
同じ人が家を建て直すことは、ほぼありません。
工務店にとってのリピートは、メンテナンスの受注と、OB客からの紹介です。
この2つを分けて考えます。
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目次
目次
- 工務店にとって、リピートとは何を指すのか
- リピートを、2つに分ける
- 引き渡しのあと、いつ連絡するのがいいのか
- 点検の時期は、決まっている
- LINEとメールは、どう使い分けるのか
- 使い分けの基準
- 何を送れば、嫌がられないのか
- 送っていいものと、いけないもの
- 紹介をもらうには、何をすればいいのか
- 紹介してほしい、と伝える
- メンテナンスの受注を、どう自社に残すのか
- 連絡がないと、忘れられる
- 点検の記録を、どう活かすのか
- 記録があると、提案ができる
- 送ってはいけない内容は何か
- 性能の表現には、根拠が要る
- 何から手をつければいいのか
- 見る数字を決める
- よくある質問
- まとめ
同じ人が家を建て直すことは、ほぼありません。
工務店にとってのリピートは、メンテナンスの受注と、OB客からの紹介です。
この2つを分けて考えます。
工務店にとって、リピートとは何を指すのか
同じ人が家を建て直すことは、ほぼありません。
工務店にとってのリピートは、メンテナンスの受注と、OB客からの紹介です。
この2つを分けて考えます。
家は一生に一度の買い物です。
だからもう一度建ててもらうことは、ほとんど起きません。
リピートを、2つに分ける
工務店で目指すべきは、次の2つです。
一つは、引き渡した家のメンテナンスを自社で受け続けること。
もう一つは、OB客から紹介をもらうことです。
工務店におけるリピートの中身
| 種類 | 内容 | 起きる頻度 |
|---|---|---|
| 点検・メンテナンス | 定期点検と小修繕 | 年に数回 |
| リフォーム | 10年以降の改修 | 10年に1度程度 |
| 建て替え | 同じ施主が再度建てる | ほぼない |
| 紹介 | OB客が知人を紹介 | 関係次第 |
| 追加工事 | 外構・増築・造作 | 数年以内 |
OB客の紹介が、生活圏で重なる
工務店の商圏は、車で30分から1時間です。
そしてOB客の知人も、同じ生活圏にいます。
だから紹介が、そのまま商圏内の受注になります。
年間の施工可能棟数が受注の上限なので、紹介で埋まれば広告費は要りません。
引き渡しのあと、いつ連絡するのがいいのか
定期点検の時期と、季節の変わり目です。
用がないのに連絡すると、営業だと思われます。
引き渡してから、何年も関係が続きます。
そして連絡の間隔が空きすぎると、忘れられます。
点検の時期は、決まっている
1か月、6か月、1年、2年、5年、10年。
点検の時期は、あらかじめ決まっています。
これを守るだけで、定期的な接点ができます。
連絡のタイミングと、内容
| タイミング | 連絡の内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 引き渡し1か月後 | 住み心地の確認 | 不具合を早く見つける |
| 6か月・1年 | 定期点検の案内 | 関係を続ける |
| 季節の変わり目 | メンテナンスの注意点 | 役に立つ情報を送る |
| 5年・10年 | 大きな点検の案内 | リフォームにつなげる |
| 不具合の連絡があったとき | すぐ対応 | 信頼が決まる瞬間 |
季節の変わり目に、役立つ情報を送る
梅雨前の点検、冬前の給湯器の確認、台風前の雨どいの掃除。
こうした情報は、営業ではありません。
そして送られた側も、嫌がりません。
不具合の連絡には、すぐ応じる
ドアの建て付けが悪いといった小さな連絡があります。このときの対応が、紹介するかどうかを決めます。すぐ行く工務店と、後回しにする工務店で、差がつきます。
LINEとメールは、どう使い分けるのか
LINEは急ぎのやりとり、メールは記録が残る連絡に使います。
工務店では、施主の年齢層によってどちらが届くかが変わります。
連絡の手段は、相手によって使い分けます。
そして工務店の施主は、30代から60代まで幅があります。
使い分けの基準
LINEは、短いやりとりと写真の共有に向いています。
メールは、記録が残り、書面のやりとりに向いています。
LINEとメールの使い分け
| 用途 | LINE | メール |
|---|---|---|
| 不具合の連絡 | 向いている | 向いていない |
| 写真の共有 | 向いている | 添付が面倒 |
| 点検の日程調整 | 向いている | やりとりが遅い |
| 見積書や図面の送付 | 向いていない | 向いている |
| 保証や契約に関わる連絡 | 記録が流れる | 記録が残る |
| 季節の情報提供 | 読まれやすい | 開封されにくい |
LINEは、返信が早い
LINEは、返信までの時間が短くなります。
点検の日程調整のような、何往復もするやりとりに向いています。
メールは、記録が残る
保証の内容、工事の確認、費用の連絡。
後から見返す必要があるものは、メールで送ります。
施主が使いやすいほうに合わせる
