
求職者は媒体と検索から来て、求人企業は紹介と指名から来ます。
同じ表に並べると、比較できないものを比べることになります。
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目次
目次
- 人材紹介の集客チャネルは、求職者側と企業側で顔ぶれが違う
- 求職者側の経路
- 外部媒体に依存すると、何が起きるのか
- 依存度は三つの数字で測る
- チャネルを役割で分けて並べる
- 三つの役割に分ける
- 自社で持てる経路を、どこまで育てるか
- 検索からの流入で狙う領域
- 大手比較サイトと同じ土俵で戦わない設計
- 勝てる場所の条件
- チャネルごとの評価を、決定ベースに統一する
- 三つの段階で単価を出す
- 配分を動かすときの順序と、動かさない部分
- 一度に動かす幅を決めておく
- チャネル配分を、どの順で作り直すか
- 依存度が高い場合は、期間を長く取る
- よくある質問
- まとめ
求職者は媒体と検索から来て、求人企業は紹介と指名から来ます。
同じ表に並べると、比較できないものを比べることになります。
人材紹介の集客チャネルは、求職者側と企業側で顔ぶれが違う
求職者は媒体と検索から来て、求人企業は紹介と指名から来ます。
同じ表に並べると、比較できないものを比べることになります。
チャネルの議論を始めるとき、まず二つの表に分けます。
求職者を集める経路と、求人企業を獲得する経路です。
この二つは、単価の水準も成果が出るまでの期間も違います。
求職者側の経路
運用型広告、検索からの流入、外部の求人媒体やスカウト媒体、知人からの紹介、指名での再訪。
このうち広告と外部媒体が、費用の大半を占めることが多くなります。
求職者を集める経路の性質
| 経路 | 費用の出方 | 立ち上がりの速さ | 自社で制御できるか |
|---|---|---|---|
| 運用型広告 | 件数に比例 | 速い | できる |
| 外部の求人媒体 | 掲載料か成果報酬 | 速い | できない |
| 検索からの流入 | 制作と運用の固定費 | 遅い | できる |
| 知人からの紹介 | ほぼかからない | 不定期 | 間接的に影響できる |
| 指名での再訪 | ほぼかからない | 遅い | 間接的に影響できる |
企業側の経路
既存取引の深耕、紹介、展示会や催事、指名検索、営業のアウトバウンド。
広告からの件数は多くありませんが、指名検索の受け皿としては効きます。
二つの表を別々に管理する
求職者側の獲得単価と企業側の獲得単価を同じ基準で比べると、企業側が常に高く見えます。一社が複数の決定を生むことを勘定に入れないからです。評価の物差しを分けることが、配分の議論の前提になります。
外部媒体に依存すると、何が起きるのか
費用の水準と露出の量を、自社で決められなくなります。
媒体側の方針が変われば、翌月から件数が動きます。
外部の求人媒体やスカウト媒体は、立ち上がりが速く、一定の件数が読めます。
依存が進むと、事業の根幹を他社の判断に預けることになります。
依存度は三つの数字で測る
全登録のうち外部媒体経由の割合。
全決定のうち外部媒体経由の割合。
集客費用のうち外部媒体への支払いの割合。
この三つを並べます。
外部媒体への依存度の目安と、取るべき構え
| 決定に占める割合 | 状態 | 取るべき構え |
|---|---|---|
| 半分を超える | 依存が強い | 自社経路の育成を最優先にする |
| 三割から五割 | 依存が中程度 | 媒体を複数に分散させる |
| 一割から三割 | 均衡している | 効率の良い媒体に寄せてよい |
| 一割未満 | 自社経路が中心 | 媒体は補完として使う |
媒体の中でも一社に寄らない
同じ外部経路でも、複数の媒体に分けておくと影響を受けにくくなります。
一社に寄せると単価の交渉力は上がりますが、条件変更の影響を丸ごと受けます。
どちらを取るかは、事業の規模と交渉の力関係で決まります。
依存を減らす方向にだけ動かない
外部媒体は、立ち上がりの速さという明確な利点を持ちます。新しい職種や地域を試すときには、これが強みになります。減らすのが目的ではなく、割合を自分で決められる状態が目的です。
