
数字そのものではなく、その数字が事業にどう効いたのかが分かりません。
指標の増減だけを並べた報告は、予算を続けるかどうかの判断材料になりません。
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目次
目次
- 経営は、マーケティングの報告の何が分からないのか
- 報告の目的を、実行の説明から判断の材料に変える
- 成果を説明するとは、何を説明することなのか
- 前提を添えると、未達の説明も変わる
- KPIと売上の接続は、どう1枚で示すのか
- 確定した売上と、見込みの両方を並べる
- 売上に換算できない成果は、報告でどう扱うのか
- 換算しない成果を、予算の議論にどう使うか
- 未達になったときの説明は、いつ用意しておくのか
- 未達のときに、何を決める場にするか
- 役職によって、聞きたいことはどう違うのか
- 資料を分けるか、順番で分けるか
- 代理店に任せている範囲は、誰が説明するのか
- 委託先に求める資料と、社内で作る資料を分ける
- 経営への報告は、どこから組み替えればいいのか
- よくある質問
- まとめ
数字そのものではなく、その数字が事業にどう効いたのかが分かりません。
指標の増減だけを並べた報告は、予算を続けるかどうかの判断材料になりません。
経営は、マーケティングの報告の何が分からないのか
数字そのものではなく、その数字が事業にどう効いたのかが分かりません。
指標の増減だけを並べた報告は、予算を続けるかどうかの判断材料になりません。
マーケティングの月次報告は、指標の一覧で構成されていることが多くなります。
表示回数、クリック数、CV数、CPA。
この並びは、施策の実行状況を説明するには適しています。
一方で、経営が判断したいのは実行状況ではありません。
経営が判断したいのは、この費用を来期も続けるかどうかです。
続けるかどうかを決めるには、費用と売上の関係が見えている必要があります。
指標の一覧には、この関係が入っていません。
CVが前月比で2割増えたという情報だけでは、売上がいくら増えたのかが分からないためです。
そのため、報告のあとに必ず同じ質問が出ます。
それで売上はいくら増えたのか、という質問です。
この質問に即答できないと、次に出るのは費用の妥当性の議論になります。
Testifyが2026年5月に実施した調査では、代理店への不満として経営層の56.3%が「費用が成果に見合わない」を挙げていました。
この不満は、成果が出ていないことだけを意味しません。
成果と費用の関係が説明されていないことも、同じ不満の形をとります。
もう1つ分かりにくいのが、時間差です。
広告の費用は当月に発生し、受注は数か月後に立ちます。
同じ月の費用と売上を並べると、費用だけが先に見えます。
この時間差を説明しないまま月次で並べると、毎月「費用に対して成果が薄い」という印象が積み上がります。
報告の目的を、実行の説明から判断の材料に変える
報告の内容を変える前に、報告の目的を確認してください。
実行を説明する報告と、判断の材料になる報告では、載せる数字が違います。
実行の説明であれば、施策ごとの数字が要ります。
どの媒体でいくら使い、どれだけの反応があったかという情報です。
判断の材料であれば、必要なのは事業への接続と時間差です。
獲得したリードが、いつどれだけの売上になる見込みかという情報になります。
この2つを1つの資料に混ぜると、どちらの目的も満たせません。
実務では、判断用の1枚を先頭に置き、実行の詳細は後ろにまとめる構成が機能します。
分けることで、経営が見る時間も短くなります。
先頭の1枚で判断ができれば、詳細は必要なときだけ参照されます。
市場全体の伸びを知っている経営層ほど、この確認は厳しくなります。
電通が2026年3月5日に発表した「2025年 日本の広告費」では、総広告費が8兆623億円で前年比105.1%、インターネット広告費は4兆459億円で前年比110.8%でした。
市場が1割伸びている局面では、前年並みの成果は実質的な後退として読まれます。
前年比だけを並べた報告が通りにくくなっているのは、この背景があるためです。
経営が分からないのは数字ではなく、費用と売上の関係と時間差です。実行の説明と判断の材料を1枚の中で分けてください。
成果を説明するとは、何を説明することなのか
使った費用、得られた成果、そして両者をつなぐ前提の3つを説明することです。
どれか1つが欠けると、報告は判断の材料になりません。
成果の説明に必要な要素は3つです。
