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KPIが達成されているのに売上が伸びない理由

集客・マーケ戦略公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約18分
KPIが達成されているのに売上が伸びない理由

量と売上の間にある率が、同じ期間に悪化しているからです。
量の指標だけでKPIを組んだとき、この悪化は報告に現れません。

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目次

  1. 量を達成しても売上が増えないのは、なぜか
    • 量の達成が、率の悪化を隠す構造
  2. どの率が落ちているかを、どう特定するのか
    • 率の定義が期中に変わっていないかを先に確かめる
  3. リードの質が落ちる原因は、どこにあるのか
    • 構成の変化なのか、質の劣化なのかを見分ける
  4. 営業側で止まっている場合は、どう見分けるのか
    • 見分けた結果を、責任の話にしない
  5. 受注単価が下がっている場合は、どう見えるのか
    • 件数目標そのものが単価低下を招く
  6. 計上の時期のズレを、どう切り分けるのか
    • 伸びているなら、翌期の見通しに反映する
  7. 特定したあと、どこから直すのか
    • 一度に複数を動かさない
  8. 運用の順番をどう決めるか
  9. よくある質問
  10. まとめ

量と売上の間にある率が、同じ期間に悪化しているからです。
量の指標だけでKPIを組んだとき、この悪化は報告に現れません。

量を達成しても売上が増えないのは、なぜか

量と売上の間にある率が、同じ期間に悪化しているからです。
量の指標だけでKPIを組んだとき、この悪化は報告に現れません。

量を達成しても売上が増えないのは、なぜか

リード数を達成し、商談数も達成している。
それでも売上が伸びない状態は、珍しいものではありません。

この状態が起きるのは、売上が量と率の掛け算で決まるからです。
量が1.5倍になっても、途中の率が3分の2になれば、掛け算の答えは変わりません。

数字は説明のための仮の値です。
リード1,000件、商談化率20%、受注率25%なら受注は50件になります。

同じ事業でリードを1,500件まで増やし、商談化率が13%まで落ちると、受注は49件です。
リードの目標を5割上回っているのに、受注件数は増えていません。

受注率のほうが落ちた場合も同じです。
リード1,500件、商談化率20%、受注率17%なら、受注は51件にとどまります。

報告上は達成、事業は横ばい。
この乖離が2四半期続くと、マーケティングが出す数字全体への信頼が失われます。

信頼が失われた状態の実害は、翌期の予算です。
数字が達成されても事業が動かないという認識が残ると、増額の依頼が通らなくなります。

量の悪化と率の悪化は、同じ時期に起きることが多くあります。
偶然ではなく、量を達成するための手段が率を下げるためです。

月末に件数が足りないとき、現場が取る手はほぼ決まっています。
配信面を広げるか、より軽いCVポイントを追加するかです。

どちらも件数目標に対しては合理的な判断です。
そして、どちらも翌月以降の商談化率を下げます。

量の指標だけでKPIを組むと、この打ち消しが報告に現れません。
現れるのは、四半期の売上が積み上がらないという結果だけです。

原因の議論を始める前に、どの段階で数字が止まっているかを確定させてください。
段階が決まらないうちに打ち手を議論すると、的外れな施策に翌四半期の予算を使います。

段階の特定は、感覚では終わりません。
営業はリードの質を挙げ、マーケティングは営業の稼働を挙げ、決まらないまま期が終わります。

量の達成が、率の悪化を隠す構造

量の指標には、達成か未達かがその月のうちに出るという性質があります。
率の指標は、母数が溜まるまで判定できません。

この時間差が、悪化の発見を遅らせます。
件数の達成が報告された翌月に、率の低下が確定する形になります。

報告の場では、確定した件数が先に読み上げられます。
率はまだ確定していないため、議題に上がりません。

