介護施設のマーケと営業の連携|対立が起きる理由と解き方

集客側は件数で評価され、相談の担当は見学と入居後の業務を同時に持っているからです。
件数が増えた月ほど、現場の時間は削られます。
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目次
目次
- 介護施設で、集客と相談の担当の対立はどこから始まるのか
- 対立が表に出る場面
- 集客と相談の担当が同じ数字を見るには、何を共有指標にするのか
- 共有指標を置いたあとの運用
- 空きの情報を、どうやって共有するのか
- 見込みが読めない場合
- 問い合わせの情報を、どう相談の担当に引き渡すのか
- 引き渡しの形式を決める
- 相談の担当からの指摘を、集客の改善にどうつなげるのか
- 指摘を出しやすくする
- 問い合わせの目標を、相談の担当の余力とどう合わせるのか
- 枠を増やす判断の条件
- 施設が複数ある場合、連携はどう変わるのか
- 施設をまたぐ案内の記録
- 介護施設の連携の設計は、どこから手をつけるのか
- よくある質問
- まとめ
集客側は件数で評価され、相談の担当は見学と入居後の業務を同時に持っているからです。
件数が増えた月ほど、現場の時間は削られます。
介護施設で、集客と相談の担当の対立はどこから始まるのか
集客側は件数で評価され、相談の担当は見学と入居後の業務を同時に持っているからです。
件数が増えた月ほど、現場の時間は削られます。
介護施設では、集客と相談の担当が別の役割として分かれます。
集客は問い合わせを集め、相談の担当は見学の対応と入居の手続きを担います。
集客側が見ているのは、問い合わせと見学の件数です。
件数が増えれば、成果として報告できます。
相談の担当が見ているのは、対応にかかる時間です。
見学の対応には、準備を含めて数時間がかかります。
この違いは、件数が増えた月に表面化します。
集客側は成果と受け取り、相談の担当は負荷と受け取ります。
もう1つの対立の種は、問い合わせの中身です。
受け入れの条件に合わない問い合わせが増えると、対応の時間が使われます。
この2つは、どちらかが間違っているわけではありません。
評価されている数字が違うだけです。
対立が表に出る場面
対立が表面化するのは、空きがない時期に件数が増えたときです。
入居につながらない対応に、時間が使われます。
このとき、相談の担当から件数を増やさないでほしいという声が出ます。
集客側は件数を達成しているため、受け入れにくくなります。
もう1つは、空室が長引いている時期です。
集客側は見学からの率を問題にし、相談の担当は問い合わせの中身を問題にします。
対立の原因は、集客が件数で評価され、相談の担当が時間の制約を持っていることです。どちらの見方も事業の側から見れば正しくなります。
集客と相談の担当が同じ数字を見るには、何を共有指標にするのか
空いてから次の入居までの日数です。
配信の範囲と見学の対応の両方が反映されるため、片方だけでは動かせません。
共有指標に選ぶ条件は2つあります。
両方の部門が手を打てば動くことと、どちらか片方だけでは動かないことです。
問い合わせ件数は、集客側の施策で動きます。
相談の担当からは動かせないため、共有指標にはなりません。
申し込みの率は、見学の対応で決まります。
集客側からは動かせないため、これも共有指標には向きません。
空いてから次の入居までの日数は、両方が効きます。
空き情報の更新と配信の範囲、そして見学の対応と資料の両方が現れます。
この数字を共有指標に置くと、会話が変わります。
どちらも未達になるため、4つの区間を一緒に見る動機が生まれます。
日数は、居室の種類ごとに見ます。
種類によって、埋まりやすさが違うためです。
共有指標を置いたあとの運用
共有指標を置くだけでは、対立は解けません。
未達のときに、両方が同じ場で説明する運用が要ります。
片方だけが報告する形にすると、もう片方は自分の問題として扱いません。
報告の場に両方の責任者が出る設計にしてください。
場の頻度は、月次で足ります。
空きの状況は週次で共有し、議論は月次で行う形です。
共有指標は空いてから次の入居までの日数です。両方の責任者が同じ場で、4つの区間の内訳を見る運用を作ってください。
空きの情報を、どうやって共有するのか
週に1回、居室の種類ごとの空きと退去の見込みを集客側に渡します。
共有が止まると、埋まっている種類にも配信が続きます。
集客側が配信を調整するには、空きの情報が要ります。
