
求職者だけを集めても紹介先がなく、求人だけを取っても推薦する人がいません。
この鶏と卵をどう解くかが、立ち上げの成否を決めます。
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目次
目次
- 人材紹介の新規立ち上げは、両側を同時に作る必要がある
- 片側だけ先に集めると、何が起きるか
- 新しい領域に入るかどうかの判断材料
- 確認すべき四つのこと
- 少数の求人から始めて、集客の設計を作る
- 具体的な求人が、訴求になる
- 立ち上げ期の投資の上限を、どう決めるか
- 期間と総額で区切る
- 担当をどう置くかで、立ち上がりの速さが変わる
- 専任に必要な人数
- 既存の事業に与える影響を、先に確認する
- 影響の出方を三つに分ける
- 立ち上げが失敗する典型的な原因
- 母数が揃う前の判断
- 新しい領域の立ち上げを、どの順で進めるか
- 最初の半年は、決定を目標にしない
- よくある質問
- まとめ
求職者だけを集めても紹介先がなく、求人だけを取っても推薦する人がいません。
この鶏と卵をどう解くかが、立ち上げの成否を決めます。
人材紹介の新規立ち上げは、両側を同時に作る必要がある
求職者だけを集めても紹介先がなく、求人だけを取っても推薦する人がいません。
この鶏と卵をどう解くかが、立ち上げの成否を決めます。
既存の事業なら、求職者と求人の両方が一定量あります。
新しい職種や業界に入るときは、どちらもゼロから始まります。
片側だけを先に集めると、もう片側が揃うまで動きません。
片側だけ先に集めると、何が起きるか
求職者を先に集めると、紹介できる求人がないまま面談だけが進みます。
求人を先に取ると、推薦できないまま企業との関係が冷えます。
どちらも、集めたものが目減りします。
片側先行で立ち上げたときに起きること
| 先に集めるもの | 短期で起きること | 目減りの仕方 |
|---|---|---|
| 求職者 | 面談はできるが推薦できない | 他社で決まり離脱する |
| 求人 | 依頼は受けるが推薦できない | 企業の期待が下がる |
| 両方を少しずつ | どちらも規模が足りない | 決定が出ず判断できない |
| 既存領域から流用 | 立ち上がりが速い | 流用できる範囲に限りがある |
解き方は、既存の資産をどう使うかで決まる
まったくの新規領域なのか、既存の領域と隣接しているのか。
隣接していれば、既存の求職者や求人を起点にできます。
隣接していなければ、片側を先に作る順序を決める必要があります。
順序の判断基準
どちらが早く集まるか、ではありません。どちらが先にあれば、もう片側を口説けるかで決めます。多くの場合、少数でも質の高い求人があるほうが、求職者を集めやすくなります。
新しい領域に入るかどうかの判断材料
市場の大きさより、自社が推薦できるかどうかを先に確認します。
求人を取れても推薦が通らなければ、売上になりません。
新規領域の検討は、市場の規模から始めがちです。
人材紹介では、規模があっても自社が入れない領域があります。
確認すべき四つのこと
その領域の求人を取れる見込みがあるか。
その領域の求職者に届く経路があるか。
推薦が通る水準の理解を社内で作れるか。
一件あたりの粗利が、既存領域と比べて見合うか。
新規領域を検討するときの確認項目
| 項目 | 確認の仕方 | 入らない判断になる条件 |
|---|---|---|
| 求人の獲得可能性 | 既存取引先に隣接領域があるか | 接点がまったくない |
| 求職者への到達 | 検索や媒体での接点があるか | 大手が完全に押さえている |
| 推薦の精度 | 経験者を採れるか、育てられるか | 理解を作る道筋がない |
| 一件あたりの粗利 | 想定年収と手数料の水準 | 既存より大きく低い |
| 既存との相乗 | 既存の顧客や求職者と重なるか | まったく重ならない |
既存との隣接を優先する
既存の取引先が、別の職種でも採用しているなら、そこが入口になります。
既存の求職者が、別の職種も検討しているなら、そこも入口です。