この順番が3か月続くと、率が5ポイント下がっていても誰も気づきません。
気づくのは、四半期の売上が集計されたときです。

防ぐ方法は、量の指標に必ず対になる率の指標を置くことです。
リード件数を目標に置くなら、商談化率を同じ表の隣の列に置いてください。

売上は量と率の掛け算で決まるため、量の達成は率の悪化を打ち消します。量の指標には、必ず対になる率の指標を隣に置いてください。

どの率が落ちているかを、どう特定するのか

各段階の率を同じ表に並べ、前年同期と比べます。
一つの率だけを見ていると、悪化の位置を取り違えます。

どの率が落ちているかを、どう特定するのか

特定の作業そのものは単純です。
率を全段階分並べるだけです。

並べる対象は4つです。
有効化率、商談化率、受注率、そして平均受注単価です。

平均受注単価は率ではありませんが、同じ表に入れてください。
金額の変化は、率の悪化とまったく同じ形で売上を削ります。

この4つのうち1つでも欠けると、特定は完了しません。
欠けた段階が原因だった場合、残りの3つはすべて正常に見えます。

比較の相手は、前月ではなく前年同期にします。
前月と比べると、季節の変動が施策の影響と混ざります。

前年同期と比べたうえで、直近3か月の傾きも見ます。
前年同期比だけでは、悪化がいつ始まったかが分かりません。

段階別の率の比較

段階前年同期今期
有効化率40%40%変化なし
商談化率20%13%7ポイント低下
受注率25%25%変化なし
平均受注単価500万円480万円4%低下

数字は説明のための仮の値です。
この例では商談化率だけが落ちており、調べる対象はリードの構成と営業の初動に絞られます。

複数の率が同時に落ちている場合は、影響の大きい順に扱います。
影響の大きさは、その率の低下幅と、その段階を通る件数の積で決まります。

低下幅が大きい率が、必ずしも影響の大きい率ではありません。
月に3件しか通らない段階の率が半分になっても、受注は1件強しか減りません。

率が出せない段階があると、この特定は途中で止まります。
測れていない段階が原因だった場合、他の段階をいくら調べても見つかりません。

測れていない段階が見つかったときは、そこを測ることが最初の打ち手になります。
記録が始まって3か月経てば、率の比較ができるようになります。

測る前に推測で進めると、誤った段階に予算を使います。
1四半期を測定に使うほうが、結果としては早く着地します。

率の定義が期中に変わっていないかを先に確かめる

率が落ちて見える原因のうち、最も見つけにくいのが定義の変更です。
有効リードの判定基準が期中に厳しくなれば、有効化率は当然下がります。

この場合、事業の実態は何も悪化していません。
分母や分子の数え方が変わっただけです。

確認の方法は、判定の運用がいつ変わったかを営業と突き合わせることです。
担当者の交代や案件管理の画面の変更があった月は、特に疑ってください。

定義が変わっていた場合は、過去のデータも新しい定義で再集計します。
再集計せずに比較すると、運用の変更を施策の失敗として扱うことになります。

再集計が難しい場合は、変更の時期を記録し、前後をまたぐ比較を禁止してください。
比較できない期間があることを明示するほうが、誤った判断よりも実務では安全です。

有効化率、商談化率、受注率、平均受注単価の4つを前年同期と並べます。率が落ちて見えるときは、まず期中に定義が変わっていないかを確かめてください。

リードの質が落ちる原因は、どこにあるのか

配信の拡大と、CVポイントの追加が二大要因です。
どちらも件数目標を達成するために合理的に選ばれた手段です。

リードの質が落ちる原因は、どこにあるのか

商談化率が落ちている場合、原因の大半はリードの構成の変化にあります。
リード1件ごとの質が劣化したのではなく、集まっている層の割合が変わっています。

構成を見る軸は3つです。
流入チャネル、CVポイント、そして企業規模や業種といった属性です。

流入チャネルの変化は、最も影響が大きい軸です。
数字は説明のための仮の値です。

検索経由の比率が50%から35%に下がり、ディスプレイ経由が20%から35%に上がった場合を考えます。
検索は課題を自覚した人が来るため商談化率が高く、ディスプレイは認知の段階の人が多いため低くなります。

