
一人が何か月働き続けたかが、そのまま生涯の粗利になります。
獲得した人数ではなく、続いた月数が事業の数字を作ります。
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目次
目次
- 人材派遣のLTVは、稼働が続いた月数で決まる
- 一人あたりの価値を決める三つの要素
- 終了が起きる時期を、分布で把握する
- 三つの山に分けて見る
- 契約の更新を、事業の数字として管理する
- 更新の時期を並べる
- 終了した人との関係を、どう保つか
- 再稼働の可能性を三つに分ける
- 紹介から生まれる登録を、数字にする
- 紹介が生まれる条件
- 企業側のLTVを、延べ稼働時間で測る
- 企業側の価値を決める三つの要素
- LTVから、獲得の上限をどう出すか
- 上限を出す手順
- 継続の管理を、どこから始めるか
- 終了の理由の記録を、運用に乗せる
- よくある質問
- まとめ
一人が何か月働き続けたかが、そのまま生涯の粗利になります。
獲得した人数ではなく、続いた月数が事業の数字を作ります。
人材派遣のLTVは、稼働が続いた月数で決まる
一人が何か月働き続けたかが、そのまま生涯の粗利になります。
獲得した人数ではなく、続いた月数が事業の数字を作ります。
派遣の売上は、稼働した時間に単価を掛けたものです。
稼働が続く限り粗利が積み上がり、終了した時点で止まります。
この構造は、継続課金の事業に近い性質を持ちます。
一人あたりの価値を決める三つの要素
一時間あたりの粗利。
月あたりの稼働時間。
稼働が続いた月数。
この三つの掛け算が、一人あたりの生涯の粗利です。
一人あたりの粗利を構成する要素
| 要素 | 決まり方 | マーケティングの関与 |
|---|---|---|
| 一時間あたりの粗利 | 請求単価と支払う賃金の差 | 小さい |
| 月あたりの稼働時間 | 契約の内容と本人の事情 | 小さい |
| 稼働が続いた月数 | 職場との相性と待遇と関わり方 | 中くらい |
| 再稼働の有無 | 終了後の関係の保ち方 | 大きい |
| 紹介の発生 | 就業中と終了後の体験 | 中くらい |
獲得の費用は、月数で回収する
一か月の粗利は限られています。
何か月の稼働で回収するかを決めて、初めて獲得の上限が出ます。
継続月数が短い職種では、使える金額が小さくなります。
終了は、この事業における解約にあたる
継続課金の事業で解約率を管理するのと同じ扱いです。何か月目に終了が多いかを分布で見ます。平均の月数だけでは、判断を誤ります。
終了が起きる時期を、分布で把握する
平均の継続月数では、早期に終わる層が見えません。
何か月目に終了が集中しているかを並べます。
継続月数の平均が長くても、最初の数か月で終わる層が多ければ、回収は進みません。
分布で見ることが前提になります。
三つの山に分けて見る
最初の一か月以内の終了。
契約の更新の時期に合わせた終了。
長期にわたって分散する終了。
この三つで、原因も打ち手も違います。
終了が集中する時期と、その原因
| 時期 | 主な原因 | 手を打つ場所 |
|---|---|---|
| 最初の一か月以内 | 条件の伝わり方が違った | 集客の表現と事前の説明 |
| 最初の三か月以内 | 職場との相性 | 案件の情報の精度と調整 |
| 契約の更新の時期 | 待遇や企業側の都合 | 営業と企業側の交渉 |
| 半年から一年 | 本人の事情の変化 | 就業中の関わり方 |
| 一年以降 | 計画的な転職 | 再稼働の設計 |
最初の一か月の終了は、集客の責任範囲にある
条件が実際と違って聞こえていた場合、原因は事前の伝え方にあります。
広告の表現、登録時の説明、案件の提示の仕方。
ここを直すと、早期の終了が減ります。
経路ごとに分布を出す
