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KPIの目標値をどう決めるか|前年比と理論値のどちらを使うか

集客・マーケ戦略公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約19分
KPIの目標値をどう決めるか|前年比と理論値のどちらを使うか

根拠を残す手順が決まっていないからです。
どの数字をどう置いたかを記録しない運用が続くと、翌期には値だけが引き継がれます。

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根拠を残す手順が決まっていないからです。
どの数字をどう置いたかを記録しない運用が続くと、翌期には値だけが引き継がれます。

KPIの目標値は、なぜ根拠が弱いまま決まるのか

根拠を残す手順が決まっていないからです。
どの数字をどう置いたかを記録しない運用が続くと、翌期には値だけが引き継がれます。

KPIの目標値は、なぜ根拠が弱いまま決まるのか

目標値の決め方には、大きく2つのやり方があります。
前年実績に成長率を掛ける方法と、事業計画から逆算する方法です。

どちらも単独では足りませんが、実務で問題になるのは方法の選び方ではありません。
選んだ根拠が残っていないことのほうが、影響が大きくなります。

根拠が残っていないと、期中に前提が動いたときに目標を調整できません。
どの前提の上に立っている数字かが分からないためです。

翌期の設計でも同じことが起きます。
前期の目標値に成長率を掛ける以外の方法がなくなり、根拠の弱さが毎年繰り返されます。

根拠を残す作業そのものは重くありません。
使った数字、置いた率、参照した外部の数字を1枚に書くだけです。

それでも残らないのは、記録を作る担当と保管の場所が決まっていないためです。
期初の合意は会議の場で行われ、口頭で終わることが多くなります。

もう1つの原因が、目標値を決める場に決裁者がいないことです。
現場で置いた値が承認の場で切り上げられると、根拠は承認の時点で切れます。

切り上げられた値には、切り上げた側の根拠もありません。
両方の根拠が無い数字が、その期の基準になります。

根拠として残す項目を決めておく

残す項目は5つで足ります。
売上目標、平均受注単価、各段階の歩留まり、参照した市場の数字、そして未達時の扱いです。

このうち歩留まりは、いつ時点の実績かまで書いてください。
直近12か月なのか、前期だけなのかで値が変わります。

参照した市場の数字は、出典と発表日を添えます。
翌期に同じ出典の更新値が出たときに、差分で置き直せるようになります。

未達時の扱いは、目標値と同じ場で決めます。
決めておかないと、未達の報告のたびに扱いの議論から始まります。

この5項目を1枚にまとめ、期初の承認の場に添付してください。
添付された資料は、承認の記録としてそのまま残ります。

資料の保管場所は、担当者の手元ではなく部門の共有の場所にしてください。
個人のファイルに残した根拠は、異動の時点で失われます。

失われた根拠は、翌期に再現できません。
再現できないまま値だけが引き継がれるのが、根拠の弱い目標が続く経路です。

根拠の資料を作る担当は、目標値を提案する人と同じにします。
提案と記録を別の人に分けると、記録の側に判断の背景が伝わりません。

目標値の弱さは、方法ではなく根拠が残らない運用から生じます。5項目を1枚にまとめ、承認の場に添付してください

前年比で置くと、何を見落とすのか

市場の変化と、自社の規模の変化を見落とします。
同じ前年比120%でも、市場が伸びている年と縮んでいる年では難易度がまったく違います。

前年比で置くと、何を見落とすのか

前年比で目標を置く方法は、手順が単純です。
前期の実績に成長率を掛けるだけで値が出ます。

この方法の弱点は、外部環境が値に入らないことです。
市場が伸びている年の前年比120%と、縮んでいる年の120%では、同じ数字でも意味が違います。

電通が2026年3月5日に発表した「2025年 日本の広告費」では、総広告費が8兆623億円で前年比105.1%でした。
インターネット広告費は4兆459億円で前年比110.8%、構成比は50.2%となり初めて過半数を超えています。

一方でマスコミ四媒体は2兆2,980億円で前年比98.4%でした。
同じ年でも、領域によって伸びの方向が逆になっています。

この環境で前年比120%を置いた場合、インターネット広告の領域では市場の伸びに1割上乗せする目標です。
マス中心の領域では、市場が縮むなかで2割伸ばす目標になります。

