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ゼロクリック時代のKPI再設計|セッション数をKGIから外す判断

集客・マーケ戦略公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約20分
ゼロクリック時代のKPI再設計|セッション数をKGIから外す判断

検索結果で答えが完結する割合が増え、同じ順位でも流入が減っているからです。
流入量と事業成果の連動が切れると、目標として置く意味がなくなります。

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目次

  1. セッション数が事業の指標として効かなくなったのは、なぜか
    • 目標として置く意味が、どこで消えるのか
  2. 自社でどこまで起きているかを、どう確かめるのか
    • 見る単位を、ページからテーマに変える
  3. セッション数をKGIから外す判断は、どの条件で下すのか
    • 外す判断を、部門の側から出す理由
  4. 外したあと、何を目標に置くのか
    • 置き換えた指標の目標値を、どう置くか
  5. 生成AI経由の流入は、どう扱うのか
    • 対策の側も、まだ普及の途中にある
  6. 予算と体制の議論は、どう変わるのか
    • 人員配置の見直しは、急がない
  7. この変更を、経営にどう説明するのか
    • 戻す条件を、同じ場で決めておく
  8. 判断の順番をどう決めるか
  9. よくある質問
  10. まとめ

検索結果で答えが完結する割合が増え、同じ順位でも流入が減っているからです。
流入量と事業成果の連動が切れると、目標として置く意味がなくなります。

セッション数が事業の指標として効かなくなったのは、なぜか

検索結果で答えが完結する割合が増え、同じ順位でも流入が減っているからです。
流入量と事業成果の連動が切れると、目標として置く意味がなくなります。

セッション数が事業の指標として効かなくなったのは、なぜか

セッション数は長く、マーケティングの成果を示す代表的な数字でした。
順位が上がれば流入が増え、流入が増えれば問い合わせが増える。

この連鎖が成り立っている間は、流入量を追うことに無理がありませんでした。
中間の指標として扱いやすく、部門の外にも説明しやすい数字だったためです。

連鎖の前提は、検索結果のクリックが情報を得る唯一の経路だったことです。
この前提が、検索結果の側で答えが提示されるようになったことで崩れました。

Ahrefsが2026年7月16日に公表した調査では、AI Overviewsが表示される検索で1位のクリック率の下落幅が、日本で2025年12月の38.0%から2026年6月には62.7%まで広がっていました。
同じ調査で、日本は予測クリック率24.1%に対して実測が9.0%でした。

順位を維持していても、流入が半分以下になり得るということです。
米国では同じ下落幅が58.0%から68.8%への推移で、日本のほうが変化の速度が速い状態でした。

この変化は、すべての業種に同じ速さで起きているわけではありません。
博報堂DYグループのONEが2026年2月時点で公表した集計では、AI Overviewsの表示率が保険、化粧品、クレジットカードで高く、通信、人材、ファッションでは低下していました。

