
地域を広げるのと、扱う職種を広げるのでは、必要な投資も期間も違います。
この二つを同じ議論にすると、判断がぼやけます。
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目次
目次
- 派遣の新規立ち上げは、拠点か職種のどちらを広げるかで別の話になる
- 地域を広げる場合
- 新しい職種に入るかどうかの判断材料
- 確認すべき四つのこと
- 案件と登録者のどちらを先に集めるか
- 具体的な案件が、訴求になる
- 立ち上げに使える金額を、どう区切るか
- 期間と総額で区切る
- 拠点の体制を、どう整えるか
- 専任に必要な人数
- いまの職種に出る影響を、先に見積もる
- 影響の出方を三つに分ける
- 立ち上げが途中で止まる原因
- 母数が揃う前の判断
- 新しい職種の立ち上げを、どの順で進めるか
- 最初の半年は、稼働人数を目標にしない
- よくある質問
- まとめ
地域を広げるのと、扱う職種を広げるのでは、必要な投資も期間も違います。
この二つを同じ議論にすると、判断がぼやけます。
派遣の新規立ち上げは、拠点か職種のどちらを広げるかで別の話になる
地域を広げるのと、扱う職種を広げるのでは、必要な投資も期間も違います。
この二つを同じ議論にすると、判断がぼやけます。
派遣で新しい領域に入る形は、大きく二つあります。
新しい地域に拠点を出す形と、既存の拠点で新しい職種を扱う形です。
必要になるものが違います。
地域を広げる場合
拠点の設置、人の配置、その地域での案件の開拓、その地域での登録の獲得。
固定費が先に発生します。
損益が合うまでの期間が長くなります。
職種を広げる場合
既存の拠点で、新しい職種の案件と登録者を集めます。
固定費の追加は小さく済みます。
一方で、その職種の理解を社内に作る必要があります。
地域を広げる場合と職種を広げる場合の違い
| 項目 | 地域を広げる | 職種を広げる |
|---|---|---|
| 先に発生する費用 | 拠点の固定費 | 人の教育と集客の費用 |
| 損益が合うまでの期間 | 長い | 中くらい |
| 既存の資産が使えるか | ほとんど使えない | 案件の開拓先が重なる |
| 撤退のしやすさ | 難しい | 比較的しやすい |
| 必要な判断の主体 | 経営 | 事業部と集客 |
集客の側から提案できるのは、主に職種の拡大
地域の拡大は、拠点の設置を伴う経営の判断です。職種の拡大は、既存の拠点の余力と需給のデータから提案できます。集客の部門が材料を出せるのは、後者です。
新しい職種に入るかどうかの判断材料
市場の大きさより、既存の拠点で回せるかを先に確認します。
案件が取れても、対応する人がいなければ充足しません。
新規の職種の検討は、市場の規模から始めがちです。
派遣では、既存の体制で回せるかどうかが先に来ます。
確認すべき四つのこと
既存の取引先が、その職種でも人を必要としているか。
その職種の登録者に届く経路があるか。
一時間あたりの粗利と継続月数が、既存と比べて見合うか。
拠点のコーディネーターが対応できるか。
新しい職種に入るかを判断する観点
| 観点 | 確認の仕方 | 入らない判断になる条件 |
|---|---|---|
| 既存取引先での需要 | 既存の企業に他職種の採用があるか | まったくない |
| 登録者への到達 | 検索や媒体での接点があるか | 大手が完全に押さえている |
| 一時間あたりの粗利 | 想定される単価と賃金の差 | 既存より大きく低い |
| 継続月数の見込み | その職種の一般的な就業の形 | 回収期間に届かない |
| 拠点の対応力 | コーディネーターの余力と知識 | 余力がまったくない |
既存の取引先から広げるのが最短
いま取引している企業が、別の職種でも人を必要としていることがあります。
そこが入口になれば、案件の確保が速く進みます。
まったく新しい企業から始めるより、立ち上がりが速くなります。
撤退の条件を先に決める
