を減らした年の獲得が減り、その翌年の売上がさらに下がるためです。

一度この経路に入ると、比率を変えないかぎり抜け出せません。
比率方式を使う場合は、売上が下がった年の扱いを先に決めておいてください。

もう1つの弱点は、比率の根拠が説明できなくなることです。
多くの会社で、比率は過去の慣習で決まっています。

なぜ5%なのかを説明できる人がいないまま、毎年その数字が使われます。
説明できない比率は、削減の提案が出たときに守れません。

削減の提案は、たいてい利益が圧迫された四半期に出ます。
その場で比率の根拠を問われて答えられないと、そのまま削減が決まります。

市場の変化への対応も遅くなります。
市場が伸びている年に自社の売上が横ばいなら、比率方式では予算も横ばいです。

比率を使うなら、見直しの周期を決める

比率をそのまま使い続けるのではなく、2年か3年に一度は水準を検証してください。
検証の時期を決めておかないと、検証の議論そのものが起きません。

検証のときには、次の項目で説明する逆算の数字を必ず並べます。
比率で出た額と、逆算で出た額の差が、水準のずれになります。

差が2割以内なら、比率の水準は妥当です。
差がそれ以上なら、比率を改定するか、方式そのものを変える判断が要ります。

検証の材料には、過去2期の実績も使います。
実際に使った金額を売上で割れば、実績の比率が出ます。

決めた比率と実績の比率がずれている場合、期中に何かが起きています。
予備枠の使い方や、期末の消化のしかたに原因があることが多くあります。

売上比率は計算が早い代わりに、売上が下がった年に投資も止まります。2年か3年に一度は逆算の数字と並べ、差が2割を超えたら水準を改定してください

目標逆算で決めると、何が起きるのか

目標との接続が明確になり、未達のときの説明もできるようになります。
その代わり、過去の実績データがないと計算そのものが成立しません。

目標逆算で決めると、何が起きるのか

目標逆算は、来期に必要な受注件数から遡って費用を積む方式です。
必要な件数、必要なリード数、1件あたりの獲得費用の順に掛け合わせます。

最初に、売上目標を平均受注単価で割ります。
これで必要な受注件数が出ます。

次に、受注率で割って必要な商談数を出します。
商談化率で割ると、必要なリード数が出ます。

そこにリード1件あたりの獲得費用を掛けると、必要な広告費が出ます。
最後に、制作費と人件費を足したものが必要な総額になります。

数字は説明のための仮の値です。
売上目標3億円、平均受注単価500万円なら、必要な受注件数は60件です。

受注率25%なら商談は240件、商談化率20%ならリードは1,200件になります。
獲得費用が1件2万円なら、広告費は2,400万円という計算です。

この方式の利点は、目標との接続が式で示せることです。
未達のときも、どの段階の率が想定を下回ったかで説明ができます。

弱点は、途中の率が実測されていることが前提になる点です。
率が分からないまま仮置きすると、根拠があるように見えて中身のない数字が出ます。

仮置きの数字で組んだ予算は、期中に必ず前提を問い直されます。
その状態なら、まず率を測ることから始めてください。

測るのに必要な期間は3か月です。
この3か月を惜しむと、根拠のない数字で1年間運用することになります。

測定と並行して、暫定の予算は支出可能額で置いてください。
実績が出た時点で、逆算に切り替えます。

規模を広げると、単価は必ず上がる

過去の獲得単価をそのまま掛けると、必要な額を過小に見積もります。
配信を広げれば、取りやすい層から順に取り尽くしていくためです。

数字は説明のための仮の値です。
前期に1,000件を1件2万円で獲得していた事業が、来期に1,500件を取るとします。

同じ2万円で計算すると3,000万円ですが、実際には単価が上がります。
1割上がれば3,300万円、2割上がれば3,600万円が必要になります。

上昇の幅は、過去に予算を増やした時期の実績から出してください。
予算を何割増やしたときに単価が何割上がったかの対応が、2回か3回分あれば概算できます。

実績がない場合は、1割から2割の上昇を見込んでおきます。
織り込まずに組んだ予算は、期の後半で必ず足りなくなります。

逆算の数字は、1本ではなく幅で出してください。
目標どおりに率が出た場合と、率が想定より悪い場合の2通りを出します。

1本の数字で出すと、少しの前提の違いで全部が崩れます。
幅で出しておけば、どちらに近いかを四半期ごとに判定できます。

受注件数から遡って積み、制作費と人件費まで足して総額を出します。規模を広げると単価は上がるため、上昇分を織り込み、逆算は幅で出してください

二つの方式は、どちらを主にするのか

逆算を主にして、売上比率は上限の確認に使います。
逆算だけでは会社の体力を超えることがあり、比率だけでは目標と切れるためです。

二つの方式は、どちらを主にするのか

実務では、どちらか一方を選ぶ必要はありません。
2つの方式は、出している数字の意味が違うためです。

逆算は、目標を達成するために必要な金額を出します。
これを下回ると、目標には届きません。

比率は、会社として出してよい金額の目安を出します。
これを上回ると、利益計画が崩れます。

必要額と許容額は、別の制約です。
並べて初めて、判断ができる状態になります。

並べるときは、前期の実績額も一緒に置いてください。
3つの数字が並ぶと、現在地と2つの制約の関係が一目で分かります。

二つの数字の役割

数字意味使い方
前期の実績額実際に使った金額2つを比べる出発点になる
逆算で出した額目標達成に必要な額下回ると目標が届かない
比率で出した額会社が許容できる額上回ると利益計画が崩れる
2つの差目標と体力のずれ経営判断が必要な幅を示す