費用、成果、そして前提です。
費用は、広告の媒体費だけではありません。
代理店の手数料、制作費、ツールの利用料を含めた金額が、事業から見た費用です。
媒体費だけで報告すると、経営側が持っている費用の数字と合いません。
数字が合わないこと自体が、報告への不信につながります。
成果は、リード件数ではなく、その先の商談数と受注見込み額で示します。
リード件数だけでは、事業にいくら効いたかが分かりません。
前提は、リードから受注までの歩留まりです。
この前提があって初めて、リード件数から売上見込みが計算できます。
3つのうち最も抜けやすいのが、前提です。
歩留まりを添えずに「リード100件、CPA2万円」とだけ報告すると、受け手は自分の感覚で売上を推定します。
推定が人によって違うため、同じ報告を見ても評価が分かれます。
評価が分かれた状態では、予算の議論が進みません。
前提を添えると、未達の説明も変わる
前提を添える利点は、良い月だけではありません。
未達の月に、どこがずれたかを数字で示せるようになります。
リード件数が計画どおりで受注見込みが下回ったなら、ずれたのは歩留まりです。
リード件数が下回ったなら、ずれたのは獲得の側です。
どちらがずれたかが分かれば、次の月に何をするかも同時に説明できます。
説明と打ち手が同じ資料の中で完結します。
前提を添えていない報告では、未達の説明が定性的になります。
競合が増えた、市場が冷えたといった説明は、判断の材料になりません。
Testifyの同じ調査では、マーケティング責任者の53.1%が「成果不振の説明不足」を不満に挙げていました。
説明不足の実態は、言葉の量ではなく、前提の不在であることが多くなります。
前提の数字は、マーケティング部門だけでは用意できません。
受注率と平均受注単価は営業側のデータから出るため、月次の締めの工程に組み込む必要があります。
組み込む方法は、営業の月次締めの翌営業日に数字を受け取る形が基本です。
受け取りの日を決めていないと、報告の直前に依頼することになり、毎月の作業が不安定になります。
説明に要るのは費用と成果と前提の3つです。歩留まりという前提を添えると、未達の月も数字で説明できるようになります。
KPIと売上の接続は、どう1枚で示すのか
リード件数に歩留まりを順に掛けて、受注見込み額まで1本の式で降ろします。
途中の率を明示しておくと、どこが動いたときに売上が何円変わるかがその場で分かります。
接続を示す方法は単純です。
逆算とは逆向きに、獲得した件数へ歩留まりを掛けていきます。
数字は説明のための仮の値です。
当月に獲得した有効リードが150件、商談化率が18%なら、見込まれる商談は27件です。
受注率が20%なら受注は5.4件、平均受注単価が500万円なら受注見込み額は2,700万円になります。
この金額が、当月の活動が生む売上の見込みです。
同じ月の費用が400万円であれば、費用と見込み額の比率は約6.75倍です。
この比率を毎月並べると、投資としての効率の推移が見えます。
獲得件数から受注見込み額までの換算
| 段階 | 当月の数 | 掛ける率 | 次の段階の数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 有効リード | 150件 | 商談化率18% | 商談27件 | 前提は直近12か月の実績 |
| 商談 | 27件 | 受注率20% | 受注5.4件 | 広告経由のみの率を使う |
| 受注 | 5.4件 | 平均受注単価500万円 | 2,700万円 | 大口案件は別枠で管理 |
| 費用 | 400万円 | — | — | 媒体費と手数料と制作費の合計 |
この表で押さえるのは、掛けている率が実績値であることです。
率を楽観的に置くと、見込み額が積み上がり、後日の実績との差が説明できなくなります。
もう1つ押さえるのが、受注見込み額はまだ売上ではないという点です。
資料の中で、見込みと確定を明確に分けてください。
分けずに並べると、見込み額が売上として扱われ、四半期末に差額の説明を求められます。
見込みと確定を別の行にしておけば、差額は最初から想定の範囲になります。
確定した売上と、見込みの両方を並べる
実務では、2つの数字を並べる形が機能します。
当月に確定した広告経由の受注額と、当月の活動から見込まれる受注額です。
確定した受注額は、数か月前の活動の結果です。
見込み額は、これから数か月後に立つ売上です。
この2つを並べると、時間差が資料の上で可視化されます。
当月の費用と当月の確定売上を並べただけの資料より、判断の材料として使えます。