高齢の施主には、電話のほうが確実なこともあります。若い施主には、LINEが最も早く届きます。引き渡しのときに、どの手段がよいかを聞いておきます。
何を送れば、嫌がられないのか
役に立つ情報と、点検の案内です。
新しい商品の案内や、値引きの告知は送りません。
引き渡した施主に、営業の連絡を送ると嫌がられます。
家はもう建っているからです。
送っていいものと、いけないもの
役に立つ情報は歓迎されます。
売り込みは、嫌われます。
送る内容と、受け取られ方
| 内容 | 受け取られ方 |
|---|---|
| 季節ごとのメンテナンスの注意点 | 役に立つ |
| 点検の案内 | 当然のこと |
| 不具合への対応の連絡 | 信頼になる |
| 施工事例の紹介 | 興味があれば見る |
| 新商品の販売案内 | 営業だと感じる |
| 値引きキャンペーン | しつこいと感じる |
頻度は、多すぎない
月に1回でも多いと感じる人がいます。
季節ごと、年に4回程度が適切です。
点検の案内は、これとは別です。
一斉配信より、個別の連絡
同じ内容を全員に送ると、読まれなくなります。◯◯さんのお宅は、そろそろ5年点検です。個別の内容のほうが、はるかに効きます。
紹介をもらうには、何をすればいいのか
完成見学会に、OB客を招きます。
そして頼まないと、紹介は起きません。
OB客の紹介が、工務店にとって最も価値のある集客です。
そして紹介は、自然には起きません。
紹介してほしい、と伝える
もしお知り合いで家をお考えの方がいらしたら。
この一言を言っていない工務店が、多くあります。
言われなければ、紹介しようとは思いません。
紹介が起きる場面を、項目ごとに見ていきます。
点検で訪問したときについては、できることは直接お願いする。
完成見学会については、できることはOB客を招いて見てもらう。
不具合に対応したあとについては、できることは感謝されている状態。
季節の連絡のときについては、できることは文面で一言添える。
近隣で工事があるときについては、できることは挨拶に伺う。
完成見学会に、OB客を招く
完成見学会は、現物を見せられる唯一の機会です。
そしてOB客を招くと、自分の家との違いを見て興味を持ちます。
知人を連れてきてくれることもあります。
紹介した人に、迷惑をかけない
紹介された人にしつこく営業すると、紹介した人が困ります。
そして二度と紹介してもらえません。
紹介案件こそ、丁寧に扱います。
紹介で来た人には、必ず報告する
紹介した人は、その後どうなったかを気にしています。おかげさまでご契約いただきましたと報告します。これがないと、次の紹介が起きません。
メンテナンスの受注を、どう自社に残すのか
点検に行き続けることです。
他社に取られるのは、連絡が途絶えたときです。
建てた家のメンテナンスは、本来その工務店の仕事です。
それが他社に流れるのは、連絡が途絶えたからです。
連絡がないと、忘れられる
10年経つと、誰が建てたかを忘れる施主がいます。
そして訪問販売やチラシを見て、他社に頼みます。
特に外壁の塗り替えは、築10年から15年で検討が始まります。
メンテナンスの時期と、他社に流れやすい工事を、項目ごとに見ていきます。
1〜2年については、工事の内容は建具の調整・クロスの補修、他社に流れやすいかは流れにくい。
5年については、工事の内容はシロアリの確認・設備の点検、他社に流れやすいかはやや流れる。
10年については、工事の内容は外壁・屋根の点検、他社に流れやすいかは流れやすい。
10〜15年については、工事の内容は外壁の塗り替え、他社に流れやすいかは最も流れやすい。
15年以降については、工事の内容は給湯器・水回りの交換、他社に流れやすいかは流れやすい。
外壁の時期を、先回りする
築10年が近づいたら、点検の連絡を入れます。
訪問販売が来る前に、自社が先に行きます。
そしてまだ大丈夫ですと言えば、信頼が上がります。
小さな工事も、受ける
網戸の張り替え、水栓の交換、棚の取り付け。こうした小さな仕事は、利益になりません。ただし、これを断ると大きな工事も来なくなります。
点検の記録を、どう活かすのか
次にやるべきことが、記録から分かります。
記録がないと、点検が単なる訪問で終わります。
点検に行っても、記録を残していない工務店があります。
そして次の点検で、同じことを繰り返します。
記録があると、提案ができる
前回の点検で気になった箇所を、次に確認します。
そしてそろそろ交換の時期ですと提案できます。
記録しておくことを、項目ごとに見ていきます。
設備の型番と設置年については、次に使える場面は交換の時期の提案。
気になった箇所については、次に使える場面は次回の重点確認。
施主の要望については、次に使える場面は将来の工事の提案。
家族構成の変化については、次に使える場面は間取りの改修の提案。
連絡の手段と履歴については、次に使える場面は連絡の取り方。
家族構成の変化を、記録する
子どもが増えた、独立した、親と同居することになった。
こうした変化が、改修の理由になります。
点検のときの雑談から、分かることがあります。
担当者が変わっても、引き継げる
記録がないと、担当者が変わったときに関係が切れます。そして施主は、一から説明することになります。これが不満につながります。
送ってはいけない内容は何か
