
何ができる工場かを、外から分かる形にすることです。
発注する側は検索で候補を探すため、情報がなければ検討の土俵にすら乗りません。
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目次
目次
- 営業担当がいない町工場が、まず何をすべきか
- 一社への依存
- どんな言葉で検索して、町工場が探されているのか
- 加工方法からの検索
- 設備の情報は、どう書けばいいのか
- 機械名だけでは伝わらない
- 図面からの見積もりに、どう対応すればいいのか
- 見積もりの流れ
- 検索するのが設計者や購買担当であることを、どう生かすか
- 読む相手が違う
- 一社への依存を、どう減らせばいいのか
- 依存の危険
- 特殊加工や小ロット対応を、どう打ち出すか
- 抽象的な表現は伝わらない
- 限られた予算で、何から着手すればいいのか
- 着手の順番
- よくある質問
- まとめ
何ができる工場かを、外から分かる形にすることです。
発注する側は検索で候補を探すため、情報がなければ検討の土俵にすら乗りません。
営業担当がいない町工場が、まず何をすべきか
何ができる工場かを、外から分かる形にすることです。
発注する側は検索で候補を探すため、情報がなければ検討の土俵にすら乗りません。
町工場の多くは、営業担当がいません。
そして、既存の取引先からの発注で回ってきました。
しかし、その取引先が縮小すると、売上が減ります。
一社への依存
売上の大半を、一社が占めている。
この状態は、危険です。
その一社が縮小すれば、そのまま売上が減ります。
そして、代わりの取引先を探す手段がありません。
発注する側の動き
新しい加工先を探すとき、設計者や購買の担当者は検索します。
加工の名前 小ロット
材質 加工 対応
地域名 精密加工
そして、出てきた工場から選びます。
サイトがないと候補に入らない
サイトがない工場は、この検索に出てきません。
そして、紹介された場合も、社名で検索されます。
何も出てこないと、不安になります。
発注の前に確認されること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何ができるか | 加工の種類、対応できる材質 |
| 設備 | どんな機械を持っているか |
| 規模 | 従業員数、工場の広さ |
| ロット | 小ロットに対応できるか |
| 納期 | どのくらいで対応できるか |
| 実績 | どんなものを作ってきたか |
最初の一歩
立派なサイトは必要ありません。
何ができるか。
どんな設備があるか。
どこにあるか。
連絡先。
これだけでも、検索に出てくるようになります。
どんな言葉で検索して、町工場が探されているのか
加工の方法と条件の組み合わせです。
切削加工 小ロットのように、発注する側の条件がそのまま検索語になります。
加工方法からの検索
切削加工 地域名板金加工 小ロット旋盤加工 試作溶接 ステンレス 地域名。
条件からの検索
小ロット 対応 加工試作 一個から短納期 加工難削材 加工。
検索の型と対応
| 型 | 検索の例 | 発注側の状況 |
|---|---|---|
| 加工方法 | 切削加工 地域名 | 加工先を探している |
| 材質 | チタン 加工 対応 | 特殊な材質 |
| ロット | 小ロット 加工 一個から | 数が少ない |
| 納期 | 短納期 加工 | 急いでいる |
| 形状 | 薄物 加工 | 難しい形状 |
| 図面 | 図面 見積もり | 見積もりを取りたい |
対応できることを書く
何の加工ができるか。
どんな材質に対応できるか。
どんな形状ができるか。
どのくらいのロットに対応できるか。
これを、具体的に書いてください。
できないことも書く
対応できない材質、サイズ、精度。
これを書いておくと、無駄な問い合わせが減ります。
そして、正確に書いている工場は、信頼されます。
小ロットが差になる
大手は、小ロットを嫌います。
段取りの手間に対して、数が出ないためです。
小ロットに対応できることは、町工場の強みになります。
難しい案件が差になる
他が断った案件。
特殊な材質。
難しい形状。
これに対応できることが、価格で比べられない理由になります。
設備の情報は、どう書けばいいのか
機械の名前だけでなく、それで何ができるかを添えることです。
発注する側は、加工できるかを知りたいのであって、機械の一覧を見たいわけではありません。
機械名だけでは伝わらない
設備の一覧が並んでいるサイトがあります。
しかし、その機械で何ができるかが分かりません。
何ができるかを書く
設備の書き方
| 書くこと | 内容 |
|---|---|
| 機械の種類 | 何をする機械か |
| 加工できる範囲 | サイズ、精度 |
| 対応できる材質 | 何を加工できるか |
| 台数 | 同時に何台動かせるか |
| 何ができるか | 具体的な加工の例 |
加工できる範囲
最大のサイズ。
最小のサイズ。
達成できる精度。
この数字が、発注の判断材料になります。
設備がなくてもできること
すべての加工を自社で行う必要はありません。
協力先に出せる加工。
これも、対応できる範囲として書けます。
一貫して対応できることは、発注する側にとって手間が減ります。
写真を載せる
工場の様子。
機械。
加工した部品。
これがあると、規模と技術が伝わります。
