矯正歯科のマーケティング組織の作り方

新規を取る役割だけでは足りません。
数年にわたって通い続けてもらう働きかけを、誰の仕事にするかが同時に問われます。
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目次
目次
- 数年通う患者を抱える事業で、集客の組織に何が求められるか
- 新規と継続の二つの役割がある
- 通院中の患者への連絡は、誰の仕事になるか
- 仕組みを作る側と運用する側を分ける
- 最初に社内へ置く役割はどれか
- この事業では長期の追跡が要る
- 受付と集客の接点を、どこに作るか
- 入力の項目を最小にする
- 医院が増えたときに、患者の引き継ぎをどう設計するか
- 法人内で引き継げる仕組み
- 表現の確認を、どの職務に組み込むか
- 二人で見て、一人が決める
- 外部の手を、組織のどこに置くか
- 継続を支える部分は外に出せない
- 抜けている役割を埋める順番
- 見る数字を決める
- よくある質問
- まとめ
新規を取る役割だけでは足りません。
数年にわたって通い続けてもらう働きかけを、誰の仕事にするかが同時に問われます。
数年通う患者を抱える事業で、集客の組織に何が求められるか
新規を取る役割だけでは足りません。
数年にわたって通い続けてもらう働きかけを、誰の仕事にするかが同時に問われます。
集客の組織は、新しい人を連れてくる役割として設計されがちです。
数年かかる治療では、連れてきた後の期間のほうが長くなります。
契約した人が通い続けるかどうかは、事業の収益に直接効きます。
途中でやめられると、初期にかかった費用が回収できません。
この働きかけを誰が担うかが決まっていない医院が多くあります。
新規と継続の二つの役割がある
新規を取る役割は、広告と情報の整備です。
継続を支える役割は、連絡と予約の設計です。
後者は現場の仕事とされがちですが、現場には時間がありません。
集客の組織に必要な役割
| 役割 | 内容 | 置かれていないことが多い |
|---|---|---|
| 新規の獲得 | 出稿と情報の整備 | 置かれている |
| 記録をつなぐ | 申し込みと診療の記録を結ぶ | 置かれていない |
| 通院の継続を支える | 来院が途切れた人への連絡 | 置かれていない |
| 表現の確認 | 外に出す文言を通す | 曖昧なことが多い |
| 現場との調整 | 枠と情報のやり取り | 人による |
| 検証の設計 | 試した内容と結果を残す | 置かれていない |
継続を支える役割が抜けやすい理由
新規の件数は目に見えます。
通院が途切れた人は、何も起きないので見えません。
見えないものには、役割が割り当てられません。
抜けている役割を先に特定する
人を増やす前に、何が誰の仕事にもなっていないかを出します。止まっている場所によって、必要な人が違います。
通院中の患者への連絡は、誰の仕事になるか
受付でも現場でもなく、集客の側が仕組みを作り、受付が運用する形が回りやすくなります。
現場に任せると、忙しい時期に止まります。
予約の日に来なかった人、次の予約を取らずに帰った人、数か月来ていない人。
この人たちへの連絡を誰が担うかが決まっていないと、誰もやりません。
仕組みを作る側と運用する側を分ける
誰にいつ何を送るかを決めるのは、集客の側です。
実際に連絡するのは、受付が担う形が現実的です。
現場に両方を任せると、診療が優先されて止まります。
通院が途切れた人への連絡の設計
| 状態 | 連絡の時期 | 連絡の内容 |
|---|---|---|
| 予約の日に来なかった | 当日か翌日 | 次の予約の案内 |
| 次の予約を取らずに帰った | 一週間以内 | 予約の案内 |
| 一か月来ていない | 一か月の時点 | 状況の確認 |
| 三か月来ていない | 三か月の時点 | 治療の継続の確認 |
| 半年来ていない | 半年の時点 | 状態の確認と相談の案内 |
来院が途切れた人を自動で拾う
手作業で探すと、忙しい時期に止まります。
予約の記録から、一定期間来ていない人を自動で抽出する形にします。
仕組みが難しければ、月に一度まとめて確認する運用でも足ります。
連絡の内容に医療の判断が絡む場合
治療の状態に触れる連絡は、医療の側の判断が要ります。
予約の案内は事務の範囲で行えます。
どこまでを事務で行い、どこから医療の側に回すかを決めておきます。
連絡の効果を測る
連絡した人のうち、何人が戻ってきたか。この数字を持たないと、続ける根拠がありません。月ごとに記録します。
最初に社内へ置く役割はどれか
記録をつなぐ役割です。
