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一回だけ運びたい相手と、年間の委託先を探している荷主が、同じフォームから届きます。
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目次
目次
- 物流会社の問い合わせには、継続にならない依頼が多く混ざる
- 混ざっているものの中身
- 有効な引合の条件を、誰が決めるのか
- 三者がそれぞれ違うものを見ている
- 件数の目標が、引合の中身を壊していく過程
- 起きる順番
- 物量と条件の情報を、どこで取るか
- フォームで聞くのは四つまで
- 自社で受けられない引合を、どう扱うか
- 抱えることの損失
- 質の高い引合だけを増やす方法はあるのか
- 情報の出し方で層が変わる
- 引合の中身を、社内でどう共有するか
- 共有する単位を揃える
- 物流会社が引合の定義を作り直す進め方
- 最初は条件を緩めに置く
- よくある質問
- まとめ
入口が一つしかないからです。
一回だけ運びたい相手と、年間の委託先を探している荷主が、同じフォームから届きます。
物流会社の問い合わせには、継続にならない依頼が多く混ざる
入口が一つしかないからです。
一回だけ運びたい相手と、年間の委託先を探している荷主が、同じフォームから届きます。
物流会社のサイトに届く相談は、性質が大きく違うものが同じ形で並びます。
これを一つの数字にした時点で、質の議論ができなくなります。
混ざっているものの中身
年間の委託先を探している荷主。
一回だけの輸送を頼みたい相手。
相見積の比較材料として声をかけてきた相手。
同業からの傭車や庫内の応援の打診。
車両や資材の売り込み。
この五つが、同じ問い合わせ件数に入っています。
一回きりの依頼が現場を食う
スポットの依頼は、条件の確認に手間がかかる割に売上が小さくなります。
配車の担当が調整に時間を使い、結果として粗利がほとんど残りません。
件数が増えると、現場の負担だけが増えます。
試算にも工数がかかる
物量と荷姿と納品先の条件を聞き取り、車両の手配と人員の見積を出す。
この作業には現場の時間が要ります。
無償で出した試算が相見積の比較材料にだけ使われると、その工数は回収できません。
物流会社に届く引合の性質の違い
| 引合の種類 | 継続するか | 決定までの期間 | 社内で使う工数 | 指標での扱い |
|---|---|---|---|---|
| 年間の委託先の検討 | する | 数か月 | 大きい | 有効として数える |
| 一回だけの輸送の依頼 | しない | 数日 | 中程度 | 条件付きで数える |
| 相見積の比較材料 | しない | 短い | 大きい | 除外したい |
| 同業からの傭車の打診 | 稼働次第 | 短い | 小さい | 別枠で数える |
| 売り込みと営業 | しない | なし | 小さい | 除外する |
質の定義を、件数の目標より先に決める
件数の目標を置いてから質を議論すると、定義が甘くなります。先に何を有効とするかを決めてから、その数で目標を置きます。
有効な引合の条件を、誰が決めるのか
営業と配車と倉庫の責任者で決めます。
マーケティングが単独で決めると、現場で受け取れない条件になります。
質の定義は、受け取る側が決めます。
三者がそれぞれ違うものを見ている
営業は、予算と決裁の権限を見ます。
配車は、エリアと納品先の条件と車両の空きを見ます。
倉庫は、荷姿と保管の条件と作業の内容を見ます。
この三つが揃って初めて、受けられる引合になります。
物流会社で有効な引合の条件を分担する
| 見る部署 | 確認する条件 | 確認できる時期 | 欠けているときの扱い |
|---|---|---|---|
| 営業 | 予算と決裁の権限と契約の時期 | 一次対応 | 追加で聞き取る |
| 配車 | エリアと納品先と車両の適合 | 条件の確認 | 受けられる範囲を提案する |
| 倉庫 | 荷姿と保管の条件と作業の内容 | 条件の確認 | 設備の制約を伝える |
| 管理 | 物量の変動と繁閑の幅 | 試算の段階 | 条件を分けて提示する |
| 経営 | 与信と取引の可否 | 契約前 | 条件を変える |
条件を三段階にする
すべてを満たすものだけを有効にすると、対象が少なくなりすぎます。
満たす、条件付き、対象外の三段階にします。
断る基準を明文化する
対応できないエリア、扱えない荷姿、温度帯や設備の条件が合わない案件。
これらを断る基準を文書にしておくと、営業ごとの判断のばらつきが消えます。