どの経路から来た人が続きやすいかは、実績を取れば分かります。獲得単価だけで比べると、早く終わる経路が安く見えます。継続月数を反映した実質の単価で比べ直します。
契約の更新を、事業の数字として管理する
更新の時期は、まとまって訪れます。
更新率を把握していないと、その月に稼働人数が急に落ちます。
派遣の契約には更新の時期があります。
更新されるかどうかで、翌月の稼働人数が決まります。
更新の時期を並べる
いま稼働している人の契約が、いつ更新を迎えるかを並べます。
更新が集中する月が見えます。
その月に向けて、補充の準備をします。
更新の管理で見る数字
| 数字 | 見る意味 | 見る頻度 |
|---|---|---|
| 翌三か月の更新予定件数 | 補充の必要量 | 毎月 |
| 更新率 | 継続の見込み | 毎月 |
| 更新されなかった理由 | 打ち手の特定 | 毎月 |
| 職種別の更新率 | どの職種が弱いか | 四半期 |
| 企業別の更新率 | 受ける案件の判断に使う | 四半期 |
更新されない理由を記録する
本人の希望によるものと、企業側の都合によるものを分けます。
本人側の理由なら、就業中の関わり方に手が入ります。
企業側の理由なら、案件を受ける段階の基準に反映します。
更新の前に接点を持つ
更新の時期の前に、本人と接点を持つ運用を置いている会社があります。不満や事情の変化を早く把握できます。費用はかかりますが、更新率に直接効きます。
終了した人との関係を、どう保つか
再び稼働する可能性があります。
その獲得費用はほとんどかからないので、関係を保つ価値が大きくなります。
一度終了した人が、数か月後に再び働き始めることがあります。
この再稼働は、新規の獲得と比べて費用がかかりません。
再稼働の可能性を三つに分ける
すぐに次の仕事を探している人。
一定の期間を空けてから戻る人。
別の働き方に移って戻らない人。
この三つで、接点の持ち方が変わります。
終了後の状態と、接点の持ち方
| 終了後の状態 | 接点の持ち方 | 再稼働の見込み |
|---|---|---|
| すぐに次を探している | 終了の前に次の案件を提示 | 高い |
| 期間を空ける予定 | 時期を聞いて再連絡 | 中くらい |
| 事情で働けない | 軽い接点を保つ | 低いが将来はある |
| 他社で就業した | 定期的な案内のみ | 条件次第 |
| 別の働き方に移った | 接点を絞る | 低い |
終了の前に、次の案件を出す
終了が決まった時点で次の案件を提示すれば、切れ目なく稼働が続きます。
終了してから連絡すると、他社で決まっていることがあります。
終了の予定を把握しておくことが前提です。
再稼働を記録できるようにする
同一人物の判別ができないと、再稼働が数字に出ません。新規の登録として数えてしまうと、獲得単価の計算も狂います。判別の仕組みを持ちます。
紹介から生まれる登録を、数字にする
働いている人が知人を連れてくる経路があります。
費用がかからず、条件も合いやすい経路です。
派遣では、同じ職場で働く人からの紹介が一定の割合を占めることがあります。
この経路は、獲得の費用がほとんどかかりません。
紹介が生まれる条件
働いている職場の環境が良いこと。
本人の待遇に不満がないこと。
紹介したときの手続きが簡単であること。
紹介の経路と、その特徴を、項目ごとに見ていきます。
同じ職場の同僚については、条件の合いやすさは高い、獲得費用はほぼゼロ、継続の傾向は長い。
過去に稼働した人からの紹介については、条件の合いやすさは中くらい、獲得費用はほぼゼロ、継続の傾向は中くらい。
登録だけしている人からの紹介については、条件の合いやすさは中くらい、獲得費用はほぼゼロ、継続の傾向は中くらい。
家族や知人については、条件の合いやすさは条件による、獲得費用はほぼゼロ、継続の傾向は条件による。
経路を記録していないと、存在が見えない
紹介から来た登録を記録していなければ、この経路は数字に出ません。
