
前月比だけで判断せず、前年同月比と前月比を同じ指標で並べると切り分けやすくなります。
前年と同じ方向に動いていれば季節要因を疑い、前年と異なる動きなら運用変更や競争環境を確認します。
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目次
目次
- 今月の悪化は季節要因なのか運用起因なのかどう見分けますか
- 前月比だけでは季節変動を判断できません
- 比較期間は同じ日数にそろえます
- 季節変動を見つけるには何か月分のデータをどう並べますか
- 月ごとに同じ指標を横並びにします
- グラフでは山の高さより発生時期を見ます
- 需要の季節変動と競合出稿の季節変動はどう見分けますか
- 需要が減ると表示回数から落ちやすくなります
- 競合が増えると単価や表示機会が変わります
- 繁忙期と閑散期で広告予算はどう配分しますか
- 前年の費用ではなく獲得機会を基準にします
- 繁忙期はCPAの上昇も織り込みます
- 閑散期は広告を減らすだけでよいですか
- 広告文やLPの検証を先に終わらせます
- 繁忙期に使う素材を先に作ります
- 自動入札は季節変動にどう対応しますか
- 通常の季節変動と突発的な変化を分けます
- 季節性調整を恒常的な補正に使いません
- 年末年始や大型連休の短期的な谷はどう扱いますか
- 月平均ではなく休日期間を分離します
- 短期の谷に長期設定を合わせすぎません
- 前年データがない1年目のアカウントではどう判断しますか
- 検索需要と広告実績を分けて見ます
- 1年目は翌年のために変化を記録します
- 季節変動ではなく恒常的な悪化だとどう見抜きますか
- 前年と同じ月になっても戻らない状態を疑います
- 指標の一部だけが崩れていないかを見ます
- よくある質問
- まとめ
前月比だけで判断せず、前年同月比と前月比を同じ指標で並べると切り分けやすくなります。
前年と同じ方向に動いていれば季節要因を疑い、前年と異なる動きなら運用変更や競争環境を確認します。
今月の悪化は季節要因なのか運用起因なのかどう見分けますか
前月比だけで判断せず、前年同月比と前月比を同じ指標で並べると切り分けやすくなります。
前年と同じ方向に動いていれば季節要因を疑い、前年と異なる動きなら運用変更や競争環境を確認します。
リスティング広告の成果が月によって大きく変わると、入札や広告文をすぐに変更したくなります。
しかし、季節変動が原因であれば、広告設定を触っても需要そのものは戻りません。
最初にやるべきことは、数字が悪化した事実ではなく、その動きが毎年繰り返されているかを確認することです。
前月比だけでは季節変動を判断できません
たとえば今月のCVが前月から30パーセント減ったとしても、それだけでは問題が起きたとは判断できません。
毎年同じ月に検索需要が落ちる商材であれば、正常な季節変動の可能性があります。
反対に、前年同月ではCVが100件あったのに今年は60件しかなく、前月比でも大きく落ちているのであれば、季節だけでは説明できない可能性があります。
この数値は説明のための仮の値です。
この場合は表示回数、クリック数、CVR、インプレッションシェアなどを見ながら、需要以外の変化を探します。
確認するときは、少なくとも費用、表示回数、クリック数、CPC、CV、CVR、CPAを同じ表に並べます。
検索広告であれば、可能なら検索インプレッションシェアや予算による損失率などもあわせて確認します。
季節要因と運用起因を切り分ける見方
| 比較結果 | 考えやすい状態 | 次に確認する内容 |
|---|---|---|
| 前月比は悪化しているが前年同月とほぼ同じ推移 | 季節要因の可能性が高い | 検索需要と競合状況 |
| 前年同月より大きく悪化し前月比も悪化 | 季節だけでは説明しにくい | 設定変更、競合、CVR、計測 |
| 前年同月より改善しているが前月比は悪化 | 季節的な谷に入った可能性 | 過去数年の月別推移 |
| 表示回数だけ大きく減少 | 需要減少の可能性 | 検索需要、キーワード別表示回数 |
| CPCだけ大きく上昇 | 競争激化の可能性 | オークション環境、競合出稿 |
比較期間は同じ日数にそろえます