チャネルを役割で分けて並べる
獲得の経路と、認知を作る経路と、再訪を作る経路は役割が違います。
同じ指標で評価すると、認知の投資が常に負けます。
チャネルを獲得単価の順に並べると、すぐに成果が出る経路だけが残ります。
その結果、数年後に効く投資が毎年削られます。
三つの役割に分ける
いま転職を考えている人を捕まえる経路。
まだ考えていない人に名前を覚えてもらう経路。
過去に接点のあった人を呼び戻す経路。
経路の役割と、それぞれに置く指標
| 役割 | 経路の例 | 置く指標 | 評価の期間 |
|---|---|---|---|
| いまの需要を取る | 指名以外の検索広告、外部媒体 | 決定あたり単価 | 月次 |
| 需要を作る | 動画、記事、広報 | 指名検索数と直接流入 | 半期 |
| 呼び戻す | メール、再訪促進の配信 | 再登録数と再利用率 | 四半期 |
| 紹介を生む | 面談の体験、入社後の接点 | 紹介経由の登録数 | 半期 |
需要を作る投資の評価方法を先に決める
指名検索数と直接の流入数を、投資の前後で比べます。
決定への寄与を直接測ろうとすると、いつまでも評価できません。
何をもって効いたとするかを、投資を決める時点で合意します。
役割ごとに予算の枠を分ける
一つの枠に入れると、短期の指標で比較されて需要を作る投資が削られます。枠を分けて、それぞれの中で配分を動かします。枠の比率は年に一度だけ見直します。
自社で持てる経路を、どこまで育てるか
検索からの流入と指名での再訪が、自社で持てる二つの柱です。
どちらも立ち上がりが遅いので、早く始めるほど安くなります。
自社で制御できる経路は、費用が件数に比例しません。
一度作れば、追加の費用なしに件数が積み上がります。
その代わり、成果が出るまでに時間がかかります。
検索からの流入で狙う領域
求人の一覧そのもので大手と競うのは現実的ではありません。
職種ごとの転職の実情、選考の進み方、条件の考え方といった領域は、自社の面談で得た知見が活きます。
ここは検索の対象としても、生成AIの引用先としても機能します。
自社経路を育てるときの狙い所
| 領域 | 大手との競合 | 自社の優位 | 成果までの期間 |
|---|---|---|---|
| 求人の一覧 | 強い | ない | 長い |
| 職種ごとの転職の実情 | 中くらい | 面談の知見がある | 中くらい |
| 選考の進み方と準備 | 中くらい | 実務の知見がある | 中くらい |
| 年収や条件の考え方 | 強い | データがあれば優位 | 長い |
| 特定業界の内部事情 | 弱い | 専門性が活きる | 短い |
専門性のある領域から始める
扱う職種が絞られているなら、そこから始めるのが最短です。
広い領域から始めると、大手と正面から当たります。
狭くて深い領域は、生成AIの回答にも引用されやすくなります。
書き手を社内に置く
面談を担当している人が持っている知見が、そのまま差になります。外部のライターだけで作ると、どこにでもある内容になります。取材して書く体制を作るのが現実的です。
大手比較サイトと同じ土俵で戦わない設計
総合的な比較や網羅性では、規模の大きい側が勝ちます。
職種や業界を絞った深さで勝負を分けます。
人材紹介の検索結果は、大手の総合サービスと比較サイトが上位を占める領域が多くあります。
ここに正面から入ると、費用だけがかかります。
勝てる場所の条件
検索の母数は小さくても、決定につながる意図が明確な場所。
自社が扱う求人と一致している場所。
大手が個別に対応しきれない粒度の場所。
競合の顔ぶれと、当たり方を変える基準を、項目ごとに見ていきます。
大手の総合サービスについては、強い領域は職種を問わない検索、当たらない方法は職種と業界を絞る。
比較サイトについては、強い領域はサービスの比較、当たらない方法は自社の専門領域で指名を作る。
スカウト型の媒体については、強い領域は待ちの求職者、当たらない方法は相談したい層に寄せる。
特化型の同業については、強い領域は同じ職種、当たらない方法は地域か年収帯で差を作る。
求人のアグリゲーターについては、強い領域は求人の網羅、当たらない方法は求人以外の情報で入口を作る。