登録の入力に、経路を選ぶ項目を用意します。
記録がなければ、投資の根拠も作れません。
紹介は、就業中の体験の結果
紹介を増やす施策を単独で打っても、効きません。職場の環境と待遇と、就業中の関わり方の結果として生まれます。紹介の件数は、就業の質を測る指標としても使えます。
企業側のLTVを、延べ稼働時間で測る
一社が出す案件は、一件で終わりません。
年間の延べ稼働時間で見ないと、企業側への投資の余地が見えません。
派遣では、一社の取引先が複数の案件を出し、複数年にわたって続くことがあります。
初回の一件だけで評価すると、継続する取引先を逃します。
企業側の価値を決める三つの要素
年間に出す案件の数。
一案件あたりの延べ稼働時間。
取引が続く年数。
取引先を分類したときの、粗利への効き方を、項目ごとに見ていきます。
継続的に受け入れる大口については、年間の延べ稼働時間は長い、取引の継続性は長い、営業の掛け方は専任を置く。
定期的に受け入れる中堅については、年間の延べ稼働時間は中くらい、取引の継続性は中くらい、営業の掛け方は定期的に接触する。
繁忙期のみ受け入れるについては、年間の延べ稼働時間は短い、取引の継続性は季節性がある、営業の掛け方は時期を押さえる。
一度だけの取引については、年間の延べ稼働時間は短い、取引の継続性はなし、営業の掛け方は獲得費用を抑える。
大口に偏るとリスクが集中する
数社で稼働の大半を占める状態は、安定しているようで脆くなります。
その企業の方針が変われば、稼働が一気に落ちます。
上位数社の構成比を毎期確認します。
受入期間に関する決まりを踏まえる
派遣には受け入れの期間に関する決まりがあります。内容は変わることがあるため、掲載時点の最新の公式ガイドラインで確認してください。期間の見込みは、企業側のLTVの計算にも関わります。
LTVから、獲得の上限をどう出すか
一人あたりの生涯の粗利に投資比率を掛けます。
職種ごとに継続月数が違うので、上限も職種ごとに分けます。
獲得の上限は、一か月の粗利ではなく、生涯の粗利から出します。
ただし、全額を使えるわけではありません。
上限を出す手順
スタッフ側と企業側の獲得上限の出し方を、項目ごとに見ていきます。
基準となる粗利については、スタッフ側は一時間あたり粗利 × 月間稼働時間、企業側は案件あたりの粗利 × 年間の案件数。
継続の反映については、スタッフ側は平均の継続月数を掛ける、企業側は取引継続年数を掛ける。
早期終了の反映については、スタッフ側は分布から補正する、企業側は同じく補正する。
再稼働と紹介の反映については、スタッフ側は加算する、企業側は追加の案件を加算する。
投資比率については、スタッフ側は回収期間から決める、企業側は同じ比率でなくてよい。
許容獲得単価については、スタッフ側は上記を掛け合わせた額、企業側は同じく。
回収期間とセットで決める
生涯の粗利の全額を獲得に使えるわけではありません。
何か月で回収したいかを決めると、比率が決まります。
回収期間が長いほど比率を上げられますが、資金繰りへの負担が増えます。
数字は説明のための仮の値です。
一時間あたりの粗利が四百円、月の稼働が百六十時間、平均の継続月数が八か月なら、一人あたりの生涯の粗利は五十一万二千円です。
このうち二割を獲得に充てるなら、許容獲得単価は十万二千四百円になります。
上限を超えた配信を、どこまで許すか
新しい職種や地域を試すときは、一時的に上限を超えます。どの程度まで、どの期間まで許容するかを先に決めておきます。
継続の管理を、どこから始めるか
同一人物を判別できる状態を作るところからです。
判別できないと、継続月数も再稼働も数字になりません。
継続の管理が進まない原因の多くは、データの持ち方にあります。
過去に稼働した人が再び登録したとき、同じ人と分からない状態では計算できません。