9月1日から15日の実績を、8月1日から31日の実績とそのまま比較すると判断を誤ります。
途中月で確認するときは、前年9月1日から15日、前月1日から15日など、できるだけ同じ日数で比較します。
曜日構成にも注意が必要です。
平日と休日で検索行動が大きく変わる商材では、単純な日数比較だけで差が出ることがあります。
特に月初数日だけを見る場合は、曜日の偏りによる変化を季節性と勘違いしないようにします。
ここで見る目的は、CPAが高い理由を細かく分析することではありません。
今年だけ異常なのか、例年この時期に同じ動きが起きるのかを確認することです。
季節変動を見つけるには何か月分のデータをどう並べますか
最低でも12か月、可能なら24か月以上の月次データを並べます。
月ごとの絶対値だけでなく、前年同月比を加えることで、毎年繰り返す山と谷を見つけやすくなります。
季節変動は数週間のデータでは判断しにくいため、月単位で長く見る必要があります。
最低でも1年間、可能であれば2年間以上のデータを並べます。
1年間だけでも繁忙期と閑散期はある程度見えます。
ただし、その山が季節によるものなのか、その年だけのキャンペーンや競合環境によるものなのかは判断しにくくなります。
2年以上あれば、同じ月に似た動きが起きているかを確認できます。
月ごとに同じ指標を横並びにします
見る指標を月ごとに変えてはいけません。
費用、表示回数、クリック数、CPC、CV、CVR、CPAを固定して並べます。
さらに前年同月比として、表示回数とCVを中心に比較します。
季節性を見るときに最初に知りたいのは、広告効率より市場の量だからです。
たとえば、説明のための仮の値として、毎年1月から3月に表示回数が増え、4月から6月に減るのであれば、検索需要に季節性がある可能性があります。
一方、表示回数は毎月ほぼ同じなのにCPAだけ特定月に高くなるなら、需要そのものではなく競争環境やCVRの変化を疑います。
月次データを並べるときの見方
| 指標 | 季節分析で確認すること | 動いたときに考えること |
|---|---|---|
| 表示回数 | 市場への露出量が毎年同じ月に増減するか | 検索需要の増減 |
| クリック数 | 表示回数と同じ方向に動いているか | 需要とCTRの影響 |
| CPC | 特定時期だけ上昇するか | 競合出稿の増加 |
| CV | 毎年同じ月に山と谷ができるか | 需要とCVRの両方 |
| CVR | 時期によって購入や問い合わせ意欲が変わるか | 検討行動の季節差 |
| CPA | 繁忙期と閑散期で許容値が変わるか | 予算配分の再設計 |
グラフでは山の高さより発生時期を見ます
季節変動を見るときは、前年と今年で数値が完全に一致している必要はありません。
毎年似た時期に上がり、似た時期に下がっているかを見ることが大切です。
前年は10月にピークがあり、今年は9月後半から伸び始めるなど、数週間のずれは起こります。
そのため、1か月単位だけでなく、必要に応じて週次でも確認します。
また、月間CVが少ないアカウントでは偶然の変動が大きくなります。
月5件と10件の差は率にすると大きく見えるため、CVだけでなく表示回数やクリック数まで確認し、母数の変化から判断します。
需要の季節変動と競合出稿の季節変動はどう見分けますか
需要変動では表示回数やクリック数そのものが動きやすく、競合出稿の増減ではCPCやインプレッションシェアが動きやすくなります。
同じ成果悪化でも症状を分けて確認します。
季節変動には大きく二つあります。
市場の検索需要そのものが増減する場合と、需要はあるものの競合企業の広告出稿が増減する場合です。
この二つは対処が異なります。
検索需要が減っている時期に入札を上げても、存在しない検索を増やすことはできません。
一方、需要は維持されているのに競合出稿が強まっているなら、広告オークション内で表示機会を失っている可能性があります。
需要が減ると表示回数から落ちやすくなります
季節的に市場の関心が下がると、キーワードの検索回数自体が減ります。
その結果、広告設定を変えていなくても表示回数が減り、クリック数やCVも減少します。
この場合、CPCやCVRに大きな異常がなくてもCV件数だけ減ることがあります。