自社の業種がどちらに近いかで、流入量という指標の残り寿命が変わります。
表示率が高い領域では、順位を守る投資の見返りが年単位で縮んでいきます。

流入が減る経路は、1つではありません。
検索結果で答えが完結する場合のほかに、要約に使われる情報源が分散し、1サイトあたりの流入が薄くなる経路があります。

比較検討の工程が検索結果の側で終わる経路もあります。
この場合、最後の指名検索だけが自社に残り、途中の情報収集型の流入が消えます。

そして、減った流入が必ずしも損失とは限りません。
比較の工程が外で終わり、決まりかけた人だけが来ている場合、件数は減っても問い合わせ数は落ちません。

この状態を、流入量を目標にしたまま運用するとどうなるか。
事業が横ばい以上であるにもかかわらず、マーケティング部門だけが未達の報告を出すことになります。

未達の報告が続くと、施策の見直しと予算の削減が議論されます。
実際には何も悪化していないのに、投資が縮む経路が開きます。

目標として置く意味が、どこで消えるのか

目標として置く数字には、2つの条件があります。
自部門の判断で動かせることと、動かせば事業の数字が動くことです。

流入量は、この2つ目の条件を失いつつあります。
増やしても、検討段階が手前の人が増えるだけなら、問い合わせは増えません。

1つ目の条件も弱くなっています。
順位を維持していても表示のされ方で流入が動く以上、自部門の努力と結果の対応が読めません。

2つの条件のどちらか一方でも欠けると、未達の説明ができなくなります。
説明できない未達が並ぶ会議は、指標そのものへの信頼を削ります。

流入量を外すという判断は、成果を諦める判断ではありません。
説明できる数字に置き換えるという、測る対象の変更です。

流入量は、動かしても事業が動くという条件を失いつつあります。目標として置き続けると、事業が横ばいでもマーケティング部門だけが未達になります。

自社でどこまで起きているかを、どう確かめるのか

流入の総量ではなく、指名と非指名に分けて推移を見ます。
順位が維持されているのに流入が落ちている領域を特定します。

自社でどこまで起きているかを、どう確かめるのか

外部調査の数字を、そのまま自社に当てはめることはできません。
業種による差が大きく、扱っているキーワードの性質でも進み方が変わるためです。

確かめる作業は、自社のデータで行います。
必要なのは、順位と流入と問い合わせ数の3つを同じ期間で並べることだけです。

最初に見るのは、順位と流入の関係です。
順位が落ちたから流入が落ちたのか、順位は同じなのに流入が落ちたのかを分けます。

前者なら、原因は競合との相対的な位置です。
これは従来どおりの課題で、指標の設計を変える話にはなりません。

後者が増えている場合は、検索結果の見え方が変わっています。
同じ順位で流入だけが落ちる状態は、クリックされる前に答えが提示されていることを示します。

次に、流入を指名と非指名に分けます。
この分離をしないと、変化が平均に埋もれます。

先に減るのは、非指名の情報収集型の流入です。
用語の意味や比較の一般論は、検索結果の側で完結しやすいためです。

指名検索は当面残ります。
社名や製品名で調べる人は、自社のページに行く目的がはっきりしているためです。

両方を合算した総量で見ていると、指名が横ばいであることが非指名の減少を薄めます。
半年遅れて気づく形になり、その間に打つ手を決められません。

3つ目に見るのは、非指名のなかでの検討段階の違いです。
情報収集型と比較検討型では、減り方が異なります。

比較検討型は、流入が減ってもCVRが上がることがあります。
検討が進んだ人だけが残るためで、この場合は質が凝縮しています。

見る単位を、ページからテーマに変える

個別ページの増減だけを見ていると、変化の判断ができません。
1ページの順位は競合の更新や内部リンクの変更でも動くためです。

同じ意図のキーワード群でまとめて見てください。
10ページ分をまとめた流入が前年比で3割減っていれば、構造的な変化と判断できます。

まとめる単位は、記事のカテゴリではなく検索の意図で作ります。
用語の意味を調べる意図、比較する意図、事例を探す意図という分け方です。

この単位で並べると、どの意図から先に減っているかが分かります。
減っている意図に対して記事を追加しても、同じ結果になると事前に判断できます。

観察の期間は、最低でも12か月分です。
検索結果の見え方は段階的に変わるため、四半期単位では季節性と区別できません。

順位と流入の乖離を見て、指名と非指名を分けて並べます。見る単位はページではなく検索の意図でまとめ、12か月分の推移で判断してください

セッション数をKGIから外す判断は、どの条件で下すのか