隣から広げるほうが、立ち上がりが速くなります。
撤退の条件を先に決める
新規の立ち上げには、決定が出るまでに時間がかかります。何か月で何件の決定が出なければ撤退するかを、始める前に決めます。決めていないと、判断がずるずると先送りされます。
少数の求人から始めて、集客の設計を作る
数件でも質の高い求人があれば、求職者への訴求が具体的になります。
抽象的な訴求では、新しい領域の求職者は動きません。
新しい領域で求職者を集めるとき、既存の一般的な訴求は効きません。
その領域の求職者が知りたいのは、どういう求人があるかです。
具体的な求人が、訴求になる
職種と条件が具体的に示されていれば、関心のある人は反応します。
サービスの一般的な説明では、既存の大手と区別がつきません。
少数でも、示せる求人を先に確保します。
立ち上げ期の集客で使える材料
| 材料 | 集めやすさ | 訴求としての強さ |
|---|---|---|
| 具体的な求人の条件 | 求人を取れば作れる | 強い |
| その領域の市場の実情 | 面談の前でも調べられる | 中くらい |
| 自社の実績 | 立ち上げ期にはない | 使えない |
| 担当者の専門性 | 採用か育成で作る | 中くらい |
| 既存領域での実績 | すでにある | 弱いが信頼にはなる |
実績がないことを、どう扱うか
新規領域では実績がありません。
ないものをあるように書くことはできません。
既存領域での実績と、その領域に入る理由を示す形にします。
表現の決まりを確認する
募集に関わる内容を扱うため、表示や表現について守るべき決まりがあります。内容は変わることがあるため、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。新しい領域では、その領域固有の確認事項がある場合もあります。
立ち上げ期の投資の上限を、どう決めるか
既存領域の許容単価をそのまま使うと、投資が足りません。
立ち上げ期は別の枠で、期間と総額を区切って持ちます。
新規領域の獲得単価は、立ち上げ期には必ず高くなります。
既存領域と同じ基準で判断すると、立ち上がる前に止まります。
期間と総額で区切る
単価の上限で管理するのではなく、期間と総額で管理します。
半年でいくら、その間に何件の決定が出るかを見ます。
単価で管理すると、毎月止める判断が出ます。
立ち上げ期の予算の持ち方
| 管理の方法 | 向いている場面 | 問題点 |
|---|---|---|
| 単価の上限で管理 | 既存領域 | 立ち上げ期は止まってしまう |
| 期間と総額で管理 | 新規領域 | 使い切るまで判断できない |
| 段階を区切って管理 | 新規領域 | 区切りごとに判断が要る |
| 既存と同じ枠で管理 | 推奨しない | 既存に吸収される |
段階を区切る
総額を三つに分け、区切りごとに継続を判断します。
最初の区切りでは決定が出なくても続け、次の区切りで判断する。
この設計にすると、早すぎる撤退も、だらだらとした継続も防げます。
数字は説明のための仮の値です。
立ち上げ期の総額を三千万円、期間を十八か月とし、六か月ごとに三つに区切ります。
最初の六か月は求人の獲得と集客の検証に充て、次の六か月で決定が十件以上出るかを判断の基準にします。
既存の予算から切り出す形にしない
既存の枠から出すと、既存の成果が落ちたときに真っ先に削られます。別の枠として確保します。
担当をどう置くかで、立ち上がりの速さが変わる
兼務にすると、既存の業務が優先されて進みません。
少人数でも専任を置くことが、立ち上げの条件になります。
新規領域の立ち上げは、既存の業務と同じ人が担当すると止まります。
既存のほうが数字が出やすく、緊急度も高いからです。
専任に必要な人数
求人の獲得を担う人と、求職者の面談を担う人が最低限です。
集客は既存の部門が兼務でも回ります。
三人以下で始められる設計にします。
立ち上げ期の役割の置き方を、項目ごとに見ていきます。
求人の獲得については、専任か兼務かは専任、理由は関係構築に時間がかかる。
求職者の面談については、専任か兼務かは専任、理由は領域の理解が要る。
