
需要の山が年に3回あるのに、予算を月割りで組んでいるからです。
山の前に使い切っていると、最も取れる時期に出稿を絞ることになります。
なお、TimeValue株式会社では、広告運用・クリエイティブ制作・LP改善・データ分析・AI導入までを一括で引き受けるWebマーケティング支援「KAIZEN」を提供しています。
現在、オンラインの無料マーケティング診断を毎月10社限定で実施中です。いまの数字を見ながら、どこから直すのが早いかを一緒に整理します。
今月の無料診断は残り4社です
広告からLPまで、まとめて見ます。オンラインで30分から対応しています。
目次
目次
- 学習塾の広告予算が、期の途中で足りなくなる理由
- 需要の山と予算の平らさがずれる
- 予算の総額を何から決めるか
- 月謝だけで計算しない
- 募集期に山を作る配分の作り方
- 過去の構成比を出す
- 校舎ごとに配分を変える基準
- 空席だけで決めない
- 講習と入塾のどちらに費用を紐づけるか
- 講習は入口でもあり、単発でもある
- 経営に説明するときに1枚に載せること
- 席を埋める話として説明する
- 途中で予算を足す判断と、止める判断
- 足す条件を数字で決めておく
- 学習塾の予算設計は、どこから着手するか
- 執行中に見る数字を決める
- よくある質問
- まとめ
需要の山が年に3回あるのに、予算を月割りで組んでいるからです。
山の前に使い切っていると、最も取れる時期に出稿を絞ることになります。
学習塾の広告予算が、期の途中で足りなくなる理由
需要の山が年に3回あるのに、予算を月割りで組んでいるからです。
山の前に使い切っていると、最も取れる時期に出稿を絞ることになります。
学習塾の年間予算は、前年実績に一定の伸び率をかけて総額を決め、それを12で割る組み方が多く見られます。
この組み方は、需要が年間を通して平らな事業では機能します。
学習塾は平らではありません。
需要の山と予算の平らさがずれる
入塾の判断は、新学年の前、夏期講習の前、冬期講習の前に集中します。
この時期は競合も同時に出稿するため、同じ露出を取るための費用が上がります。
月割りの予算だと、単価が上がった月に件数が落ち、翌月に取り返そうとして閑散期に使うことになります。
閑散期の消化が山を削る
予算を余らせると翌年の枠が削られるという事情から、動かない時期に消化する運用が起きます。
そこで使った費用は入塾につながりにくく、結果として山の時期の原資が減ります。
学習塾の広告予算が期中で枯れる典型的な経路
| 時期 | 起きること | 次に効いてくること |
|---|---|---|
| 期初 | 月割りで均等に配分 | 山の時期の原資が確保されない |
| 初夏 | 閑散期に消化を優先 | 入塾につながらない費用が出る |
| 夏期講習前 | 単価が上がり件数が落ちる | 追加予算の申請が必要になる |
| 秋 | 申請が通らず出稿を絞る | 受験学年の相談機会を逃す |
| 冬期講習前 | 残額で戦う | 新学年の募集が弱くなる |
| 年度末 | 未消化と超過が混在 | 翌年の枠の根拠が作れない |
校舎数が増えるほど、ずれが大きくなる
校舎ごとに空席の状況が違うため、必要な費用も違います。全校舎に同じ額を配ると、埋まっている校舎で余り、空いている校舎で足りません。この余りと不足は相殺されて全社では見えなくなります。
予算の総額を何から決めるか
在籍1人から得られる収入の総額から、許容できる獲得費用を引いて決めます。
前年比で決めると、市場の変化も校舎の状況も織り込めません。
広告費の総額を決める根拠は、1人の生徒が在籍している間に生む収入です。
学習塾は月謝という継続収入があるため、1回の入塾で受け取る金額は在籍期間で決まります。
月謝だけで計算しない
月謝のほかに、季節講習、教材費、模試、受験対策の追加講座があります。
これらを含めないと、許容できる獲得費用を低く見積もることになります。
一方で、講習の追加は家庭の判断で変わるため、確実に入る分と変動する分は分けて考えます。
学習塾で在籍1人から得る収入の内訳
| 収入の種類 | 発生の仕方 | 見込みの立てやすさ |
|---|---|---|
| 月謝 | 毎月 | 立てやすい |
| 季節講習 | 年に3回前後 | 学年と校舎で差が出る |
| 教材費 | 学期ごと | 立てやすい |
| 模試と検定 | 学年による | 受験学年で増える |
| 受験対策の追加講座 | 受験学年のみ | 家庭の判断で変わる |
| 兄弟姉妹の入塾 | 一定割合で発生 | 読みにくいが無視できない |
在籍期間の見立てが総額を決める