前年同時期にも同じように表示回数が減っているなら、季節需要の可能性はさらに高まります。
ここで予算を増額しても、検索可能な需要をすでに取り切っていれば消化できません。
閑散期の減少を運用ミスと決めつけないことが必要です。
競合が増えると単価や表示機会が変わります
商戦期になると検索需要だけでなく、広告主の出稿も増えます。
この場合、表示回数が減っていなくてもCPCが上昇したり、同じ予算で獲得できるクリック数が減ったりします。
検索インプレッションシェアや上部表示に関する指標を継続的に見ていれば、自社の表示機会が相対的に落ちているかも確認できます。
たとえば説明のための仮の値として、表示回数が前年同月比でほぼ横ばいなのにCPCが200円から300円へ上がり、同じ広告予算で得られるクリック数が減った場合は、検索需要の減少だけでは説明しにくくなります。
競争環境の変化を確認する場面です。
検索広告の管理画面で確認できる指標や名称、利用条件は媒体側の仕様変更によって変わることがあります。
実際に出稿するときは、その時点の媒体公式情報を確認してください。
繁忙期と閑散期で広告予算はどう配分しますか
毎月同額を使うのではなく、獲得機会が増える時期へ予算を寄せます。
ただし繁忙期だから増額するのではなく、需要量と限界CPAを見ながら、取り切れる範囲まで配分します。
季節変動がある商材では、年間予算を12等分すると機会損失が起きることがあります。
需要が少ない月に予算を余らせ、需要が多い月に予算制限で表示機会を失うからです。
年間で使える広告費が決まっているのであれば、月ごとの需要に合わせて配分を変えます。
過去データから毎年CVが増える時期が分かっているなら、その少し前から予算の余力を持たせます。
前年の費用ではなく獲得機会を基準にします
前年に100万円使ったから今年も100万円という決め方では、現在の需要に合わないことがあります。
前年の表示回数、CV、インプレッションシェア、予算制限の有無などを見ながら、まだ取れる需要が残っていたかを確認します。
繁忙期に予算制限によって表示機会を失っていたのであれば、今年は増額余地があります。
反対に、前年も予算が余っていたのであれば、単純な増額では消化できない可能性があります。
説明のための仮の値として、年間1,200万円の広告費がある場合でも、毎月100万円に固定する必要はありません。
需要が大きい3か月へ150万円ずつ配分し、需要が少ない月を抑えるといった考え方があります。
実際の配分額は検索需要、許容CPA、過去実績によって決めます。
繁忙期はCPAの上昇も織り込みます
繁忙期はCVRが上がるとは限りません。
競合も予算を増やすため、CPCが上がる可能性があります。
そのため、繁忙期の予算を決めるときは、通常月と同じCPAを絶対条件にしすぎると機会を逃すことがあります。
1件追加で獲得するために必要な広告費と、そのCVが事業として許容できるかで判断します。
月平均CPAだけで予算を止めるのではなく、追加予算によって増えるCV数と限界的な獲得単価を見る考え方が必要です。
季節変動を前提にするなら、年間でどの時期に獲得数を最大化するかまで予算計画に含めます。
閑散期は広告を減らすだけでよいですか
閑散期は無理に獲得量を維持せず、繁忙期では実施しにくい検証や改善に時間と予算を使います。
広告テスト、LP改善、素材準備、指名検索につながる接点づくりを進める期間にします。
需要が少ない時期に、繁忙期と同じCV数を維持しようとすると無理が生じます。
検索数が少ないにもかかわらず配信量を広げると、意図の弱い検索語句まで拾い、結果として効率が悪化することがあります。
閑散期は予算を減らすだけではなく、次の繁忙期へ向けた改善期間として使えます。
広告文やLPの検証を先に終わらせます
繁忙期は売上や問い合わせを取り切ることが優先されます。
大きな変更を行うと成果を落とすリスクがあるため、検証をしにくくなります。
閑散期であれば、新しい広告訴求やLPの変更を比較的試しやすくなります。
もちろん母数が少なすぎる時期は検証に時間がかかりますが、少なくとも繁忙期直前に大規模な変更を始めるより準備しやすくなります。
どの訴求に反応があるのか、フォームで離脱していないか、スマートフォンでページが読みづらくないかなど、繁忙期に持ち越したくない課題を整理します。