比較サイト経由の流入をどう扱うか
比較サイトからの流入は、すでに複数社を比べている状態で来ます。
接触の速さと、面談で何が得られるかの明示が効きます。
ここで差がつかないと、単価の勝負になります。
広告の表現で差をつける場合の注意
人材サービスの広告には、表示や表現について守るべき決まりがあります。内容は変わることがあるため、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。他社との比較を含む表現は、根拠の示し方を含めて事前に確認します。
チャネルごとの評価を、決定ベースに統一する
登録単価で比べると、決定につながらない経路が高く評価されます。
定着後の決定を分母にした単価に統一します。
チャネルの配分を決める根拠は、単価の比較です。
その単価をどの段階で出すかで、結論が変わります。
三つの段階で単価を出す
登録あたり、面談あたり、定着後の決定あたり。
この三つを並べると、どの経路がどこで落ちているかが見えます。
段階別の単価を並べて、経路の性質を読むを、項目ごとに見ていきます。
Aについては、登録単価は安い、面談単価は中くらい、決定単価は高い、読み取れることは噛み合わない層が多い。
Bについては、登録単価は高い、面談単価はやや高い、決定単価は安い、読み取れることは絞り込まれた層が来ている。
Cについては、登録単価は安い、面談単価は安い、決定単価は安い、読み取れることは効率の良い経路。
Dについては、登録単価は高い、面談単価は高い、決定単価は高い、読み取れることは費用に見合っていない。
Eについては、登録単価は安い、面談単価は中くらい、決定単価は中くらい、読み取れることは面談で落ちている。
遅れを織り込んで評価する
決定が出るまで数か月かかるので、当月の決定単価は直近の広告費と対応しません。
登録した月を基準に、後から決定を紐づけて計算します。
この集計ができるかどうかが、評価の精度を決めます。
評価の期間を経路ごとに変える
すぐ成果が出る経路は月次で、時間のかかる経路は四半期や半期で見ます。同じ期間で並べると、時間のかかる経路が常に劣って見えます。期間を分けることが、正しい比較の条件です。
配分を動かすときの順序と、動かさない部分
効率の良い経路に一気に寄せると、上限に当たって単価が跳ねます。
段階的に動かし、動かさない枠を決めておきます。
ある経路の効率が良いと分かると、そこに寄せたくなります。
ただし、どの経路にも取れる件数の上限があります。
上限を超えて投下すると、単価が急に上がります。
一度に動かす幅を決めておく
四半期ごとに、全体の一割から二割の範囲で動かします。
それ以上を一度に動かすと、効果の検証ができません。
変化が大きすぎると、原因の特定もできません。
配分を動かすときの進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは経路ごとの決定単価を並べる、確認する数字は登録月基準の決定単価。
2については、やることは上限に近い経路を特定する、確認する数字は投下額を増やしたときの単価の動き。
3については、やることは動かす幅を全体の一割から二割に決める、確認する数字は前四半期との差。
4については、やることは動かした後の単価の変化を見る、確認する数字は二か月後の決定単価。
5については、やることは効果が出なければ元に戻す、確認する数字は三か月後の決定数。
動かさない枠を決める
需要を作る経路と、新しい領域を試す枠は、成果が悪くても維持します。
この二つを削ると、一年後に打つ手がなくなります。
全体の一定割合を固定枠として先に確保します。
季節の動きと施策の効果を混同しない
人材紹介は時期によって数字が動きます。配分を変えた直後の変化を、そのまま施策の効果と見ると誤ります。前年同月と比べて判断します。
チャネル配分を、どの順で作り直すか
経路ごとの決定単価を出すところから始めます。
単価が出ていない状態で配分を議論しても、印象の話になります。
配分の見直しは、現状の把握から始めます。
特に、登録月を基準にした決定の紐づけができているかが分かれ目です。