根拠のない性能の主張と、しつこい営業です。
住宅の広告表示には、根拠が必要です。
引き渡した施主への連絡でも、内容には気をつけます。
特に性能に関する表現です。
性能の表現には、根拠が要る
高気密高断熱、耐震等級。
こうした表示には根拠が必要です。
掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
連絡で避ける内容を、項目ごとに見ていきます。
根拠のない性能の主張については、理由は表示の決まりがある。
他社を批判する内容については、理由は品位を疑われる。
不安を煽る内容については、理由は訪問販売と同じに見える。
頻繁な営業の連絡については、理由は関係が切れる。
一方的な一斉配信については、理由は読まれなくなる。
不安を煽らない
このままでは家が傷みますといった言い方は、訪問販売と同じです。
そして施主は、その手口を警戒しています。
事実を伝えて、判断してもらいます。
他社の批判をしない
他社の工事を手抜きだと言うのは、避けます。そして自分の仕事の質で示します。
何から手をつければいいのか
点検の記録を残すことと、点検に必ず行くことからです。
連絡が途絶えなければ、他社に流れません。
やることは多くありません。
既存の点検の仕組みを、きちんと回すだけです。
着手の順番を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは点検の記録の様式を作る、期間の目安は1か月。
2については、やることは点検の予定を全OB客について一覧にする、期間の目安は1か月。
3については、やることは連絡の手段を施主ごとに確認する、期間の目安は3か月。
4については、やることは季節ごとの情報提供を始める、期間の目安は3か月。
5については、やることは完成見学会にOB客を招く、期間の目安は次回の開催まで。
6については、やることは点検のときに紹介をお願いする、期間の目安は継続。
見る数字を決める
数字は説明のための仮の値です。
たとえば、OB客が80軒あって点検の実施が年に10件だった工務店が、一覧を作って年に50件になる。
これがメンテナンスの受注につながります。
見る数字を、項目ごとに見ていきます。
点検の実施率については、見る頻度は四半期、目安の考え方は予定に対して何件行けたか。
OB客からのメンテナンス受注額については、見る頻度は四半期、目安の考え方は他社に流れていないか。
紹介による問い合わせ件数については、見る頻度は四半期、目安の考え方は関係が続いているか。
紹介からの契約件数については、見る頻度は年1回、目安の考え方は広告費を減らせる材料。
連絡が取れないOB客の数については、見る頻度は年1回、目安の考え方は関係が切れている数。
紹介による問い合わせ件数を、見る
年間の施工可能棟数が上限なので、紹介で埋まれば広告費は要りません。
ここが増えているかどうかが、最終的な成果です。
紹介が増えない原因が分からない場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。OB客との関係を含めて集客全体を見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
家は一生に一度なので、リピートは無理ではないですか
同じ施主が建て直すことはほぼありません。工務店のリピートは、メンテナンスの受注と、OB客からの紹介です。この2つを分けて考えてください。
LINEとメールは、どちらを使うべきですか
不具合の連絡や日程調整はLINE、見積書や保証に関わる連絡はメールです。引き渡しのときに、施主がどちらを使いやすいかを聞いておいてください。
OB客への連絡は、どれくらいの頻度がいいですか
季節ごと、年に4回程度が適切です。点検の案内は、これとは別に予定どおり送ってください。
外壁の塗り替えを他社に取られてしまいます
築10年が近づいたら、訪問販売が来る前に自社から点検の連絡を入れてください。まだ大丈夫ですと言えれば、信頼が上がります。
紹介をお願いするのは、図々しくないですか
言われなければ、紹介しようとは思いません。点検で訪問したときにもしお知り合いで家をお考えの方がいらしたらと一言添えるだけで十分です。
まとめ
- 同じ人が家を建て直すことは、ほぼありません。工務店にとってのリピートは、メンテナンスの受注と、OB客からの紹介です。この2つを分けて考えます
- 定期点検の時期と、季節の変わり目です。用がないのに連絡すると、営業だと思われます
- LINEは急ぎのやりとり、メールは記録が残る連絡に使います。工務店では、施主の年齢層によってどちらが届くかが変わります
- 役に立つ情報と、点検の案内です。新しい商品の案内や、値引きの告知は送りません
- 完成見学会に、OB客を招きます。そして頼まないと、紹介は起きません
- 点検に行き続けることです。他社に取られるのは、連絡が途絶えたときです
- 次にやるべきことが、記録から分かります。記録がないと、点検が単なる訪問で終わります
- 根拠のない性能の主張と、しつこい営業です。住宅の広告表示には、根拠が必要です
- 点検の記録を残すことと、点検に必ず行くことからです。連絡が途絶えなければ、他社に流れません