集客の設計については、専任か兼務かは兼務でよい、理由は既存の知見が使える。
広告の運用については、専任か兼務かは外注でよい、理由は専門性が社外にある。
数字の管理については、専任か兼務かは兼務でよい、理由は既存の仕組みを使う。
経験者を入れるかどうか
その領域の経験者を採ると、立ち上がりは速くなります。
ただし、採用に時間がかかり、費用も発生します。
既存の社員を異動させて育てる選択肢と、期間と費用で比べます。
評価の基準を既存と分ける
立ち上げ期の担当を、既存と同じ決定数で評価すると離職します。求人の獲得数や、面談の実施数といった手前の指標で評価します。評価の基準も、段階を区切って移していきます。
既存の事業に与える影響を、先に確認する
新しい領域に人と予算を回すと、既存の数字が落ちます。
どこまでの低下を許容するかを、始める前に合意します。
新規の立ち上げは、既存の資源を使います。
既存の担当が兼務すれば既存の生産性が落ち、予算を回せば既存の獲得が減ります。
影響の出方を三つに分ける
人の配置による影響。
予算の配分による影響。
社内の関心が新規に向くことによる影響。
三つ目が、最も見えにくく、最も大きいことがあります。
新規立ち上げが既存に与える影響を、項目ごとに見ていきます。
人の配置については、現れ方は既存の面談数が減る、事前に決めることは異動の範囲と補充の計画。
予算の配分については、現れ方は既存の登録数が減る、事前に決めることは許容する低下の幅。
社内の関心については、現れ方は既存の改善が止まる、事前に決めることは既存の目標を維持する仕組み。
求人の重複については、現れ方は同じ企業に別々に接触する、事前に決めることは担当の切り分け。
ブランドの分散については、現れ方は何の会社か伝わりにくくなる、事前に決めることは打ち出し方の整理。
求人の重複に注意する
新規領域の担当が、既存の取引先に別の職種で接触することがあります。
企業側から見ると、同じ会社から別々の人が来ることになります。
担当の切り分けを先に決めます。
既存の目標を下げるかどうかを決める
新規に資源を回すなら、既存の目標も調整が必要です。調整しないまま進めると、既存の担当が新規に協力しません。ここは経営の判断として、先に決めます。
立ち上げが失敗する典型的な原因
判断に必要な件数が揃う前に、判断を求められることです。
決定が数件では、良し悪しを判定できません。
新規領域の失敗は、施策の失敗よりも判断の設計の失敗で起きます。
特に多いのが、判定に必要な母数が揃う前の判断です。
母数が揃う前の判断
決定が三件出た段階で、単価を計算しても意味がありません。
偶然の影響が大きすぎます。
何件揃ったら判断するかを、始める前に決めます。
立ち上げが止まる原因と、事前の対策を、項目ごとに見ていきます。
母数が揃う前の判断については、起きることは早すぎる撤退、事前の対策は判定に必要な件数を決める。
既存と同じ単価基準については、起きることは毎月止める判断が出る、事前の対策は期間と総額で管理する。
兼務による停滞については、起きることは既存が優先されて進まない、事前の対策は少人数でも専任を置く。
片側だけの立ち上げについては、起きることは集めたものが目減りする、事前の対策は求人を先に確保する。
撤退条件の不在については、起きることは判断が先送りされる、事前の対策は期間と件数で条件を決める。
成功の基準も先に決める
どうなったら本格展開に移すかを決めていないと、いつまでも立ち上げ期のままです。
決定の件数、単価の水準、求人の継続性。
この三つで基準を作ります。
撤退しても、学びを残す
撤退する場合でも、何が分かったかを記録します。求人が取れなかったのか、求職者に届かなかったのか、推薦が通らなかったのか。次の領域を検討するときの材料になります。
新しい領域の立ち上げを、どの順で進めるか
求人を数件確保するところから始めます。
求人がなければ、集客の訴求も面談の中身も作れません。
立ち上げの順序は、両側の鶏と卵をどう解くかで決まります。
多くの場合、少数の求人を先に確保するほうが進みます。