流入量と問い合わせ数の連動が切れていることが、複数四半期で確認できたときです。
単月の落ち込みでは判断しません。

セッション数をKGIから外す判断は、どの条件で下すのか

外すという判断は、測るのをやめるという意味ではありません。
目標として置き、部門の評価に使うのをやめるという意味です。

判断の基準は1つです。
流入量と問い合わせ数の連動が切れているかどうかです。

流入が減ったのに問い合わせ数が横ばい以上なら、連動は切れています。
この状態で流入量を追うと、事業に貢献しない施策に予算が向かいます。

流入も問い合わせも同じ率で減っているなら、連動はまだ残っています。
この場合は、流入量を目標に置き続けて構いません。

流入が少なく問い合わせも少ない立ち上げ期の事業は、別扱いです。
量そのものが足りていないため、一時的に流入を追う判断が成立します。

流入が増えているのに問い合わせが横ばいという状態も、外す条件です。
量を追うことがすでに機能していないことを示しています。

外す条件と、残してよい条件

状態流入問い合わせ判断
連動が切れている減っている横ばい以上目標から外す
連動が残っている減っている同じ率で減っているまだ使える
量が足りていない少ない少ない一時的に量を追う
質が落ちている増えている横ばい量を追うのをやめる

判断に使う期間は、最低で2四半期です。
単月や単四半期の落ち込みでは、季節要因やアルゴリズムの一時的な変動と区別できません。

2四半期にわたって同じ傾向が続いている場合だけ、構造の変化として扱ってください。
この待機期間を設けないと、変動のたびに指標を入れ替えることになります。

外す前に必ずやることが1つあります。
代わりに置く数字を先に決めることです。

先に外すと、マーケティング部門の成果を示す数字が一時的になくなります。
その期間に予算の議論が入ると、成果を説明する材料がないまま削減が決まります。

外した流入量は、モニタリング指標として残します。
異常の検知には引き続き使えるためです。

計測の不具合、サイトの障害、大幅な順位の下落は、流入量に最も早く現れます。
目標から外すことと、見るのをやめることは別の判断です。

外す判断を、部門の側から出す理由

流入量を外す提案は、マーケティング部門から出すほうが通りやすくなります。
未達が続いてから外部から指摘される形になると、言い訳として扱われます。

出すタイミングは、連動が切れていることを2四半期で確認した直後です。
未達が確定する前に出すことが、提案として成立する条件になります。

未達が確定したあとの提案は、内容が同じでも受け取られ方が変わります。
数字が悪いから指標を変えたいという話に見えるためです。

提案には、置き換える指標とその目標値を必ず添えてください。
外す話だけを持っていくと、成果指標を減らす提案として扱われます。

置き換えた指標の目標値は、据え置くか上げます。
下げると、指標の変更ではなく目標の引き下げとして記録されます。

流入と問い合わせの連動が2四半期にわたって切れていることが条件です。外す前に置き換える指標を決め、流入量はモニタリング指標として残してください

外したあと、何を目標に置くのか

事業に近い数字と、検討が進んだ接点の量です。
流入の総量ではなく、商談につながる接点がいくつ作れたかを置きます。

外したあと、何を目標に置くのか

置き換えの候補は、流入量より一段下流にあります。
下流に寄せるほど事業との連動は強くなり、代わりに動かすまでの時間が延びます。

下流に寄せる限度は、自部門の判断で動かせる範囲までです。
受注件数まで下げると、マーケティング部門が単独では動かせません。

動かせない数字を目標にすると、未達のときに出てくるのが他部門への要求だけになります。
動かせる範囲で最も下流にある数字を選んでください。

有効リード件数は、多くの事業でこの条件を満たします。
配分と訴求と着地ページで動き、商談との距離も近い位置にあります。

検討期間が長い事業では、比較検討段階の接触数も候補になります。
価格ページや事例ページに到達した人の数で、流入の総量より事業に近い数字です。

直接の反響が主な事業では、資料請求や問い合わせの件数をそのまま置きます。
中間の指標を挟む必要がありません。

営業と連携できる体制があるなら、商談数を共有指標にする選択肢もあります。
リードの質はマーケティング側の設計で決まり、商談への転換は営業側の初動で決まるためです。

置き換えの候補

候補事業との近さ動かしやすさ向いている事業
有効リード件数近い動かせる検討期間が長い
比較検討段階の接触数中程度動かせる検討工程が多い
資料請求や問い合わせの件数近い動かせる直接の反響が主
指名検索の件数中程度時間がかかる認知が課題
商談数最も近い営業と共有する営業と連携できる