確定額を出すには、受注案件の初回接触経路が記録されている必要があります。
記録が無い場合は、まず経路の記録から着手してください。
記録が始まるまでの間は、見込み額だけで報告することになります。
その場合は、見込みであることを毎回明記します。
換算に使う率は、四半期に一度だけ更新してください。
毎月更新すると、見込み額の変動が率の変更によるものか件数によるものか分からなくなります。
更新した月は、資料に率を変更した旨を1行で残します。
残していないと、翌四半期に見込み額の推移を説明できません。
獲得件数に歩留まりを掛けて受注見込み額まで降ろします。確定した受注額と見込み額を別の行に並べ、時間差を資料の上で見えるようにしてください。
売上に換算できない成果は、報告でどう扱うのか
換算しようとせず、判断に効く形の数字として別枠で出します。
指名検索の増加や商談の質の変化は、売上への寄与を推定するより、推移そのものを示すほうが伝わります。
マーケティングの活動には、売上への経路が直接つながらないものがあります。
認知の獲得、指名検索の増加、既存顧客との関係維持がこれにあたります。
これらを無理に売上へ換算すると、推定の仮定が積み上がります。
仮定が多い数字は、聞き手に検算されて信頼を失います。
換算しない代わりに、判断に効く形の数字で出してください。
指名検索であれば、指名キーワードの検索回数と、そこからのCV件数の推移です。
この2つが伸びていれば、認知の施策が効いている根拠になります。
売上換算はせず、推移と、その伸びが新規獲得の単価に与えた影響を添えます。
単価への影響は説明しやすい経路です。
指名経由のCVは単価が低いため、指名の比率が上がれば全体の獲得単価は下がります。
商談の質の変化も、同じ扱いができます。
商談1件あたりの提案金額や、受注率の推移を並べる形です。
換算しない成果を報告に載せるときは、載せる理由を先に書いてください。
理由が無いまま数字だけが増えると、資料が長くなるだけになります。
換算しない成果を、予算の議論にどう使うか
換算しない成果は、予算の増減の判断には直接使えません。
使えるのは、配分の議論です。
指名の伸びが確認できていれば、認知向けの配分を維持する根拠になります。
伸びていなければ、その配分を獲得向けに移す判断ができます。
判断の単位を四半期にすると、この議論は成立します。
月次で見ると、指名検索の推移は季節や広報の影響で振れます。
Macbee Planetが2025年12月に実施した調査では、削減の対象としてBtoCでは「イベント・展示会・セミナー」が42.9%、「CRM・リテンション」が40.7%で上位に挙がっていました。
売上への経路が直接見えにくい項目から削られる傾向は、報告の設計とも無関係ではありません。
換算できない成果ほど、推移を継続して見せる必要があります。
見せ続けていない項目は、予算を絞る局面で最初に候補になります。
予算の配分を議論する場では、削減の候補も同時に出してください。
候補を出さないまま維持を主張すると、判断の材料が片側だけになります。
出す候補は、推移が伸びていない項目です。
伸びていない理由を添えたうえで、続けるか止めるかを経営に選んでもらう形にします。
判断の場に持ち込む頻度も決めておきます。
四半期に一度、配分の見直しを議題にする形が、実務では回りやすい間隔です。
換算できない成果は推定せず、推移と獲得単価への影響で示します。判断に使うのは予算の増減ではなく、四半期単位の配分です。
未達になったときの説明は、いつ用意しておくのか
期初に用意します。
どの前提が何ポイント下振れると未達になるかを、目標を合意する場で同時に共有しておきます。
未達の説明を未達になってから考えると、説明は後付けになります。
後付けの説明は、聞き手に言い訳として受け取られます。
期初に用意しておくのは、前提の感度です。
どの率が何ポイント動くと、受注見込みがいくら変わるかという情報になります。
数字は説明のための仮の値です。
商談化率を18%と置いた計画で、実績が16%になったとします。
同じリード件数でも商談は27件から24件に減り、受注は5.4件から4.8件になります。
受注見込み額は2,700万円から2,400万円に下がります。
この計算を期初に出しておけば、未達が起きたときの説明は数字の当てはめで済みます。
新たに原因を探す作業が発生しません。
感度を出す項目は3つで足ります。
商談化率、受注率、平均受注単価です。
この3つがそれぞれ1割下振れたときの受注見込み額を、期初の資料に併記してください。