新規領域を立ち上げる進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは既存の取引先と求職者から隣接領域を探す、期間の目安は三週間。
2については、やることは入るかどうかを四つの観点で判断する、期間の目安は三週間。
3については、やることは質の高い求人を数件確保する、期間の目安は二か月。
4については、やることは専任の担当を置き、評価の基準を分ける、期間の目安は一か月。
5については、やることは集客の訴求を求人の内容から作る、期間の目安は一か月。
6については、やることは区切りと判定の件数を決めて運用を始める、期間の目安は継続。
最初の半年は、決定を目標にしない
決定が出るまでに時間がかかります。
最初の区切りは、求人の獲得数と面談の実施数で評価します。
決定を最初から目標にすると、続きません。
立ち上げ期に確認する数字を、項目ごとに見ていきます。
確保できた求人の数については、見る頻度は毎月、判断の内容は供給が作れているか。
登録数と面談実施数については、見る頻度は毎月、判断の内容は集客が届いているか。
推薦に至った件数については、見る頻度は毎月、判断の内容は噛み合っているか。
区切りごとの決定数については、見る頻度は六か月、判断の内容は継続か撤退か。
一件あたりの粗利については、見る頻度は六か月、判断の内容は既存と比べて見合うか。
既存の担当を巻き込む
新規の担当だけで進めると、社内で孤立します。
既存の取引先への接触には、既存の担当の協力が要ります。
巻き込む形を、始める前に設計します。
判断の記録を残す
なぜその領域を選んだのか、何を基準に判断するのか。
記録がないと、撤退のときにも次の検討のときにも材料が残りません。
新しい領域に入るべきかどうか判断が固まらない場合は、無料相談で既存の数字から隣接領域を整理するところから始められます。立ち上げの設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
新しい職種や業界に入るとき、求職者と求人のどちらを先に集めますか
多くの場合、少数でも質の高い求人を先に確保するほうが進みます。具体的な求人があれば求職者への訴求が具体的になり、求人がなければ面談だけが進んで離脱します。
新規領域に入るかどうかの判断材料は何ですか
求人を取れる見込み、求職者に届く経路、推薦が通る水準の理解を作れるか、一件あたりの粗利が既存と比べて見合うかの四つです。既存の取引先や求職者と隣接する領域から探してください。
立ち上げ期の予算はどう管理しますか
単価の上限ではなく、期間と総額で管理します。既存と同じ単価基準で見ると毎月止める判断が出るため、総額を区切って段階ごとに継続を判断してください。
担当は兼務でもいいですか
兼務にすると既存の業務が優先されて進みません。求人の獲得と求職者の面談は専任を置き、集客と数字の管理は既存の部門が兼務する形で三人以下から始められます。
撤退はどう判断しますか
判定に必要な決定の件数を始める前に決めておきます。決定が数件の段階で単価を計算しても偶然の影響が大きく、判断の材料になりません。
まとめ
- 求職者だけを集めても紹介先がなく、求人だけを取っても推薦する人がいません。この鶏と卵をどう解くかが、立ち上げの成否を決めます
- 市場の大きさより、自社が推薦できるかどうかを先に確認します。求人を取れても推薦が通らなければ、売上になりません
- 数件でも質の高い求人があれば、求職者への訴求が具体的になります。抽象的な訴求では、新しい領域の求職者は動きません
- 既存領域の許容単価をそのまま使うと、投資が足りません。立ち上げ期は別の枠で、期間と総額を区切って持ちます
- 兼務にすると、既存の業務が優先されて進みません。少人数でも専任を置くことが、立ち上げの条件になります
- 新しい領域に人と予算を回すと、既存の数字が落ちます。どこまでの低下を許容するかを、始める前に合意します
- 判断に必要な件数が揃う前に、判断を求められることです。決定が数件では、良し悪しを判定できません
- 求人を数件確保するところから始めます。求人がなければ、集客の訴求も面談の中身も作れません