加工した部品の写真
守秘義務がある場合が多いです。
その場合、社名を伏せ、用途を伏せた形で載せられることがあります。
取引先に確認してください。
自社で作った見本を載せる方法もあります。
図面からの見積もりに、どう対応すればいいのか
受け取る形と、返す期間を明示することです。
発注する側は複数の工場に同時に出すため、返事が早い工場が有利になります。
見積もりの流れ
発注する側は、図面を複数の工場に送ります。
そして、返ってきた見積もりを比べます。
返事の速さ
返事が遅いと、その時点で候補から外れます。
何日で返すかを、明示してください。
見積もりについて書くこと
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受け取る形 | メール、フォーム、対応できるファイル形式 |
| 必要な情報 | 数量、材質、納期、精度 |
| 返す期間 | 何営業日で |
| 対応できない場合 | その旨を連絡するか |
| 秘密保持 | 図面の扱い |
対応できるファイル形式
図面のデータ形式は、複数あります。
どの形式に対応できるかを書いてください。
対応できない形式があるなら、それも書いてください。
秘密保持
図面は、機密の情報です。
秘密保持契約に対応できるか。
図面の管理をどうしているか。
これを書いていると、安心されます。
見積もりの内訳
材料費、加工費、段取り費。
内訳が分かると、発注する側が判断できます。
そして、数量を変えた場合の金額も相談できます。
対応できない場合
対応できない案件が来ることがあります。
その場合、早く伝えてください。
そして、可能なら協力先を紹介してください。
これが、次の依頼につながります。
検索するのが設計者や購買担当であることを、どう生かすか
専門的な言葉で書くことです。
一般の人に分かりやすく書く必要はなく、業界の言葉で正確に書くほうが届きます。
読む相手が違う
消費者向けのサイトとは、読む相手が違います。
設計者。
購買の担当者。
生産技術の担当者。
この人たちは、専門の知識を持っています。
専門用語で書く
一般の人向けに分かりやすく書くと、かえって伝わりません。
加工の名前、材質の記号、精度の表記。
業界で使われる言葉を、そのまま使ってください。
書き方の違いを、項目ごとに見ていきます。
金属を削るについては、専門向けは切削加工。
薄い板を曲げるについては、専門向けは板金加工、曲げ加工。
とても精密については、専門向けは公差の数値で示す。
硬い材料については、専門向けは材質名で示す。
数字で書く
高精度ではなく、達成できる公差の数値。
短納期ではなく、日数。
小ロットではなく、一個から何個まで。
数字があると、判断できます。
技術的な情報を書く
どういう加工が得意か。
どういう工夫をしているか。
どんな難しい案件を扱ってきたか。
これは、技術の分かる相手に届きます。
見る相手は少ない
この情報を見る人は、多くありません。
しかし、見た人は発注の可能性があります。
数より、質です。
記事という形
加工に関する技術的な記事を書く方法があります。
材質ごとの加工のポイント。
形状による難易度。
コストを下げる設計の工夫。
これは、設計者に読まれます。
一社への依存を、どう減らせばいいのか
新しい取引先を増やすことですが、時間がかかります。
既存の取引先が縮小してから動くのでは遅く、余裕があるうちに始める必要があります。
依存の危険
売上の大半が一社。
この状態では、その一社の判断で経営が決まります。
発注が減る。
価格を下げられる。
海外に移管される。
減らすには時間がかかる
新しい取引先を作るには、時間がかかります。
知ってもらう。
問い合わせが来る。
試しの発注を受ける。
継続的な発注になる。
この流れに、一年以上かかります。
新規開拓の段階を、項目ごとに見ていきます。
サイトを作るについては、期間の目安は数か月。
検索で見つかるについては、期間の目安は数か月から。
問い合わせが来るについては、期間の目安は不定期。
試しの発注については、期間の目安は一件ずつ。
継続的な取引については、期間の目安は数回の実績の後。
余裕があるうちに始める
売上が減ってから始めると、間に合いません。
まだ余裕があるうちに、準備してください。
小さな案件から受ける
最初は、小さな案件しか来ません。
一個の試作。
単発の加工。
これを丁寧に対応すると、次につながります。
業種を分散させる
同じ業界の取引先ばかりだと、その業界が落ち込むと一緒に落ちます。
違う業界の取引先を持つと、リスクが分散します。
断らない
新しい問い合わせを、忙しいからと断ると、次は来ません。
対応できない場合も、丁寧に理由を伝えてください。
特殊加工や小ロット対応を、どう打ち出すか
具体的な事例で示すことです。
対応できますと書くだけでは、本当にできるかが伝わりません。
抽象的な表現は伝わらない
小ロット対応
特殊加工お任せください
高精度加工
これでは、判断できません。
具体的に書く
具体的な書き方を、項目ごとに見ていきます。
小ロット対応については、具体的は1個から対応、試作の実績あり。
高精度については、具体的は公差の数値を示す。
特殊材質については、具体的は対応できる材質を列挙。
短納期については、具体的は最短で何日。
難しい形状については、具体的は実際に加工した形状の例。
事例を書く