難易度が違うにもかかわらず、数字としては同じ120%です。
前年比だけで置くと、この差が目標値に反映されません。

もう1つ見落とすのが、自社の規模の変化です。
規模が大きくなるほど、同じ成長率を維持するために必要な絶対量は増えます。

市場の動きと、前年比目標の実質的な意味

市場の伸び自社の前年比目標実質的な難易度目標として妥当か
110%120%市場に1割上乗せ妥当な範囲
110%105%市場の伸びを下回るシェアを落とす目標
98%120%縮小市場で2割増構造の変更が要る
98%100%縮小のなかで維持実質的な成長を含む

前年比を使ってよい場面

前年比がまったく使えないわけではありません。
使えるのは、逆算で出した理論値の妥当性を確かめる場面です。

理論値が前年比の何倍にあたるかを見れば、現実味の判断ができます。
前年比150%に相当する理論値であれば、実現には構造の変更が要ります。

もう1つ使えるのが、市場の伸びと比較する場面です。
市場が110%伸びている領域で前年比105%の目標を置くなら、シェアを落とす計画であることを明示する必要があります。

明示せずに105%を置くと、達成しても事業の位置は後退しています。
この確認は、目標値を決める場で1分あれば終わります。

前年比を主たる根拠にしないという点さえ守れば、確認の道具としては有用です。
確認に使った市場の数字は、根拠の資料に出典ごと残してください。

前年実績を使うときは、実績そのものの中身も確認してください。
前期に大口の案件や一時的な施策が含まれていれば、その分は成長の基準になりません。

一時的な要因を除いた実績を基準にすると、前年比の意味が変わります。
除いた項目と金額は、根拠の資料に書き残してください。

市場の数字を参照する相手も決めておいてください。
経営や経営企画が別の出典を見ている場合、同じ議論のなかで前提が2つ並びます。

前年比は市場の変化と自社の規模を織り込めません。主たる根拠にせず、理論値の妥当性と市場との比較を確かめる道具として使ってください。

理論値で置くと、何を見落とすのか

規模が拡大したときの歩留まりの悪化を見落とします。
逆算はすべての率が現状のまま維持される前提で計算されるため、実行段階でずれます。

理論値で置くと、何を見落とすのか

逆算で出した理論値は、根拠としては前年比より強くなります。
売上目標との接続が式で示せるためです。

ただし、この計算には前提があります。
各段階の歩留まりが、規模を拡大しても変わらないという前提です。

実際には、規模が大きくなると率は下がります。
安く取れる層から順に獲得しているため、拡大する分は条件の悪い層になるからです。

リード獲得の単価は上がり、獲得したリードのCVから商談への比率は下がります。
同じCVRとCPAを維持したまま件数だけ倍にすることはできません。

営業側でも同じことが起きます。
商談数が増えれば1件あたりにかけられる時間が減り、受注率は下がります。

つまり、理論値は拡大の幅が大きいほど楽観的に出ます。
1.1倍であればほぼそのまま使えますが、2倍になると実態から離れます。

もう1つの見落としが、供給の上限です。
逆算は必要な数を出しますが、その数が市場に存在するかは計算していません。

指名検索の在庫や、対象となる企業数には上限があります。
上限を超える数を目標に置くと、達成の手段が存在しません。

理論値を実務の値に直す方法

理論値をそのまま目標にせず、2つの補正を入れてください。
歩留まりの悪化と、供給の上限です。

歩留まりの悪化は、拡大の幅に応じて率を下げて再計算します。
1.5倍に拡大するなら、商談化率を現状より1割から2割低く置いて逆算し直します。

補正後の必要件数は、補正前より増えます。
増えた分の予算まで含めて、承認の場に出してください。

供給の上限は、媒体側の推定表示回数や、対象企業の母数から確認します。
検索の在庫が足りない場合は、SNSや動画への配分が必要になり、そこでも歩留まりが変わります。