小学校低学年から入塾して高校受験まで続く生徒と、中学3年の夏から入る生徒では、生む収入が大きく違います。
校舎の生徒構成によって、許容できる獲得費用の上限も変わります。
低学年中心の校舎は高く出せて、受験学年中心の校舎は低く抑える必要があります。
数字で確認してみる
数字は説明のための仮の値です。在籍期間が平均24か月、月謝と諸費用の合計が月3万円なら、1人あたりの総収入は72万円です。直接原価と教室運営費を差し引いた残りが40パーセントなら、貢献額は28.8万円になります。このうち獲得に回せる割合を15パーセントとすれば、入塾1件あたりの上限は約4.3万円です。
募集期に山を作る配分の作り方
年間総額を月ではなく募集期で割ります。
割合は過去の入塾実績の構成比から出し、閑散期には前段の数字を置きます。
総額が決まったら、次は時期への配分です。
ここで学習塾特有の判断が入ります。
過去の構成比を出す
過去3年分の入塾を、月ではなく募集期ごとにまとめます。
新学年前、春の学期中、夏期講習前、秋、冬期講習前、学年末という区切りです。
校舎ごとに構成比が違うので、全社平均だけでなく校舎別にも出します。
募集期ごとの学習塾の広告費の寄せ方
| 募集期 | 費用の性質 | 置く数字 |
|---|---|---|
| 新学年の前 | 最も厚く配分 | 入塾数 |
| 春の学期中 | 中程度 | 入塾数と資料請求 |
| 夏期講習前 | 厚く配分 | 講習申込と入塾 |
| 秋 | 受験学年に絞る | 相談と面談 |
| 冬期講習前 | 中程度 | 講習申込 |
| 閑散期 | 薄く継続 | 資料請求と見学予約 |
閑散期をゼロにしない理由
検討が始まってから入塾までには時間がかかります。
保護者は資料を集めてから数か月後に動くことがあります。
閑散期に接触を止めると、次の募集期に手持ちの見込みがない状態で入ることになります。
山の前に助走をつける
募集期の初日から出稿を始めると、検討が温まる前に山が終わります。山の1か月から2か月前に、比較検討向けの情報提供を始めます。この助走分は入塾数ではなく、資料請求と見学予約で測ります。
校舎ごとに配分を変える基準
空席数と、その校舎で取れる見込みの両方で決めます。
空席が多いだけで厚く配ると、取れない校舎に費用が沈みます。
時期への配分の次は、校舎への配分です。
ここを均等にすると、全社の効率が落ちます。
空席だけで決めない
空席が多い校舎には二種類あります。
開校して間もなく認知がない校舎と、商圏の需要そのものが薄い校舎です。
前者は広告で埋まりますが、後者は費用を積んでも埋まりません。
学習塾で校舎への予算配分を決める判断材料
| 判断材料 | 見る内容 | 配分への効き方 |
|---|---|---|
| 空席数 | 埋められる席の数 | 多いほど厚く |
| 商圏内の対象学年人口 | 通える範囲の子どもの数 | 薄いと上限がある |
| 競合の数と規模 | 同じ商圏の塾 | 多いほど単価が上がる |
| 過去の獲得単価 | その校舎の実績 | 高すぎるなら上限を設ける |
| 入塾決定率 | 面談の成立度 | 低いなら先に現場を直す |
| 開校からの経過 | 認知の蓄積 | 浅いほど広告の効きが大きい |
現場が追いつかない校舎には配らない
入塾決定率が著しく低い校舎に問い合わせを送っても、対応の負荷が増えるだけです。
この状態で広告費を足すと、獲得単価が悪化し、断られた家庭の印象も悪くなります。
先に面談の進め方を直してから配分します。
配分を期中に動かす前提で組む
期初に決めた配分を固定すると、実際の空席の動きに追随できません。総額の2割程度を配分前の枠として残し、募集期ごとに振り分けます。
講習と入塾のどちらに費用を紐づけるか
両方に紐づけ、別々に採算を見ます。
講習単体の申込を入塾と同じ1件として数えると、獲得単価の意味が変わります。
学習塾の広告には、通年の入塾を募るものと、季節講習の申込を募るものがあります。
この二つは、得られる収入も、その後の継続の見込みも違います。
講習は入口でもあり、単発でもある
季節講習から通年の入塾につながる家庭があります。
一方で、講習だけを受けて終わる家庭もあります。
どちらの割合が高いかは、校舎と学年で変わります。
学習塾で講習単体の申込と入塾の費用を分けて見るを、項目ごとに見ていきます。
通年入塾については、受け取る収入は月謝と諸費用の継続、その後の見込みは在籍期間で決まる、採算の見方は生涯収入で判断。
講習からの入塾については、受け取る収入は講習費と以降の月謝、その後の見込みは継続率で決まる、採算の見方は移行率を含めて判断。