危険物や特殊な荷姿の扱い
取り扱いに許可や資格が要る貨物があります。
自社が受けられる範囲を確認したうえで基準を作ります。
取り扱いの条件については、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
件数の目標が、引合の中身を壊していく過程
配信を広げれば件数は取れます。
ただし取れるのは、一回きりの依頼と価格だけを比べている相手です。
件数の目標が置かれると、達成する方法は決まっています。
広く出すことです。
起きる順番
最初に、対象を広げます。
次に、入力の項目を減らします。
次に、入口を増やします。
料金の目安や見積の依頼といった、比較だけが目的の相手でも押せる入口を作ります。
件数は増えます。
同時に、条件の確認に進む比率が落ちます。
落ちたことに気づくまでに時間がかかる
条件の確認から契約までに数か月かかるため、質の悪化は遅れて現れます。
物流の引合の件数と中身の動きを読む
| 引合の件数 | 条件の確認に進む比率 | 新規契約の換算粗利 | 起きていること |
|---|---|---|---|
| 増えた | 維持 | 増える | 想定どおり |
| 増えた | 低下 | 変わらない | 一回きりの依頼が増えた |
| 減った | 上昇 | 変わらない | 条件を絞れている |
| 増えた | 維持 | 変わらない | 試算の後で負けている |
| 減った | 低下 | 落ちる | 訴求か対象がずれている |
条件の確認に進んだ比率を、同時に見る
件数と並べて、条件の確認に進んだ比率を毎月見ます。
この二つを並べておけば、広げすぎたことにその月のうちに気づけます。
目標を年間の換算額に持つと、副作用が出にくい
件数ではなく年間の換算粗利を目標にすると、スポットを大量に集めても達成しません。目標の形を変えるだけで、現場の行動が変わります。
物量と条件の情報を、どこで取るか
フォームで全部を聞こうとしないことです。
入力の項目を増やすほど、条件の良い荷主ほど離脱します。
質の判定には情報が要ります。
一方で、情報を求めるほど入口が狭くなります。
フォームで聞くのは四つまで
運びたい荷物の種類、おおよその物量と頻度、発地と着地のエリア、開始の希望時期。
この四つがあれば、受けられるかどうかの当たりがつきます。
料金の予算そのものを聞くと、答えたくない相手が多く、離脱の原因になります。
残りは一次対応で聞く
現在の委託先の有無、決裁の権限、契約の更新の時期、荷姿の詳細。
これらは電話や返信のやり取りで聞きます。
物流の引合で情報を取る場所の使い分け
| 情報の種類 | 取る場所 | 取れない場合の代替 |
|---|---|---|
| 荷物の種類 | フォーム | 一次対応で聞く |
| 物量と頻度 | フォーム | 一次対応で聞く |
| 発地と着地のエリア | フォーム | 相談の文面から推定する |
| 開始の希望時期 | フォーム | 一次対応で聞く |
| 現在の委託先の有無 | 一次対応 | 聞かない選択もある |
| 契約の更新の時期 | 一次対応 | 後の段階で聞く |
| 荷姿と保管の条件 | 条件の確認 | 現地で確認する |
契約の更新の時期が最も重要な情報
荷主が委託先を切り替えるのは、契約の更新の時期です。
その時期が半年先なら、今すぐ決まる案件ではありません。
一方で、その時期に接触できていれば有力な候補になります。
今は決まらない相手を捨てず、時期を記録します。
入口ごとに集まる層が違う
設備や対応能力のページから来た相手と、料金の目安のページから来た相手では、検討の段階が違います。どのページから来たかを記録しておきます。
自社で受けられない引合を、どう扱うか
断るか、同業に回すかを決めておきます。
抱えたまま放置するのが最も損失になります。
問い合わせのうち一定数は、自社では受けられない内容です。
抱えることの損失
返事を先延ばしにしているあいだ、配車や倉庫の担当が気にし続けます。
荷主の側も待ち続けます。
受けられない理由を四つに分ける
エリアが対応の範囲外。
荷姿や温度帯が設備と合わない。
物量が小さすぎるか大きすぎる。
開始の時期が稼働と合わない。
このうち時期だけは、後ろにずらせば受けられることがあります。
物流会社で受けられない引合の扱い方を、項目ごとに見ていきます。
エリアが範囲外については、すぐ断るかは断る、代替の対応は同業や協力会社を紹介する、記録するかはする。
荷姿や温度帯が合わないについては、すぐ断るかは断る、代替の対応は設備を持つ同業を紹介する、記録するかはする。