チャネル配分を見直す進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは求職者側と企業側で経路の表を分ける、期間の目安は一週間。
2については、やることは登録月基準で経路別の決定単価を出す、期間の目安は三週間。
3については、やることは外部媒体への依存度を三つの数字で測る、期間の目安は一週間。
4については、やることは経路を役割で分けて枠を設定する、期間の目安は二週間。
5については、やることは自社で持てる経路の対象領域を決める、期間の目安は二週間。
6については、やることは四半期ごとに動かす幅の上限を決める、期間の目安は一週間。
依存度が高い場合は、期間を長く取る
外部媒体が決定の半分を超えている状態から抜けるには、年単位の時間がかかります。
急に減らすと、決定数がそのまま落ちます。
自社経路が立ち上がってから、少しずつ減らします。
チャネル配分の状態を確認する数字を、項目ごとに見ていきます。
経路別の決定単価については、見る頻度は毎月、判断の内容は配分を動かすかどうか。
外部媒体経由の決定割合については、見る頻度は四半期、判断の内容は依存度が下がっているか。
指名検索数と直接流入については、見る頻度は四半期、判断の内容は需要を作る投資が効いているか。
紹介経由の登録数については、見る頻度は半期、判断の内容は面談の体験が効いているか。
役割別の予算比率については、見る頻度は半期、判断の内容は枠の設定を見直すか。
全部を一度に変えない
経路の数だけ変数があります。
同時に動かすと、何が効いたか分かりません。
四半期に一つか二つに絞ります。
判断の記録を残す
なぜその配分にしたのか、何を見て動かしたのか。
記録がないと、担当が変わるたびに同じ議論をやり直します。
チャネルの配分をどう変えるべきか判断が固まらない場合は、無料相談で現在の経路別の数字を整理するところから始められます。集客の構成ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
外部の求人媒体への依存はどの程度から問題になりますか
決定の半分を超えていれば依存が強い状態です。媒体側の方針が変わると翌月から件数が動くため、自社で持てる経路の育成を最優先にしてください。
経路ごとの評価はどの段階の単価で行いますか
定着後の決定を分母にした単価です。登録単価で比べると、噛み合わない層を集める経路が高く評価されます。登録した月を基準に、後から決定を紐づけて計算してください。
検索からの流入で大手と競合しないためにはどうしますか
求人の一覧そのものではなく、職種ごとの転職の実情や選考の進み方といった、面談の知見が活きる領域を選びます。狭くて深い領域ほど生成AIの回答にも引用されやすくなります。
効率の良い経路に予算を寄せてよいですか
どの経路にも取れる件数の上限があり、超えると単価が跳ねます。四半期ごとに全体の一割から二割の範囲で動かし、二か月後の決定単価で効果を確認してください。
成果の出にくい経路は削ってよいですか
需要を作る経路と新しい領域を試す枠は、固定枠として残してください。この二つを削ると、一年後に打てる手がなくなります。
まとめ
- 求職者は媒体と検索から来て、求人企業は紹介と指名から来ます。同じ表に並べると、比較できないものを比べることになります
- 費用の水準と露出の量を、自社で決められなくなります。媒体側の方針が変われば、翌月から件数が動きます
- 獲得の経路と、認知を作る経路と、再訪を作る経路は役割が違います。同じ指標で評価すると、認知の投資が常に負けます
- 検索からの流入と指名での再訪が、自社で持てる二つの柱です。どちらも立ち上がりが遅いので、早く始めるほど安くなります
- 総合的な比較や網羅性では、規模の大きい側が勝ちます。職種や業界を絞った深さで勝負を分けます
- 登録単価で比べると、決定につながらない経路が高く評価されます。定着後の決定を分母にした単価に統一します
- 効率の良い経路に一気に寄せると、上限に当たって単価が跳ねます。段階的に動かし、動かさない枠を決めておきます
- 経路ごとの決定単価を出すところから始めます。単価が出ていない状態で配分を議論しても、印象の話になります