繁忙期に使う素材を先に作ります
検索広告でも、広告文やLP内の画像、動画、比較表、事例、FAQなど、改善に必要な素材は多くあります。
繁忙期が始まってから制作を依頼すると、広告需要のピークに間に合わないことがあります。
季節変動が分かっている場合は、前年のピークから逆算して準備時期を決めます。
ピークが毎年11月なら、10月から考え始めるのではなく、数か月前から訴求と制作物を整えます。
また、検索広告だけで新規需要を作れるわけではありません。
他のマーケティング施策によって商品名やサービス名を知る人が増えれば、後から指名検索につながる可能性があります。
閑散期を広告が売れない月として放置せず、次の需要期で指名検索や比較検討に入ってもらうための接点づくりに使う考え方もあります。
自動入札は季節変動にどう対応しますか
通常の季節性は過去の配信データを含む複数のシグナルをもとに自動入札が調整します。
一方、予測可能な短期間の大きなCVR変化では、媒体が提供する季節性調整機能の利用を検討します。
自動入札を利用している場合、季節が変わるたびに手動で入札を操作する必要があるとは限りません。
自動入札は過去の配信結果だけではなく、オークション時のさまざまなシグナルをもとに入札を調整します。
そのため、毎年ゆるやかに起きる通常の季節変動まで、人が細かく補正するとかえって学習を乱すことがあります。
通常の季節変動と突発的な変化を分けます
数週間から数か月かけて徐々に需要が増えるような変化は、日々の配信データにも反映されていきます。
一方で、特定の数日間だけCVRが普段と大きく変化すると事前に分かっている場合は扱いが異なります。
媒体によっては、自動入札に対して短期間のCVR変化を事前に伝える季節性調整に相当する機能が提供されることがあります。
ただし、すべてのキャンペーンや入札方式で同じように利用できるとは限りません。
機能名称、対象キャンペーン、推奨される利用期間、設定方法は媒体側の仕様変更によって変わります。
実際に設定するときは、必ず出稿時点の媒体公式情報を確認してください。
季節性調整を恒常的な補正に使いません
季節性の調整は、通常状態が変わったことを長期間伝えるためのものではありません。
短期間だけCVRが通常と大きく変わることが予測できる場面を想定して検討します。
たとえば説明のための仮の値として、通常のCVRが3パーセント前後で推移しているアカウントが、数日間の販促によって6パーセント程度まで上昇すると事前に高い確度で予測できる場合です。
こうした場面では、媒体が提供する調整機能の対象になるかを確認できます。
反対に、冬は少し売れやすい、夏は問い合わせが減りやすいといった緩やかな変化を毎月手動で入力し続ける使い方は慎重に考えます。
また、季節性調整を設定したから需要が増えるわけではありません。
あくまで自動入札が短期間のCVR変化をどう解釈するかに関わるもので、検索数そのものを作る機能ではありません。
年末年始や大型連休の短期的な谷はどう扱いますか
数日から1週間程度の谷は月次悪化と混同せず、日別と曜日別で切り出します。
休日期間中の数値だけで恒常的な設定変更を行わず、休み明けの戻り方まで確認して判断します。
年末年始や大型連休では、月全体の季節変動とは異なる短期的な変化が起こります。
特にBtoB商材では、企業活動そのものが止まることで検索や問い合わせが減ることがあります。
BtoCでも、旅行、帰省、イベントなどによって普段とは検索行動が変わります。
この数日間だけを見て広告の成果が悪化したと判断すると、必要のない設定変更をしてしまう可能性があります。
月平均ではなく休日期間を分離します
たとえば12月全体のCPAが悪化していても、12月28日から31日の動きだけが極端に悪ければ、月全体の運用問題とは限りません。
休日前、休日期間、休み明けを分けて見ます。
前年の同じ休日期間が確認できる場合は比較します。
ただし祝日や大型連休は毎年曜日がずれるため、単純な日付比較だけではなく曜日構成も確認します。
短期の季節要因を判断するときの比較
| 期間 | 確認したい内容 | 判断の方向 |
|---|---|---|
| 休日前 | 通常水準から変化が始まっているか | 需要変化の開始時期を確認 |
