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獲得の費用が数か月分の粗利を超えると、経営から見て割に合わない投資に見えます。
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目次
目次
- 物流会社の集客予算が、稟議で止まる場所
- 粗利率の薄さが判断を難しくする
- 使ってよい金額の上限を、回収の期間から出す
- 月額の粗利に、許容する月数を掛ける
- 現場の稼働を超える予算に、意味はあるのか
- 稼働の確認を、予算編成の前工程にする
- 年度の予算を、荷主の繁閑に合わせて配分する
- 波の出方を過去から出す
- 物流会社の場合、経営に出す資料には、何を載せるか
- 一枚に載せる項目
- 削減が決まったときに、どの順で減らすのか
- 止めても戻せるものと、戻せないもの
- 予算をめぐって起きる思い込み
- 増やせば比例して増えるという思い込み
- 物流会社が予算の枠を組み立てる順番
- 最初の年は幅で持つ
- よくある質問
- まとめ
一件の粗利が薄く、回収までの期間が長いためです。
獲得の費用が数か月分の粗利を超えると、経営から見て割に合わない投資に見えます。
物流会社の集客予算が、稟議で止まる場所
一件の粗利が薄く、回収までの期間が長いためです。
獲得の費用が数か月分の粗利を超えると、経営から見て割に合わない投資に見えます。
物流会社の予算会議で、集客の費用だけ根拠が弱くなることがあります。
車両も倉庫も人件費も積算の裏付けがあるのに、広告費だけが前年比で決まります。
粗利率の薄さが判断を難しくする
売上に対して残る利益の率が薄い事業では、獲得に使える額の絶対値が小さくなります。
月額の粗利が数十万円の案件に、獲得で数十万円を使うことになります。
この比較だけを見せると、経営は止めます。
回収の期間が長い
継続の契約なので、時間をかければ回収できます。
ただしその間、費用は先に出ています。
回収までに何か月かかるかを示さないと、判断の材料になりません。
予算の性格が二つ混ざっている
Webへの支出には、荷主を獲得するための費用と、ドライバーや庫内の人員を採るための費用が混ざります。
出所が違うのに同じ請求書で上がってくると、どちらの成果として評価すべきかが曖昧になります。
物流会社のWeb関連費用の性格の違い
| 費用の区分 | 目的 | 効果が出るまで | 評価の物差し |
|---|---|---|---|
| 荷主の獲得のための配信 | 引合の獲得 | 数か月 | 年間換算粗利に対する比率 |
| 対応能力と設備の情報整備 | 比較で選ばれる | 半年から一年 | 指名での接触の増加 |
| ドライバーと庫内の採用の配信 | 応募と採用 | 数か月 | 応募数と採用単価 |
| 会社の信用にかかる整備 | 与信と取引開始 | 一年以上 | 新規取引先の数 |
| 展示会と業界の場 | 面での接点 | 一年以上 | 紹介と引合の発生 |
予算の議論を、上限の議論に置き換える
いくら使うかを先に決めると根拠が出ません。いくらまでなら使ってよいかを先に出します。
使ってよい金額の上限を、回収の期間から出す
一件の契約が生む粗利を月単位で出し、何か月分までなら使ってよいかを決めます。
その月数が、経営と合意すべき数字になります。
継続の契約を扱う事業では、上限の出し方に決まった形があります。
月額の粗利に、許容する月数を掛ける
たとえば、ある案件の月額の粗利が三十万円だとします。
六か月分までを獲得に使ってよいと決めれば、上限は百八十万円になります。
数字は説明のための仮の値です。
実際の月数は、資金の余裕と経営が求める利益率で決まります。
案件の種類で月数を変える
案件の種類と、許容する回収の期間
| 案件の種類 | 粗利の厚さ | 継続の見込み | 許容する月数 |
|---|---|---|---|
| 専用の倉庫の運用 | 厚い | 数年続く | 長く取れる |
| 定期の配送の請負 | 中程度 | 年単位で続く | 中程度 |
| 庫内の作業の受託 | 厚い | 数年続く | 長く取れる |
| スポットの輸送 | 薄い | 一回性 | ほぼ取れない |
| 繁忙期だけの応援 | 薄い | 季節のみ | 短い |
解約の実績を織り込む
契約が想定より早く切れると、回収できません。
過去の解約の実績から、一年以内に切れた比率を掛けて上限を調整します。
上限を決めたら、下限も決める
配信を止めると、引合は数か月遅れて減ります。
期中に費用を削るとき、どこまで下げてよいかを先に決めておきます。