各チャネルの商談化率がまったく変わっていなくても、この構成の入れ替わりだけで全体の率は下がります。
つまり、質は落ちていないのに率だけが落ちる状態が成立します。

CVポイントの変化も同じ構造です。
問い合わせの比率が40%から25%に下がり、資料請求が60%から75%に上がれば、全体の商談化率は下がります。

資料請求は問い合わせより心理的な負担が小さいため、件数は増えます。
その代わり、検討段階が手前の人が多く含まれます。

属性の変化は、BtoBで特に効きます。
従業員300名以上の比率が45%から30%に下がれば、1件あたりの受注額も商談化率も同時に下がります。

この3つの軸で構成比を前年同期と並べると、どこが変わったかが特定できます。
特定できれば、打ち手は配分を戻すことに絞られます。

構成が変わった理由は、たいてい前の四半期の判断にあります。
件数が足りずに配信を広げた月や、CVポイントを追加した月から、商談化率の低下が始まっている形が多く見つかります。

そのため、構成比の推移は施策の実施履歴と並べて見てください。
どの判断が構成を動かしたかが分かれば、同じ判断を次にするときの条件を決められます。

構成の変化なのか、質の劣化なのかを見分ける

見分ける方法は、セグメント別の率を出すことです。
チャネル別やCVポイント別に商談化率を計算します。

セグメント別の率が前年同期とほぼ同じで、全体の率だけが下がっている場合は、構成の変化です。
配分を戻せば、率は戻ります。

セグメント別の率も下がっている場合は、質そのものが落ちています。
同じチャネルから来る人の検討段階が変わったか、訴求の内容が変わったかのどちらかです。

訴求が変わっていないかは、広告文と着地ページの変更履歴で確認できます。
価格や導入ハードルの低さを前面に出した訴求に変えた月から、商談化率が落ちる形はよく見つかります。

この2つは、打ち手がまったく違います。
構成の変化に対して訴求を作り直しても、時間と費用を使うだけで率は戻りません。

商談化率の低下は、チャネル、CVポイント、属性の構成の変化で起きます。セグメント別の率も下がっているかどうかで、構成の問題か質の劣化かを見分けてください。

営業側で止まっている場合は、どう見分けるのか

接触率と、商談後の進捗を確認します。
リードの質が変わっていないのに商談が増えていないなら、原因は接触の運用にあります。

営業側で止まっている場合は、どう見分けるのか

マーケティング側の数字がすべて正常なのに、売上が伸びないことがあります。
このとき最初に見るのは、渡したリードのうち何件に接触できたかです。

接触率を出していない組織では、質の議論が先に始まります。
リードが商談にならない理由として、質の低さが最初に挙がるためです。

しかし接触されていないリードは、質の評価そのものがされていません。
接触率が70%なら、3割は評価の対象にすらなっていない状態です。

接触率は、案件管理の記録から出せます。
渡した件数を分母に、初回の接触記録がある件数を分子に置きます。

接触率が落ちている場合、原因は営業の稼働にあります。
人員の減少、既存顧客対応の増加、他の案件への集中のいずれかです。

接触率が維持されていて商談化率だけが落ちている場合は、リードの質の側です。
接触した結果として商談にならない状態なので、評価はされています。

接触率も商談化率も維持されていて受注率だけが落ちている場合は、商談の中身か競合環境です。
提案の内容が変わったか、価格の競争が激しくなったかを確認します。

接触と進捗から、止まっている位置を読む

接触率商談化率受注率止まっている位置
低下接触分は維持維持営業の稼働
維持低下維持リードの質か構成
維持維持低下商談の中身か競合環境
維持維持維持だが単価低下商材構成か値引き

接触率を見るときは、接触までの日数も同時に出してください。
翌日に接触した場合と5日後に接触した場合では、商談化率が大きく違います。

日数が伸びていれば、原因は稼働です。
接触はしているが後回しになっている状態で、件数だけを見ていると気づけません。

見分けた結果を、責任の話にしない

止まっている位置が営業側だったとしても、それは原因の位置であって責任の所在ではありません。
この区別を先に共有しておかないと、次の突き合わせが行われなくなります。