物量が小さすぎるについては、すぐ断るかは条件付き、代替の対応は共同での配送を提案する、記録するかはする。
物量が大きすぎるについては、すぐ断るかは条件付き、代替の対応は段階的な移行を提案する、記録するかはする。
開始の時期が合わないについては、すぐ断るかは断らない、代替の対応は後の時期を提案する、記録するかはする。
紹介した相手との関係を記録する
同業や協力会社に回した案件は、記録しておきます。
逆の立場で回してもらえることがあります。
物流の業界では、この往復が稼働を埋める手段になります。
断った件数を、経営の数字として見る
断った案件の年間換算額の合計を四半期ごとに出します。この額が大きいなら、設備を増やすか人員を増やす判断の材料になります。
質の高い引合だけを増やす方法はあるのか
入口の作り方で、集まる層は変えられます。
ただし総量は減ります。
質を上げれば件数は減ります。
この交換関係を先に受け入れたうえで、どちらに寄せるかを決めます。
情報の出し方で層が変わる
対応する温度帯、保有する設備、拠点の配置、対応できる物量の範囲。
こうした条件を厚く出すと、本気で委託先を探している荷主が集まります。
料金の目安や簡易な見積を前面に出すと、価格だけを比べている相手が集まります。
物流の入口の設計と集まる層の関係を、項目ごとに見ていきます。
設備と対応能力を詳しく出すについては、集まる層は委託先を検討中の荷主、件数は少ない、条件の確認に進む比率は高い。
拠点と対応エリアを明示するについては、集まる層はエリアが合う荷主、件数は少ない、条件の確認に進む比率は高い。
料金の目安を出すについては、集まる層は価格を比べている相手、件数は多い、条件の確認に進む比率は低い。
簡易な見積の入口を置くについては、集まる層は検討の初期、件数は多い、条件の確認に進む比率は低い。
電話番号を目立たせるについては、集まる層は急いでいる相手、件数は少ない、条件の確認に進む比率は中程度。
稼働の状態で入口を切り替える
現場に余力があるときは、件数の取れる入口を開けます。
稼働が埋まってきたら、設備と対応能力を前面に出す入口に寄せます。
除外の設定より、訴求の設計が効く
配信の側で細かく除外を積み上げるより、何を見せるかを変えるほうが層は動きます。
見せている情報が料金の話ばかりなら、料金で選ぶ相手が集まります。
表現に注意が要る領域を確認する
輸送の品質や納期、保管の条件に関する表現には、誤認を招かない配慮が必要です。何が言えて何が言えないかは、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
引合の中身を、社内でどう共有するか
月次で、件数ではなく内訳を出します。
内訳が共有されていないと、営業と現場の議論が感情の話になります。
質の議論が噛み合わないのは、双方が違う数字を見ているからです。
共有する単位を揃える
営業は個別の案件を見ています。
集客の担当は月次の集計を見ています。
この二つをつなぐには、案件の種類と入口別の内訳が要ります。
物流会社が月次で共有する引合の内訳を、項目ごとに見ていきます。
案件の種類別については、数える単位は件数と年間換算額、並べて見る数字は条件の確認に進んだ比率、議論に使う場面は配信の重点。
入口別については、数える単位は件数、並べて見る数字は条件の確認に進んだ比率、議論に使う場面はページの良し悪し。
エリア別については、数える単位は件数と年間換算額、並べて見る数字は受けられたかどうか、議論に使う場面は対応範囲の見直し。
荷姿と温度帯別については、数える単位は件数、並べて見る数字は受けられたかどうか、議論に使う場面は設備の判断。
断った理由別については、数える単位は件数と年間換算額、並べて見る数字は理由の内訳、議論に使う場面は体制の判断。
決まった案件を名指しで共有する
数字だけでは、どういう引合が良いのかが伝わりません。
四半期に一度、契約に至った案件がどの入口から来たかを具体的に共有します。
決まらなかった案件も同じ場で扱う
受けられなかった案件、試算の後で負けた案件。
これを共有する場がないと、営業側に不満だけが溜まります。
責める場にしないための進め方
数字を出す目的は、どこを直すかを決めることです。誰の責任かを決める場にすると、翌月から情報が出てこなくなります。
物流会社が引合の定義を作り直す進め方
過去一年に契約した案件を逆にたどるところからです。
契約につながった引合に共通する条件が、有効の定義になります。
定義は机上で作らず、実績から抜き出します。
物流会社で引合の定義を作る進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去一年の契約の入口を洗い出す、関わる部署は営業、期間の目安は二週間。
