物流会社の商談化率を上げる|引き渡しの設計を変える

問い合わせを受けてから物量と荷姿を聞き取るまでの間に、最も多く落ちます。
配車や倉庫の担当が動けないと、ここで数日が流れます。
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目次
目次
- 物流会社で引合が止まるのは、条件の確認の手前である
- 荷主は同時に複数社に声をかけている
- 一次連絡を誰が出すかを決める
- 当日に出すための体制
- 条件の聞き取りを、一回で終わらせる設計
- 聞き取る項目を型にする
- 試算の提示までの時間を、どう短くするか
- 試算が詰まる構造
- 荷主の側の決裁の構造を、早い段階で確認する
- 関与する三者
- 止まった引合を、いつどう戻すか
- 止まった理由を三つに分ける
- 引き渡しの改善で、取り違えられやすいこと
- 速さだけを目標にする
- 物流会社が引き渡しの流れを作り直す進め方
- 最初に手をつけるのは一次連絡
- よくある質問
- まとめ
問い合わせを受けてから物量と荷姿を聞き取るまでの間に、最も多く落ちます。
配車や倉庫の担当が動けないと、ここで数日が流れます。
物流会社で引合が止まるのは、条件の確認の手前である
問い合わせを受けてから物量と荷姿を聞き取るまでの間に、最も多く落ちます。
配車や倉庫の担当が動けないと、ここで数日が流れます。
集客の施策を評価するとき、問い合わせの件数と契約の件数だけを見ていると、その間で何が起きているかが見えません。
荷主は同時に複数社に声をかけている
委託先を探している荷主は、一社だけに相談することはほとんどありません。
同じ日に三社に問い合わせていると考えたほうが実態に近いです。
最初に条件を聞き取って試算を出した会社が、その後の議論の土台を作ります。
一次対応が営業の外出に左右される
問い合わせは営業に転送され、そこから先の扱いは個人に委ねられます。
荷主の訪問に出ている営業が、夕方まで気づかないことがあります。
現場の担当が動けない
条件の確認には、配車や倉庫の担当の知識が要ります。
その担当は日々の運行と庫内の作業で手一杯です。
営業が聞き取った内容だけでは判断できず、社内で止まります。
物流の引合から契約までの段階と落ちる場所
| 段階 | 自社の担当 | かかる時間 | 落ちやすさ |
|---|---|---|---|
| 問い合わせの受信 | 受付かフォーム | 即時 | 低い |
| 一次連絡 | 営業 | 当日から数日 | 高い |
| 物量と条件の聞き取り | 営業と配車 | 数日 | 高い |
| 現地の確認 | 営業と現場 | 一週間から二週間 | 中程度 |
| 試算と提案の提示 | 営業と管理 | 二週間から一か月 | 中程度 |
| 条件の交渉 | 営業と経営 | 一か月以上 | 中程度 |
| 試験運用と契約 | 営業と現場 | 一か月以上 | 中程度 |
最初の二段だけで、大半が決まる
一次連絡と条件の聞き取り。この二つは、専門の判断ではなく段取りの話です。
一次連絡を誰が出すかを決める
外出の多い営業ではなく、内勤に窓口を置きます。
その日のうちに連絡が出る状態を作ることが、最も効きます。
一次連絡の速さは、契約に直結します。
当日に出すための体制
問い合わせを受ける窓口を一本にして、当日中に一次連絡を出す担当を決めます。
訪問に出ている営業を担当にすると、必ず遅れます。
一次連絡で何を聞くか
すべてを聞く必要はありません。
受け取ったことを伝え、物量と荷姿とエリアの概要を聞き、次の打ち合わせの日程を決めます。
物流会社の一次連絡の設計
| 項目 | 決めること | よくある失敗 |
|---|---|---|
| 誰が出すか | 内勤に窓口を一本化 | 外出中の営業任せで遅れる |
| いつ出すか | 営業日の当日中 | 翌日以降になる |
| 何で出すか | 電話を優先し不在なら文面 | 文面だけで終わる |
| 何を聞くか | 物量と荷姿とエリアの概要 | 全部を聞こうとして長くなる |
| 何を決めるか | 次の打ち合わせの日程 | 次が決まらず終わる |
| 記録 | 接触の日時と聞いた内容 | 記録されない |
聞いた内容を、その日のうちに配車に渡す
一次連絡で聞いた概要を、当日中に配車や倉庫の担当に渡します。
受けられるかどうかの一次の判断が早く出れば、次の連絡も早くなります。
拠点ごとの差を可視化する
拠点が複数あると、一次連絡までの日数に差が出ます。月次で拠点別に並べると、差がはっきりします。
条件の聞き取りを、一回で終わらせる設計
