
登録一件ごとにキャリアアドバイザーの時間が消費されます。
噛み合わない登録が増えると、人手だけが減って決定は増えません。
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目次
目次
- 人材紹介で登録の質が問題になるのは、面談に人手がかかるから
- 質の悪い登録は、費用ではなく時間を奪う
- 質の高い登録とは何を指すのか
- 三つの軸に分ける
- 登録件数を目標にしたときに、現場で起きること
- 登録のハードルを下げた分が、そのまま歪みになる
- 質を判定する情報を、登録の時点でどこまで取るか
- 判定に効く項目と、効かない項目を分ける
- 扱う求人と噛み合わない登録を、どこで減らすか
- 扱う領域を先に明示する
- 求人企業側の問い合わせにも、質の基準を置く
- 企業側の質を見る観点
- 質を上げたときに、件数が落ちることをどう説明するか
- 落ちる数字と、落ちない数字を先に示す
- 登録の質の基準を、どう作り直すか
- 三か月で一度、基準を見直す
- よくある質問
- まとめ
登録一件ごとにキャリアアドバイザーの時間が消費されます。
噛み合わない登録が増えると、人手だけが減って決定は増えません。
人材紹介で登録の質が問題になるのは、面談に人手がかかるから
登録一件ごとにキャリアアドバイザーの時間が消費されます。
噛み合わない登録が増えると、人手だけが減って決定は増えません。
資料請求のように、届いた後の処理が軽いリードとは事情が違います。
人材紹介では、登録した人にほぼ必ず面談の連絡を入れます。
連絡と日程調整と面談で、一件あたりの時間が積み上がります。
質の悪い登録は、費用ではなく時間を奪う
広告費の観点では、単価が安ければ得に見えます。
ただし、決定につながらない登録が増えると、面談枠が先に埋まります。
その月に本来対応できたはずの、決定に近い登録者の面談が後ろにずれます。
機会損失は数字に出にくい
対応が遅れた結果、他社で決まってしまった求職者は記録に残りません。
残るのは登録は増えたが決定は増えなかったという結果だけです。
原因が面談枠の圧迫にあることは、日数を測っていないと見えません。
登録の質が落ちたときに、どこに影響が出るか
| 影響が出る場所 | 現れ方 | 気づきやすさ |
|---|---|---|
| 面談枠 | 登録から面談までの日数が伸びる | 測っていれば分かる |
| 決定率 | 面談あたりの決定が下がる | 月次で分かる |
| 機会損失 | 決定に近い層の対応が遅れる | 記録に残らない |
| 現場の士気 | 面談しても進まない案件が増える | 離職率に遅れて出る |
成功報酬だから、途中までの工数は回収できない
面談をしても、推薦をしても、入社しなければ売上は立ちません。途中の工数は全額が持ち出しになります。この構造が、質の議論を避けて通れないものにしています。
質の高い登録とは何を指すのか
自社が扱う求人と噛み合い、転職の時期が近く、条件の折り合いがつく登録です。
この三つのどれが欠けても、決定には届きません。
質という言葉は、社内で意味がばらつきます。
定義を三つの軸に分けると、議論ができるようになります。
三つの軸に分ける
一つ目は、自社が扱う求人の職種や年収帯と合っているか。
二つ目は、転職の意思が固まっていて動ける時期が近いか。
三つ目は、希望する条件が市場の相場と大きく離れていないか。
登録の質を構成する三つの軸
| 軸 | 判定の材料 | 欠けたときに起きること |
|---|---|---|
| 扱う求人との一致 | 職種、経験年数、希望年収 | 推薦する求人がない |
| 転職時期の近さ | 退職予定日、選考の進み具合 | 面談後に動きが止まる |
| 条件の現実性 | 希望条件と市場の相場の差 | 推薦しても通過しない |
| 情報の充足 | 判定に必要な項目が入っているか | 優先順位をつけられない |
三つの軸は、獲得の経路で傾向が分かれる
比較検討の段階で来る経路と、まだ情報収集の段階で来る経路があります。
前者は時期が近く、後者は職種の一致度が高いこともあります。
経路ごとにどの軸が弱いかを見ると、打ち手が決まります。
定義は営業側と一緒に決める