資金の回収の時期を経営と共有する
継続の契約は、回収に一年以上かかります。その間の資金の流れを経営が把握していないと、途中で止められます。
現場の稼働を超える予算に、意味はあるのか
ありません。
受けられる物量が埋まっているなら、集客を増やしても外注に流れて粗利が消えます。
予算の議論を、需要側だけで進めると間違えます。
物流会社では供給側に先に天井があります。
稼働の確認を、予算編成の前工程にする
来期にどれだけの物量を受けられるか。
これを現場と確認してから予算を組みます。
稼働が埋まっているときの予算の使い道
配信を止めるのが唯一の選択肢ではありません。
粗利の厚い案件に絞って出す、運用の開始が先の案件を集める、効率の良いエリアに寄せる。
現場の稼働の状態別の予算の扱い
| 稼働の状態 | 予算の総額 | 配分の重点 | 同時に進めること |
|---|---|---|---|
| 余力がある | 増やす | 新規の引合を広く集める | 受け入れの体制を整える |
| 埋まりつつある | 維持する | 粗利の厚い案件に絞る | 断る基準を決める |
| 埋まっている | 絞る | 開始が先の案件 | 採用の配信に振り替える |
| 超えている | 止める | 既存荷主の維持のみ | 外注先の確保 |
| 車両はあるが人が足りない | 採用に移す | ドライバーの募集 | 荷主の獲得は縮小 |
採用の予算と、獲得の予算を合算して稟議に出す
ドライバーと庫内の人員が採れなければ、受注の上限は上がりません。
採用の費用を人事の予算、集客の費用を営業の予算と別々に出すと、どちらも規模が小さく見えます。
Webへの投資として合算し、受注の上限を引き上げるための費用として説明します。
採用の費用のほうが大きくなることがある
物流会社では、ドライバーの採用にかかる費用が荷主の獲得より大きくなることがあります。両方を並べて、どちらに配分するかを経営が判断する形にします。
年度の予算を、荷主の繁閑に合わせて配分する
均等に割らないことです。
現場が繁忙で受けられない時期に集客を厚くしても、機会を逃します。
物流会社には、荷主の事情による繁閑があります。
予算の配分も、その波に合わせます。
波の出方を過去から出す
年末の繁忙、期末の出荷の集中、季節の商材の入れ替え。
自社の過去三年の物量の推移を並べれば、波の形が出ます。
繁忙期は、受けられないので集客を絞る
現場が手一杯の時期に新規の引合を集めても、条件の確認に人が出せません。
その時期は、翌期の契約を作る仕込みに回します。
荷主の繁閑に合わせた期中の配分
| 時期の性格 | 荷主の獲得の配信 | 情報の整備 | 採用の配信 |
|---|---|---|---|
| 現場が繁忙な時期 | 薄く | 厚く | 厚く |
| 繁忙の直前 | 薄く | 通常 | 厚く |
| 閑散の時期 | 厚く | 通常 | 通常 |
| 期の切り替わりの前 | 厚く | 通常 | 通常 |
| 荷主の予算編成の時期 | 最も厚く | 通常 | 通常 |
荷主の予算編成の時期に合わせる
荷主が物流の委託先を見直すのは、自社の予算編成の時期です。
その数か月前に接触しておく必要があります。
荷主の業種によって時期が違うため、主要な荷主の決算期を把握しておきます。
使い切れない問題への対処
期末に予算が余ると、使い切るための配信が始まります。
期初に、余った場合の振り替え先を決めておきます。
期中の増額の条件を決めておく
引合が想定を上回り、かつ現場の稼働に余裕があるとき。この二つが揃ったときだけ増額できる形にします。
物流会社の場合、経営に出す資料には、何を載せるか
費用の額ではなく、その費用が来期以降の売上にどうつながるかを載せます。
併せて、回収までの期間も書きます。
物流会社の経営層は、車両と人件費と燃料の構造には詳しい一方で、集客の費用の相場は持っていません。
一枚に載せる項目
物流会社の予算の稟議に載せる内容を、項目ごとに見ていきます。
来期の新規契約の目標については、書く内容は年間の換算粗利、根拠の出どころは経営計画。
受けられる物量の上限については、書く内容は拠点別の稼働の余地、根拠の出どころは現場。
必要な引合の件数と金額については、書く内容は目標を決定率で割った額、根拠の出どころは過去実績。
獲得に使う費用の上限については、書く内容は月額粗利の何か月分か、根拠の出どころは経理と経営。
費用の内訳については、書く内容は荷主の獲得と採用の区分、根拠の出どころはマーケティング。
回収までの期間については、書く内容は何か月で費用を回収するか、根拠の出どころは試算。