この2つの補正を入れた値が、実務で使える理論値になります。
補正を入れずに出した値を目標にすると、期初から達成できない目標を置くことになります。

補正の幅は、過去に拡大したときの実績から出すのが正確です。
前期に予算を増やした月があれば、その前後で歩留まりがどう動いたかを確認してください。

実績が無い場合は、拡大幅の半分だけ率を下げる置き方から始めます。
置いた値は仮であることを明記し、3か月後の実測で更新します。

供給の上限は、媒体の管理画面の推定値だけで判断しないでください。
推定値は入札条件の影響を受けるため、実際に確保できる量とは差が出ます。

理論値は率が維持される前提で出ています。拡大の幅に応じて歩留まりを下げ、供給の上限を確認してから目標値にしてください

2つの数字が離れたとき、どちらに寄せるのか

どちらにも寄せず、差の理由を分解してから決めます。
差が大きいこと自体が、計画のどこに無理があるかを示す情報になります。

2つの数字が離れたとき、どちらに寄せるのか

前年比で出した値と、逆算で出した理論値は、たいてい一致しません。
一致しないこと自体は問題ではありません。

問題になるのは、差を確認せずにどちらかを採用することです。
差には理由があり、その理由が計画の弱点を示しています。

理論値が前年比を大きく上回る場合、売上目標が現在の獲得力に対して過大です。
この場合の選択肢は3つあります。

1つ目は、歩留まりを上げる施策を計画に入れて、必要件数を減らすことです。
CVRや商談化率が改善すれば、同じ受注に必要なリード数は減ります。

2つ目は、予算を増やして供給を拡大することです。
増額の規模と、拡大に伴う単価の上昇を見積もって承認を取ります。

3つ目は、売上目標そのものを見直すことです。
前の2つで埋まらない差が残る場合、この選択肢しかありません。

理論値が前年比を下回る場合は、逆の意味を持ちます。
現在の獲得力で売上目標を超えられるため、目標が保守的である可能性があります。

差を埋める配分を期初に決める

差の理由を分解したら、埋め方の配分を決めます。
歩留まりで何割、供給で何割、目標の見直しで何割という形です。

数字は説明のための仮の値です。
理論値が前年比140%相当で、現実的な上限が120%だとします。

差の20ポイントのうち、歩留まりの改善で8ポイント、予算の増額で7ポイント、目標の見直しで5ポイントという配分を置きます。
この配分が決まっていれば、期中に歩留まりが改善しなかったときに何が起きるかも計算できます。

配分を決めずに目標だけを置くと、期中の未達がすべて実行の問題として扱われます。
配分があれば、どの前提が外れたのかを特定できます。

配分の決定には、予算を承認する立場の同席が要ります。
予算の増額分が含まれているためです。

分解の作業には、営業側の見通しも入れてください。
歩留まりの改善のうち、受注率で埋められる分は営業側の施策になります。

マーケティング側だけで配分を決めると、埋められない分まで獲得で埋める計画になります。
その計画は、期中に予算の追加要求として表に出ます。

配分の結果は、期初の資料に数字で残してください。
残していないと、期中の未達がどの配分の未達なのかを特定できません。

差はどちらかに寄せるのではなく分解します。歩留まり、供給、目標の見直しで何割ずつ埋めるかを期初に配分してください

市場の伸びは、目標値にどう織り込むのか

目標値そのものではなく、妥当性の確認に使います。
市場の伸び率を自社の目標から差し引くと、実質的にシェアをどう動かす計画かが分かります。

市場の伸びは、目標値にどう織り込むのか

市場の数字を目標値に直接足す方法は、精度が出ません。
市場全体の伸びが、自社の対象領域の伸びと一致しないためです。

使い方としては、確認の道具にするのが実務的です。
自社の目標の伸び率から市場の伸び率を引いた差が、シェアの変化分になります。

電通デジタルが2026年3月5日に公表した「2025年 インターネット広告媒体費 詳細分析」では、媒体費が3兆3,093億円で前年比111.8%でした。
このうち運用型が2兆9,352億円で構成比88.7%を占めています。