併記があると、目標そのものの確からしさも同時に共有できます。
未達のときに、何を決める場にするか
未達の報告は、原因の共有だけで終わらせないでください。
次に決めるのは、目標を据え置くか、前提を置き直すか、予算を追加するかの3択です。
目標を据え置く場合は、残りの期間で不足分をどう埋めるかを示します。
埋める手段が無い状態で据え置くと、翌月も同じ報告になります。
前提を置き直す場合は、置き直した理由と、それに伴う必要リード数の変化を示します。
前提の変更は目標の変更ではないため、評価の基準は動きません。
予算を追加する場合は、追加額と、それで埋まる受注見込み額を並べます。
この比較が無いと、追加の判断ができません。
3択のどれを選ぶかは、マーケティング部門では決まりません。
決める人が同席する場に、この3つを並べて持ち込んでください。
感度の計算は、表計算ソフト上で率を入れ替えるだけで済みます。
期初に1回作れば、期中は数字を差し替えるだけで使い続けられます。
作った資料は、目標を合意する場でそのまま配ってください。
配っておくと、未達の報告のときに前提が共有済みの状態から始められます。
未達の説明は期初に用意します。主要な3つの率が1割下振れたときの受注見込み額を併記し、未達時は据え置きか前提の置き直しか予算追加かを決める場にしてください。
役職によって、聞きたいことはどう違うのか
経営層は費用と成果の関係を、マーケティング責任者は数字が動かなかった理由を知りたがります。
同じ資料で両方を満たそうとすると、どちらにも届かない報告になります。
報告の相手は1人ではありません。
同じ会議に、経営層とマーケティング責任者と現場が同席することもあります。
それぞれが知りたいことは違います。
Testifyの調査では、代理店への不満の内容が役職で明確に分かれていました。
経営層は「費用が成果に見合わない」が56.3%です。
マーケティング責任者は「成果不振の説明不足」が53.1%、運用担当は「レスポンスが遅い」が50.8%でした。
この分布は、それぞれが何を見ているかを示しています。
経営層は費用対効果、責任者は原因の説明、現場は対応の速さです。
報告の資料は、この順で構成すると届きます。
先頭に費用と受注見込み額、次に前提と差分の説明、最後に施策ごとの詳細という並びです。
先頭を施策の詳細から始めると、経営層は最後まで読みません。
読まれない資料は、作成の時間がそのまま無駄になります。
役職ごとの関心と、用意する材料
| 相手 | 知りたいこと | 資料で先に出すもの | 出さなくてよいもの |
|---|---|---|---|
| 経営層 | 費用を続ける価値があるか | 費用と受注見込み額の比率 | 媒体ごとの配信設定 |
| マーケティング責任者 | 想定とどこがずれたか | 前提の率と実績の差分 | クリエイティブの詳細 |
| 営業責任者 | 渡されるリードがどう変わるか | CV種別と件数の構成 | 広告費の内訳 |
| 現場の運用担当 | 次に何を変えるか | 施策ごとの数字と変更履歴 | 事業計画の全体像 |
資料を分けるか、順番で分けるか
相手ごとに資料を作り分ける方法もありますが、運用の負荷が高くなります。
毎月3種類を作ると、作成に時間がかかり、内容の整合も崩れます。
現実的なのは、1つの資料を順番で分ける方法です。
先頭の1枚を経営層向け、次の2枚を責任者向け、残りを現場向けにします。
この構成にすると、会議での説明時間も配分できます。
先頭の1枚に10分、残りは質問があったときだけ参照する形です。
もう1つの利点は、資料が蓄積されることです。
毎月同じ構成であれば、四半期末に先頭の1枚を並べるだけで推移の資料になります。
構成を頻繁に変えると、この蓄積が効かなくなります。
構成は期初に決めて、期中は変えないでください。
会議に出席しない相手に資料が回る場合もあります。
その場合は、先頭の1枚だけで意味が通るように、前提の率を同じ枚に小さく添えてください。
添えていないと、資料だけを見た人が独自に売上を推定します。
推定が独り歩きすると、後日の説明がその推定との差の説明になります。
経営層は費用対効果、責任者は差分の説明、現場は次の変更を見ています。資料は作り分けず、順番で分けて期中は構成を変えないでください。
代理店に任せている範囲は、誰が説明するのか
社内のマーケティング責任者が説明します。
代理店のレポートをそのまま経営に回すと、事業の数字への接続が欠けたまま報告されます。