| 休日期間 | 表示回数、CVR、CVが急減しているか | 一時的な行動変化を確認 |
| 休み明け | 数日で通常水準へ戻るか | 短期要因か恒常悪化かを確認 |
| 前年同時期 | 似た谷が発生しているか | 再現性を確認 |
短期の谷に長期設定を合わせすぎません
3日間だけCVが減ったからといって、長期間使用する入札目標やキーワード構成を大きく変更すると、休み明けの需要回復時に配信が追いつかない可能性があります。
短期変動が毎年確認できるのであれば、予算や配信計画にあらかじめ織り込みます。
問い合わせ対応が休業する企業であれば、広告側だけでなく、休業中に獲得した問い合わせへいつ連絡するのかも社内で決めておく必要があります。
休み明けに数字が元へ戻れば、一時的な谷だった可能性が高まります。
数週間たっても戻らない場合は、季節性だけで説明せず別の原因を確認します。
前年データがない1年目のアカウントではどう判断しますか
前年同月比が使えない場合は、検索需要の推移、業界の繁閑情報、週次データ、媒体内の表示機会など複数の材料で代替します。
初年度は仮説として記録し、翌年の比較基準を作ります。
新しく広告を始めたアカウントでは、前年同月の管理画面データがありません。
そのため、前年も同じだったから季節性ですという判断はできません。
この場合は、一つのデータだけで季節変動と断定せず、周辺情報を組み合わせます。
検索需要と広告実績を分けて見ます
まず、自社アカウントの表示回数が落ちたのか、市場の検索需要自体が落ちた可能性があるのかを分けます。
検索需要の時系列を確認できる媒体や公開ツールが利用できる場合は、主要キーワードの長期推移を参考にします。
ただし検索需要のデータと広告管理画面の表示回数は同じ数字ではありません。
広告の表示回数には予算、入札、品質、ターゲティングなどの要因も影響します。
外部データは需要の方向を見る材料として使い、広告実績と直接一致するものとして扱いません。
業界の商慣習も参考になります。
年度末に動く商材、新年度前に検討が増えるサービス、長期休暇中に需要が落ちるBtoB商材など、事業側が把握している繁閑情報は広告分析でも有効です。
1年目は翌年のために変化を記録します
初年度に大切なのは、数字を残すことです。
月次集計だけではなく、いつ需要が動き始め、いつピークを迎え、いつ戻ったかを記録します。
予算変更や広告文変更、LP変更なども同じ時系列に残しておきます。
これがないと、翌年に数字が変化したとき、季節性なのか前年の施策差なのか分からなくなります。
たとえば説明のための仮の値として、10月第2週から表示回数が増え、11月第3週に最大となり、12月中旬から減ったのであれば、その期間を翌年の比較基準として保存します。
2年目になれば、前年同時期との比較ができます。
3年目以降は、1年だけの特殊要因か、繰り返される季節パターンかをさらに判断しやすくなります。
季節変動ではなく恒常的な悪化だとどう見抜きますか
前年の谷を超えて悪化が続き、需要期に入っても戻らない場合は季節要因だけでは説明できません。
表示回数、CPC、CVR、計測などの変化点を特定し、悪化が始まった時期と照合します。
季節性を知ることは大切ですが、すべての悪化を季節のせいにすると改善が遅れます。
季節変動には通常、ある程度の周期があります。
谷に入り、その後需要が戻るという流れです。
恒常的な悪化では、その戻りが見られません。
前年と同じ月になっても戻らない状態を疑います
前年は9月から表示回数が増えていたのに、今年は10月になっても回復しないのであれば、例年の季節パターンから外れています。
この時点で今年は季節がずれていると決めつけず、他の変化を確認します。
広告設定を変更した時期、入札戦略を変えた時期、キーワードを追加または停止した時期、LPを変更した時期、CV計測を変更した時期などを時系列で並べます。
季節変動はカレンダーに沿って起きます。
運用起因の問題は、設定変更や競争環境の変化した日を境に起きることが多くなります。
悪化が始まった日を特定すると両者を分けやすくなります。
指標の一部だけが崩れていないかを見ます
需要減少なら、表示回数やクリック数が連動して減ることがあります。