社名を伏せた形で、事例を書けます。
どんな業界の。
どんな部品を。
どんな材質で。
どんな数量で。
どのくらいの期間で。
事例に書ける要素を、項目ごとに見ていきます。
業界については、社名なしで書けるかは書ける。
部品の種類については、社名なしで書けるかは条件つき。
材質については、社名なしで書けるかは書ける。
数量については、社名なしで書けるかは書ける。
精度については、社名なしで書けるかは書ける。
納期については、社名なしで書けるかは書ける。
他が断った案件
他の工場が断った案件を受けた実績。
これは、強い差別化になります。
なぜ断られたのか。
どうやって対応したのか。
見本を作る
実際の部品を出せない場合、見本を作る方法があります。
自社の技術を示すための、加工の見本。これなら、自由に載せられます。
限られた予算で、何から着手すればいいのか
サイトを作ること、対応できる範囲を書くこと、見積もりの受付の窓口を作ること。
この三つが先です。
情報がなければ、検討の土俵にすら乗りません。
着手の順番
優先順位を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることはサイトを作る、理由は検索に出てくるための前提。
2については、やることは対応できる加工と材質を書く、理由は発注側の条件と照合される。
3については、やることは設備と加工できる範囲を数字で書く、理由は判断材料になる。
4については、やることは見積もりの受付の窓口を作る、理由は問い合わせを受けられる。
5については、やることは事例を社名を伏せて書く、理由は技術が伝わる。
6については、やることは工場と部品の写真を載せる、理由は規模と技術が伝わる。
7については、やることは広告、理由は受け皿が整ってから。
サイトが最初の一歩
立派なものは必要ありません。
何ができるか。
どんな設備があるか。
どこにあるか。
連絡先。
これだけでも、検索に出てくるようになります。
数字で書く
加工できるサイズ。
達成できる精度。
対応できるロット。
納期の目安。
数字がないと、判断できません。
問い合わせに早く返す
問い合わせが来ても、返事が遅いと他に行かれます。
誰が、いつ、どう返すか。
これを決めておいてください。
余裕があるうちに始める
既存の取引先が縮小してから始めると、間に合いません。
新しい取引先ができるまでに、一年以上かかります。
まだ余裕があるうちに、準備してください。
後継者の問題
後継者がいない工場が多くあります。
事業を続けるのか、譲るのか。
この判断も、集客の施策と同時に考える必要があります。
譲る場合も、何ができる工場かが分かる状態にしておくことは、価値の評価に影響します。
よくある質問
サイトがありませんが、必要ですか。
必要です。発注する側は、新しい加工先を検索で探します。サイトがないと、この検索に出てきません。そして、紹介された場合も社名で検索され、何も出てこないと不安になります。立派なものは必要なく、何ができるか、どんな設備があるか、連絡先。これだけでも意味があります。
何を書けばいいか分かりません。
対応できる加工の種類、対応できる材質、加工できるサイズの範囲、達成できる精度、対応できるロット、納期の目安。この六つを数字で書いてください。高精度小ロット対応といった抽象的な表現では、判断できません。
図面を見せられないので、実績が書けません。
社名と用途を伏せて、業界、部品の種類、材質、数量、精度、納期の形で書けます。取引先に確認したうえで、書ける範囲を決めてください。あるいは、自社の技術を示すための加工の見本を作る方法もあります。
一社に依存していて不安です。
新しい取引先を作るには、一年以上かかります。既存の取引先が縮小してから始めると、間に合いません。まだ余裕があるうちに、サイトを作り、対応できる範囲を書き、問い合わせを受けられる状態にしてください。最初は小さな案件しか来ませんが、それを丁寧に対応すると次につながります。
問い合わせが来ても、対応する人がいません。
誰が、いつ、どう返すかを決めてください。返事が遅いと、その時点で候補から外れます。発注する側は複数の工場に同時に出しているため、速さが有利になります。対応できない案件でも、早く伝えることが次の依頼につながります。
まとめ
- 何ができる工場かを、外から分かる形にすることです。発注する側は検索で候補を探すため、情報がなければ検討の土俵にすら乗りません
- 加工の方法と条件の組み合わせです。切削加工 小ロットのように、発注する側の条件がそのまま検索語になります
- 機械の名前だけでなく、それで何ができるかを添えることです。発注する側は、加工できるかを知りたいのであって、機械の一覧を見たいわけではありません
- 受け取る形と、返す期間を明示することです。発注する側は複数の工場に同時に出すため、返事が早い工場が有利になります
- 専門的な言葉で書くことです。一般の人に分かりやすく書く必要はなく、業界の言葉で正確に書くほうが届きます
- 新しい取引先を増やすことですが、時間がかかります。既存の取引先が縮小してから動くのでは遅く、余裕があるうちに始める必要があります
- 具体的な事例で示すことです。対応できますと書くだけでは、本当にできるかが伝わりません
- サイトを作ること、対応できる範囲を書くこと、見積もりの受付の窓口を作ること。この三つが先です。情報がなければ、検討の土俵にすら乗りません