情報がないと、埋まっている種類にも配信が続きます。
共有の頻度は、週に1回が目安です。
それより長いと、埋まってからの配信が長く続きます。
共有する内容は、居室の種類ごとの空きの数です。
あわせて、退去の見込みも渡します。
退去の見込みがあれば、先に配信を準備できます。
準備があると、空いてから問い合わせまでの区間が短くなります。
共有の形式も決めてください。
形式が決まっていないと、粒度が毎回変わります。
共有の担当も決めます。
決まっていないと、忙しい週に共有が止まります。
空きの情報として共有する内容
| 共有する内容 | 頻度 | 使い道 | 共有しない場合 |
|---|---|---|---|
| 種類ごとの空きの数 | 週に1回 | 配信の量の調整 | 埋まった種類にも配信する |
| 退去の見込み | 分かった時点 | 配信の事前の準備 | 空いてから動き出す |
| 受け入れの条件の変更 | 変更時 | 配信の範囲の修正 | 条件の外から連絡が来る |
| 見学の枠の空き | 週に1回 | 問い合わせ後の日程 | 日程が取れない |
数字は説明のための仮の値です。
見込みが読めない場合
退去の見込みが読めない場合もあります。
その場合は、過去の実績から月ごとの傾向を出します。
傾向が分かれば、配信の準備の目安が置けます。
目安がないと、常に空いてから動くことになります。
傾向は、年に一度見直してください。
体制や条件が変われば、傾向も変わります。
空きの情報は週に1回、種類ごとの数と退去の見込みを共有します。共有の担当と形式を先に決めてください。
問い合わせの情報を、どう相談の担当に引き渡すのか
受付で確認した条件と、伝えた内容をそのまま渡します。
引き渡しが口頭だと、見学の場で同じ確認を繰り返すことになります。
問い合わせを受けたあと、見学の対応をする担当に引き渡されます。
この引き渡しの設計が、見学の時間の使い方を左右します。
受付で確認した条件は、見学の日程を決める判断に使われています。
その内容が担当に届いていないと、見学の冒頭で同じことを確認します。
二度目の確認は、準備されていない印象として受け取られます。
見学の時間も、その分だけ短くなります。
見学の時間は限られているため、この差は申し込みの率に出ます。
確認と説明で前半が埋まると、施設を見る時間が残りません。
そのため、引き渡しは受付の直後に完了する設計にします。
担当が決まっていない場合でも、記録は先に残します。
渡す内容は、条件だけではありません。
伝えた費用の目安と、空きの状況として伝えた内容も含めます。
受付から相談の担当に渡す内容
| 渡す内容 | 渡さない場合 | 渡す時点 | 形式 |
|---|---|---|---|
| 確認した地域と必要な対応 | 同じ確認を繰り返す | 受付の直後 | 記録に残す |
| 検討している時期 | 時期の前提がずれる | 受付の直後 | 記録に残す |
| 伝えた費用の目安 | 説明が食い違う | 受付の直後 | 記録に残す |
| 伝えた空きの状況 | 前提が変わって見える | 受付の直後 | 記録に残す |
| 問い合わせの経路 | 傾向の把握に使う | 受付の直後 | 自動で紐づける |
数字は説明のための仮の値です。
引き渡しの形式を決める
引き渡しの内容を決めても、形式が決まっていないと実行されません。
口頭での申し送りは、伝わる量が担当によって変わります。
選択肢と短い自由記述を組み合わせた形が、最も安定します。
選択肢の部分は集計にも使えます。
入力の時点は、受付の直後です。
まとめて入力する運用にすると、記憶に頼った記録になります。
引き渡しは受付の直後に完了させ、伝えた費用の目安と空きの状況まで渡します。口頭の申し送りは採用しないでください。
相談の担当からの指摘を、集客の改善にどうつなげるのか
指摘を事例ではなく分類で集め、経路別の数字と突き合わせます。
個別の事例のまま持ち込まれると、配信の判断には使えません。
相談の担当からの指摘は、個別の問い合わせの話として出てきます。
その形のままでは、配信の判断材料になりません。
必要なのは、同じ種類の指摘が何件あったかです。
件数が分かれば、経路別の数字と突き合わせられます。
そのため、指摘を受け取る側で分類の枠を用意します。
枠は4つ程度で、それ以上に細かくすると分類が滞ります。
分類の枠は、相談の担当と一緒に作ってください。
集客側だけで作った枠は、現場の言葉と合いません。
集まった指摘は、月次で経路別に並べます。