マーケティングが単独で質の基準を作ると、現場の実感と合いません。どの登録なら面談を優先するかは、面談を担当する側が一番よく知っています。基準は一緒に作って、文書にします。
登録件数を目標にしたときに、現場で起きること
件数は達成され、決定は増えません。
配信を広げれば件数は取れるので、目標だけが先に埋まります。
登録件数を単独の目標に置くと、達成する方法は簡単に見つかります。
対象を広げ、登録のハードルを下げれば、件数は増えます。
問題は、その増分が決定につながらないことです。
登録のハードルを下げた分が、そのまま歪みになる
入力項目を減らせば登録は増えます。
ただし、職種や希望年収が分からなければ、面談まで噛み合うかを判定できません。
判定できない登録は、すべて面談の対象になります。
件数目標の達成手段と、その副作用
| 取られやすい手段 | 件数への効果 | 決定への効果 | 残る負担 |
|---|---|---|---|
| 配信対象を広げる | 大きく増える | ほぼ変わらない | 面談枠の圧迫 |
| 入力項目を減らす | 増える | 判定不能が増える | 事前の選別ができない |
| 訴求を一般化する | 増える | 噛み合いが落ちる | 推薦できない層の増加 |
| 特典で登録を促す | 増える | 時期が遠い層が増える | 追客の長期化 |
目標は三つを組み合わせる
量の目標として登録数を置くなら、質の目標と効率の目標を並べて置きます。
質は推薦到達率、効率は定着後決定あたりの単価が使いやすい数字です。
どれか一つだけにすると、必ず別のところが壊れます。
目標の作り方を変えずに、定義だけを変える
登録数の目標をそのままにして、数える対象を有効登録に限定する方法もあります。このときは過去のデータも同じ定義で集計し直します。そうしないと、前年比が比較できなくなります。
質を判定する情報を、登録の時点でどこまで取るか
判定に必要な最小限の項目だけを取ります。
項目を増やすと登録が減り、減らすと判定ができなくなります。
登録フォームの設計は、件数と判定可能性の綱引きです。
どちらかに寄せるのではなく、面談の優先順位をつけられる最小限で止めます。
判定に効く項目と、効かない項目を分ける
職種と経験年数と希望年収があれば、扱う求人との一致は大まかに判定できます。
転職時期の希望があれば、優先順位がつきます。
それ以外の項目は、面談で聞けば足ります。
登録時に取る情報の優先度
| 情報 | 判定への効き方 | 登録率への影響 | 取る場所 |
|---|---|---|---|
| 現在の職種と経験年数 | 求人との一致を判定できる | 小さい | 登録時 |
| 希望年収の範囲 | 条件の現実性を判定できる | 中くらい | 登録時 |
| 転職希望時期 | 優先順位をつけられる | 小さい | 登録時 |
| 詳細な職務経歴 | 面談の準備に使える | 大きい | 面談前か面談時 |
| 希望勤務地 | 推薦範囲を絞れる | 小さい | 登録時 |
登録後に取る設計にする
登録の完了直後に、追加の情報を入力してもらう流れを作ります。
入力が完了した登録を優先対応に回すと、意欲の高さがそのまま順序になります。
フォームを長くするより、この二段構えのほうが件数と判定を両立しやすくなります。
表現の制約に注意する
人材サービスの募集や登録の案内には、表示や表現について守るべき決まりがあります。内容は変わることがあるため、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。特に、条件を実際より良く見せる表現と、誤認を招く比較表現は事前に確認します。
扱う求人と噛み合わない登録を、どこで減らすか
登録の前に減らします。
登録された後に選別すると、対応しない理由を説明する手間が残ります。
噛み合わない登録を減らす場所は三つあります。
広告の配信面、広告の表現、登録前のページです。
このうち効果が大きいのは、広告の表現と登録前のページです。
扱う領域を先に明示する
どの職種を、どの年収帯を、どの地域を扱っているのか。
これを登録前に書いておくと、対象外の人は自分で離脱します。
広く見せたほうが件数は増えますが、増えた分は面談枠を消費します。
噛み合わない登録を減らす場所と、その効き方を、項目ごとに見ていきます。