接触が遅れる原因が、リードの渡し方にあることもあります。
渡す件数が月末に集中していれば、営業側では処理しきれません。

渡す情報が足りていない場合も同じです。
問い合わせの内容や閲覧履歴が付いていないリードは、接触の優先順位を付けられません。

この場合の打ち手は、渡し方の設計です。
件数を週単位に平準化し、接触の判断に使える情報を添えることで、接触率は戻ります。

原因の位置を特定する会議は、両部門が同席する場で行ってください。
片方だけで集計した数字を相手に見せる形にすると、数字の正しさから議論が始まります。

接触率と接触までの日数を最初に見ます。止まっている位置は原因の位置であって責任の所在ではなく、渡し方の設計が原因であることも多くあります。

受注単価が下がっている場合は、どう見えるのか

件数は目標どおりで、売上だけが届きません。
率の表をいくら見ても原因が見つからないときは、単価を疑います。

受注単価が下がっている場合は、どう見えるのか

率がすべて正常で、受注件数も達成している。
それでも売上が未達という状態があります。

この場合、率だけを並べた表に答えはありません。
金額の観点を列として足さないかぎり、原因は見つかりません。

単価が下がる原因は、大きく4つに分かれます。
顧客の規模、商材の構成、値引き、初期契約の範囲です。

顧客の規模が下がった場合、件数は同じで金額だけが減ります。
確認するのは、規模帯別の受注件数の構成比です。

商材の構成が変わった場合も同じ見え方になります。
低単価の商材の比率が上がっていないかを、商材別の受注金額で確認します。

値引きが増えた場合は、同じ商材で単価が下がります。
商材別の平均単価を前年同期と並べると、すぐに分かります。

初期契約の範囲が縮んだ場合は、初年度の金額だけが下がります。
継続で回収する形に営業の売り方が変わったときに起きます。

この4つ目は、悪化とは限りません。
初年度は小さく入り、翌年度に拡大する形なら、翌期の売上に現れます。

区別するには、初年度と次年度の金額を同じ顧客で追う必要があります。
追えていない場合は、単価の低下が構造の変化なのか一時的なものなのか判断できません。

件数目標そのものが単価低下を招く

件数だけを目標に置くと、決めやすい小規模案件に営業の力が向きます。
大型案件は決裁に時間がかかり、当月の件数には貢献しないためです。

この動きは、担当者の判断としては合理的です。
評価が件数で決まる以上、確実に件数が積める案件を優先します。

結果として、件数は達成し、売上は届きません。
件数目標の典型的な副作用で、目標の置き方を変えないかぎり毎期起きます。

防ぐ方法は、受注件数の隣に金額の指標を1つ置くことです。
パイプラインの金額合計か、平均受注単価のどちらかで足ります。

金額の指標が1つあるだけで、小規模案件への偏りは月次の時点で見えます。
件数が達成していても、金額が未達なら配分の議論ができます。

率がすべて正常で売上だけが未達なら、平均受注単価を疑います。件数だけを目標に置くと小規模案件に力が向くため、金額の指標を隣に必ず1つ置いてください。

計上の時期のズレを、どう切り分けるのか

リードタイムの分だけ、成果が翌期にずれることがあります。
率も量も正常なら、まず時期のズレを確認します。

計上の時期のズレを、どう切り分けるのか

悪化ではなく、まだ到達していないだけの場合があります。
検討期間が長い事業では、この形が定期的に起きます。

切り分けの方法は、集計の基準を変えることです。
受注が起きた月ではなく、リードを獲得した月で束ねて追います。

受注が起きた月で集計すると、当月の営業成果は分かります。
その代わり、どの月に獲得したリードの成果なのかが分かりません。

獲得月で束ねると、施策ごとの成果が見えます。
5月に獲得したリードが8月までに何件受注したかという形で追えます。

この追い方なら、時期のズレの影響を受けません。
獲得月ごとの最終的な受注率が落ちていなければ、質は劣化していません。

追跡の期間は、平均リードタイムの2倍を目安にします。
平均が45日なら、獲得から90日後の時点で確定とみなします。

商談が起きた月で集計する基準も別に持っておくと、営業の稼働量が見えます。
3つの基準は目的が違うため、どれか1つに統一する必要はありません。

平均リードタイムそのものが伸びていないかも、同時に確認します。
同じ活動量でも、リードタイムが伸びれば当期の売上は減ります。

リードタイムが伸びる原因は、決裁の慎重さの増加です。