ビデオ広告は1兆275億円で前年比121.8%、構成比は30%となり初めて1兆円を超えました。
ソーシャル広告は1兆3,067億円で構成比39.5%です。

同じ運用型のなかでも、ビデオの伸びが全体を上回っています。
自社の配分がどの領域に寄っているかで、市場の追い風の強さが変わります。

自社の獲得の大半がソーシャル広告であれば、参照すべきはソーシャルの伸びです。
全体の111.8%を基準にすると、領域固有の動きを見落とします。

市場の数字を目標値の確認に使う手順

順番やること使う数字確認できること
1自社の獲得の媒体別構成比を出す自社の実績どの領域の伸びを参照すべきか
2該当領域の市場の伸び率を確認する公表された前年比追い風か向かい風か
3自社の目標の伸び率から差し引く自社目標 − 市場シェアをどう動かす計画か
4差がマイナスなら計画に明記する差の値後退を許容するかの判断

予算計画の外部データをどう使うか

市場の伸びのほかに、他社の予算動向も確認の材料になります。
Comexposium Japanが2025年12月5日から19日に実施した調査では、2026年の予算を増やす企業が38.5%で前年から6.2ポイント増え、横ばいが50.5%でした。

Macbee Planetが2025年12月5日から12日に実施した調査では、予算を増やす企業はBtoCで61.3%、BtoBで52.3%でした。
削減の対象としては、BtoCで「イベント・展示会・セミナー」が42.9%、「CRM・リテンション」が40.7%が上位に挙がっています。