新規の立ち上げには、稼働が積み上がるまでに時間がかかります。何か月で何人の稼働が出なければ撤退するかを、始める前に決めます。決めていないと、判断がずるずると先送りされます。
案件と登録者のどちらを先に集めるか
派遣では、まず案件を確保するほうが進みます。
具体的な案件がなければ、登録者への訴求が作れません。
新しい職種で登録者を集めるとき、既存の一般的な訴求は効きません。
その職種の人が知りたいのは、どういう仕事があるかです。
具体的な案件が、訴求になる
職種と勤務地と時給が具体的に示されていれば、関心のある人は反応します。
会社の一般的な説明では、既存の大手と区別がつきません。
少数でも、示せる案件を先に確保します。
新しい職種の立ち上げで使える材料
| 材料 | 集めやすさ | 訴求としての強さ |
|---|---|---|
| 具体的な案件の条件 | 案件を取れば作れる | 強い |
| その職種の働き方の実情 | 案件の前でも調べられる | 中くらい |
| 自社の実績 | 立ち上げ期にはない | 使えない |
| 担当者の専門性 | 採用か育成で作る | 中くらい |
| 既存の職種での実績 | すでにある | 弱いが信頼にはなる |
案件を先に取ると、充足の圧力がかかる
案件を確保すると、期限までに人を出す必要が生まれます。
準備ができていないと、既存の登録者から無理に充てることになります。
どの程度の件数から始めるかを、慎重に決めます。
実績がないことを、どう扱うか
新しい職種では実績がありません。ないものをあるように書くことはできません。既存の職種での実績と、その職種に入る理由を示す形にします。
立ち上げに使える金額を、どう区切るか
既存の職種の許容単価をそのまま使うと、投資が足りません。
立ち上げ期は別の枠で、期間と総額を区切って持ちます。
新しい職種の獲得単価は、立ち上げ期には必ず高くなります。
既存と同じ基準で判断すると、立ち上がる前に止まります。
期間と総額で区切る
単価の上限で管理するのではなく、期間と総額で管理します。
半年でいくら、その間に何人の稼働が出るかを見ます。
単価で管理すると、毎月止める判断が出ます。
派遣の立ち上げ期における予算の持ち方
| 管理の方法 | 向いている場面 | 問題点 |
|---|---|---|
| 単価の上限で管理 | 既存の職種 | 立ち上げ期は止まってしまう |
| 期間と総額で管理 | 新しい職種 | 使い切るまで判断できない |
| 段階を区切って管理 | 新しい職種 | 区切りごとに判断が要る |
| 既存と同じ枠で管理 | 推奨しない | 既存に吸収される |
段階を区切る
総額を三つに分け、区切りごとに継続を判断します。
最初の区切りでは稼働が少なくても続け、次の区切りで判断する。
この設計にすると、早すぎる撤退も、だらだらとした継続も防げます。
数字は説明のための仮の値です。
立ち上げ期の総額を千八百万円、期間を十八か月とし、六か月ごとに三つに区切ります。
最初の六か月は案件の確保と集客の検証に充て、次の六か月で平均の稼働人数が二十人を超えるかを判断の基準にします。
既存の予算から切り出す形にしない
既存の枠から出すと、既存の成果が落ちたときに真っ先に削られます。別の枠として確保します。
拠点の体制を、どう整えるか
既存のコーディネーターが兼務すると、既存の案件が優先されて進みません。
少人数でも専任の時間を確保することが条件になります。
新しい職種の立ち上げは、既存の業務と同じ人が担当すると止まります。
既存のほうが数字が出やすく、緊急度も高いからです。
専任に必要な人数
案件の開拓を担う人と、登録者の対応を担う人が最低限です。
集客は既存の部門が兼務でも回ります。
拠点ごとに一人か二人から始められる設計にします。
新しい職種の立ち上げ期における役割の置き方を、項目ごとに見ていきます。
案件の開拓については、専任か兼務かは専任の時間を確保、理由は関係構築に時間がかかる。
登録者の対応については、専任か兼務かは専任の時間を確保、理由は職種の理解が要る。
集客の設計については、専任か兼務かは兼務でよい、理由は既存の知見が使える。
広告の運用については、専任か兼務かは外注でよい、理由は専門性が社外にある。