費用を止めた場合の影響については、書く内容は引合が減り始める時期、根拠の出どころは過去実績。
回収の期間を明記する
継続の契約は、獲得した月には回収できません。
何か月目に費用を回収し、その後は粗利として積み上がる。
この時間の流れを図にして出します。
効果が出るまでの時間差を先に伝える
配信を始めてから引合が出るまでに数か月、契約までさらに数か月かかります。
この時間差を先に共有しておかないと、三か月後に成果を問われて予算が止まります。
採用の効果も同じ資料に入れる
ドライバーが増えれば、受けられる物量が増えます。Webへの投資が採用にも効くことを同じ資料に入れると、投資の意味が広がります。
削減が決まったときに、どの順で減らすのか
効果が出るまでの時間が短いものから止めます。
採用の配信を先に止めると、受けられる物量そのものが落ちます。
業績が落ちたとき、販管費の削減で真っ先に候補に挙がるのが広告費です。
減らす順番を先に決めておきます。
止めても戻せるものと、戻せないもの
配信は止めてもすぐ再開できます。
対応能力や設備の情報の整備は、止めた期間の分だけ材料が失われます。
物流会社での削減の順番と戻すときの負担を、項目ごとに見ていきます。
スポット案件向けの配信については、止めた影響が出るまでは一か月、再開で戻るまでは一か月、削減の順番は最初。
粗利の薄い案件向けの配信については、止めた影響が出るまでは三か月、再開で戻るまでは一か月、削減の順番は次。
展示会と業界の場については、止めた影響が出るまでは一年以上、再開で戻るまでは一年以上、削減の順番は慎重に。
設備と対応能力の情報整備については、止めた影響が出るまでは半年以上、再開で戻るまでは一年以上、削減の順番は最後まで残す。
サイトの構造の整備については、止めた影響が出るまでは一年以上、再開で戻るまでは作り直しになる、削減の順番は削らない。
ドライバーの採用の配信については、止めた影響が出るまでは一か月、再開で戻るまでは三か月、削減の順番は受注より先に削らない。
採用の費用を先に削らない
荷主の受注が落ちている時期でも、ドライバーの採用は続きます。
ここを削ると、物量が戻ったときに受けられる体制がなくなります。
削減の影響を、時期を書いて報告する
削減を決めた時点で、いつごろ引合が減り始めるかを見通しとして出しておきます。
削減の解除の条件も決める
どの数字が回復したら元に戻すのか。これを決めておかないと、削減が恒常化します。
予算をめぐって起きる思い込み
配信を増やせば荷主が増えるという前提と、既存の契約があるから止めても平気という感覚の両方が外れます。
どちらも物流会社では成り立ちません。
予算の議論で繰り返し出てくる思い込みを整理します。
増やせば比例して増えるという思い込み
配信を倍にしても引合は倍になりません。
物流の委託先を探している荷主の数には限りがあります。
既存の契約があるから平気という思い込み
継続の契約があるので、止めても当面の売上は落ちません。
しかし解約は毎年一定の割合で起きます。
新規の獲得を止めると、解約の分だけ静かに減っていきます。
物流会社の予算をめぐる思い込みを、項目ごとに見ていきます。
増やせば引合が比例して増えるについては、実際に起きることは一定を超えると重複して届くだけ、確認する方法は同一相手への接触頻度を見る。
既存の契約があるから止めても平気については、実際に起きることは解約の分だけ静かに減る、確認する方法は年間の解約率と新規の比率を並べる。
稼働が埋まっているから集客は不要については、実際に起きることは解約が出た時期に引合がない、確認する方法は稼働と引合の推移を並べる。
採用の費用は人事の問題については、実際に起きることは受けられる物量が落ちる、確認する方法は人員と受注可能量を並べる。
安い媒体に移せば同じ成果が出るについては、実際に起きることは届く相手の質が変わる、確認する方法は引合の案件の規模を見る。
解約の分を埋める獲得が最低限必要
年間の解約率が分かれば、現状を維持するために必要な新規の獲得額が出ます。
この額を下回る予算では、事業が縮小します。
好調なときに止めてしまう
稼働が埋まっている時期に、集客を止める判断が出ることがあります。しかし解約が出た時期には引合がなくなっていて、そこから立ち上げ直すことになります。
物流会社が予算の枠を組み立てる順番
受けられる物量の確認からです。
使える金額を先に決めても、受けられる量が分からなければ配分できません。
予算編成は、経営計画と現場の見通しを揃えるところから始まります。
予算の枠を組み立てる進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは来期に受けられる物量の上限を出す、関わる部署は現場、期間の目安は二週間。