置き換えるときの注意は、下流の数字だけにしないことです。
すべてを下流に寄せると、上流への投資が評価されなくなります。

上流の投資が止まると、2年後の指名検索と直接流入が減ります。
そのときには、原因が2年前の判断にあることを特定できません。

そのため、認知の結果が出る数字を1つ残してください。
指名検索の件数か、直接流入の件数が実務的な候補になります。

目標の数そのものは増やさないでください。
置き換えであって追加ではないため、外した数と同じ数だけ入れる形にします。

数が増えると、未達のときに優先順位がつきません。
どれから手をつけるかを決められない状態は、指標が1つも機能していない状態と同じです。

置き換えた指標の目標値を、どう置くか

置き換えた指標に過去の実績があるなら、そこから逆算します。
問い合わせ件数が月100件だったなら、その水準を起点に事業計画の伸びを掛けます。

実績がない指標を新しく置く場合は、3か月の実測を先に取ります。
目標値を推測で置くと、最初の四半期が目標の妥当性の議論で終わります。

実測を取る間は、流入量を暫定の目標として残して構いません。
測り終えた時点で入れ替える段取りを、先に合意しておいてください。

目標値を置いたあとの3か月は、達成度ではなく設計を検証します。
定義どおりに数えられているか、置いた水準が実態と合っているかを確認する期間です。

ここで水準が合っていなかった場合、直すのは目標値ではなく置き方です。
指標を変えた直後に目標値だけを下げると、変更そのものへの信頼が失われます。

動かせる範囲で最も下流にある数字を置き、認知の結果が出る数字を1つ残します。目標の数は増やさず、外した数と同じ数だけ入れてください。

生成AI経由の流入は、どう扱うのか

量の目標には使えません。
件数が小さく、計測の精度も十分でないためです。
質の高い接点として、別枠で観察します。

生成AI経由の流入は、どう扱うのか

生成AIからの流入を新しい目標に置きたいという要望は増えています。
現時点では、量を担保できる水準にありません。

PLAN-Bマーケティングパートナーズが2025年2月1日から4月30日にかけてGA4のデータを分析した調査では、83.0%のサイトで生成AI経由のセッションが増加していました。
最大で2か月605.6%という伸びが観測されています。

ただし同じ調査で、総流入に占める割合は1%未満でした。
伸び率は大きくても、事業の数字を動かす規模ではありません。

1%未満の数字を目標に置くと、月ごとの変動が目標に対して非常に大きくなります。
前月比で倍増しても件数では数十件という状態で、達成も未達も判断できません。

一方で、質が高いという観測はあります。
同じ調査で、AI経由のCVRが他チャネルより高かったサイトは35.1%でした。

Criteoが2026年2月に米国の小売500社を対象に公表した集計では、LLM経由のCVRが他のリファラルの約1.5倍でした。
ただし前者の調査では高かったサイトが3分の1程度にとどまっており、すべてで高いわけではありません。

自社で高いかどうかは、自社のデータで確認する必要があります。
確認できていない段階で質が高いことを前提にすると、投資の判断を誤ります。

計測の面でも、目標に使える状態ではありません。
経路の判別が完全でなく、参照元が付かない流入が直接流入に混ざります。

直接流入が増えている場合、その増分が生成AI経由なのか、認知の向上によるものかを分離できません。
分離できない数字を目標に置くと、達成の判定ができません。

対策の側も、まだ普及の途中にある

PRIZMAが2025年12月11日から17日に1,036人を対象に実施した調査では、生成AI向けの最適化を実施済みと答えたのは7.82%でした。
情報収集段階が15.06%、外部ベンダーの検討が12.64%です。

業種による差が大きく、SaaSでは積極検討が50%を超える一方で、製造や小売は遅れる傾向が出ていました。
自社の業種でどれだけ進んでいるかによって、着手の緊急度が変わります。