広告運用を代理店に委託している企業は多数を占めます。
Testifyの調査では、回答者の9割超が代理店を活用しており、全面委託が37.2%、社内運用との併用が54.4%でした。
このとき、代理店のレポートをそのまま経営に回す運用が見られます。
効率は良いのですが、報告としては成立しません。
代理店のレポートは、媒体費に対する媒体上の成果を説明する資料です。
歩留まりと受注単価は社内にしかないため、事業への接続は代理店の側では作れません。
つまり、接続の部分は社内でしか書けません。
ここを社内が書かないかぎり、経営からの質問には答えられないままになります。
社内が担うのは、3つです。
費用に手数料と制作費を足すこと、リード件数に歩留まりを掛けること、そして前提の変化を記録することです。
この3つは、代理店のレポートが出てから1時間程度の作業で済みます。
作業の時間より、誰がやるかが決まっていないことのほうが多くなります。
決めておくのは、担当者と、代理店のレポートが届く日付と、社内の会議日の関係です。
レポートが会議の前日に届く運用では、接続の作業が入りません。
委託先に求める資料と、社内で作る資料を分ける
代理店に求めるのは、媒体ごとの費用と件数、そして配信内容の変更履歴です。
変更履歴は、数字が動いた理由を社内で判断するために要ります。
社内で作るのは、事業への接続と、前提との差分です。
この分担を契約時に決めておくと、月次の作業が安定します。
分担が曖昧なまま始まると、接続の作業が誰の担当にもなりません。
その結果として、経営には媒体上の数字だけが届きます。
インハウス化を検討している場合も、この分担が判断材料になります。
同じ調査では、全面委託の企業の8割超が1年以内のインハウス化を計画または検討しており、決定・予定が52.9%、積極検討が32.8%でした。
移行の障壁としては、教育時間・知見不足が44.8%、媒体アップデートへの追随困難が40.3%が挙がっています。
接続の作業を社内で続けていれば、移行時に引き継ぐのは運用の技術だけで済みます。
社内に担当を置けない場合は、接続の作業を委託先に依頼する選択もあります。
その場合は、歩留まりと受注単価を渡すことが前提になります。
渡せない事情があるなら、接続は社内で行うしかありません。
どちらにするかを契約前に決めておかないと、月次の報告が毎回遅れます。
事業への接続は社内でしか書けません。代理店には費用と件数と変更履歴を求め、歩留まりを掛ける作業は社内の担当と期日を決めてください。
経営への報告は、どこから組み替えればいいのか
現在の報告に費用と受注見込み額が入っているかの確認からです。
入っていなければ、歩留まりを掛ける作業を月次の工程に組み込むところから始めます。
組み替えは、資料の体裁からではなく、載せる数字の確認から始めます。
体裁を先に変えても、載る数字が同じであれば読み手の判断は変わりません。
最初に確認するのは、現在の報告に手数料と制作費を含めた費用が載っているかです。
媒体費だけであれば、経営が持つ費用の数字と合いません。
次に確認するのが、受注見込み額が載っているかです。
載っていない場合、歩留まりの数字を用意するところから着手します。
経営向け報告を組み替える工程
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 費用の定義を手数料と制作費を含む形に統一する | マーケ・経理 | 1週間 |
| 2 | 広告経由の歩留まりを直近12か月から出す | マーケ・営業 | 2週間 |
| 3 | 獲得件数から受注見込み額までの換算表を作る | マーケティング | 1週間 |
| 4 | 主要な率が1割下振れたときの影響を併記する | マーケティング | 1週間 |
| 5 | 先頭1枚を経営層向けに構成し直す | マーケ責任者 | 1週間 |
| 6 | 代理店の資料と社内の作業の分担を決める | マーケ・代理店 | 2週間 |
数字は説明のための仮の値です。
当月費用400万円、有効リード150件、商談化率18%、受注率20%、平均受注単価500万円とします。
このとき受注見込み額は2,700万円で、費用に対する比率は約6.75倍になります。
同じ資料に、確定した広告経由の受注額を別の行で並べます。
前月の見込みと当月の確定を並べると、見込みの精度も同時に検証できます。
検証を続けると、歩留まりの前提が実態に寄っていきます。
報告の構成が固まったら、期中は変えないでください。
構成が変わると、前月との比較ができなくなります。