このとき率は落ちていないため、率の表を見ても何も見つかりません。

伸びているなら、翌期の見通しに反映する

リードタイムが伸びた分の成果は、消えたのではなく翌期に移っています。
当期の未達を報告する際に、翌期の見通しを併せて出してください。

見通しの出し方は、現在進行中の商談の金額合計を使います。
段階別に受注確度を掛けて合計すると、翌期に持ち越す金額が概算できます。

この数字を出さずに未達だけを報告すると、翌期の予算が削られます。
削られた翌期に持ち越し分の受注が出ると、予算と成果の関係がさらに読めなくなります。

リードタイムの変化は、四半期の周期で確認します。
月単位では案件の大小で平均が振れ、傾向が読めません。

伸びが2四半期続く場合は、逆算の前提を置き直してください。
当期に受注させる前提で組んだ目標は、その時点で成立していません。

獲得月で束ねて追うと、時期のズレと質の劣化を切り分けられます。リードタイムが伸びている場合は、翌期に持ち越す金額を併せて報告してください

特定したあと、どこから直すのか

売上への影響が大きい段階からです。
最も落ち込みが大きい率が、必ずしも最優先とは限りません。

特定したあと、どこから直すのか

複数の段階で悪化している場合、着手の順番が問題になります。
落ち込みの大きさで選ぶと、効果の小さい段階に手をつけることがあります。

順番を決める基準は、その率を元に戻したときに受注が何件増えるかです。
落ち込み幅ではなく、試算した増加分の大きさで決めます。

数字は説明のための仮の値です。
リード1,500件、有効化率40%、商談化率13%、受注率25%の事業を考えます。

この状態の受注は19件です。
商談化率を20%に戻すと受注は30件になり、11件増えます。

受注率を25%から28%に上げた場合、増えるのは2件強です。
落ち込み幅は受注率のほうが小さくても、戻す価値は商談化率のほうが5倍あります。

有効化率を40%から45%に上げた場合も、増えるのは2件程度です。
リード数を1,500から1,800に増やした場合は、4件増えます。

この試算を並べると、着手の順番は自動的に決まります。
議論が必要になるのは、影響が同程度の選択肢が並んだときだけです。

試算と同時に、着手の難度も見てください。
影響が大きくても、着手から効果が出るまでに半年かかるものは当期には効きません。

商談化率の改善は、リードの選別と接触の設計で1か月から2か月で動きます。
受注率の改善は、提案内容と営業体制に手を入れるため、半年単位になります。

当期に効くものと次期に効くものを分けて、両方に着手します。
当期に効くものだけを選ぶと、翌期に同じ議論を繰り返します。

一度に複数を動かさない

同時に3つの段階を動かすと、どれが効いたのか分からなくなります。
効果の検証ができなければ、次に同じ悪化が起きたときに同じ判断ができません。

動かす順番は、1つ動かして効果が確定するまで待つ形にします。
待つ期間は、その段階の反映までの日数に合わせます。

商談化率に手を入れた場合、判定できるのは1か月後です。
受注率に手を入れた場合は、リードタイムの分だけ後になります。

複数を同時に動かさざるを得ない場合は、対象を分けてください。
チャネルAでは訴求を変え、チャネルBでは変えないという形にすれば、比較の相手が残ります。

比較の相手を残す設計は、金額の大きい施策ほど価値があります。
すべての施策で比較を作ることはできないため、予算の大きいものから優先してください。

着手の順番は落ち込み幅ではなく、戻したときに受注が何件増えるかで決めます。当期に効くものと次期に効くものを分け、一度に複数の段階を動かさないでください。

運用の順番をどう決めるか

各段階の率を前年同期と並べた一枚を作ることからです。
この表がないと、原因の議論は毎回印象論になります。

運用の順番をどう決めるか

悪化の特定は、表を1枚作るところから始まります。
この1枚がない状態で会議を開くと、各部門が自分の見ている数字を持ち寄る形になります。

持ち寄った数字は、集計の期間も定義も違います。
突き合わせに30分を使い、原因の議論に入る前に時間が尽きます。

実行の段取り

順番やること期間の目安
1各段階の率を過去12か月分そろえる1週間
2前年同期と並べて差の大きい段階を特定する1週間
3該当段階をチャネルとCVポイント別に分解する1週間
4接触率と接触までの日数で営業側の要因を切り分ける1週間
5受注単価と商材構成を金額で確認する1週間
6試算した増加分が大きい段階に1つだけ着手する2週間