特定の経路に偏っていれば、配信の配分で対応できます。
偏りがない場合は、受け入れの条件の明文化そのものを見直す議論になります。
配信の変更では解けません。
指摘を出しやすくする
指摘の件数が少ない場合、質が良いとは限りません。
出す手間が大きいと、指摘は出なくなります。
出す場所を、問い合わせの記録の中に置いてください。
別の仕組みに入力する形にすると、件数が落ちます。
出した指摘がどう扱われたかを返すことも必要です。
返らない指摘は、数か月で出なくなります。
指摘は分類の枠で集め、経路別の数字と突き合わせます。枠は相談の担当と一緒に作り、扱った結果を必ず返してください。
問い合わせの目標を、相談の担当の余力とどう合わせるのか
見学の枠の空きを、配信量の上限として使います。
枠を超えて問い合わせを集めると、日程が取れず他の施設に移ります。
問い合わせの目標は、集客側だけでは置けません。
見学の枠が、上限になるためです。
枠の空きは、週単位で変わります。
月単位で見ると、埋まっている週と空いている週が平均されます。
そのため、余力の確認は週ごとに行います。
確認した空きを、その週の配信量の上限として使います。
上限を超える見込みが立った場合、選べる手は2つです。
配信を絞るか、見学の枠を増やすかです。
枠を増やす判断は、相談の担当の他の業務とのバランスで決まります。
入居後の対応の時間を削ると、別の問題が起きます。
この基準を期初に決めておくと、週次の判断が短くなります。
決めていないと、毎週同じ議論を繰り返します。
週ごとに確認するのは、見学の枠の空きと居室の空きの状況の2つです。
相談の担当の人数は変更時に、入居後の対応の負荷は月ごとに確認します。
枠を増やす判断の条件
見学の枠を増やす判断は、空室が続いている場合に検討します。
空きがない状態で枠を増やしても、意味がありません。
増やす場合は、どの業務を減らすかも決めてください。
決めずに増やすと、入居後の対応が削られます。
枠を増やした効果は、空室の日数で確認します。
日数が短くなっていなければ、枠以外に原因があります。
問い合わせの目標は週ごとの見学の枠の空きを上限にします。枠を増やす場合は、どの業務を減らすかも決めてください。
施設が複数ある場合、連携はどう変わるのか
本部が集客を担い、施設が空きと見学と入居を持つ構造になります。
配分の基準と空きの報告の経路を決めないと、施設ごとに歩留まりが揃いません。
複数の施設を運営する法人では、集客は本部に集まります。
広告の費用も、本部が持つ形が一般的です。
このとき問題になるのは、集めた問い合わせをどの施設に配るかです。
配分の基準がないと、近い施設に機械的に振り分けられます。
機械的な配分だと、空きのない施設にも問い合わせが届きます。
届いた問い合わせは、他の施設への案内になります。
そのため、配分には空きと条件の情報を入れます。
施設ごとの空きと受け入れの条件を、毎週受け取る形です。
もう1つは、歩留まりの差の扱いです。
施設ごとに申し込みの率が違うのは自然ですが、差の理由は把握しておきます。
差が資料や対応の違いから来ているなら、揃えられます。
施設の条件の違いから来ているなら、配分の基準に織り込みます。
複数の施設での連携の設計
| 決めること | 決めないと起きること | 決める単位 | 見直しの頻度 |
|---|---|---|---|
| 問い合わせの配分の基準 | 空きのない施設に届く | 本部 | 四半期 |
| 空きと条件の報告の経路 | 配分に反映できない | 本部と施設 | 毎週 |
| 歩留まりの集計の定義 | 施設間で比較できない | 本部 | 年次 |
| 見学で渡す資料の型 | 施設ごとにばらつく | 本部 | 年次 |
数字は説明のための仮の値です。
施設をまたぐ案内の記録
施設をまたいで案内した問い合わせは、記録の扱いが難しくなります。
どちらの施設の問い合わせとして数えるかが決まっていないためです。
実務では、最初に受けた施設を経路の記録に残し、入居は案内先の施設に付ける形が扱いやすくなります。
この扱いを先に決めておいてください。
決めていないと、集計のたびに解釈が変わります。
変わると、前の期との比較ができなくなります。
複数の施設では配分の基準と空きの報告経路を先に決めます。施設をまたぐ案内の記録の扱いも、あわせて決めてください。
介護施設の連携の設計は、どこから手をつけるのか
空きの情報を週に1回共有する経路を作るところからです。
空きが共有されていないと、配分も共有指標も決められません。
