
長年の取引で得た信用は、既存の製品分野に結びついています。
別の領域に出ると、社名を知らない相手と向き合うことになります。
なお、TimeValue株式会社では、広告運用・クリエイティブ制作・LP改善・データ分析・AI導入までを一括で引き受けるWebマーケティング支援「KAIZEN」を提供しています。
現在、オンラインの無料マーケティング診断を毎月10社限定で実施中です。いまの数字を見ながら、どこから直すのが早いかを一緒に整理します。
今月の無料診断は残り4社です
広告からLPまで、まとめて見ます。オンラインで30分から対応しています。
目次
目次
- 既存の信用が、新しい領域では通じない
- 信用の範囲を確認する
- 需要があるかどうかを、どう確かめるか
- 作る前に確かめられること
- 新しい領域で、最初の実績をどう作るか
- 実績がないことへの対応
- 既存の製品ラインと、どこまで重ねてよいか
- 社内での衝突
- 立ち上げ期の予算を、どう確保するか
- 効率が悪いのは当然である
- 新しい領域で、情報をどう積み上げるか
- 課題の言葉で探している
- 立ち上げで、判断を誤りやすいところ
- 前提を疑う機会を作る
- 新しい商材の立ち上げは、どこから始めるか
- 対象を1つに絞る理由
- よくある質問
- まとめ
長年の取引で得た信用は、既存の製品分野に結びついています。
別の領域に出ると、社名を知らない相手と向き合うことになります。
既存の信用が、新しい領域では通じない
長年の取引で得た信用は、既存の製品分野に結びついています。
別の領域に出ると、社名を知らない相手と向き合うことになります。
新しい製品や事業を立ち上げるとき、既存の顧客基盤があることは有利に働きます。
一方で、その基盤が届かない領域では、まったくの新規と同じ条件になります。
信用の範囲を確認する
ある加工分野で長く実績のある会社が、別の分野に出るとします。
既存の業界では社名が知られていても、新しい業界では知られていません。
新しい業界の担当者にとっては、実績のない会社です。
既存顧客からの展開が効く範囲
既存顧客が、新しい製品も必要としている場合があります。
この場合は、既存の関係を使えます。
既存顧客とはまったく別の業界を狙う場合、使えません。
どちらなのかを先に判断します。
新規事業の類型と、既存の基盤の効き方
| 類型 | 対象となる顧客 | 既存の基盤が効くか | 立ち上げの難しさ |
|---|---|---|---|
| 既存顧客への新製品 | 既存 | 効く | 低い |
| 既存業界の新しい顧客層 | 近い | 一部効く | 中くらい |
| 隣接する業界への展開 | 少し離れる | 限定的 | 中くらい |
| まったく別の業界 | 遠い | 効かない | 高い |
| 最終消費者向けへの展開 | まったく別 | 効かない | 高い |
| 海外市場への展開 | 別 | 効かない | 高い |
類型によって、やることが変わる
既存顧客への新製品なら、営業が説明すれば進みます。まったく別の業界なら、認知を作るところから始まります。同じ新規事業という言葉でも、必要な期間と費用が違います。
需要があるかどうかを、どう確かめるか
製品を作ってから確かめると、やり直しに時間がかかります。
検索されている言葉と、実際の問い合わせで、作る前に確かめる方法があります。
製造業の新規事業は、開発と設備の投資が先行します。
市場の確認が後回しになりやすい構造です。
作る前に確かめられること
その課題を持つ人が、どういう言葉で情報を探しているか。
既に解決している会社があるか。
解決の方法について、どういう疑問が出ているか。
これらは、製品がなくても調べられます。
確認の方法
需要を確かめる方法
| 方法 | 分かること | かかる期間 | 費用 |
|---|---|---|---|
| 検索されている言葉の量を調べる | 関心の規模 | 1週間 | 小さい |
| その言葉で出てくる情報を読む | 競合と論点 | 2週間 | 小さい |
| 既存顧客に困りごとを聞く | 実際の課題 | 1か月 | 小さい |
| 展示会で反応を見る | 関心の有無 | 出展次第 | 中くらい |
| 説明の資料だけで反応を測る | 具体的な関心 | 1か月 | 小さい |
| 試作で少数に使ってもらう | 使えるかどうか | 数か月 | 大きい |
説明の資料だけで反応を測る
製品が完成する前に、こういうものを検討していると説明するページを作ります。
関心のある人からの問い合わせを受けます。