半数前後が予算を増やす局面では、同じ枠への入札が増えます。
入札が増えれば獲得単価は上がり、同じ予算で取れる件数は減ります。

この見通しを目標値の前提に入れておくと、期中の単価上昇が想定内になります。
入れていないと、単価の上昇が施策の失敗として扱われます。

外部の数字は、出典と調査時期を添えて根拠の資料に残してください。
翌期に更新値が出たときに、差分だけで前提を置き直せます。

参照する外部データは、年に一度の更新で足ります。
四半期ごとに差し替えると、前提の変更が頻発して目標の根拠が追えなくなります。

更新のタイミングは、期初の設計の直前に合わせてください。
期中に新しい数字が出ても、前提の置き直しは四半期の点検の場で扱います。

自社の配分が期中に変われば、参照すべき領域も変わります。
配分を大きく動かした四半期には、参照先の見直しも合わせて行ってください。

市場の数字は目標に足すのではなく、シェアの変化を確認する道具にします。参照するのは全体ではなく、自社の配分に対応する領域の伸びです。

目標値に幅を持たせてよいのは、どんなときか

予測として扱う場合は幅を持たせ、評価の基準にする場合は単一の値にします。
同じ資料で2つの役割を兼ねさせると、未達の判定ができなくなります。

目標値に幅を持たせてよいのは、どんなときか

目標値に幅を持たせたいという要望は、期初によく出ます。
前提の不確実性が高いときほど、単一の値を置きにくくなるためです。

ここで区別すべきなのが、目標と予測です。
目標は達成の判定に使う基準で、予測はこれから何が起きるかの見通しです。

予測には幅を持たせるべきです。
前提が動く範囲を示しておけば、期中の判断が早くなります。

目標には幅を持たせられません。
上限と下限があると、達成の判定が下限で行われます。

実務では、この2つを別の数字として並べます。
目標は単一の値、予測は上下の幅という形です。

予測の幅は、主要な前提の変動から出します。
商談化率と受注率がそれぞれ1割上下したときの受注件数が、幅の上下になります。

この幅を期初に示しておくと、期中の報告が幅のどこにいるかの説明で済みます。
幅の外に出たときだけ、前提の置き直しの議論に入ります。

新規事業や新規媒体の立ち上げ期の扱い

前提の実績がまったく無い場合は、目標を置く根拠がありません。
新規事業の初年度や、初めて使う媒体がこれにあたります。

この場合は、目標ではなく検証の条件を置いてください。
3か月で何件のデータが集まれば判断できるか、という形です。

判断の時点で、初めて目標値を置きます。
根拠の無い目標を最初に置くと、達成も未達も意味を持ちません。

検証期間中の評価は、目標との比較ではなく、判断に必要なデータが集まっているかで行います。
この扱いを期初に決めておくと、立ち上げ期の報告が楽になります。

検証期間の長さは、リードタイムの2倍が目安になります。
リードから受注まで2か月なら、4か月で最初の判断ができます。

幅の広さそのものも、情報として使えます。
幅が広いということは、前提の確からしさが低いという意味になります。

幅が広い場合は、前提を確かめる工程を期の前半に置いてください。
確かめる前に予算を大きく投じると、外れたときの修正幅が大きくなります。

目標は単一の値、予測は幅という形で分けて並べます。前提の実績が無い立ち上げ期は、目標ではなく検証の条件を置いてください。

未達のときの扱いは、いつ決めておくのか

目標値を合意する場で、同時に決めます。
未達になってから扱いを議論すると、目標を下げる交渉になり、基準そのものが機能しなくなります。

未達のときの扱いは、いつ決めておくのか

未達の扱いを決めていない組織では、未達の報告が毎回同じ形になります。
原因の説明があり、来月頑張るという結びで終わります。

決めておくのは、未達の幅に応じた対応です。
1割以内の未達と、3割の未達では、必要な対応が違います。

1割以内であれば、残りの期間の配分調整で埋まる範囲です。
この場合は、埋める計画を示すところまでが対応になります。

2割から3割の未達であれば、前提のどこかが外れています。
外れた前提を特定し、置き直した前提での着地見込みを出します。

5割を超える未達は、計画そのものが成立していません。
この場合は、目標の見直しを含めた判断を決裁者に求めます。

この段階わけを期初に決めておくと、未達の報告が判断の場になります。
決めていないと、報告と釈明の場になります。

あわせて決めるのが、目標を変えてよい条件です。
事業方針の変更や市場の急変に限定し、実行の遅れは理由に含めません。

目標を下げる判断を誰がするか

目標を下げる判断は、マーケティング部門では行いません。
事業計画から降ろした数字であるため、変えるには計画の側を変える必要があります。

判断するのは、売上目標を承認した立場です。
その人が同席しない場で下げた目標は、翌月に戻されます。

下げる場合は、下げた理由と、下げたことによる売上見込みの変化を記録します。
記録が無いと、翌期の目標設定で同じ前提が使われます。

下げずに据え置く判断をした場合も、記録は同じように残してください。
据え置いた根拠が、残りの期間の施策の前提になります。

未達の扱いに関する記録は、目標値の根拠と同じ資料に追記します。
別の資料に書くと、翌期の設計時に両方を探すことになります。

段階の区切りは、事業によって変えて構いません。
受注件数が少ない事業では、1割の未達が1件の差であることもあります。

その場合は、率ではなく件数で段階を区切ってください。
率で区切ると、母数の小さい指標で毎月段階が変わります。

段階ごとの対応は、報告の様式にも反映させてください。
どの段階に該当するかを冒頭に書く形にすると、会議の入り方が毎回そろいます。

未達の扱いは目標値と同じ場で決めます。幅に応じた対応を段階で決めておくと、未達の報告が釈明ではなく判断の場になります。

目標値の置き直しは、どの順で進めればいいのか

前年実績と理論値の両方を出すところからです。
片方だけで進めると、差の理由を分解する工程が抜け、根拠のない値が残ります。

目標値の置き直しは、どの順で進めればいいのか

置き直しの作業は、値を決めることより、根拠を作ることに時間を使います。
値そのものは、根拠がそろえば計算で出ます。

最初にやるのは、前年実績の整理です。
各指標の前期の実績を、経路別と月別に並べます。

次に、事業計画から理論値を逆算します。
この2つがそろって初めて、差の分解に進めます。

目標値を決め直す工程

順番やること関わる人期間の目安
1前期の実績を経路別と月別に並べるマーケティング1週間
2事業計画から理論値を逆算するマーケ・営業1週間
3拡大幅に応じて歩留まりを補正して再計算するマーケティング1週間
4自社の配分に対応する市場の伸びを確認するマーケティング1週間
5差を歩留まり、供給、目標の見直しで配分する3者2週間
6未達時の段階別の対応を決めて記録に残す3者1週間

数字は説明のための仮の値です。
前期の有効リードが年1,200件で、逆算で出た理論値が1,700件だとします。

理論値は前期比142%に相当しますが、1.4倍に拡大すれば商談化率は下がります。
商談化率を1割低く補正して再計算すると、必要な有効リードは1,890件になります。