実施した企業の実感としては、検索順位の向上が36.5%、AI検索経由の問い合わせ増が34.1%、リード獲得コストの減少が26.5%でした。
効果を感じた企業が3分の1程度という水準です。

この数字は、投資を止める理由にも急ぐ理由にもなります。
判断の材料になるのは、自社の総流入に占める割合がいつ無視できなくなるかという見通しです。

そのため、生成AI経由の件数は四半期で推移だけを見てください。
総流入に対する比率が数%に達した時点で、目標に置くかどうかを改めて判断します。

生成AI経由の流入は総流入の1%未満という規模で、経路の判別も完全ではありません。目標には置かず、比率が無視できなくなる時期を四半期で観察してください

予算と体制の議論は、どう変わるのか

流入量あたりの費用で施策を比べる評価軸が使えなくなります。
接点の質と、商談までの距離で比べる形に変えます。

予算と体制の議論は、どう変わるのか

流入量を目標から外すと、施策の評価方法も変える必要があります。
ここを変えないと、現場は従来どおり量を取りにいきます。

評価軸が残っていれば、目標が変わっても行動は変わりません。
記事の本数や流入数で評価されている限り、量を増やす施策が選ばれます。

置き換える軸は、施策ごとに違います。
検索経由の記事は、流入数ではなく問い合わせに至った人の閲覧率で評価します。

比較や事例のページは、商談化した人がどれだけ見ていたかで評価します。
流入が減っても、検討が進んだ人に読まれていれば価値は残ります。

指名を増やす施策は、指名検索の件数で評価します。
流入数で評価すると、認知の施策は常に効率が悪い側に分類されます。

広告は、CPAではなく有効リード単価で評価します。
問い合わせ単価が同じでも、有効化率が違えば事業への貢献は変わります。

評価軸を変えると、これまで効率が悪いとされていた施策の順位が入れ替わります。
入れ替わりが大きい場合は、過去の配分の判断が量の軸で決まっていたことを示します。

予算の側では、自然流入の減少分をどう補うかが論点になります。
検索からの流入が構造的に減る前提なら、その分を広告で補う判断があり得ます。

電通が2026年3月5日に発表した2025年の日本の広告費では、インターネット広告費が4兆459億円で前年比110.8%、構成比は50.2%で初めて過半数を超えました。
電通デジタルの詳細分析では、媒体費3兆3,093億円のうち運用型が2兆9,352億円で構成比88.7%です。

市場全体が運用型に寄っているなかで、自社だけ据え置く合理性があるかを確認してください。
据え置く判断をする場合は、その理由を記録に残します。

人員配置の見直しは、急がない

評価軸を変えてから、新しい軸での数字が揃うまでには数四半期かかります。
軸を変えた直後に人を動かすと、判断の材料がないまま決めることになります。

特に、コンテンツ制作の人員を減らす判断は慎重に行ってください。
流入が減っているのは制作の質の問題ではなく、検索結果の見え方の変化によるものです。

減らしてから軸が間違っていたと分かっても、体制を戻すには採用か委託の手続きが必要になります。
戻すのにかかる期間は、減らすのにかかる期間より長くなります。

体制の判断は、新しい軸で2四半期の実績が出てから行います。
それまでは、制作の対象を変えることで対応してください。

対象の変え方は、情報収集型から比較検討型へ寄せる形です。
検索結果で完結しにくいのは、自社の条件に当てはめた比較や、実際の導入の経過です。

目標を変えるだけでなく、施策の評価軸も同時に変えます。人員配置の判断は、新しい軸で2四半期の実績が出るまで待ってください。

この変更を、経営にどう説明するのか

外部環境の変化と、自社データでの裏づけを並べます。
目標を下げる話ではなく、測る対象を変える話だと示します。

この変更を、経営にどう説明するのか

流入量の目標を外すと、数字が下がったから目標を変えたように見えます。
説明の順番を間違えると、その印象で議論が終わります。

順番は、外部から自社へ進めてください。
最初に検索結果の構造が変わったことを示し、次に自社でも同じことが起きていることを示します。

外部の材料には、下落幅の実測がある調査を使います。
Ahrefsの調査で日本の検索1位のクリック率の下落幅が2025年12月の38.0%から2026年6月の62.7%まで広がったという数字は、予測と実測の差を含むため説得の材料になります。