聞くべき項目を型にしておきます。
何度も聞き直すと、荷主の側の手間が増えて他社に流れます。
条件の聞き取りは、物流会社にとって最も情報量の多い接点です。
聞き取る項目を型にする
荷物の内容と荷姿、物量と頻度とその変動、発地と着地、納品の条件と時間帯、保管の条件、現在の体制。
この六つを一枚の様式にしておきます。
型がないと、人によって聞く内容が変わる
営業ごとに聞く項目が違うと、配車や倉庫が判断できません。
追加で聞き直すことになり、荷主の手間が増えます。
条件の聞き取りで確認する項目
| 項目 | 確認する内容 | 判断に使う部署 |
|---|---|---|
| 荷物の内容と荷姿 | 品目とサイズと重量と梱包 | 配車と倉庫 |
| 物量と頻度 | 平常時と繁忙期の差 | 配車と管理 |
| 発地と着地 | 拠点と納品先の分布 | 配車 |
| 納品の条件 | 時間帯と付帯の作業 | 配車と現場 |
| 保管の条件 | 温度帯と保管の期間 | 倉庫 |
| 現在の体制 | 自社か他社か、切り替えの理由 | 営業 |
繁閑の幅を必ず聞く
平常時の物量だけを聞くと、繁忙期に受けられないことが後で分かります。
年間で最も多い時期の物量を必ず聞きます。
現場の担当を早い段階で入れる
大型の案件や条件が特殊な案件では、初回から配車や倉庫の担当が同席したほうが進みます。
同行の基準を、物量と案件の種類で決めておきます。
次の予定をその場で決める
聞き取りの終わりに、試算をいつ出すか、現地をいつ見るかを決めます。ここを決めずに終わると、荷主の側の検討が止まります。
試算の提示までの時間を、どう短くするか
現場の担当が試算を作る待ち行列が原因です。
案件の種類ごとに型を用意しておくと、待ちの時間が短くなります。
条件の聞き取りの後、試算が出るまでに時間がかかると、その間に他社が提案を進めます。
試算が詰まる構造
配車や倉庫の担当は、日々の運行と作業に対応しています。
新規の案件の試算は、優先順位が下がりやすい仕事です。
概算と本試算を分ける
すべての案件に精緻な試算を求めると、現場が回りません。
概算は幅を持った数字で早く出し、本試算は条件が固まってから出します。
概算と本試算の使い分け
| 区分 | 出すまでの目安 | 精度 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| その場での幅の説明 | 即時 | 参考値 | 条件の聞き取りの場 |
| 概算の提示 | 一週間以内 | 幅を持った数字 | 検討の初期 |
| 条件を反映した試算 | 二週間から一か月 | 条件を明記 | 比較の段階 |
| 最終の見積 | 条件確定後 | 確定 | 契約前 |
| 試験運用後の見直し | 運用の実績後 | 確定 | 本格移行前 |
過去の実績から型を作る
案件の種類ごとに、単位あたりの目安を過去の実績から出しておきます。
新規の引合が来たときに、この型に当てはめれば概算が早く出ます。
数字は説明のための仮の値です。
待たせる場合は、いつ出るかを先に伝える
試算に時間がかかること自体は、規模が大きい案件では当然です。
提示の予定日を先に伝えておけば、その間に他社へ流れる確率が下がります。
試験運用の提案を用意しておく
条件が読めない案件では、一部の物量から始める提案ができます。全量の切り替えより荷主の抵抗が小さく、実績を作れます。
荷主の側の決裁の構造を、早い段階で確認する
物流の委託先の変更は、現場と購買と経営の三者が関わります。
誰がどの順で決めるかを知らないまま進めると、最後で止まります。
物流の委託先の切り替えは、荷主にとって負担の大きい決定です。
関与する三者
物流の担当や現場は、運用が回るかを見ます。
購買は、費用と契約の条件を見ます。
経営は、切り替えの危険と効果を見ます。
切り替えに抵抗が生まれる理由
現在の委託先との関係、切り替えの作業の負担、運用が止まる危険。
費用が下がるだけでは動きません。
荷主の側の関与者と、渡す材料を、項目ごとに見ていきます。
物流の担当と現場については、見ていることは運用が回るか、渡す材料は体制と対応の実績。
購買については、見ていることは費用と契約の条件、渡す材料は試算と契約の条件。
経営については、見ていることは切り替えの危険と効果、渡す材料は移行の計画と実績。
納品先については、見ていることは納品の品質が落ちないか、渡す材料は品質の管理の仕組み。
現在の委託先については、見ていることは関係の継続、渡す材料は直接は関わらない。
切り替えの時期を確認する