この6工程は、着手から特定までで7週間前後が目安になります。
測れていない段階が見つかった場合は、ここに測定の3か月が加わります。

数字は説明のための仮の値です。
リード1,500件、有効化率40%、商談化率13%、受注率25%なら受注は19件です。

商談化率が20%に戻れば受注は30件となり、平均単価500万円で売上は5,500万円増える計算になります。
この金額が出せると、改善に人と予算をどこまで割いてよいかが決まります。

進捗を測る基準

数字見る頻度目安の考え方
段階別の率毎月前年同期との差が何ポイントか
接触率毎週渡した件数に対して落ちていないか
セグメント別の商談化率毎月構成の変化か質の劣化か
平均受注単価毎月金額での未達を見逃さない
リードタイム四半期時期のズレが起きていないか

接触率だけを週次に置いているのは、ここが最も早く動くためです。
営業の稼働が落ちた月は、その週のうちに接触率に現れます。

悪化が解消したあとは、記録を残してください。
いつ、どの率が、どれだけ落ちたか。

そのとき何をして、どのくらいの期間で戻ったか。
この記録があれば、次に同じ悪化が起きたときの確認が数日で終わります。

最後に、同じ悪化が再発しない形にKPIを組み直します。
量の指標には必ず対になる率の指標を置き、件数の目標には金額の指標を添えます。

組み直しは、期の切れ目で行ってください。
期中に指標を入れ替えると、悪化の前後を比較する基準が失われます。

各段階の率を前年同期と並べた1枚から始めます。悪化が解消したら、原因と戻るまでの期間を記録し、再発しない形にKPIを組み直してください

KPIを達成しているのに売上が伸びない理由が分からない場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
指標の組み方ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

KPIは達成しているのに売上が伸びません

量と売上の間にある率が同じ期間に悪化しています。有効化率、商談化率、受注率、平均受注単価の4つを前年同期と並べ、差が大きい段階を特定してください。1つでも欠けると、その段階が原因だった場合に他がすべて正常に見えます。

商談化率が落ちた原因はどう調べますか

流入チャネル、CVポイント、企業規模の3つの軸で構成比を前年同期と並べます。セグメント別の率も落ちていれば質の劣化、セグメント別は変わらず全体だけ落ちていれば構成の変化で、後者は配分を戻せば回復します。

営業側で止まっているかはどう分かりますか

接触率と、渡してから接触までの日数を見ます。渡したリードのうち接触できた比率が落ちていれば原因は稼働側です。ただし件数が月末に集中していたり、接触の判断に使える情報が付いていなかったりすると、渡し方の側に原因があります。

率はすべて正常なのに売上が未達です

平均受注単価を確認してください。規模の小さい企業の比率が上がる、低単価の商材が増える、値引きが増える、初期契約の範囲が縮むの4つが主な原因です。件数だけを目標にすると決めやすい小規模案件に力が向くため、金額の指標を1つ置いてください。

悪化している段階が複数ある場合、どれから直しますか

その率を元に戻したときに受注が何件増えるかを試算し、大きい順に着手します。落ち込み幅が大きい段階が、必ずしも影響の大きい段階ではありません。着手の難度も見て、当期に効くものと次期に効くものを分けてください。

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  • オンライン30〜45
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まとめ

  • 量と売上の間にある率が、同じ期間に悪化しているからです。量の指標だけでKPIを組んだとき、この悪化は報告に現れません
  • 各段階の率を同じ表に並べ、前年同期と比べます。一つの率だけを見ていると、悪化の位置を取り違えます
  • 配信の拡大と、CVポイントの追加が二大要因です。どちらも件数目標を達成するために合理的に選ばれた手段です
  • 接触率と、商談後の進捗を確認します。リードの質が変わっていないのに商談が増えていないなら、原因は接触の運用にあります
  • 件数は目標どおりで、売上だけが届きません。率の表をいくら見ても原因が見つからないときは、単価を疑います
  • リードタイムの分だけ、成果が翌期にずれることがあります。率も量も正常なら、まず時期のズレを確認します
  • 売上への影響が大きい段階からです。最も落ち込みが大きい率が、必ずしも最優先とは限りません
  • 各段階の率を前年同期と並べた一枚を作ることからです。この表がないと、原因の議論は毎回印象論になります