2については、やることは契約に至った引合の共通条件を抜き出す、関わる部署は営業とマーケティング、期間の目安は一週間。
3については、やることは配車と倉庫が受けられる条件を確認する、関わる部署は現場、期間の目安は二週間。
4については、やることは有効と条件付きと対象外の三段階に整理する、関わる部署は全体、期間の目安は一週間。
5については、やることは断る基準を文書にする、関わる部署は営業と経営、期間の目安は一週間。
6については、やることはフォームの項目を四つに絞る、関わる部署はマーケティング、期間の目安は一週間。
7については、やることは月次で内訳を共有する場を作る、関わる部署は全体、期間の目安は継続。
最初は条件を緩めに置く
厳しく定義すると、有効な引合がほとんどなくなります。
最初は緩めに置いて、三か月ごとに絞り込みます。
物流会社で定義を運用してから確認する数字を、項目ごとに見ていきます。
有効な引合の件数については、見る頻度は月次、分けて見る軸は入口別、判断に使う場面は配信量の増減。
有効な引合の年間換算額については、見る頻度は月次、分けて見る軸は案件の種類別、判断に使う場面は目標への進捗。
条件の確認に進んだ比率については、見る頻度は月次、分けて見る軸は入口別、判断に使う場面は入口の設計の良し悪し。
試算後の決定率については、見る頻度は四半期、分けて見る軸は案件の種類別、判断に使う場面は条件と価格の妥当性。
断った案件の年間換算額については、見る頻度は四半期、分けて見る軸は理由別、判断に使う場面は設備と体制の判断。
一次対応までの日数については、見る頻度は月次、分けて見る軸は拠点別、判断に使う場面は対応体制の確認。
定義を一枚にまとめて配る
有効とは何か、条件付きとは何か、対象外はどれか。
この三つを一枚にして、営業と配車と倉庫に配ります。
三か月ごとに見直す場を持つ
現場の稼働と人員が変わると、受けられる条件が変わります。
定義も一緒に動かします。
採用の状況を定義に反映する
ドライバーが足りない時期は、受けられる案件の条件が変わります。
人員の状況を定義の見直しの材料に入れます。
引合の中身の判断に迷う場合は、無料相談で現状の分類を一緒に整理するところから始められます。入口の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
物流会社で有効な引合の条件はどう決めますか
過去一年に契約した案件を逆にたどり、共通する条件を抜き出してください。そのうえで配車と倉庫が受けられる条件を重ねます。マーケティングが単独で決めた定義は現場で機能しません。
問い合わせフォームでは何を聞くべきですか
荷物の種類、おおよその物量と頻度、発地と着地のエリア、開始の希望時期の四つに絞ってください。予算の金額を聞くと離脱が増えます。現在の委託先や契約の更新の時期は一次対応で聞きます。
スポットの依頼は成果に入れていいですか
別枠で数えてください。条件の確認に手間がかかる割に売上が小さく、継続にもなりません。目標を件数ではなく年間の換算粗利にすると、スポットを集めても達成しない形になります。
契約の更新の時期が先の荷主はどう扱いますか
捨てずに時期を記録してください。荷主が委託先を切り替えるのは契約の更新の時期なので、その数か月前に接触できていれば有力な候補になります。
自社で受けられない引合はどうすべきですか
エリアや荷姿や温度帯が合わないものはすぐ断り、同業や協力会社を紹介してください。開始の時期が合わないだけなら後の時期を提案します。断った案件の年間換算額は四半期ごとに合計して、設備や人員の判断の材料にしてください。
まとめ
- 入口が一つしかないからです。一回だけ運びたい相手と、年間の委託先を探している荷主が、同じフォームから届きます
- 営業と配車と倉庫の責任者で決めます。マーケティングが単独で決めると、現場で受け取れない条件になります
- 配信を広げれば件数は取れます。ただし取れるのは、一回きりの依頼と価格だけを比べている相手です
- フォームで全部を聞こうとしないことです。入力の項目を増やすほど、条件の良い荷主ほど離脱します
- 断るか、同業に回すかを決めておきます。抱えたまま放置するのが最も損失になります
- 入口の作り方で、集まる層は変えられます。ただし総量は減ります
- 月次で、件数ではなく内訳を出します。内訳が共有されていないと、営業と現場の議論が感情の話になります
- 過去一年に契約した案件を逆にたどるところからです。契約につながった引合に共通する条件が、有効の定義になります