前期比では158%となり、現実的な上限が130%であれば差は28ポイントです。
この差を、歩留まりの改善で10ポイント、予算の増額で10ポイント、目標の見直しで8ポイントというように配分します。

配分が決まったら、それぞれの担当と期限を付けます。
歩留まりの改善はマーケティング、予算の増額は決裁者、目標の見直しは経営という分担になります。

目標値の妥当性を点検する数字

数字見る頻度見るときの観点
歩留まりの実測値毎月補正後の前提から離れていないか
獲得単価毎月拡大に伴う上昇が想定の範囲か
月次の進捗率毎月未達の幅がどの段階に該当するか
市場の伸びの更新値四半期参照した領域の前提が変わっていないか
理論値と実績の差四半期配分のどこが埋まっていないか

週次で見るのは件数の進捗だけにしてください。
歩留まりや単価を週次で判断すると、偶然の振れを前提の変化と取り違えます。

根拠の資料は、期初の承認の場に添付したものをそのまま更新していきます。
新しく作り直すと、前提がいつどう変わったかの履歴が消えます。

この6工程は、着手から記録の確定まで7週間前後が目安になります。
期初に間に合わせるには、前の期の第4四半期の初めに着手してください。

置き直しは前年実績と理論値の両方を出すところからです。歩留まりを補正し、差を3つの経路に配分してから、未達時の対応まで記録してください

KPIの目標値をどう決めるべきか分からない場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
目標設定の進め方ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

前年比と理論値のどちらを使うべきですか

両方を出してください。前年比は市場の変化と自社の規模を織り込めず、理論値は歩留まりが維持される前提で出ています。2つの差を歩留まりの改善、供給の拡大、目標の見直しの3つに配分するところまでが、目標値を決める工程です。

前年比120%という目標に根拠はありますか

単独では根拠になりません。市場が110%伸びている領域の120%は市場に1割上乗せする目標ですが、市場が98%の領域では2割伸ばす目標になります。前年比は理論値の妥当性と市場との比較を確かめる道具として使ってください。

逆算で出た理論値をそのまま目標にしていいですか

2つの補正を入れてから使ってください。拡大の幅に応じて歩留まりを下げて再計算することと、供給の上限を確認することです。1.1倍程度ならほぼそのまま使えますが、2倍になると実態から離れ、期初から達成できない目標になります。

目標値に幅を持たせてもいいですか

予測には幅を持たせ、目標は単一の値にしてください。上限と下限があると、達成の判定が下限で行われます。主要な率が1割上下したときの受注件数を予測の幅として別に並べ、幅の外に出たときだけ前提の置き直しを議論します。

未達になったら目標を下げてもいいですか

下げる判断は売上目標を承認した立場が行います。事業方針の変更や市場の急変に限定し、実行の遅れは理由に含めません。未達の幅に応じた対応を期初に段階で決めておくと、報告が釈明ではなく判断の場になります。

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  • オンライン30〜45
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まとめ

  • 根拠を残す手順が決まっていないからです。どの数字をどう置いたかを記録しない運用が続くと、翌期には値だけが引き継がれます
  • 市場の変化と、自社の規模の変化を見落とします。同じ前年比120%でも、市場が伸びている年と縮んでいる年では難易度がまったく違います
  • 規模が拡大したときの歩留まりの悪化を見落とします。逆算はすべての率が現状のまま維持される前提で計算されるため、実行段階でずれます
  • どちらにも寄せず、差の理由を分解してから決めます。差が大きいこと自体が、計画のどこに無理があるかを示す情報になります
  • 目標値そのものではなく、妥当性の確認に使います。市場の伸び率を自社の目標から差し引くと、実質的にシェアをどう動かす計画かが分かります
  • 予測として扱う場合は幅を持たせ、評価の基準にする場合は単一の値にします。同じ資料で2つの役割を兼ねさせると、未達の判定ができなくなります
  • 目標値を合意する場で、同時に決めます。未達になってから扱いを議論すると、目標を下げる交渉になり、基準そのものが機能しなくなります
  • 前年実績と理論値の両方を出すところからです。片方だけで進めると、差の理由を分解する工程が抜け、根拠のない値が残ります