必要額が許容額の内側に収まっているなら、議論はほぼ終わります。
必要額をそのまま総額として提示すれば足ります。

問題になるのは、必要額が許容額を超えている場合です。
このとき初めて、経営の議論が必要になります。

選択肢は3つです。
目標を下げるか、利益率を犠牲にするか、途中の率を上げるかです。

この3択を提示するのが、マーケティング側の仕事になります。
金額だけを要求すると、値切りの交渉になります。

提示の順番を決めておく

3択を提示するときは、順番があります。
最初に、率を上げる案を出してください。

率を上げる案は、自部門と営業の努力で対応する提案になります。
先に自分たちの側の案を出すことで、議論の性質が変わります。

次に、回収期間を延ばす案を出します。
利益率を一時的に下げる判断で、財務の制約に触れます。

最後に、目標を下げる案を出します。
これを最初に出すと、金額を確保するために目標を下げたい提案として読まれます。

3つとも、金額を添えて出してください。
率を何ポイント上げれば差が消えるか、回収期間を何か月延ばせば許容額が広がるかを数字で示します。

数字がないと、どれを選ぶかの判断ができません。
判断できない提案は、次の会議に持ち越されます。

逆算で必要額、比率で許容額を出し、前期の実績と並べます。必要額が超えた場合は、率の改善、回収期間の延長、目標の調整の順に金額を添えて提示してください

事業の段階によって、方式は変わるのか

変わります。
立ち上げ期は支出可能額、成長期は目標逆算、成熟期は売上比率が扱いやすくなります。

事業の段階によって、方式は変わるのか

同じ会社でも、事業の段階で適した方式が変わります。
前期に合っていた方式が、来期も合うとは限りません。

新規の立ち上げ期に、逆算は使えません。
受注率も獲得単価も実績がないためです。

実績のない率を仮置きして逆算すると、仮の数字を掛け合わせた仮の答えが出ます。
その数字を根拠に予算を組むと、期中に前提が全部動きます。

この段階では、どこまで損失を許容できるかという支出可能額で枠を決めます。
利益計画から、この事業に何年間いくらまで投じられるかを決める形です。

成長期は、逆算が最も機能します。
実績の率が取れていて、かつ目標が前年と大きく違う時期だからです。

このとき比率で決めると、必要な投資量に届きません。
売上が前年比で伸びる前提でも、比率は前年の売上に掛かるためです。

成熟期は、比率で回しても大きくは外れません。
市場も自社の率も安定しているため、比率と逆算の差が小さくなります。

この段階では、決め方の議論に時間をかけないほうが合理的です。
ただし、数年に一度は逆算で水準を検証してください。

縮小や再建の局面では、支出可能額に戻ります。
どこまで出せるかが先に決まり、その範囲で何ができるかを考える順番になります。

このとき、逆算も並行して出してください。
回復に必要な額を示さないまま削減だけを進めると、翌期の回復が遅れます。

複数の事業を持つ会社での扱い

全社で1つの方式に統一すると、どこかの事業で無理が出ます。
成長期の事業と成熟期の事業が同じ会社にあるのは、普通のことです。

事業部ごとに方式を選び、全社では合計額だけを管理してください。
合計額が会社の許容額を超えていれば、そこで配分の議論になります。

