
入力作業ではなく、数字を使って何を伝えられるかです。
クラウド会計で入力の手間が減った以上、入力を代わりに行うことの価値は下がり続けます。
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目次
目次
- 記帳代行の価格が下がり続ける中で、会計事務所は何で選ばれるべきか
- 価値が移動している
- どんな言葉で検索して、会計事務所が探されているのか
- 検索の量は多くない
- 顧問料は、どこまで書けばいいのか
- 含まれるものが違う
- 担当者一人あたりの関与先数に上限がある中で、どう伸ばすか
- 上限を把握する
- 決算期の集中を、どう平準化するか
- 集中の構造
- 紹介を増やすには、何が必要か
- 紹介の経路
- 経営支援やCFO代行への移行は、どう進めればいいのか
- いきなり売らない
- 限られた予算で、何から着手すればいいのか
- 着手の順番
- よくある質問
- まとめ
入力作業ではなく、数字を使って何を伝えられるかです。
クラウド会計で入力の手間が減った以上、入力を代わりに行うことの価値は下がり続けます。
記帳代行の価格が下がり続ける中で、会計事務所は何で選ばれるべきか
入力作業ではなく、数字を使って何を伝えられるかです。
クラウド会計で入力の手間が減った以上、入力を代わりに行うことの価値は下がり続けます。
記帳代行の価格は、下がっています。
理由は明確です。
クラウド会計が普及し、銀行やカードの明細が自動で取り込まれるようになりました。
入力作業そのものが減りました。
価値が移動している
以前は、入力を代わりに行うことに価値がありました。
手間がかかる作業だったためです。
今は、その手間が減りました。
だから、入力を代わりに行うことの価格も下がります。
価値の移動
| 以前 | 現在 |
|---|---|
| 記帳の入力 | 自動化が進んだ |
| 仕訳の判断 | 一部は自動化、判断が必要な部分は残る |
| 月次の数字を出す | 早く出せるようになった |
| 数字を使った説明 | ここに価値が移った |
| 資金繰りの相談 | 求められている |
| 将来の見通し | 求められている |
経営者が求めていること
経営者は、数字を見たいわけではありません。
数字を見て、何をすればいいかを知りたいのです。
今月の利益がいくらか。
去年と比べてどうか。
このままいくと、資金はどうなるか。
何を変えるべきか。
伝えられているか
月次の資料を渡して終わり、という関与先が多くないでしょうか。
資料を渡すことと、説明することは違います。
そして、説明することと、次の行動を示すことも違います。
価格の話に戻さない
価格を下げて件数を増やす方向は、担当者一人あたりの関与先数に上限がある以上、どこかで止まります。
そして、担当者が疲弊します。
どんな言葉で検索して、会計事務所が探されているのか
会計事務所 地域名経理代行 費用が中心ですが、検索からの問い合わせは多くありません。
紹介が主な経路である以上、検索は紹介の後に見られる場所として整えるのが現実的です。
検索の量は多くない
会計事務所を検索で探す人は、限られています。
多くは、紹介で決まります。
金融機関、既存の顧問先、同業の経営者、他の士業。
それでも検索される場面
検索される場面
| 場面 | 検索の例 |
|---|---|
| 開業したばかり | 税理士 顧問料 相場、個人事業主 税理士 必要 |
| 今の事務所に不満 | 税理士 変更 タイミング、顧問料 高い |
| 特定の相談 | 相続 税理士 地域名、事業承継 相談 |
| 経理を外注したい | 経理代行 費用、記帳代行 相場 |
| 補助金や融資 | 融資 相談 税理士 地域名 |
検索は紹介の後に見られる
紹介された後、必ず名前で検索されます。
そのときに、何をしている事務所か、誰がいるか、いくらかかるかが分かるか。
これが、紹介からの成約率に影響します。
料金の目安を書く
顧問料がいくらかを書いていない事務所が多いです。
書かないと、問い合わせの前に判断できません。
そして、書いてある事務所が先に検討されます。
得意な領域を書く
すべての業種、すべての規模に対応する、と書いてある事務所は、何が得意か分かりません。
業種、規模、相談の内容。
どれかで絞ると、その領域で探している人に届きます。
税理士法と広告の規制
税理士の広告には、規制があります。
書ける内容、書けない内容があります。
掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
顧問料は、どこまで書けばいいのか
規模ごとの幅と、何が含まれるかを書いてください。
含まれる範囲が事務所によって違うため、金額だけでは比較できず、書いていない事務所は検討から外れます。
含まれるものが違う
月額の顧問料に何が含まれるか。
これが事務所によって大きく違います。
記帳。
月次の訪問。
年末調整。
決算と申告。
給与計算。
相談の回数。
幅で書く
顧問料の書き方の例
| 関与先の規模 | 説明のための仮の値(月額) | 決算料の目安 |
|---|---|---|
| 個人事業主(売上1,000万円未満) | 10,000円から20,000円 | 顧問料の4か月から6か月分 |
| 法人(売上3,000万円未満) | 20,000円から35,000円 | 同上 |
| 法人(売上1億円未満) | 35,000円から60,000円 | 同上 |
| 法人(売上1億円以上) | 60,000円から | 同上 |
ここに出した数字は、説明のための仮の値です。
自事務所の料金に置き換えてください。
含まれる範囲を書く
金額だけでなく、何が含まれるかを書いてください。
訪問の頻度。
記帳を事務所が行うか、関与先が行うか。
給与計算が含まれるか。
年末調整が含まれるか。
相談は何回までか。
別途になるもの
別途の費用になるものも書いてください。
税務調査の対応。
相続や事業承継の相談。
補助金の申請支援。
資金調達の支援。
金額を上げる方向
価格を上げるには、含まれる内容を増やすか、別の業務を提供するかです。
経営の相談、資金繰りの管理、事業計画の作成。これらは、記帳とは別の価値です。
担当者一人あたりの関与先数に上限がある中で、どう伸ばすか
関与先の数ではなく、一件あたりの報酬を上げることです。
担当者が持てる件数には限りがあるため、件数を増やす方向は採用の問題に行き着きます。
上限を把握する
担当者一人が持てる関与先の数は、業務の内容によって変わります。
記帳から決算まで行う場合と、決算だけの場合では違います。
訪問の頻度によっても変わります。
担当の負荷
| 業務の内容 | 一人あたりの目安 |
|---|---|
| 記帳、月次訪問、決算 | 少ない |
| 記帳なし、四半期訪問、決算 | 中程度 |
| 決算のみ | 多い |
件数を増やす方向の限界
件数を増やすには、担当者を増やす必要があります。
採用と育成に時間がかかります。
そして、決算期に業務が集中するため、その時期の負荷が上がります。
単価を上げる方向
一件あたりの報酬を上げるには、提供する内容を増やす必要があります。
単価を上げる方向を、項目ごとに見ていきます。
経営の相談については、内容は数字を使った現状の説明と提案。
資金繰りの管理については、内容は資金繰り表の作成と更新。
事業計画については、内容は計画の作成と実績の管理。
資金調達の支援については、内容は金融機関との交渉の支援。
事業承継については、内容は株の評価、承継の計画。
関与先を選ぶ
すべての関与先に同じ対応をする必要はありません。
相談が多く、数字を使いたいと思っている関与先。
記帳と申告だけでよい関与先。
この二つを分けて、前者に時間を使う設計が必要です。
断る勇気
価格が合わない関与先、負荷が大きすぎる関与先。
これを抱え続けると、担当者の時間が埋まります。
契約の見直しを提案するか、あるいは他の事務所を紹介する。この判断が必要な場合があります。
決算期の集中を、どう平準化するか
関与先の決算月が偏っているなら、新規の受け入れで月を分散させることです。
そして、決算期以外にできる業務を前倒しする仕組みを作ることです。
集中の構造
3月決算の法人が多いため、5月に申告が集中します。
そして、個人の確定申告が2月から3月に集中します。
この時期、事務所は回りません。
業務の集中を、項目ごとに見ていきます。
1月については、集中する業務は法定調書、償却資産。
2月から3月については、集中する業務は個人の確定申告。
5月については、集中する業務は3月決算の申告。
6月から7月については、集中する業務は住民税、労働保険。
11月から12月については、集中する業務は年末調整。
新規の受け入れで分散する
新規の関与先を受け入れるとき、決算月を確認してください。
すでに多い月の決算は、受け入れを慎重に判断する。
少ない月の決算を優先する。
この積み重ねで、数年かけて分散できます。
前倒しする