契約の更新の時期がいつかを聞きます。
その時期の三か月前から本格的な検討が始まります。
移行の計画を提案の一部にする
いつ何を切り替えるか、その間の体制をどうするか。
この計画があると、経営の判断が出やすくなります。
一人の担当だけと話して進めない
物流の担当とだけ話を進めた案件は、購買や経営の段階でひっくり返ります。早い段階で他の関与者の存在を確認します。
止まった引合を、いつどう戻すか
契約の更新の時期が来ていない案件は、失注ではありません。
時期を記録して、その前に接触する仕組みを作ります。
物流会社の引合には、決めないまま止まるものが多くあります。
止まった理由を三つに分ける
他社に決まった。
現在の委託先を継続することになった。
切り替えの時期が先に延びた。
このうち後ろの二つは、戻る可能性があります。
物流会社で止まった引合の扱いを、項目ごとに見ていきます。
他社に決まったについては、戻る可能性は中程度、次の接触の時期は次の更新の時期の前、渡すものは設備と体制の更新。
現在の委託先を継続については、戻る可能性は高い、次の接触の時期は次の更新の時期の三か月前、渡すものは条件の見直しの提案。
切り替えの時期が延びたについては、戻る可能性は高い、次の接触の時期は延期後の時期の三か月前、渡すものは新しい実績。
条件が合わなかったについては、戻る可能性は中程度、次の接触の時期は条件が変わったとき、渡すものは対応範囲の変化。
担当者が異動したについては、戻る可能性は中程度、次の接触の時期は三か月後、渡すものはあらためて会社の情報。
更新の時期を記録する
物流の契約には更新の周期があります。
その時期を記録しておけば、次の機会を逃しません。
営業の手帳の中にある情報を、共有できる場所に移す作業が要ります。
戻すときに、営業が行かなくてよい形を作る
すべての再接触に営業が動くと、人手が足りません。
設備の更新や対応範囲の拡大といった情報を定期的に送る形にします。
他社に決まった案件からも学ぶ
負けた理由を記録します。価格か、体制か、対応の速さか、既存の関係か。理由の内訳が四半期で並ぶと、どこを直すべきかが見えます。
引き渡しの改善で、取り違えられやすいこと
返信を速くすることと、条件を正確に聞くことは別です。
速さだけを追うと、聞き漏らしが増えて後で聞き直すことになります。
一次対応の改善に取り組むと、いくつかの間違いが起きます。
速さだけを目標にする
一次連絡までの時間を目標にすると、内容の薄い連絡が増えます。
受け取りましたという文面だけを自動で返す形にしても、条件の確認には進みません。
全部の引合に同じ対応をする
すべてに同じ手間をかけると、現場の人手が足りません。
物量と案件の種類で、対応の厚みを変えます。
物流会社の引き渡しの改善での行き違いを、項目ごとに見ていきます。
自動の返信だけで済ませるについては、起きることは条件の確認に進まない、代わりにやることは人が電話をかける。
全案件に同じ対応をするについては、起きることは現場の人手が足りなくなる、代わりにやることは物量で厚みを分ける。
速さだけを目標にするについては、起きることは聞き漏らしが増える、代わりにやることは型に沿って聞く。
聞き取りの型がないについては、起きることは人によって聞く内容が違う、代わりにやることは一枚の様式にする。
営業だけで完結させるについては、起きることは現場が判断できない、代わりにやることは当日中に配車へ渡す。
仕組みを入れれば解決するという誤解
案件の管理の仕組みを導入しても、入力されなければ意味がありません。
まず紙でも表計算でも、一次連絡と聞き取りの内容を記録する習慣を作ります。
対応の人手が、集客の上限になる
条件の確認に出られる配車と倉庫の担当の人数。
これが、受けられる引合の量を決めます。
集客の予算を増やす前に、受け取る側の人数を確認します。ここでも、増やせるかどうかは採用の進み具合に左右されます。
物流会社が引き渡しの流れを作り直す進め方
段階ごとの所要日数を測るところからです。
どこで止まっているかが分からないまま対策を打つと、効かない場所を直すことになります。
改善の前に、現状の時間を測ります。
物流会社が引き渡しの改善に着手する順番を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは問い合わせから一次連絡までの日数を測る、関わる部署は営業、期間の目安は二週間。
2については、やることは条件の確認に進んだ比率を拠点別に出す、関わる部署は営業、期間の目安は二週間。