継続を管理できる状態にする手順を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは同一人物の判別のルールを決める、期間の目安は二週間。
2については、やることは過去二年の稼働の開始と終了を紐づける、期間の目安は三週間。
3については、やることは職種別に継続月数の分布を出す、期間の目安は二週間。
4については、やることは終了の理由を選択肢で記録する運用を作る、期間の目安は二週間。
5については、やることは更新の予定と更新率を月次で出す、期間の目安は二週間。
6については、やることは経路別の継続月数を出して配分に反映する、期間の目安は三週間。
終了の理由の記録を、運用に乗せる
自由記述を求めると入力されません。
終了の処理と同じ画面で、選択肢から選ぶ形にします。
集計できることが優先です。
継続の管理で定期的に見る数字を、項目ごとに見ていきます。
稼働の継続月数の分布については、見る頻度は四半期、判断の内容は回収期間の前提が正しいか。
更新率については、見る頻度は毎月、判断の内容は翌月の稼働人数の見込み。
経路別の三か月継続率については、見る頻度は四半期、判断の内容は配分を動かすか。
再稼働の件数については、見る頻度は半期、判断の内容は終了後の関係が保てているか。
紹介経由の登録数については、見る頻度は半期、判断の内容は就業中の体験が効いているか。
継続月数は固定の数字ではない
扱う職種や取引先が変われば、継続月数も変わります。
半期に一度は計算し直します。
古い数字で上限を決め続けると、機会を逃すか使いすぎるかのどちらかになります。
上限の根拠を文書にする
なぜこの獲得単価を上限にしたのか。
計算の前提と、見直す条件を一緒に書いておきます。
稼働の継続をどう管理すべきか判断が固まらない場合は、無料相談で現在の数字を整理するところから始められます。獲得上限の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
人材派遣のLTVは何で決まりますか
一時間あたりの粗利、月あたりの稼働時間、稼働が続いた月数の掛け算です。獲得した人数ではなく、続いた月数が事業の数字を作ります。
継続月数は平均で見てよいですか
平均が長くても最初の数か月で終わる層が多ければ回収は進みません。何か月目に終了が集中しているかを分布で見てください。
早期の終了は集客の責任ですか
最初の一か月以内の終了は、条件の伝わり方が違ったことが原因になりやすく、広告の表現や登録時の説明、案件の提示の仕方に手が入ります。三か月以内なら職場との相性で、案件の情報の精度が関わります。
終了した人との関係はどう保ちますか
終了が決まった時点で次の案件を提示すれば、切れ目なく稼働が続きます。終了してから連絡すると他社で決まっていることが多いため、終了の予定を事前に把握してください。
企業側の獲得単価はどう計算しますか
初回の一件だけで割ると実態より高く見えます。年間の延べ稼働時間、できれば複数年分で割り直してください。
まとめ
- 一人が何か月働き続けたかが、そのまま生涯の粗利になります。獲得した人数ではなく、続いた月数が事業の数字を作ります
- 平均の継続月数では、早期に終わる層が見えません。何か月目に終了が集中しているかを並べます
- 更新の時期は、まとまって訪れます。更新率を把握していないと、その月に稼働人数が急に落ちます
- 再び稼働する可能性があります。その獲得費用はほとんどかからないので、関係を保つ価値が大きくなります
- 働いている人が知人を連れてくる経路があります。費用がかからず、条件も合いやすい経路です
- 一社が出す案件は、一件で終わりません。年間の延べ稼働時間で見ないと、企業側への投資の余地が見えません
- 一人あたりの生涯の粗利に投資比率を掛けます。職種ごとに継続月数が違うので、上限も職種ごとに分けます
- 同一人物を判別できる状態を作るところからです。判別できないと、継続月数も再稼働も数字になりません