広告の配信対象については、効き方は狙いの層に寄せられる、件数への影響は中くらいに減る、実装の重さは軽い。
広告の表現については、効き方は自己選別が働く、件数への影響は中くらいに減る、実装の重さは軽い。
登録前のページについては、効き方は扱う領域が伝わる、件数への影響はやや減る、実装の重さは中くらい。
登録フォームの項目については、効き方は判定ができるようになる、件数への影響は減る、実装の重さは軽い。
登録後の案内については、効き方は対応の順序をつけられる、件数への影響は減らない、実装の重さは中くらい。
減らしすぎると、母数が足りなくなる
絞り込みを強くすると、決定率は上がりますが件数が落ちます。
面談枠に余裕があるなら、絞りすぎは機会を捨てます。
面談までの日数を見ながら、強さを調整します。
対象外の登録にも、断り方を用意する
扱えない領域の登録に何も返さないと、評判に影響します。扱っていない旨を早く伝える案内を用意します。この対応の速さが、指名検索や口コミに効いてきます。
求人企業側の問い合わせにも、質の基準を置く
人材紹介は両側を集める事業です。
求人企業の側にも、取引を始める価値があるかの基準を置かないと、営業の時間が消えます。
求職者の質だけを議論して、企業側の質を放置している会社があります。
実際には、求人の側の噛み合わなさも決定率を落とします。
企業側の質を見る観点
扱っている求職者層と合う求人を出しているか。
選考のスピードが確保されているか。
条件が市場の相場から大きく離れていないか。
求人企業側の問い合わせを評価する観点を、項目ごとに見ていきます。
求職者層との一致については、判定の材料は募集職種と年収の提示、合わないときに起きることは推薦する人がいない。
選考の速さについては、判定の材料は書類回答までの日数、合わないときに起きることは他社に先に決まる。
条件の現実性については、判定の材料は提示条件と相場の差、合わないときに起きることは推薦しても辞退される。
継続性については、判定の材料は過去の採用実績と計画、合わないときに起きることは一件で取引が終わる。
一社あたりの価値は、一件では測れない
求人企業は、一社で複数の決定を生むことがあります。
初回の一件だけで評価すると、継続する取引先を逃します。
企業側の獲得単価は、年間の決定数で割り直します。
両側の質がそろって初めて、決定率が上がる
求職者の質だけを上げても、推薦先がなければ決定しません。求人の質だけを上げても、推薦する人がいなければ同じです。職種と年収帯ごとに、両側の状態を並べて見ます。
質を上げたときに、件数が落ちることをどう説明するか
落ちるのは登録件数で、決定件数は落ちません。
この区別を先に共有しておかないと、途中で元に戻されます。
絞り込みを始めると、最初の月に登録数が下がります。
ここで説明が用意できていないと、判断が覆ります。
落ちる数字と、落ちない数字を先に示す
絞り込みを始めたときの数字の動き方を、項目ごとに見ていきます。
登録数については、初月は下がる、三か月後はやや戻る、見方は下がるのが正常。
面談実施率については、初月は上がる、三か月後は上がる、見方は噛み合いが改善している。
推薦到達率については、初月は上がる、三か月後は上がる、見方はここが本命。
決定数については、初月は変わらない、三か月後は上がる、見方は遅れて出る。
登録あたり単価については、初月は上がる、三か月後は上がる、見方は悪化ではない。
決定あたり単価については、初月はやや下がる、三か月後は下がる、見方は評価はこちらで行う。
評価する数字を、登録単価から決定単価に移す
登録単価で評価し続ける限り、絞り込みは常に悪化として映ります。
評価の物差しを、定着後の決定一件あたりの単価に移します。
移すタイミングは、絞り込みを始める前です。
戻す条件も決めておく
三か月見ても推薦到達率が上がらなければ、絞り方が間違っています。どの数字がどうなったら元に戻すかを、始める前に決めておきます。やめる基準がないと、うまくいかない施策が続きます。
登録の質の基準を、どう作り直すか
過去の決定案件を遡って、共通点を洗い出すところから始めます。
基準は推測ではなく、実績から作ります。
質の基準を会議で議論して決めると、印象に引っ張られます。
実際に決定した案件と、決定しなかった案件を並べるのが先です。