契約した人が数年後にどうなったかを追える形がないと、獲得の判断ができません。
社内に置く役割を選ぶとき、外に出せないものから置きます。
出稿の技術は外に豊富にあります。
医院の中の記録は、中の人しか触れません。
この事業では長期の追跡が要る
契約した人が完了したかどうかは、数年後に分かります。
その時点で、どの入口から来た人だったかが分からなければ、判断に使えません。
記録をつなぐ役割が、この追跡を支えます。
社内に置く役割の順番とその中身
| 順番 | 置く役割 | 主な仕事 | 外に出せるか |
|---|---|---|---|
| 1 | 記録をつなぐ役割 | 段階別の件数と入口別の契約率を出す | 出せない |
| 2 | 通院の継続を支える仕組みを作る役割 | 連絡の設計と効果の測定 | 一部出せる |
| 3 | 確認を通す役割 | 外に出す文言を確認の工程に乗せる | 一部出せる |
| 4 | 現場とつなぐ役割 | 枠と情報のやり取り | 出せない |
| 5 | 出稿の運用 | 配信の調整 | 出せる |
| 6 | 制作 | 文言と画像 | 出せる |
専任でなくてよい
記録をつなぐ役割は、毎日の仕事ではありません。
月に数日あれば足ります。
事務の担当者が兼ねる形で始められます。
兼任にする場合の注意
診療の側の業務と兼ねると、忙しい時期に止まります。
月のいつ行うかを決めて、予定に入れておきます。
使う道具を絞る
高度な仕組みは必要ありません。表計算の一枚で始められます。道具を先に決めると、作業が始まりません。
受付と集客の接点を、どこに作るか
予約の記録に来た入口の情報を残すところと、来院が途切れた人を拾うところの二か所です。
この二か所が切れていると、集客の側は何も判断できません。
受付は、申し込みと来院の両方を扱います。
集客の側が必要とする情報は、すべて受付を通ります。
入力の項目を最小にする
入口の種類を五つか六つの選択肢にします。
それ以上にすると、入力されません。
電話での申し込みは、どこで知ったかを一言聞いて選ぶ形にします。
受付が残す項目と集客側での使い道
| 残す情報 | 入力の方法 | 集客側での使い道 |
|---|---|---|
| 来た入口 | 選択肢から選ぶ | 入口ごとの契約率を出す |
| 判断する人 | 選択肢から選ぶ | 説明の枠の設計 |
| 来院できる曜日と時間帯 | 選択肢から選ぶ | 条件との照合 |
| 来院したかどうか | 来院の処理で入る | 来院率を出す |
| 次の予約の有無 | 予約の処理で入る | 継続の状態の把握 |
| 最後の来院の日 | 自動で入る | 途切れた人の抽出 |
次の予約の有無が継続の先行指標になる
帰るときに次の予約を取ったかどうかが、継続の状態を先に示します。
取らずに帰った人は、途切れる可能性が高くなります。
この項目を持つと、早い段階で手当てができます。
受付の負担を測る
入力の項目を増やすほど、受付の時間が削られます。
忙しい時間帯に入力を求める形にすると、精度が落ちます。
入力は来院の処理のときにまとめる形にします。
つなぐ役割を受付に置かない
入力は受付が行いますが、集計は集客の側が行います。受付に集計まで求めると、他の業務が止まります。
医院が増えたときに、患者の引き継ぎをどう設計するか
数年かかる治療では、転居による転院が一定数起きます。
法人内で引き継げる仕組みがあると、中断を減らせます。
治療の途中で引っ越す人がいます。
進学や就職で生活が変わる人もいます。
このとき、転院できるかどうかが中断するかどうかを分けます。
法人内で引き継げる仕組み
複数の医院を持つなら、他の院に引き継ぐ形が作れます。
治療の記録と計画を共有できる形にしておきます。
費用の扱いも、先に決めておきます。
本部に寄せる領域と各院に残す領域を、項目ごとに見ていきます。
出稿の管理については、本部は寄せる、各院は寄せない。
予算の配分については、本部は寄せる、各院は要望を出す。
表現の確認については、本部は寄せる、各院は素材を出す。
記録の集計については、本部は寄せる、各院は入力する。
枠の管理については、本部は数字を見る、各院は決める。
患者の引き継ぎの手順については、本部は決める、各院は運用する。
通院の継続を支える仕組みについては、本部は作る、各院は運用する。
引き継ぎの条件を先に決める
どの範囲まで引き継げるか、費用はどう扱うか、記録はどう渡すか。
事前に決めておかないと、案件ごとに判断することになります。
決めておくと、来院前の情報として示すこともできます。
引き継ぎができることを訴求に使えるか