数字の管理については、専任か兼務かは兼務でよい、理由は既存の仕組みを使う。
職種の理解を、どう作るか
その職種の経験者を採ると、立ち上がりは速くなります。
ただし、採用に時間がかかり、費用も発生します。
既存の社員が学ぶ選択肢と、期間と費用で比べます。
評価の基準を既存と分ける
立ち上げ期の担当を、既存と同じ稼働人数で評価すると離職します。案件の確保数や、登録の獲得数といった手前の指標で評価します。評価の基準も、段階を区切って移していきます。
いまの職種に出る影響を、先に見積もる
新しい職種に人と予算を回すと、既存の数字が落ちます。
どこまでの低下を許容するかを、始める前に合意します。
新規の立ち上げは、既存の資源を使います。
既存の担当が兼務すれば既存の充足率が落ち、予算を回せば既存の登録が減ります。
影響の出方を三つに分ける
人の配置による影響。
予算の配分による影響。
拠点の関心が新規に向くことによる影響。
三つ目が、最も見えにくく、最も大きいことがあります。
新しい職種の立ち上げが既存に与える影響を、項目ごとに見ていきます。
人の配置については、現れ方は既存の充足率が下がる、事前に決めることは時間の配分と補充の計画。
予算の配分については、現れ方は既存の登録数が減る、事前に決めることは許容する低下の幅。
拠点の関心については、現れ方は既存の改善が止まる、事前に決めることは既存の目標を維持する仕組み。
取引先への重複した接触については、現れ方は同じ企業に別々に接触する、事前に決めることは担当の切り分け。
打ち出し方の分散については、現れ方は何の会社か伝わりにくくなる、事前に決めることは訴求の整理。
取引先への重複した接触に注意する
新しい職種の担当が、既存の取引先に別の職種で接触することがあります。
企業側から見ると、同じ会社から別々の人が来ることになります。
担当の切り分けを先に決めます。
既存の目標を下げるかどうかを決める
新規に資源を回すなら、既存の目標も調整が必要です。調整しないまま進めると、既存の担当が新規に協力しません。ここは経営の判断として、先に決めます。
立ち上げが途中で止まる原因
判断に必要な人数が揃う前に、判断を求められることです。
稼働が数人では、良し悪しを判定できません。
新規の立ち上げの失敗は、施策の失敗よりも判断の設計の失敗で起きます。
特に多いのが、判定に必要な母数が揃う前の判断です。
母数が揃う前の判断
稼働が五人の段階で、単価を計算しても意味がありません。
偶然の影響が大きすぎます。
何人揃ったら判断するかを、始める前に決めます。
派遣の新規立ち上げが止まる原因と、事前の対策を、項目ごとに見ていきます。
母数が揃う前の判断については、起きることは早すぎる撤退、事前の対策は判定に必要な人数を決める。
既存と同じ単価基準については、起きることは毎月止める判断が出る、事前の対策は期間と総額で管理する。
兼務による停滞については、起きることは既存が優先されて進まない、事前の対策は専任の時間を確保する。
案件を取りすぎるについては、起きることは充足できず信用を失う、事前の対策は受ける件数の上限を決める。
撤退条件の不在については、起きることは判断が先送りされる、事前の対策は期間と人数で条件を決める。
案件を取りすぎない
立ち上げ期に案件を多く受けると、充足できずに企業の期待を下回ります。
最初は受ける件数に上限を設けます。
確実に充足できる範囲から始めます。
撤退しても、学びを残す
撤退する場合でも、何が分かったかを記録します。案件が取れなかったのか、登録者に届かなかったのか、充足できなかったのか。次の検討のときの材料になります。
新しい職種の立ち上げを、どの順で進めるか
既存の取引先で、その職種の需要があるかを確認するところから始めます。
入口がないまま始めると、案件の確保に時間がかかります。
立ち上げの順序は、案件をどう確保するかで決まります。
多くの場合、既存の取引先から広げるのが最短です。
新しい職種を立ち上げる進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは既存の取引先で他職種の需要を洗い出す、期間の目安は三週間。