問い合わせが来なければ、その前提を疑う材料になります。
この方法を使う場合、まだ販売していないことを明記します。
販売していないものを販売可能であるかのように書くことはできません。
既存顧客に聞くときの注意
既存顧客は、こちらに配慮して肯定的な答えを返すことがあります。買うかどうかではなく、いま何に困っているかを聞きます。困りごとのほうが、正直な答えが返ります。
新しい領域で、最初の実績をどう作るか
実績がないことが、最初の受注を阻みます。
条件を限定した導入から始め、その結果を次の説明に使います。
製造業の購買では、実績の確認が選定の要素になります。
新しい領域では、その実績がありません。
実績がないことへの対応
自社が持っている別分野での実績を、技術的な共通点で説明します。
同じ加工技術、同じ品質管理の仕組み。
分野は違っても、技術の裏付けは示せます。
最初の1社を作る条件
最初の導入を作る方法
| 方法 | 相手にとっての利点 | 自社の負担 |
|---|---|---|
| 既存顧客の別部門から始める | 既知の相手で安心 | 通常 |
| 条件を限定した試験的な導入 | リスクが小さい | 対応の手間 |
| 評価用の提供 | 費用をかけずに試せる | 費用の負担 |
| 共同での開発 | 要望を反映できる | 開発の工数 |
| 納入後の手厚い支援 | 問題があっても解決される | 人員の確保 |
| 段階的な数量の拡大 | 小さく始められる | 採算が合いにくい |
最初の導入先を選ぶ
最初の相手は、金額ではなく次につながるかで選びます。
その業界で知られている企業。
技術的な要求が厳しく、通れば他でも通る企業。
実績の公開の許可を、契約時に取る
導入が決まってから公開の許可を求めると、断られることがあります。
条件を有利にする代わりに、公開の許可を条件に入れる交渉ができます。
公開できる範囲を、契約の段階で明確にします。
許可のない実績を公開することはできません。業界と用途だけを示す形でも、許可を取っておきます。
既存の製品ラインと、どこまで重ねてよいか
新規事業が既存事業の顧客を奪うことがあります。
どこまで重なってよいかを先に決めないと、社内で止まります。
新しい製品が、既存の製品と競合することがあります。
社内での衝突
既存事業の担当者から見ると、新規事業は自分の顧客を取る存在になります。
協力を求めても、積極的にはなりません。
この状態で進めると、社内の調整に時間が取られます。
重なりを設計する
既存事業との重なりの扱い
| 状況 | 扱い方 | 決める人 |
|---|---|---|
| 明確に別の顧客層 | 重ならないので問題ない | 不要 |
| 同じ顧客の別の用途 | 既存の担当を通す | 営業の責任者 |
| 同じ顧客の同じ用途 | 置き換えの計画を作る | 経営 |
| 価格帯が下の製品 | 既存の顧客に出さない線引き | 経営 |
| 価格帯が上の製品 | 既存からの移行を設計 | 経営 |
| 販売の経路が競合 | 経路ごとの扱いを決める | 経営 |
既存の担当を通す形にする
既存顧客への提案は、既存の営業担当を通します。
新規事業の担当が直接接触すると、関係が悪化します。
既存の担当にとっての利点を用意します。
目標の設定を分ける
新規事業の売上を既存事業の目標に含めると、既存の担当が新規に協力する動機ができます。一方で、新規事業の立ち上がりが既存の目標を圧迫する場合もあります。どちらにするかを、経営が決めます。
立ち上げ期の予算を、どう確保するか
既存事業の効率の基準で評価すると、新規事業は必ず不合格になります。
別の基準を最初に設定します。
新規事業のマーケティング予算は、既存事業と同じ基準では測れません。
効率が悪いのは当然である
認知がなく、実績がなく、検索されていない。
この状態では、獲得の単価が既存事業の数倍になります。
これを非効率と判断すると、立ち上げが止まります。
別の基準を設ける
立ち上げ期に見る基準を、項目ごとに見ていきます。
最初の6か月については、見る基準は問い合わせが来るかどうか、見ない基準は獲得単価。
6か月から1年については、見る基準は問い合わせの中身が想定と合うか、見ない基準は受注件数。
1年から2年については、見る基準は最初の受注と、その後の広がり、見ない基準は採算。
2年目以降については、見る基準は既存事業と同じ基準に近づける。
全期間については、見る基準は市場の反応と、前提の妥当性、見ない基準は短期の効率。
期間と金額を先に決める