質の基準を作り直す手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは過去十二か月の決定案件の属性を洗い出す、期間の目安は二週間。
2については、やることは決定に至らなかった登録の属性と比べる、期間の目安は二週間。
3については、やることは扱う求人との一致、時期、条件の三軸で整理する、期間の目安は一週間。
4については、やることは面談担当者と基準をすり合わせる、期間の目安は二週間。
5については、やることは登録フォームと広告の表現に反映する、期間の目安は二週間。
6については、やることは評価指標を決定単価に切り替える、期間の目安は一週間。
三か月で一度、基準を見直す
扱う求人は変わります。
求人が変われば、噛み合う求職者も変わります。
基準を固定すると、半年後には実態と合わなくなります。
質の管理のために毎月見る数字を、項目ごとに見ていきます。
面談実施率については、見る頻度は毎週、判断の内容は噛み合わない層が増えていないか。
登録から面談までの日数については、見る頻度は毎週、判断の内容は枠が詰まっていないか。
推薦到達率については、見る頻度は毎月、判断の内容は面談から先に進んでいるか。
定着後決定あたりの単価については、見る頻度は毎月、判断の内容は採算が合っているか。
経路別の推薦到達率については、見る頻度は四半期、判断の内容は配分を動かすかどうか。
定義を文書にして残す
有効な登録とは何か、面談実施をどこから数えるか、推薦をいつ計上するか。
この文書がないと、担当者が変わったときに数字の意味が変わります。
変えるときは、過去分も同じ定義で集計し直します。
営業側と同じ資料を見る
質の議論は、マーケティングと面談担当が別々の資料を見ている限り前に進みません。
同じ画面で同じ数字を見る場を、月に一度作ります。
登録の質をどう定義すべきか判断が固まらない場合は、無料相談で現在の数字を一緒に見てもらうところから始められます。集客の対象設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
人材紹介で登録の質とは具体的に何ですか
自社が扱う求人と噛み合うか、転職の時期が近いか、希望条件が相場から離れていないかの三つです。どれが欠けても決定には届かないため、三軸で分けて判定してください。
登録フォームの項目はどこまで増やしてよいですか
職種、経験年数、希望年収、希望時期、勤務地があれば大まかな判定はできます。それ以上は登録率が落ちるため、登録完了後に追加入力してもらう二段構えにしてください。
質を上げると登録数が減りますが、どう説明しますか
減るのは登録数で、決定数は減りません。評価の物差しを登録単価から定着後の決定単価に移してから絞り込みを始め、三か月で推薦到達率が上がらなければ戻すという条件も先に決めてください。
求人企業側の問い合わせにも質の基準は必要ですか
必要です。扱う求職者層と合う求人か、選考が速いか、条件が相場と離れていないかを見ます。一社が複数の決定を生むため、獲得単価は年間の決定数で割り直してください。
質の基準はどのくらいの頻度で見直しますか
三か月に一度です。扱う求人が変われば噛み合う求職者も変わるため、基準を固定すると実態と合わなくなります。
まとめ
- 登録一件ごとにキャリアアドバイザーの時間が消費されます。噛み合わない登録が増えると、人手だけが減って決定は増えません
- 自社が扱う求人と噛み合い、転職の時期が近く、条件の折り合いがつく登録です。この三つのどれが欠けても、決定には届きません
- 件数は達成され、決定は増えません。配信を広げれば件数は取れるので、目標だけが先に埋まります
- 判定に必要な最小限の項目だけを取ります。項目を増やすと登録が減り、減らすと判定ができなくなります
- 登録の前に減らします。登録された後に選別すると、対応しない理由を説明する手間が残ります
- 人材紹介は両側を集める事業です。求人企業の側にも、取引を始める価値があるかの基準を置かないと、営業の時間が消えます
- 落ちるのは登録件数で、決定件数は落ちません。この区別を先に共有しておかないと、途中で元に戻されます
- 過去の決定案件を遡って、共通点を洗い出すところから始めます。基準は推測ではなく、実績から作ります