法人内で引き継げることは、検討している人にとって安心の材料になります。
ただし、書き方には注意が要ります。
掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
院ごとの数字を同じ形で並べる
各院が別の形式で数字を出すと、比較ができません。本部が形式を決めて、各院はそこに入れるだけにします。
表現の確認を、どの職務に組み込むか
医療の側と集客の側の両方から一人ずつ出し、最終の判断者を一人決めます。
判断者がいないと、出せるものまで止まります。
外に出す文言の確認は、誰かの善意で回すものではありません。
職務として置きます。
二人で見て、一人が決める
医療の側は、内容が実態と合っているかを見ます。
集客の側は、伝わる形になっているかを見ます。
意見が割れたときに決める人を、先に決めておきます。
表現の確認に置く五つの役割を、項目ごとに見ていきます。
一次の確認については、担う人は集客の担当、見る内容は表現の形と過去の判断との整合。
二次の確認については、担う人は医療の側の担当、見る内容は内容が実態と合っているか。
最終の判断については、担う人は院長か法人の責任者、見る内容は割れたときに決める。
記録については、担う人は集客の担当、見る内容は判断の内容と日付を残す。
定期の見直しについては、担う人は全員、見る内容は基準が古くなっていないか。
判断の記録を残す
同じ論点が何度も出ます。
前回どう判断したかが残っていないと、毎回一から議論します。
判断した内容と日付と理由を、一覧にして残します。
所要日数を測る
確認に何日かかっているかを記録します。
施策が遅れたとき、原因が制作にあるのか確認にあるのかが切り分けられます。
基準そのものは外部で確認する
何が書けて何が書けないかの基準は、社内で決めるものではありません。掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。社内で決めるのは、その基準をどう運用するかの部分です。
外部の手を、組織のどこに置くか
実務を担う位置に置き、判断の位置には置きません。
特に、通院の継続を支える仕組みは外に出せません。
外部への委託は広く行われています。
Testifyが2026年5月に実施した調査では、九割を超える企業が代理店を活用しており、全面委託が37.2%、社内と併用が54.4%でした。
問題は使うかどうかではなく、どの位置に置くかです。
継続を支える部分は外に出せない
通院中の患者への連絡は、診療の記録に触れます。
情報の扱いにも配慮が要ります。
何をどこまで外に出してよいかは、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
外に委ねられる領域と手元に置く領域を、項目ごとに見ていきます。
配信の運用については、外に出せるかは出せる、理由は技術の蓄積が外にある。
制作については、外に出せるかは出せる、理由は外の幅を使える。
媒体の新しい仕様への追随については、外に出せるかは出せる、理由は追い続ける負担が大きい。
予算の配分の決定については、外に出せるかは残す、理由は事業の判断だから。
表現の確認については、外に出せるかは残す、理由は責任が医院に残るから。
記録の集計については、外に出せるかは残す、理由は中の記録に触れるから。
通院中の患者への連絡については、外に出せるかは残す、理由は診療の記録に触れるから。
報告の形を先に決める
委託先が作った形式のまま報告を受けると、都合の良い数字だけが並びます。
どの数字をどの形で出してもらうかを、契約の段階で決めます。
契約の件数まで含めた形にします。
社内に残る形で受け取る
運用の履歴と、試した内容と結果は、社内で読める形で受け取ります。
委託先を変えるときに、これがないと一から始めることになります。
窓口を一人にする
複数の人が別々に委託先と話すと、指示が割れます。窓口を一人に決めて、その人が社内の要望をまとめます。
抜けている役割を埋める順番
今どの役割が誰の職務にもなっていないかを一覧にするところからです。
人を増やす話より、役割の空きを見つける話が先です。
組織の設計は、人数の話ではありません。
必要な役割のうち、誰の職務にもなっていないものを見つける作業です。
空いている役割を埋めていく手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは必要な役割を一覧にする、期間の目安は一週間。
2については、やることはそれぞれを誰が担っているかを書き込む、期間の目安は一週間。