決算期の作業を、前倒しできる部分があります。
月次の処理を毎月確実に行う。
決算に必要な資料を早めに依頼する。
償却の計算を先に行う。
月次が滞っていると、決算期にすべてが集中します。
関与先の協力
資料の提出が遅い関与先があると、業務が後ろ倒しになります。
いつまでに何を出してもらうかを、契約の段階で決めてください。
そして、遅れた場合の扱いも決めておいてください。
クラウド会計の活用
関与先がクラウド会計を使っていると、リアルタイムで数字が見えます。
月次の処理が早くなり、決算期の負荷が下がります。
導入の支援自体が、提供できる価値になります。
紹介を増やすには、何が必要か
紹介してもらえる状態を作ることと、紹介を依頼することの両方です。
満足している関与先がいても、依頼しなければ紹介は生まれません。
紹介の経路
紹介の経路を、項目ごとに見ていきます。
既存の関与先については、きっかけは経営者仲間からの相談。
金融機関については、きっかけは融資の相談を受けた企業。
他の士業については、きっかけは自分の専門外の相談。
保険会社、証券会社については、きっかけは顧客からの相談。
商工団体については、きっかけは会員からの相談。
依頼していない
紹介が生まれない最大の理由は、依頼していないことです。
関与先は、紹介してよいのか分かりません。
新規を受け付けているのか、どんな相談なら対応できるのか。
依頼の仕方
新しいお客様を紹介してくださいでは、動きません。
どんな相談なら対応できるかを具体的に伝えてください。
開業したばかりの方の相談を受けています
相続の相談も対応できます
融資の相談は、一度お話を聞けます
金融機関との関係
金融機関からの紹介は、質の高い経路です。
融資の相談を受けた企業を、税理士に紹介する流れがあります。
この経路を作るには、金融機関の担当者との関係が必要です。
そして、紹介された企業に対して、金融機関が納得する対応をすることです。
他の士業との関係
弁護士、司法書士、社会保険労務士、行政書士。
それぞれ専門が違います。
相互に紹介できる関係を作ると、経路が増えます。
紹介された後
紹介された後、必ず名前で検索されます。
事務所のサイトが古い、料金が書いていない、誰がいるか分からない。この状態だと、紹介が生きません。
経営支援やCFO代行への移行は、どう進めればいいのか
既存の関与先のうち、数字を使いたいと考えている先から始めることです。
いきなり新しい業務として売るより、今の関与の中で提供してみるほうが確実です。
いきなり売らない
経営支援やCFO代行を、新しいサービスとして打ち出す事務所があります。
しかし、関与先から見ると、何をしてもらえるのか分かりません。
そして、追加の費用がかかることに納得できません。
今の関与の中で試す
月次の面談で、数字を使った説明をしてみる。
資金繰りの見通しを一緒に作ってみる。
来期の計画を一緒に考えてみる。
この中で、価値を感じてもらえたら、次の段階に進めます。
段階的な進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、内容は月次で数字を使った説明をする。
2については、内容は資金繰りの見通しを作る。
3については、内容は計画と実績の比較を続ける。
4については、内容は金融機関との交渉を支援する。
5については、内容は契約の内容と報酬を見直す。
できる担当者が限られる
経営の相談は、誰でもできるわけではありません。
数字を説明する力と、経営者と話す力が要ります。
担当者の育成に時間がかかります。
全関与先に提供することは、現実的ではありません。
対象を絞る
数字を使いたいと考えている経営者。
成長を目指している企業。
資金調達を考えている企業。
この層に絞って提供してください。
報酬の設計
経営支援の報酬をどう設計するかは、難しい問題です。
顧問料に含めるのか、別料金にするのか。
時間で課金するのか、成果に応じるのか。
先に決めておかないと、無償の時間が増えます。
限られた予算で、何から着手すればいいのか
料金の明示、得意な領域の明確化、紹介の依頼。
この三つが先です。
検索からの問い合わせが多くない業種なので、紹介の経路を太くするほうが効きます。
着手の順番
優先順位を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは料金の目安を書く、理由は紹介の後に見られる、判断材料になる。
2については、やることは得意な領域を明確にする、理由はその領域で探している人に届く。