次に、自社のデータを出します。
順位が維持されているのに流入が落ちている領域と、その領域の流入の減少幅です。

3番目に、事業成果が連動していないことを示します。
流入の推移と問い合わせ件数の推移を同じグラフに並べる形が最も短く済みます。

ここまでで、測る対象を変える必要があることは伝わります。
そのうえで、置き換える指標とその目標値を出します。

最後に、施策ごとの評価軸の変更を示します。
評価軸を変えないと現場の行動が変わらないことを、同じ場で説明してください。

この順番を守ると、目標の引き下げという受け取られ方をしません。
順番を逆にして置き換える指標から話すと、なぜ変えるのかという質問から議論が始まります。

説明の場は、四半期の方針会議が適しています。
決裁者が同席し、目標の前提を扱う場として設定されているためです。

月次の会議で持ち出すと、その場で決まらずに持ち越しになります。
持ち越された提案は、次の月に前提の説明からやり直しになります。

戻す条件を、同じ場で決めておく

環境が変わって流入量が再び事業成果と連動するなら、目標に戻しても構いません。
どうなったら戻すかを、変更と同じ場で決めておいてください。

戻す条件は、外すときと同じ形で書きます。
流入と問い合わせの連動が2四半期にわたって回復したときという書き方です。

条件を決めておくと、変更の議論が一度で終わります。
条件がないと、流入が回復した四半期ごとに戻すかどうかの議論が起きます。

同時に、判断の周期も固定してください。
この領域は動きが速いため、毎月議論しても決まりません。

四半期に一度、同じ資料の形式で判断する運用にします。
資料の形式を固定しておくと、前回との比較がその場でできます。

外部環境、自社データ、事業成果の非連動、置き換える指標の順で説明します。戻す条件と判断の周期を同じ場で決めておくと、議論が一度で終わります。

判断の順番をどう決めるか

流入と問い合わせの推移を、指名と非指名に分けて並べることからです。
連動が切れているかどうかが、すべての判断の起点になります。

判断の順番をどう決めるか

外すかどうかを議論する前に、自社で何が起きているかを確定させます。
確定していない状態で議論すると、外部調査の数字の解釈から始まって何も決まりません。

確定に必要なのは、12か月分のデータを並べる作業だけです。
新しい計測の仕組みを入れる必要はありません。

実行の工程

順番やること期間の目安
1流入を指名と非指名に分けて12か月分並べる1週間
2順位と流入の乖離が出ている領域を特定する1週間
3流入と問い合わせ件数の連動を四半期単位で確かめる1週間
4置き換える指標の候補を出して実測を取る1か月
5経営に変更を説明して合意する2週間
6施策ごとの評価軸を入れ替える1か月

工程4に1か月を置いているのは、置き換える指標の実績がない場合を想定しているためです。
既存の指標を使う場合は、この工程を1週間に短縮できます。

数字は説明のための仮の値です。
非指名の流入が前年比70%まで落ち、問い合わせ件数が前年比100%を保っているとします。

このとき流入量を目標に置き続けると、事業が横ばいでも30%の未達になります。
同じ期間で問い合わせ件数を目標にしていれば、達成の報告になります。

同じ事業の同じ実績が、指標の選び方だけで達成にも未達にもなるということです。
この差が、指標を置き換える理由そのものになります。

進捗を測る目安

数字周期見る理由
非指名の流入件数月次構造変化の進み方が読める
指名検索の件数月次認知の側が落ちていないか
問い合わせ件数月次事業成果の実体が分かる
流入と問い合わせの比四半期連動が切れているかを判定する
商談化率月次質が凝縮しているかを確かめる
生成AI経由の件数四半期規模が無視できなくなる時期を見る