3については、やることは誰の職務にもなっていない役割を特定する、期間の目安は一週間。
4については、やることは記録をつなぐ役割を誰かに割り当てる、期間の目安は二週間。
5については、やることは来院が途切れた人を拾う仕組みを作る、期間の目安は一か月。
6については、やることは確認の工程の担当と最終の判断者を決める、期間の目安は二週間。
7については、やることは受付での入力の項目を決めて運用を始める、期間の目安は一か月。
8については、やることは外部に出す範囲と社内に残す範囲を線引きする、期間の目安は一か月。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
たとえば通院中の患者が400人、月に3人が途切れて中断に至るとします。
年間で36人です。
一人あたりの残りの支払いが40万円なら、年間で1,440万円の機会が失われている計算になります。
体制が回っているかを確かめる数字を、項目ごとに見ていきます。
記録の突き合わせの実施については、見る頻度は毎月、見るときの観点は止まっていないか。
受付での入力の実施率については、見る頻度は毎月、見るときの観点は八割を超えているか。
来院が途切れた人への連絡の実施率については、見る頻度は毎月、見るときの観点は拾えているか。
連絡してから戻ってきた人の数については、見る頻度は毎月、見るときの観点は効いているか。
確認の工程の所要日数については、見る頻度は毎月、見るときの観点は延びていないか。
検証の記録の件数については、見る頻度は四半期、見るときの観点は試した内容が残っているか。
人を増やす前に道具を見直す
記録の突き合わせに毎月五日かかっているなら、仕組みの問題です。
人を増やす前に、入力の形と集計の手順を見直します。
役割の一覧を文書にして残す
誰が何を担っているかを文書にします。
担当が変わったときに、この一覧がないと役割が抜け落ちます。
半年に一度、実態と合っているかを見直します。
集客の体制のどこが抜けているか分からない場合は、無料相談で役割の一覧を一緒に作るところから始められます。外部との分担ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
集客の組織に新規以外の役割が要りますか
数年かかる治療では、連れてきた後の期間のほうが長くなります。通い続けてもらう働きかけを誰の仕事にするかが決まっていないと、誰もやりません。途切れた人は何も起きないので、見えないまま放置されます。
通院中の患者への連絡は誰が担いますか
誰にいつ何を送るかを決めるのは集客の側、実際の連絡は受付が担う形が回りやすくなります。現場に両方を任せると、診療が優先されて止まります。治療の状態に触れる連絡は医療の側の判断が要ります。
最初に社内へ置くべき役割は何ですか
記録をつなぐ役割です。契約した人が数年後にどうなったかを追える形がないと、獲得の判断ができません。専任である必要はなく、月に数日あれば足ります。
受付と集客はどこでつなぎますか
予約の記録に来た入口の情報を残すところと、来院が途切れた人を拾うところの二か所です。帰るときに次の予約を取ったかどうかは、継続の状態を先に示す項目になります。
転居する患者にはどう対応しますか
複数の医院を持つなら、法人内で引き継ぐ仕組みを作れます。どの範囲まで引き継げるか、費用はどう扱うか、記録はどう渡すかを先に決めてください。訴求に使う場合の書き方は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
まとめ
- 新規を取る役割だけでは足りません。数年にわたって通い続けてもらう働きかけを、誰の仕事にするかが同時に問われます
- 受付でも現場でもなく、集客の側が仕組みを作り、受付が運用する形が回りやすくなります。現場に任せると、忙しい時期に止まります
- 記録をつなぐ役割です。契約した人が数年後にどうなったかを追える形がないと、獲得の判断ができません
- 予約の記録に来た入口の情報を残すところと、来院が途切れた人を拾うところの二か所です。この二か所が切れていると、集客の側は何も判断できません
- 数年かかる治療では、転居による転院が一定数起きます。法人内で引き継げる仕組みがあると、中断を減らせます
- 医療の側と集客の側の両方から一人ずつ出し、最終の判断者を一人決めます。判断者がいないと、出せるものまで止まります
- 実務を担う位置に置き、判断の位置には置きません。特に、通院の継続を支える仕組みは外に出せません
- 今どの役割が誰の職務にもなっていないかを一覧にするところからです。人を増やす話より、役割の空きを見つける話が先です