一方、表示回数が前年並みにあるのにCVだけ減っている場合は、需要の季節変動だけでは説明しにくくなります。
表示回数は維持されているのにCPCだけ上昇しているなら競争環境を確認します。
クリック数まで維持されているのにCVRだけ落ちているなら、検索意図やLP、フォーム、商材条件などを確認する必要があります。
管理画面のCVだけ減り、実際の問い合わせ件数は変わっていないなら計測の問題も疑います。
ここで必要なのは、通常のCPA改善施策を片端から試すことではありません。
季節の波から外れた指標を見つけ、その変化がいつ始まったかを特定することです。
毎年繰り返す谷であれば予算計画へ織り込みます。
前年と異なる下落であれば運用や競争環境を調べます。
この二つを分けるだけで、季節的な需要減少に対して不要な設定変更を続ける事態を避けやすくなります。
広告媒体の自動入札、季節性調整、インプレッションシェアなどに関する仕様や対象範囲は変更されることがあります。
実際の設定や判断では、出稿時点の各媒体の公式情報を確認してください。
よくある質問
リスティング広告の成果が毎年同じ月に悪化する場合は放置してよいですか
放置するのではなく、再現性のある季節変動として予算計画へ組み込みます。需要が少ない時期に無理に獲得量を維持せず、広告やLPの検証、次の繁忙期に向けた制作などへ時間と予算を振り分けます。
前月よりCPAが高くなっただけで季節変動と判断できますか
判断できません。前月比と前年同月比を並べ、表示回数、CPC、CVR、CVなどのどこが変化したかを確認します。前年も同じ時期に似た動きがあるかを見ることが必要です。
繁忙期なら広告予算は必ず増やしたほうがよいですか
必ず増やすわけではありません。需要が増えていて、予算制限によって獲得機会を逃しており、追加獲得の単価が事業として許容できる場合に増額を検討します。
季節性の調整を設定すれば繁忙期の成果は改善しますか
季節性の調整は需要を増やす機能ではありません。予測できる短期間の大きなCVR変化を自動入札へ伝えるための機能として提供される場合があります。対象や推奨条件は変わる可能性があるため、利用時点の媒体公式情報を確認してください。
季節変動を分析するには何年分のデータが必要ですか
最低でも12か月、可能であれば24か月以上あると判断しやすくなります。1年分ではその年だけの特殊要因と区別しにくいため、複数年で同じ時期に山と谷が繰り返されているかを確認します。
まとめ
- 前月比だけで判断せず、前年同月比と前月比を同じ指標で並べると切り分けやすくなります。前年と同じ方向に動いていれば季節要因を疑い、前年と異なる動きなら運用変更や競争環境を確認します
- 最低でも12か月、可能なら24か月以上の月次データを並べます。月ごとの絶対値だけでなく、前年同月比を加えることで、毎年繰り返す山と谷を見つけやすくなります
- 需要変動では表示回数やクリック数そのものが動きやすく、競合出稿の増減ではCPCやインプレッションシェアが動きやすくなります。同じ成果悪化でも症状を分けて確認します
- 毎月同額を使うのではなく、獲得機会が増える時期へ予算を寄せます。ただし繁忙期だから増額するのではなく、需要量と限界CPAを見ながら、取り切れる範囲まで配分します
- 閑散期は無理に獲得量を維持せず、繁忙期では実施しにくい検証や改善に時間と予算を使います。広告テスト、LP改善、素材準備、指名検索につながる接点づくりを進める期間にします
- 通常の季節性は過去の配信データを含む複数のシグナルをもとに自動入札が調整します。一方、予測可能な短期間の大きなCVR変化では、媒体が提供する季節性調整機能の利用を検討します
- 数日から1週間程度の谷は月次悪化と混同せず、日別と曜日別で切り出します。休日期間中の数値だけで恒常的な設定変更を行わず、休み明けの戻り方まで確認して判断します
- 前年同月比が使えない場合は、検索需要の推移、業界の繁閑情報、週次データ、媒体内の表示機会など複数の材料で代替します。初年度は仮説として記録し、翌年の比較基準を作ります
- 前年の谷を超えて悪化が続き、需要期に入っても戻らない場合は季節要因だけでは説明できません。表示回数、CPC、CVR、計測などの変化点を特定し、悪化が始まった時期と照合します