3については、やることは紹介を依頼する、理由は最も確実な経路。
4については、やることは所属する人を見せる、理由は誰が担当するか分かる。
5については、やることは月次の説明の質を上げる、理由は単価と継続に効く。
6については、やることは決算月の分散、理由は業務の平準化。
7については、やることは広告、理由は規制の確認をしてから。
紹介が主経路であることを前提に
会計事務所の集客は、検索より紹介が中心です。
だからといって、サイトが不要なわけではありません。
紹介された後に見られる場所として、必要な情報を整えてください。
既存の関与先との関係
既存の関与先が満足していれば、紹介が生まれます。
月次で何を伝えているか。
質問に答えられているか。
連絡が取りやすいか。
ここが、紹介の量を決めます。
広告の規制
税理士の広告には、規制があります。
書ける内容、書けない内容があります。
報酬に関する表示、他の事務所との比較、実績の表示。
これらは規制の対象になることがあります。
掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
価格で競わない
記帳代行の価格競争に参加すると、担当者の負荷が上がり、利益が下がります。
数字を使った説明、経営の相談、資金繰りの支援。価格以外の理由を作ってください。
よくある質問
顧問料をサイトに書くべきですか。
書いてください。書いていないと、問い合わせの前に判断できません。規模ごとの幅と、含まれる範囲を明示してください。含まれるものが事務所によって違うため、金額だけを書くと誤解を生みます。税理士の広告には規制があるため、表示の仕方は掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
記帳代行の価格競争に、どう対応すればいいですか。
参加しないことです。入力作業の価値は下がり続けており、価格で勝負すると担当者の負荷だけが上がります。数字を使った説明、資金繰りの見通し、経営の相談。これらに価値を移してください。ただし、すべての関与先がそれを求めているわけではないため、対象を絞ってください。
紹介を増やしたいのですが、どう依頼すればいいですか。
どんな相談なら対応できるかを具体的に伝えてください。新しいお客様を紹介してくださいでは動きません。開業したばかりの方、相続の相談、融資の相談。具体的に伝えると、関与先は誰を紹介すればいいか判断できます。
決算期に業務が集中して回りません。
新規の受け入れで決算月を分散させることと、月次の処理を確実に行うことです。月次が滞っていると、決算期にすべてが集中します。あわせて、資料の提出期限を契約の段階で決めておいてください。数年かけて、少しずつ分散します。
経営支援を始めたいのですが、何から始めればいいですか。
既存の関与先のうち、数字を使いたいと考えている先から始めてください。いきなり新しいサービスとして売るのではなく、月次の面談で数字を使った説明をしてみることから始めます。価値を感じてもらえたら、次の段階に進めます。報酬の設計は、先に決めておかないと無償の時間が増えます。
まとめ
- 入力作業ではなく、数字を使って何を伝えられるかです。クラウド会計で入力の手間が減った以上、入力を代わりに行うことの価値は下がり続けます
- 会計事務所 地域名経理代行 費用が中心ですが、検索からの問い合わせは多くありません。紹介が主な経路である以上、検索は紹介の後に見られる場所として整えるのが現実的です
- 規模ごとの幅と、何が含まれるかを書いてください。含まれる範囲が事務所によって違うため、金額だけでは比較できず、書いていない事務所は検討から外れます
- 関与先の数ではなく、一件あたりの報酬を上げることです。担当者が持てる件数には限りがあるため、件数を増やす方向は採用の問題に行き着きます
- 関与先の決算月が偏っているなら、新規の受け入れで月を分散させることです。そして、決算期以外にできる業務を前倒しする仕組みを作ることです
- 紹介してもらえる状態を作ることと、紹介を依頼することの両方です。満足している関与先がいても、依頼しなければ紹介は生まれません
- 既存の関与先のうち、数字を使いたいと考えている先から始めることです。いきなり新しい業務として売るより、今の関与の中で提供してみるほうが確実です
- 料金の明示、得意な領域の明確化、紹介の依頼。この三つが先です。検索からの問い合わせが多くない業種なので、紹介の経路を太くするほうが効きます