経営向けの報告に載せ続ける数字
| 数字 | 見る頻度 | 見るときの観点 |
|---|---|---|
| 手数料と制作費を含む費用 | 毎月 | 経理側の数字と一致しているか |
| 有効リード件数 | 毎月 | 計画の月次目標に届いているか |
| 受注見込み額 | 毎月 | 費用に対する比率が維持されているか |
| 確定した広告経由の受注額 | 毎月 | 前月までの見込みとの差はどの程度か |
| 前提の率と実績の差分 | 毎月 | どの率が期初の想定から離れたか |
| 指名検索の推移 | 四半期 | 換算しない成果が伸びているか |
週次の報告を経営に出す必要はありません。
週次で動く数字は件数だけで、判断の材料になる数字は月次でしか確定しないためです。
構成と定義は文書に残し、担当者が交代しても同じ資料が作れる状態にしてください。
報告の様式が人に紐づいていると、交代のたびに経営との共通言語が失われます。
この6工程は、着手から新しい構成での初回報告まで8週間前後が目安になります。
歩留まりが出せない組織では、2の工程で記録の整備が必要になり、さらに時間がかかります。
組み替えは費用の定義と歩留まりの用意から始めます。先頭1枚に費用と受注見込み額を置き、期中は構成を変えないでください。
マーケティングの成果を経営にどう説明すべきか分からない場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
報告の仕組みごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
経営への報告には何を載せればいいですか
手数料と制作費を含めた費用、獲得件数から歩留まりを掛けて出した受注見込み額、そして確定した広告経由の受注額の3つです。指標の増減だけを並べても、予算を続けるかどうかの判断材料になりません。前提に使った率も同じ資料に明記してください。
指名検索や認知の成果はどう報告しますか
売上に換算せず、推移と獲得単価への影響で示します。仮定を重ねた換算は検算されて信頼を失います。指名キーワードの検索回数とそこからのCV件数を四半期単位で並べ、指名比率の上昇が全体の獲得単価をどれだけ下げたかを添えてください。
未達のときの説明が毎回苦しくなります
説明を期初に用意していないためです。商談化率、受注率、平均受注単価がそれぞれ1割下振れたときの受注見込み額を、目標を合意する場で併記してください。未達時は数字の当てはめで説明が済み、据え置きか前提の置き直しか予算追加かを決める場になります。
経営層とマーケ責任者で説明を分けるべきですか
資料を作り分けるのではなく、順番で分けてください。先頭1枚に費用と受注見込み額、次に前提と実績の差分、最後に施策ごとの詳細という構成です。経営層は費用対効果、責任者は差分の説明を見ており、先頭を詳細から始めると読まれません。
代理店に任せている部分の成果はどう説明しますか
説明するのは社内のマーケティング責任者です。歩留まりと受注単価は社内にしかないため、事業への接続は代理店側では作れません。代理店には費用と件数と配信内容の変更履歴を求め、歩留まりを掛ける作業の担当と期日を社内で決めてください。
まとめ
- 数字そのものではなく、その数字が事業にどう効いたのかが分かりません。指標の増減だけを並べた報告は、予算を続けるかどうかの判断材料になりません
- 使った費用、得られた成果、そして両者をつなぐ前提の3つを説明することです。どれか1つが欠けると、報告は判断の材料になりません
- リード件数に歩留まりを順に掛けて、受注見込み額まで1本の式で降ろします。途中の率を明示しておくと、どこが動いたときに売上が何円変わるかがその場で分かります
- 換算しようとせず、判断に効く形の数字として別枠で出します。指名検索の増加や商談の質の変化は、売上への寄与を推定するより、推移そのものを示すほうが伝わります
- 期初に用意します。どの前提が何ポイント下振れると未達になるかを、目標を合意する場で同時に共有しておきます
- 経営層は費用と成果の関係を、マーケティング責任者は数字が動かなかった理由を知りたがります。同じ資料で両方を満たそうとすると、どちらにも届かない報告になります
- 社内のマーケティング責任者が説明します。代理店のレポートをそのまま経営に回すと、事業の数字への接続が欠けたまま報告されます
- 現在の報告に費用と受注見込み額が入っているかの確認からです。入っていなければ、歩留まりを掛ける作業を月次の工程に組み込むところから始めます