講習単体については、受け取る収入は講習費のみ、その後の見込みは次の講習で再来の可能性、採算の見方は単発の粗利で判断。
体験のみについては、受け取る収入はなし、その後の見込みは次の募集期の見込み、採算の見方は費用として扱う。
兄弟姉妹の入塾については、受け取る収入は月謝と諸費用の継続、その後の見込みは既存家庭なので高い、採算の見方は獲得費用をかけない。
移行率を持っていないと判断できない
講習から通年入塾への移行率は、校舎ごとに実績があるはずです。
この率が分かれば、講習の申込1件にいくらまで出せるかが計算できます。
移行率が低い校舎では、講習の広告を厚くしても在籍は増えません。
講習の売上目標と在籍目標を混ぜない
講習の売上は単月で立ちますが、在籍は年間で効きます。同じ予算の中で両方を追うと、単月で成果が見える講習に寄ります。枠を分けて管理します。
経営に説明するときに1枚に載せること
校舎別の空席と、それを埋めるための費用と、埋まったときの年間収入を並べます。
広告費の総額だけを出すと、投資かコストかの議論になりません。
予算の稟議で問われるのは、いくら使うかではなく、使った結果どうなるかです。
学習塾の場合、答えは在籍数と年間の月謝収入で示せます。
席を埋める話として説明する
空席は、埋まらなければそのまま失われる収入です。
教室の家賃も講師の固定費も、席が空いていても発生します。
広告費を、空席を埋めるための費用として説明すると、経営の言葉になります。
学習塾の広告予算を経営に示す1枚の構成を、項目ごとに見ていきます。
現在の空席については、載せる内容は校舎別の受け入れ可能数と在籍数の差。
埋める目標については、載せる内容は募集期ごとの必要入塾数。
必要な費用については、載せる内容は入塾1件あたりの上限と総額。
埋まった場合の収入については、載せる内容は年間の月謝と諸費用の増加分。
未達時の影響については、載せる内容は空席のまま残った場合の固定費の負担。
前提が崩れる条件については、載せる内容は入塾決定率や競合の出稿が想定と違う場合。
未達の条件を先に出す
達成する前提だけを示すと、未達になったときに説明がつきません。
どの率が想定を下回ると届かないかを、先に共有します。
学習塾では入塾決定率と、募集期の競合の出稿量が変動要因になります。
市場の伸びを背景として添える
広告市場全体は拡大しています。電通の発表では2025年の総広告費は8兆623億円で前年比105.1パーセント、インターネット広告費は4兆459億円で前年比110.8パーセントでした。同じ露出を取る費用は上がる方向にあるという前提を、予算の議論の前に共有しておきます。
途中で予算を足す判断と、止める判断
足すのは席が空いていて単価が上限内のときだけです。
止めるのは、席が埋まったときか、現場の対応が追いつかなくなったときです。
募集期に入ると、想定より取れる場合と取れない場合が出ます。
どちらでも、判断の基準を決めておかないと現場の感覚で動くことになります。
足す条件を数字で決めておく
空席が残っていて、入塾1件あたりの費用が上限を下回っているなら、足す価値があります。
どちらか一方でも欠けていれば、足しても採算が合いません。
学習塾で期中に予算を増減する判断の基準を、項目ごとに見ていきます。
募集期の序盤で好調については、空席は残っている、1件あたり費用は上限内、判断は追加する。
募集期の序盤で不調については、空席は残っている、1件あたり費用は上限超過、判断は配信先を見直してから判断。
席が埋まりつつあるについては、空席はわずか、1件あたり費用は上限内、判断は校舎を移す。
現場が対応しきれないについては、空席は残っている、1件あたり費用は上限内、判断は一時的に絞る。
講習の枠が満席については、空席はなし、1件あたり費用は上限内、判断は通年入塾の訴求に切り替える。
閑散期に単価が下がるについては、空席は残っている、1件あたり費用は上限を大きく下回る、判断は前段の獲得に使う。
席が埋まった校舎から予算を移す
満席になった校舎に出稿を続けると、断る家庭が増えます。
この費用は、空席のある近隣校舎に移します。
移せる先がなければ、次の募集期の助走に回します。
止める判断を現場に任せない
教室長は目の前の問い合わせが増えることを歓迎します。対応が限界に近づいても、止めてほしいとは言いにくいものです。本部が対応可能数を数字で持ち、超えたら止める運用にします。
学習塾の予算設計は、どこから着手するか
在籍1人あたりの収入と在籍期間を出すことからです。
この二つがないと、いくらまで出せるかが決まりません。
予算の作業は、金額を決める前に、事業の数字を揃えるところから始まります。