配分の議論では、事業ごとの逆算の数字を並べます。
どの事業に配分すると、全社の売上が最も増えるかを比べる形です。

この比較には、各事業の平均受注単価と率が必要になります。
事業部ごとに方式が違っても、逆算の数字だけは全事業で作ってください。

作れない事業がある場合は、その事業だけ別枠で扱います。
比較の表に仮置きの数字を混ぜると、配分の判断そのものが崩れます。

方式を変える時期は、期の切り替えに限ります。
期中に方式を変えると、その期の予算の根拠が失われます。

立ち上げ期は支出可能額、成長期は逆算、成熟期は比率が扱いやすくなります。事業部ごとに方式を選び、逆算の数字だけは全事業で作ってください。

二つの数字が離れたとき、どう着地させるのか

差の埋め方を三つに分けて提示します。
目標を調整する、率を改善する、投資回収の期間を延ばす、のどれを選ぶかを経営に決めてもらいます。

二つの数字が離れたとき、どう着地させるのか

必要額と許容額の差は、マーケティング部門だけでは埋まりません。
どれを選ぶかによって、責任を負う部署が変わるためです。

差を埋める方法は、4つに整理できます。
目標を調整する、率を改善する、回収期間を延ばす、単価の高い層に絞るの4つです。

目標を調整するのは、売上目標か件数目標を下げることです。
主に動くのは経営で、事業計画そのものの変更になります。

率を改善するのは、受注率や商談化率を上げることです。
営業とマーケティングの両方が動きます。

回収期間を延ばすのは、初年度の赤字を許容することです。
経営と財務の判断で、資金繰りの制約に触れます。

単価の高い層に絞るのは、平均受注単価を上げることです。
営業と商品企画が動き、件数は減っても売上は維持できます。

数字は説明のための仮の値です。
差が5,000万円あるとして、それぞれどれだけ動かせば消えるかを計算します。

売上目標を1割下げれば必要額も約1割減ります。
商談化率を20%から25%に上げれば、必要なリード数が2割減ります。

回収期間を12か月から18か月に延ばせば、許容できる獲得単価が上がります。
どの案も、数字にすればその場で比較できます。

決めたことを記録に残す

どの選択肢を選んだかを記録しておかないと、期中に未達が出たときに前提が消えます。
前提が消えると、マーケティング部門だけが責められる形になります。

記録する内容は3つです。
選んだ選択肢、その根拠、そして選ばなかった選択肢です。

選ばなかった選択肢も残す理由は、期中に状況が変わったときに再検討するためです。
率の改善が進まないと分かった時点で、別の選択肢に切り替える判断ができます。

差の埋め方が決まらないまま期初を迎える場合もあります。
このときは、実質的に目標だけが残る状態になります。

その場合は、必要額との差をそのまま未達リスクとして明記してください。
明記しておかないと、期末に差の分の未達が実行の失敗として扱われます。

記録の場所は、期首の目標を握った文書と同じにします。
別の資料に書くと、四半期の点検で開かれません。

差の埋め方を目標、率、回収期間、単価の4つで金額付きに示し、経営に選んでもらいます。選ばなかった選択肢も記録し、決まらないまま期に入る場合は差を未達リスクとして明記してください