3については、やることは一次連絡の窓口を内勤に一本化する、関わる部署は営業と受付、期間の目安は一か月。
4については、やることは条件の聞き取りの様式を一枚作る、関わる部署は営業と現場、期間の目安は一か月。
5については、やることは案件の種類ごとに概算の型を用意する、関わる部署は現場と管理、期間の目安は二か月。
6については、やることは止まった案件の理由と更新の時期を記録する、関わる部署は営業、期間の目安は継続。
7については、やることは月次で段階ごとの数字を共有する、関わる部署は全体、期間の目安は継続。
最初に手をつけるのは一次連絡
費用がかからず、効果が最も早く出ます。
様式の整備や仕組みの導入は、その後で構いません。
物流会社の引き渡しの流れを確認する数字を、項目ごとに見ていきます。
一次連絡までの日数については、見る頻度は月次、分けて見る軸は拠点別、判断に使う場面は体制の不足。
条件の確認に進んだ比率については、見る頻度は月次、分けて見る軸は案件の種類別、判断に使う場面は入口と対応の良し悪し。
条件の確認から試算までの日数については、見る頻度は月次、分けて見る軸は案件の種類別、判断に使う場面は現場の詰まり。
試算後の決定率については、見る頻度は四半期、分けて見る軸は物量の規模別、判断に使う場面は条件と価格の妥当性。
止まった案件の年間換算額については、見る頻度は四半期、分けて見る軸は理由別、判断に使う場面は再接触の対象。
負けた理由の内訳については、見る頻度は四半期、分けて見る軸は理由別、判断に使う場面は改善の優先順位。
数字を共有する場を月次で持つ
営業と配車と倉庫と集客の担当が同じ数字を見る場を作ります。
別々の資料を持ち寄ると、議論が噛み合いません。
改善の効果が出るまでの時間
一次連絡の改善は、その月のうちに条件の確認の比率に現れます。
試算の速さや提案の質は、契約として現れるまでに数か月かかります。
契約の更新の時期を蓄積する
止まった案件の更新の時期を記録し続けると、翌年以降の接触の計画が立てられます。
これが物流会社で最も価値のある記録になります。
問い合わせから条件の確認までの流れで詰まりがある場合は、無料相談で現状の段階を一緒に整理するところから始められます。対応の体制ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
物流会社で引合が落ちるのはどの段階ですか
問い合わせを受けてから物量と荷姿を聞き取るまでの間です。荷主は同時に複数社へ声をかけているため、最初に条件を聞き取って試算を出した会社が議論の土台を作ります。
一次連絡は誰が出すべきですか
訪問に出ている営業に任せると必ず遅れます。内勤に窓口を一本化して当日中に一次連絡を出し、聞いた概要をその日のうちに配車や倉庫の担当に渡してください。
条件の聞き取りで必ず確認すべきことは何ですか
荷物の内容と荷姿、物量と頻度とその変動、発地と着地、納品の条件、保管の条件、現在の体制の六つです。特に繁忙期の物量は必ず聞いてください。平常時だけで判断すると後で受けられません。
試算の提示に時間がかかってしまいます
案件の種類ごとに過去の実績から型を作っておくと待ちが短くなります。概算は幅を持った数字で一週間以内に出し、本試算は条件が固まってから出す形に分けてください。
現在の委託先を継続することになった案件はどう扱いますか
失注ではありません。契約の更新の時期を記録し、その三か月前に条件の見直しの提案を持って接触してください。更新の時期の蓄積が、物流会社で最も価値のある記録になります。
まとめ
- 問い合わせを受けてから物量と荷姿を聞き取るまでの間に、最も多く落ちます。配車や倉庫の担当が動けないと、ここで数日が流れます
- 外出の多い営業ではなく、内勤に窓口を置きます。その日のうちに連絡が出る状態を作ることが、最も効きます
- 聞くべき項目を型にしておきます。何度も聞き直すと、荷主の側の手間が増えて他社に流れます
- 現場の担当が試算を作る待ち行列が原因です。案件の種類ごとに型を用意しておくと、待ちの時間が短くなります
- 物流の委託先の変更は、現場と購買と経営の三者が関わります。誰がどの順で決めるかを知らないまま進めると、最後で止まります
- 契約の更新の時期が来ていない案件は、失注ではありません。時期を記録して、その前に接触する仕組みを作ります
- 返信を速くすることと、条件を正確に聞くことは別です。速さだけを追うと、聞き漏らしが増えて後で聞き直すことになります
- 段階ごとの所要日数を測るところからです。どこで止まっているかが分からないまま対策を打つと、効かない場所を直すことになります