いくらを何年かけて使うかを、開始時に決めます。
毎年の稟議にすると、成果が出る前に止まります。
3年分の予算を、開始時に承認する形が望ましくなります。
撤退の条件も決める
続ける条件だけを決めると、判断がつかなくなります。
2年後にこの数字に届かなければ縮小する、という線を引きます。
自分から引いておくと、開始の承認が得やすくなります。
既存事業の予算を削らない
新規事業の原資を既存事業から取ると、既存の担当者が反発します。新規の枠として別に確保する形にします。
新しい領域で、情報をどう積み上げるか
検索される言葉がない領域では、広告を出しても人がいません。
課題の言葉で情報を作り、検索される前の段階から接点を持ちます。
新しい製品分野では、製品名で検索する人がいません。
その言葉を知らないからです。
課題の言葉で探している
相手は、困っていることを言葉にして検索します。
製品の名前ではなく、症状や状況の言葉です。
その言葉で情報が見つかる状態を作ります。
情報の積み上げに時間がかかる
立ち上げ期の情報の作り方を、項目ごとに見ていきます。
課題の解説については、対象となる相手は困りごとを自覚した人、効果が出る時期は3か月から半年。
解決の方法の比較については、対象となる相手は方法を探している人、効果が出る時期は半年。
自社の方式の説明については、対象となる相手は候補を探している人、効果が出る時期は半年以降。
検証の結果については、対象となる相手は技術的に確認したい人、効果が出る時期は半年以降。
導入の進め方については、対象となる相手は導入を検討している人、効果が出る時期は1年以降。
よくある質問については、対象となる相手は具体的に検討している人、効果が出る時期は半年以降。
業界のメディアを使う
自社サイトだけでは、認知のない段階で人が来ません。
その業界の専門メディアへの寄稿や、技術者向けの発表を組み合わせます。
既に人が集まっている場所を使うほうが、立ち上げ期は早くなります。
展示会の選び方が変わる
既存事業の展示会に新製品を置いても、対象の人が来ません。新しい領域の展示会に出る必要があります。費用がかかるため、まず来場者として見に行く判断もあります。
立ち上げで、判断を誤りやすいところ
反応がないことを、施策の不足と解釈しがちです。
前提そのものが間違っている可能性を、定期的に確認します。
新規事業が進まないとき、施策を増やす方向に判断が向きます。
その前に確認することがあります。
前提を疑う機会を作る
想定した課題は、本当に存在するか。
その課題を、相手は困りごととして認識しているか。
費用を払ってでも解決したいと思っているか。
立ち上げで起きる誤りと、確認の方法を、項目ごとに見ていきます。
施策が足りないと考えるについては、見落としていることは需要そのものがない、確認の方法は検索されている量を確認。
広告の対象が悪いと考えるについては、見落としていることは課題が認識されていない、確認の方法は既存顧客に聞く。
価格が高いと考えるについては、見落としていることは価値が伝わっていない、確認の方法は失注の理由を聞く。
実績がないからと考えるについては、見落としていることは技術的な説明が不足、確認の方法は提案の内容を見直す。
時期が早いと考えるについては、見落としていることは説明の仕方が合っていない、確認の方法は別の言い方で試す。
既存事業が邪魔していると考えるについては、見落としていることは社内の調整の問題、確認の方法は経営に判断を求める。
前提が違ったときの扱い
前提が違うと分かった時点で、方向を変えます。
続けると、費用と時間が失われます。
撤退ではなく、対象や用途を変える判断もあります。
外部に相談するときの確認
新規事業の立ち上げを外部に相談する場合、その相手が実績のない状態からの立ち上げを扱った経験があるかを確認します。
既存の需要を刈り取る手法だけの提案では、検索されていない領域では機能しません。
成果の出る時期を最初に合意する
1年で成果が出ない前提を、開始時に共有します。共有していないと、半年で社内の期待が下がります。
新しい商材の立ち上げは、どこから始めるか
需要の確認からです。
作る前に確かめられることを確かめてから、費用のかかる施策に進みます。
立ち上げの順序を間違えると、確認の前に投資が終わります。
新商材の立ち上げの並びを、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは対象となる顧客層と用途を1つに絞る、関わる部門は経営・開発、期間の目安は1か月。