学習塾の予算設計を進める順番を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは在籍1人あたりの年間収入を内訳ごとに出す、期間の目安は2週間。
2については、やることは学年別の平均在籍期間を過去実績から出す、期間の目安は2週間。
3については、やることは入塾1件あたりの上限額を校舎の構成別に決める、期間の目安は1週間。
4については、やることは過去3年の入塾を募集期ごとの構成比にまとめる、期間の目安は1週間。
5については、やることは校舎別の空席と配分の基準を決める、期間の目安は2週間。
6については、やることは配分前の枠を残して期初の予算を確定する、期間の目安は1週間。
執行中に見る数字を決める
総額と配分が決まったら、実行中に何を見るかを決めます。
見る数字が決まっていないと、足すか止めるかの判断ができません。
学習塾が予算の執行中に見る数字を、項目ごとに見ていきます。
校舎別の消化額については、見る頻度は毎週、使い道は配分どおりに使えているか。
入塾1件あたりの費用については、見る頻度は毎週、使い道は上限を超えていないか。
校舎別の空席の残りについては、見る頻度は毎週、使い道は止める判断。
講習から通年入塾への移行率については、見る頻度は募集期ごと、使い道は講習予算の採算。
在籍1人あたりの収入については、見る頻度は四半期、使い道は上限額の見直し。
募集期ごとの構成比の実績については、見る頻度は年次、使い道は翌年の配分の根拠。
広告の表現に関する費用も見込む
合格実績や成績に関する表現を扱う場合、原稿の確認に手間がかかります。
確認の工数と、差し替えが発生したときの制作費を予算に含めておきます。
表現の可否は、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。
翌年の根拠を残す
その年の配分と結果を、募集期と校舎の単位で記録します。
この記録がないと、翌年も前年比で決めることになります。
学習塾の広告予算をいくらに置くか判断がつかない場合は、無料相談で現状の空席と費用の関係を整理するところから始められます。配分の考え方ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
学習塾の広告予算は前年比で決めてよいですか
前年比だけでは、空席の状況も市場の変化も織り込めません。在籍1人あたりの収入と在籍期間から許容できる獲得費用を出し、校舎別の空席数と掛け合わせて総額を決めてください。
予算を月割りにしてはいけませんか
入塾の判断が新学年前と講習前に集中するため、月割りだと需要の山で原資が足りなくなります。過去3年の入塾を募集期ごとの構成比にまとめて配分してください。
校舎ごとの配分は空席数だけで決めてよいですか
空席が多い理由が認知不足なのか需要の薄さなのかで、広告の効き方が変わります。商圏の対象学年人口、競合の数、入塾決定率も併せて見てください。
季節講習の広告費は入塾の予算と一緒に管理してよいですか
枠を分けてください。講習は単月で売上が立つため同じ枠にすると短期の成果に寄り、通年の在籍が伸びなくなります。講習から通年入塾への移行率を持って別々に採算を見ます。
期中に予算を追加する基準はどう決めますか
空席が残っていることと、入塾1件あたりの費用が上限内であることの両方がそろったときだけ追加します。どちらか一方でも欠けていれば、配信先を見直してから判断してください。
まとめ
- 需要の山が年に3回あるのに、予算を月割りで組んでいるからです。山の前に使い切っていると、最も取れる時期に出稿を絞ることになります
- 在籍1人から得られる収入の総額から、許容できる獲得費用を引いて決めます。前年比で決めると、市場の変化も校舎の状況も織り込めません
- 年間総額を月ではなく募集期で割ります。割合は過去の入塾実績の構成比から出し、閑散期には前段の数字を置きます
- 空席数と、その校舎で取れる見込みの両方で決めます。空席が多いだけで厚く配ると、取れない校舎に費用が沈みます
- 両方に紐づけ、別々に採算を見ます。講習単体の申込を入塾と同じ1件として数えると、獲得単価の意味が変わります
- 校舎別の空席と、それを埋めるための費用と、埋まったときの年間収入を並べます。広告費の総額だけを出すと、投資かコストかの議論になりません
- 足すのは席が空いていて単価が上限内のときだけです。止めるのは、席が埋まったときか、現場の対応が追いつかなくなったときです
- 在籍1人あたりの収入と在籍期間を出すことからです。この二つがないと、いくらまで出せるかが決まりません