連携の改善は、仕組みの導入から始めると失敗します。
空きという共通の前提が共有されていないためです。
最初にやるのは、空きの情報を共有する経路を作ることです。
週に1回、居室の種類ごとの空きと退去の見込みを渡します。
次に、受け入れの条件を明文化します。
条件が決まれば、配信の範囲に反映できます。
そのうえで、共有指標を置きます。
空いてから次の入居までの日数です。
続いて、受付から相談の担当への引き渡しの形式を作ります。
選択肢と短い記述を組み合わせた形にします。
最後に、指摘の分類の枠を作ります。
現場の言葉で作らないと、運用が続きません。
介護施設の連携の設計の着手順
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 空きの情報を週に1回共有する経路を作る | 本部・現場 | 2週間 |
| 2 | 受け入れの条件を明文化して配信に反映する | 経営・現場 | 3週間 |
| 3 | 共有指標として空室の日数を置く | 経営・両部門 | 1週間 |
| 4 | 受付から相談の担当への引き渡しの形式を作る | 相談・本部 | 3週間 |
| 5 | 指摘の分類の枠を相談の担当と作る | マーケ・相談 | 2週間 |
| 6 | 月次で4つの区間の内訳を見る場を設ける | 両部門 | 継続 |
数字は説明のための仮の値です。
この6工程で、着手から運用の開始まで11週間前後が目安になります。
施設が複数ある場合は、1の工程が長くなります。
順番を入れ替えて共有指標を先に置くと、空きの情報が揃いません。
空きの共有が先です。
着手点は空きの情報を週に1回共有する経路です。共有指標を先に置いても、空きが共有されていないと計算できません。
介護施設の集客と相談の担当の連携で判断に迷う場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
役割の分担ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
介護施設で集客と相談の担当の対立はなぜ起きますか
集客が件数で評価され、相談の担当が見学の対応と入居後の業務を同時に持っているためです。件数が増えた月ほど現場の時間は削られます。どちらの見方も事業の側から見れば正しくなります。
共有指標には何を置けばいいですか
空いてから次の入居までの日数です。空き情報の更新と配信の範囲、見学の対応と資料の両方が反映されるため、片方の部門だけでは動かせません。日数は居室の種類ごとに見てください。
空きの情報はどう共有しますか
週に1回、居室の種類ごとの空きの数と退去の見込みを集客側に渡します。退去の見込みがあれば配信を先に準備でき、空いてから問い合わせまでの区間が短くなります。共有の担当と形式も決めてください。
問い合わせの情報はどう相談の担当に渡しますか
受付で確認した条件に加えて、伝えた費用の目安と空きの状況も渡します。伝えた内容が分からないと見学の場で説明が食い違い、施設を見る時間が減ります。受付の直後に完了させてください。
問い合わせの目標は現場の負荷とどう合わせますか
週ごとの見学の枠の空きを、その週の配信量の上限として使います。枠を超えて集めると日程が取れず、他の施設に移ります。枠を増やす場合は、どの業務を減らすかもあわせて決めてください。
まとめ
- 集客側は件数で評価され、相談の担当は見学と入居後の業務を同時に持っているからです。件数が増えた月ほど、現場の時間は削られます
- 空いてから次の入居までの日数です。配信の範囲と見学の対応の両方が反映されるため、片方だけでは動かせません
- 週に1回、居室の種類ごとの空きと退去の見込みを集客側に渡します。共有が止まると、埋まっている種類にも配信が続きます
- 受付で確認した条件と、伝えた内容をそのまま渡します。引き渡しが口頭だと、見学の場で同じ確認を繰り返すことになります
- 指摘を事例ではなく分類で集め、経路別の数字と突き合わせます。個別の事例のまま持ち込まれると、配信の判断には使えません
- 見学の枠の空きを、配信量の上限として使います。枠を超えて問い合わせを集めると、日程が取れず他の施設に移ります
- 本部が集客を担い、施設が空きと見学と入居を持つ構造になります。配分の基準と空きの報告の経路を決めないと、施設ごとに歩留まりが揃いません
- 空きの情報を週に1回共有する経路を作るところからです。空きが共有されていないと、配分も共有指標も決められません