この6つのうち、目標として置くのは問い合わせ件数と指名検索の件数の2つです。
残りは、判断の材料として見るだけの数字になります。

判断の頻度は四半期に一度に固定してください。
検索結果の見え方は月単位で動くため、毎月議論しても決まりません。

計測の前提が変わっていないかも、同じ周期で確認します。
計測の条件が変わると、推移の比較そのものができなくなります。

同意の取得やデータの共有条件については、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
設定の変更があった月は、その旨を推移の記録に残しておきます。

記録を残す先は、指標を置き換えたときの文書と同じ場所にしてください。
別の資料に書くと、次の期の設計時に変更の経緯を追えなくなります。

12か月分を指名と非指名に分けて並べるところから始めます。判断は四半期に一度に固定し、計測の前提が変わっていないかを同じ周期で確認してください

流入量を目標から外すかどうかの判断に迷う場合は、無料相談で自社のデータを見てもらうところから始められます。
指標の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

セッション数はもう見なくていいのですか

目標として置くのをやめるだけで、見るのはやめません。計測の不具合やサイトの障害、大幅な順位の下落は流入量に最も早く現れるため、モニタリング指標として残してください。目標から外すことと、見るのをやめることは別の判断です。

流入が減っているのに問い合わせが減っていません

比較検討の工程が検索結果の側で終わり、決まりかけた人だけが来ている状態です。流入量を目標にしていると、事業が横ばい以上でもマーケティング部門だけが未達になります。連動が切れている状態が2四半期続いていれば、目標から外す条件を満たします。

生成AI経由の流入をKPIにできますか

現時点では量が小さく、総流入の1%未満にとどまるという調査があります。参照元が付かない流入が直接流入に混ざるため経路の判別も完全ではなく、達成の判定ができません。目標ではなく、比率が無視できなくなる時期を見るための参考値として扱ってください。

流入量を外すと、SEOの投資判断ができなくなりませんか

評価軸を流入数から、問い合わせに至った人の閲覧率や商談化した人が見ていたページ、指名検索の件数に変えます。流入が減っても検討が進んだ人に読まれていれば投資の価値は残ります。人員配置の判断は、新しい軸で2四半期の実績が出るまで待ってください。

経営に目標の引き下げだと受け取られないようにするには

外部環境の変化、自社データでの裏づけ、事業成果が連動していないことの3つを先に示し、そのあとで置き換える指標を出してください。置き換えた指標の目標値は据え置くか上げます。下げると、指標の変更ではなく目標の引き下げとして記録されます。

Webマーケティング支援

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  • 無料マーケ診断は毎月10社限定
  • オンライン30〜45
  • 事前資料の準備は不要

お見積りまでの4段階で費用は発生しません。媒体費(広告費)とサービス費用は別勘定です。

まずは無料で相談する>>>

まとめ

  • 検索結果で答えが完結する割合が増え、同じ順位でも流入が減っているからです。流入量と事業成果の連動が切れると、目標として置く意味がなくなります
  • 流入の総量ではなく、指名と非指名に分けて推移を見ます。順位が維持されているのに流入が落ちている領域を特定します
  • 流入量と問い合わせ数の連動が切れていることが、複数四半期で確認できたときです。単月の落ち込みでは判断しません
  • 事業に近い数字と、検討が進んだ接点の量です。流入の総量ではなく、商談につながる接点がいくつ作れたかを置きます
  • 量の目標には使えません。件数が小さく、計測の精度も十分でないためです。質の高い接点として、別枠で観察します
  • 流入量あたりの費用で施策を比べる評価軸が使えなくなります。接点の質と、商談までの距離で比べる形に変えます
  • 外部環境の変化と、自社データでの裏づけを並べます。目標を下げる話ではなく、測る対象を変える話だと示します
  • 流入と問い合わせの推移を、指名と非指名に分けて並べることからです。連動が切れているかどうかが、すべての判断の起点になります