競合の出稿額を基準にしてよいのか

総額の根拠には使えません。
自社と競合では粗利率も回収期間も違うため、同じ金額を出しても意味が変わります。

競合の出稿額を基準にしてよいのか

競合が増やしているから自社も増やす、という議論はよく出ます。
この判断は、条件が揃っているときしか成り立ちません。

同じ金額を出しても、採算は同じではありません。
粗利率が高い会社は、同じ獲得単価でも耐えられます。

継続利用の期間が長い会社は、初回の赤字を許容できます。
資金に余裕がある会社は、回収期間を長く取れます。

外から見える出稿量だけでは、この違いが分かりません。
分からないまま金額だけを合わせると、自社の採算が崩れます。

業種別の予算比率の平均値も、同じ理由で使えません。
平均値を根拠にすると、自社の事業構造が無視されます。

平均値は、自社の逆算結果を説明するときの補足にとどめてください。
逆算の結果が業種平均から大きく外れている場合に、その理由を説明する材料になります。

一方で、市場全体の動きは判断材料になります。
競合個社の額ではなく、市場が伸びているかどうかという情報です。

電通が2026年3月5日に発表した2025年の日本の広告費では、総広告費が8兆623億円で前年比105.1%、インターネット広告費が4兆459億円で前年比110.8%でした。
構成比は50.2%となり、初めて過半数を超えています。

電通デジタルの詳細分析では、媒体費3兆3,093億円のうち運用型が2兆9,352億円で構成比88.7%でした。
市場全体が運用型に寄り、かつ1割伸びている状況です。

この局面では、同じ金額を出していても相対的な露出は下がります。
横ばいの予算は、実質的には縮小になります。

競合の情報で、参考になるもの

競合の出稿金額そのものは使えませんが、構成は参考になります。
どのチャネルに出しているかが分かれば、機会のある領域が読めます。

広告表現の変化も参考になります。
訴求が変わっていれば、市場の受け止め方が変わった可能性があります。

これらは、総額の根拠ではなく配分の材料として使ってください。
総額が決まった後の、どこに置くかという議論で効きます。

競合の動きを見る周期は、四半期で足ります。
毎月見ると、単発の出稿に反応することになります。

見た結果は、記録に残してください。
記録がないと、翌年に同じ調査を最初からやり直すことになります。

記録には、見た時期と見た範囲を書きます。
範囲が違えば結果も違うため、翌年と比べるには条件を揃える必要があります。

競合の出稿金額と業種平均は総額の根拠になりません。市場全体の伸びは判断材料になり、市場が伸びる局面では横ばいの予算が実質的な縮小になります。

着手をどこから始めるか

過去2期の実際の支出額と、そのときの売上を並べることからです。
実績の比率が見えないと、どの方式を選んでも比較ができません。

着手をどこから始めるか

方式の選択は、現状把握の後にしかできません。
先に自社の過去を数字にしてください。

必要なのは、過去2期の支出実績と、そのときの売上です。
2期あれば、比率が動いているかどうかが分かります。

見直しの順序

順番やること期間の目安
1過去2期の支出実績を費目別に出す1週間
2そのときの売上と比率を並べる数日
3受注率と商談化率の実績を確認する1週間
4逆算で必要額を幅で出す1週間
5比率で許容額を出し、差を確認する数日
6差の埋め方を3つ用意して経営に出す2週間

この6工程で、着手から経営への提示まで6週間前後が目安になります。
率が測れていない場合は、ここに測定の3か月が加わります。

工程1では、費目別に分けてください。
総額だけを見ていると、削る議論のときに何も判断できません。

分ける費目は、広告費、制作費、ツール費、外注費、人件費の5つで足ります。
このうち、契約で固定されているものとそうでないものを区別しておきます。

数字は説明のための仮の値です。
過去2期の売上が20億円と22億円で、支出が1億円と1億1,000万円なら、比率はどちらも5%です。

同じ5%でも、支出の中身が変わっていることがあります。
費目別の構成比を並べると、固定費が膨らんでいるかどうかが見えます。

判断に使う観点

数字見る頻度目的
売上に対する支出比率期ごと水準が動いていないか
逆算した必要額との差期ごと目標と投資のずれを見る
リード1件あたりの獲得費用月次逆算の前提が崩れていないか
費目別の構成比四半期固定費が膨らんでいないか
期末時点の消化率月次計画との乖離を見る