2については、やることは検索されている言葉と量を調べる、関わる部門はマーケティング、期間の目安は2週間。
3については、やることは既存顧客10社に困りごとを聞く、関わる部門は営業・マーケティング、期間の目安は1か月。
4については、やることは課題の解説を5本作って反応を見る、関わる部門はマーケティング・技術、期間の目安は2か月。
5については、やることは最初の導入先の候補を3社決める、関わる部門は営業、期間の目安は1か月。
6については、やることは予算の枠と撤退の条件を決める、関わる部門は経営、期間の目安は1か月。
対象を1つに絞る理由
複数の用途を同時に狙うと、訴求が定まりません。
1つの用途で通用する説明を作ってから、広げます。
絞ることで、必要な情報の量も減ります。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
課題の解説を5本公開した3か月後、月間の流入が合計で180、問い合わせが2件だとします。
2件の内容が想定した用途と合っていれば、前提は間違っていません。
流入が180あって問い合わせが0件なら、関心はあるが自社の提案が合っていないことになります。
流入そのものが20件なら、課題の言葉が違っている可能性があります。
新商材の初期に追う数字を、項目ごとに見ていきます。
課題の言葉での流入数については、見る頻度は月次、何が分かるかは関心の規模。
問い合わせの件数と内容については、見る頻度は月次、何が分かるかは前提の妥当性。
想定した用途との一致度については、見る頻度は四半期、何が分かるかは方向の確認。
最初の導入先との進捗については、見る頻度は月次、何が分かるかは実績づくりの進行。
既存事業との重なりの発生については、見る頻度は四半期、何が分かるかは社内の調整の必要。
累積の投資額については、見る頻度は四半期、何が分かるかは撤退の判断材料。
四半期ごとに前提を確認する
施策の結果だけでなく、前提そのものを四半期ごとに確認します。
この確認を予定に入れておかないと、続けることが目的になります。
3年の計画で描く
製造業の新規事業は、1年では成果が出ません。
3年の計画を立て、1年ごとに判断する形にします。
新しい商材の立ち上げで判断に迷う場合は、無料相談で現状の反応を見てもらうところから始められます。初期の接点の作り方ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
新規事業の立ち上げは何から始めますか
対象となる顧客層と用途を1つに絞り、その課題がどういう言葉で検索されているかを調べることからです。製品を作る前に確かめられることがあります。
実績がないと受注できません
既存顧客の別部門、条件を限定した試験的な導入、評価用の提供といった形で最初の1社を作ります。金額ではなく、次につながるかで相手を選んでください。
既存事業と顧客が重なる場合はどうしますか
重なりの扱いを経営が先に決めてください。既存顧客への提案は既存の営業担当を通す形にし、既存の担当にとっての利点を用意しないと社内で止まります。
立ち上げ期の広告は効率が悪くて続けられません
既存事業と同じ基準で評価すると必ず不合格になります。最初の6か月は問い合わせが来るか、次の半年は内容が想定と合うかを見て、獲得単価は見ない形にします。
反応がないときは施策を増やすべきですか
前提そのものを疑ってください。想定した課題が存在するか、相手が困りごととして認識しているか。四半期ごとに前提を確認する機会を予定に入れておきます。
まとめ
- 長年の取引で得た信用は、既存の製品分野に結びついています。別の領域に出ると、社名を知らない相手と向き合うことになります
- 製品を作ってから確かめると、やり直しに時間がかかります。検索されている言葉と、実際の問い合わせで、作る前に確かめる方法があります
- 実績がないことが、最初の受注を阻みます。条件を限定した導入から始め、その結果を次の説明に使います
- 新規事業が既存事業の顧客を奪うことがあります。どこまで重なってよいかを先に決めないと、社内で止まります
- 既存事業の効率の基準で評価すると、新規事業は必ず不合格になります。別の基準を最初に設定します
- 検索される言葉がない領域では、広告を出しても人がいません。課題の言葉で情報を作り、検索される前の段階から接点を持ちます
- 反応がないことを、施策の不足と解釈しがちです。前提そのものが間違っている可能性を、定期的に確認します
- 需要の確認からです。作る前に確かめられることを確かめてから、費用のかかる施策に進みます