2については、やることはドライバーと庫内の人員の見通しを確認する、関わる部署は人事、期間の目安は二週間。
3については、やることは案件の種類ごとの粗利率を出す、関わる部署は経理、期間の目安は二週間。
4については、やることは許容する回収の月数を経営と合意する、関わる部署は経営、期間の目安は二週間。
5については、やることは年間の解約率から必要な新規獲得額を出す、関わる部署は経理と営業、期間の目安は二週間。
6については、やることは荷主の獲得と採用に配分する、関わる部署は経営、期間の目安は一週間。
7については、やることは削減と増額の条件を決めて稟議に書く、関わる部署は経営、期間の目安は一週間。
最初の年は幅で持つ
過去の分類が粗い状態で厳密な予算を組んでも、根拠になりません。
一年目は上下の幅で持ち、四半期ごとに実績を見て絞り込みます。
物流会社の予算の妥当性を確認する数字を、項目ごとに見ていきます。
年間換算粗利に対する獲得費用の比率については、見る頻度は四半期、判断に使う場面は上限を超えていないか。
新規契約の年間換算粗利については、見る頻度は月次、判断に使う場面は配分の見直し。
現場の稼働率については、見る頻度は月次、判断に使う場面は配信を絞るか。
年間の解約率については、見る頻度は四半期、判断に使う場面は必要な獲得額の見直し。
ドライバーと庫内の人員数については、見る頻度は四半期、判断に使う場面は受注の上限の見直し。
採用の応募数と採用単価については、見る頻度は月次、判断に使う場面は採用側の配分。
稟議の文面に回収の期間を書く
何か月で費用を回収し、その後いくらの粗利が積み上がるか。
これを書き込むと、金額の大きさだけで判断されにくくなります。
期中に前提が崩れたときの扱い
ドライバーの退職や、大型の契約の獲得で稼働が埋まることがあります。
そのたびに予算の意味が変わるので、四半期ごとに前提を確認する場を作ります。
荷主の獲得と採用の配分を経営が決める
どちらに配分するかは、集客の担当だけでは決められません。
受注の上限を上げるのがどちらかという判断です。
予算の根拠づくりで判断に迷う場合は、無料相談で現状の数字を一緒に整理するところから始められます。費用の配分ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
物流会社の集客予算はどう決めればいいですか
一件の契約が生む月額の粗利に、許容する回収の月数を掛けた額を上限にしてください。粗利率が薄い事業では、売上ではなく粗利を分母にしないと上限が過大になります。
継続契約なので回収は長期で考えていいですか
長期で考えて構いませんが、過去の解約の実績から一年以内に切れた比率を掛けて調整してください。契約が想定より早く切れると回収できません。
現場の稼働が埋まっているときも配信は続けるべきですか
荷主の獲得の配信は絞りますが、設備と対応能力の情報の整備とドライバーの採用の配信は続けてください。解約が出た時期に引合がゼロだと、そこから立ち上げ直すことになります。
採用の費用と荷主の獲得の費用は分けるべきですか
成果の評価は分けますが、稟議では合算して出してください。ドライバーと庫内の人員が増えなければ受けられる物量が増えないため、二つは同じ制約の裏表になります。
最低限必要な予算はどう出しますか
年間の解約率から、現状を維持するために必要な新規の獲得額を出してください。この額を下回る予算では、解約の分だけ事業が縮小します。
まとめ
- 一件の粗利が薄く、回収までの期間が長いためです。獲得の費用が数か月分の粗利を超えると、経営から見て割に合わない投資に見えます
- 一件の契約が生む粗利を月単位で出し、何か月分までなら使ってよいかを決めます。その月数が、経営と合意すべき数字になります
- ありません。受けられる物量が埋まっているなら、集客を増やしても外注に流れて粗利が消えます
- 均等に割らないことです。現場が繁忙で受けられない時期に集客を厚くしても、機会を逃します
- 費用の額ではなく、その費用が来期以降の売上にどうつながるかを載せます。併せて、回収までの期間も書きます
- 効果が出るまでの時間が短いものから止めます。採用の配信を先に止めると、受けられる物量そのものが落ちます
- 配信を増やせば荷主が増えるという前提と、既存の契約があるから止めても平気という感覚の両方が外れます。どちらも物流会社では成り立ちません
- 受けられる物量の確認からです。使える金額を先に決めても、受けられる量が分からなければ配分できません