月次で見るのは、獲得費用と消化率の2つです。
この2つが動いていれば、逆算の前提が崩れています。

前提が崩れた場合は、四半期の点検で必要額を再計算してください。
再計算した結果は、次の期の逆算の入力になります。

どの方式で決めたか、なぜその方式かを1枚にまとめてください。
これがないと、来期も同じ議論をやり直すことになります。

1枚には、選んだ方式、その理由、逆算と比率の数字、差の埋め方の4つを書きます。
担当が代わっても読める形にしておくことが条件です。

着手の時期は、期初の3か月前です。
必要額の算出と、経営との差の議論には時間がかかります。

3か月前に始めても、率が測れていなければ間に合いません。
その場合は当期のうちに測定を始め、次の期から逆算に切り替えてください。

過去2期の支出を費目別に出し、売上との比率を並べるところから始めます。選んだ方式とその理由を1枚にまとめ、期初の3か月前から動いてください。

予算の総額をどの方式で決めるべきか判断に迷う場合は、無料相談で現状の数字を見てもらうところから始められます。
決め方の枠組みごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

売上比率と目標逆算のどちらを使うべきですか

逆算を主にして、売上比率は上限の確認に使います。逆算は目標達成に必要な額を出し、比率は会社が出せる額を出すので、意味が違います。前期の実績額と並べて3つの数字にすると、現在地と2つの制約の関係が一目で分かります。

売上の何%が適正ですか

業種平均を根拠にすると自社の事業構造が無視されます。粗利率、回収期間、事業の段階で必要額は変わるため、まず自社の逆算値を出し、比率は過去2期の実績から水準を確認する形で使ってください。比率と逆算の差が2割を超えたら、水準の改定を検討します。

新規事業の予算はどう決めればいいですか

逆算は使えません。受注率も獲得単価も実績がないためです。どこまで損失を許容できるかという支出可能額で枠を決め、実績の率が取れた段階で逆算に切り替えます。切り替えは期の切り替えに合わせてください。

必要額が会社の出せる額を超えたらどうしますか

率を改善する、回収期間を延ばす、目標を調整するの順に、金額を添えて提示します。率の改善案を最初に出すと、自部門の努力で対応する提案から議論が始まります。決めた内容と、選ばなかった選択肢の両方を記録に残してください。

競合の出稿額を予算の根拠にしてもいいですか

総額の根拠には使えません。粗利率も回収期間も違うため、同じ金額でも採算が変わります。市場全体の伸びは参考になり、市場が伸びている局面では横ばいの予算が実質的な縮小になることは説明材料になります。競合の情報は配分の材料として使ってください。

Webマーケティング支援

KAIZENby TimeValue

広告・LP・計測・AIまで、
まとめて任せる。

戦略設計、Meta・Google・TikTok等の広告運用、クリエイティブ制作、LP改善、レポート自動化、AI導入までを一気通貫で支援します。

  • 無料マーケ診断は毎月10社限定
  • オンライン30〜45
  • 事前資料の準備は不要

お見積りまでの4段階で費用は発生しません。媒体費(広告費)とサービス費用は別勘定です。

まずは無料で相談する>>>

まとめ

  • 決め方の方式を先に合意していないからです。売上比率で考える人と、目標から逆算する人が同じ会議で別の数字を出すため、議論が金額の綱引きになります
  • 計算は早く、社内も納得しやすくなります。その代わり、売上が落ちた年に予算も落ちるので、回復のための投資ができなくなります
  • 目標との接続が明確になり、未達のときの説明もできるようになります。その代わり、過去の実績データがないと計算そのものが成立しません
  • 逆算を主にして、売上比率は上限の確認に使います。逆算だけでは会社の体力を超えることがあり、比率だけでは目標と切れるためです
  • 変わります。立ち上げ期は支出可能額、成長期は目標逆算、成熟期は売上比率が扱いやすくなります
  • 差の埋め方を三つに分けて提示します。目標を調整する、率を改善する、投資回収の期間を延ばす、のどれを選ぶかを経営に決めてもらいます
  • 総額の根拠には使えません。自社と競合では粗利率も回収期間も違うため、同じ金額を出しても意味が変わります
  • 過去2期の実際の支出額と、そのときの売上を並べることからです。実績の比率が見えないと、どの方式を選んでも比較ができません