2については、やることは入るかどうかを四つの観点で判断する、期間の目安は三週間。
3については、やることは確実に充足できる範囲で案件を確保する、期間の目安は二か月。
4については、やることは拠点の専任の時間を確保し評価基準を分ける、期間の目安は一か月。
5については、やることは集客の訴求を案件の内容から作る、期間の目安は一か月。
6については、やることは区切りと判定の人数を決めて運用を始める、期間の目安は継続。
最初の半年は、稼働人数を目標にしない
稼働が積み上がるまでに時間がかかります。
最初の区切りは、案件の確保数と登録の獲得数で評価します。
稼働人数を最初から目標にすると、続きません。
派遣の新規立ち上げ期に確認する数字を、項目ごとに見ていきます。
確保できた案件の数については、見る頻度は毎月、判断の内容は供給の受け皿ができているか。
条件を満たす登録数については、見る頻度は毎月、判断の内容は集客が届いているか。
充足率については、見る頻度は毎月、判断の内容は受けた案件に人を出せているか。
区切りごとの平均稼働人数については、見る頻度は六か月、判断の内容は継続か撤退か。
一時間あたりの粗利と継続月数については、見る頻度は六か月、判断の内容は既存と比べて見合うか。
既存の担当を巻き込む
新規の担当だけで進めると、拠点で孤立します。
既存の取引先への接触には、既存の担当の協力が要ります。
巻き込む形を、始める前に設計します。
判断の記録を残す
なぜその職種を選んだのか、何を基準に判断するのか。
記録がないと、撤退のときにも次の検討のときにも材料が残りません。
新しい職種や地域に広げるべきか判断が固まらない場合は、無料相談で既存の数字から入口を整理するところから始められます。立ち上げの設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
派遣で新しい領域に入るとき、地域と職種のどちらから広げますか
地域の拡大は拠点の固定費が先に発生し、損益が合うまでの期間が長くなります。集客の部門が需給のデータから提案できるのは、既存の拠点で扱う職種を広げるほうです。
案件と登録者のどちらを先に集めますか
案件です。具体的な職種と勤務地と時給が示されていなければ、その職種の登録者への訴求が作れません。ただし受ける件数には上限を設けてください。
立ち上げ期の予算はどう管理しますか
単価の上限ではなく、期間と総額で管理します。既存と同じ単価基準で見ると毎月止める判断が出るため、総額を区切って段階ごとに継続を判断してください。
拠点の担当は兼務でもいいですか
兼務にすると既存の案件が優先されて進みません。案件の開拓と登録者の対応には専任の時間を確保し、集客と数字の管理は既存の部門が兼務する形で始めてください。
撤退はどう判断しますか
判定に必要な稼働の人数を始める前に決めておきます。稼働が数人の段階で単価を計算しても偶然の影響が大きく、判断の材料になりません。
まとめ
- 地域を広げるのと、扱う職種を広げるのでは、必要な投資も期間も違います。この二つを同じ議論にすると、判断がぼやけます
- 市場の大きさより、既存の拠点で回せるかを先に確認します。案件が取れても、対応する人がいなければ充足しません
- 派遣では、まず案件を確保するほうが進みます。具体的な案件がなければ、登録者への訴求が作れません
- 既存の職種の許容単価をそのまま使うと、投資が足りません。立ち上げ期は別の枠で、期間と総額を区切って持ちます
- 既存のコーディネーターが兼務すると、既存の案件が優先されて進みません。少人数でも専任の時間を確保することが条件になります
- 新しい職種に人と予算を回すと、既存の数字が落ちます。どこまでの低下を許容するかを、始める前に合意します
- 判断に必要な人数が揃う前に、判断を求められることです。稼働が数人では、良し悪しを判定できません
- 既存の取引先で、その職種の需要があるかを確認するところから始めます。入口がないまま始めると、案件の確保に時間がかかります