人材派遣のマーケと営業の連携|対立が起きる理由と解き方

営業は案件を増やし、コーディネーターは人を充てます。
どちらかが先に詰まると、もう一方の努力が数字に出ません。
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目次
目次
- 人材派遣の連携は、案件を取る側と人を集める側の綱引きになる
- 詰まる側が、時期によって入れ替わる
- 充足しなかった案件を、理由ごとに数える
- 理由を五つに分ける
- 需給の偏りを、拠点と職種で可視化する
- 一枚の表に、両側の在庫を並べる
- 三者が同じ責任を負う数字を一つ置く
- 充足率を共有指標にする理由
- 案件を受ける段階の基準を、三者で決める
- 受ける基準に含める観点
- 現場で分かったことを集客に返す仕組み
- 対応の記録に、集客側が使う項目を混ぜる
- 拠点をまたぐときの調整と、本社の役割
- 本社が持つべき三つの役割
- 連携の仕組みを、どの順で作るか
- 会議の形を先に決める
- よくある質問
- まとめ
営業は案件を増やし、コーディネーターは人を充てます。
どちらかが先に詰まると、もう一方の努力が数字に出ません。
人材派遣の連携は、案件を取る側と人を集める側の綱引きになる
営業は案件を増やし、コーディネーターは人を充てます。
どちらかが先に詰まると、もう一方の努力が数字に出ません。
派遣の売上は、案件と人がそろって初めて立ちます。
案件を取る営業、登録者を対応するコーディネーター、登録を集める集客。
この三者の掛け算です。
詰まる側が、時期によって入れ替わる
案件が多く人が足りない時期と、人はいるが案件が足りない時期があります。
どちらが詰まっているかで、責任の所在が変わります。
入れ替わることを前提に、連携の形を決めます。
派遣の三者がそれぞれ動かす数字
| 担当 | 主に動かす数字 | 不足したときの症状 |
|---|---|---|
| 集客 | 条件を満たす登録数 | 紹介できる人がいない |
| コーディネーター | 紹介率と顔合わせの実施率 | 人はいるが決まらない |
| 営業 | 案件数と案件の条件 | 人はいるが出す先がない |
| 三者共通 | 充足率と稼働人数 | どこが原因か分からない |
責任の押しつけが起きる構造
充足しないとき、営業は人が来ないと言い、コーディネーターは条件が悪いと言い、集客は案件がないと言います。
三者ともそれぞれの立場では正しいことを言っています。
言い分だけを集めても解決しません。
拠点単位で起きるので、全社では見えない
この綱引きは拠点ごとに起きます。全社の数字で見ると、余りと不足が相殺されて見えなくなります。議論の単位を拠点に置きます。
充足しなかった案件を、理由ごとに数える
充足率という一つの数字では、誰が何をすべきかが決まりません。
理由を選択肢で記録すると、議論が数字の話になります。
充足率は、派遣の現場で最もよく使われる数字です。
ただし、この数字だけを見ていると、原因の議論が主観になります。
理由を五つに分ける
条件に合う登録者がいない。
登録者はいるが、すでに稼働している。
提示したが応諾されなかった。
顔合わせで成立しなかった。
企業側の都合で案件が消えた。
充足しなかった理由と、動く担当
| 理由 | 主に動く担当 | 打ち手 |
|---|---|---|
| 条件に合う登録者がいない | 集客 | 配信の対象と量 |
| 登録者はいるが稼働中 | 集客 | 供給の積み増し |
| 提示したが応諾されない | コーディネーター | 提示の仕方と条件の事前提示 |
| 顔合わせで成立しない | コーディネーターと営業 | 事前の情報と企業側の調整 |
| 企業側の都合で消えた | 営業 | 案件を受ける段階の確認 |
記録の負担を最小にする
自由記述を求めると入力されません。
案件の管理の画面で、選択肢から選ぶ形にします。
集計できることが優先です。
構成比の変化を月に一度見る
理由の構成比がどう動いたかが、施策の効果そのものです。件数の増減だけを見ても、何が改善したかは分かりません。構成比で見ます。
需給の偏りを、拠点と職種で可視化する
全社の数字では、余りと不足が相殺されます。
拠点と職種で切って初めて、どこに資源を寄せるべきかが見えます。
連携の議論が前に進まない理由の多くは、同じ数字を見ていないことにあります。
まず、需給の表を一枚作ります。
一枚の表に、両側の在庫を並べる
拠点ごと、職種ごとに、稼働可能な登録者の数と、充足していない案件の数を並べます。
この一枚があれば、議論の対象が絞れます。
拠点と職種の需給を並べて読む
| 状態 | 稼働可能な登録者 | 充足していない案件 | 寄せる資源 |
|---|---|---|---|
| 均衡 | 適正 | 少ない | そのまま回す |
| 人手不足 | 少ない | 多い | 集客の予算を寄せる |
| 案件不足 | 多い | 少ない | 営業を寄せるか近隣に融通する |
| 両方不足 | 少ない | 少ない | 撤退か投資かを判断する |
| 両方過多 | 多い | 多い | 調整の運用に問題がある |
近隣の拠点との融通をルール化する
通勤の範囲が重なる拠点どうしなら、融通できることがあります。
都度の交渉にすると時間がかかります。
どういう条件なら融通するかを先に決めておきます。
四半期に一度、配分を引き直す
需給は季節と案件の状況で動きます。固定の配分にすると、偏りが続きます。四半期に一度、この表を見て配分を決めます。
三者が同じ責任を負う数字を一つ置く
三者が同じ数字で評価される場所を作ります。
充足率が、その位置に置きやすい指標です。
それぞれの部門が自分の数字だけで評価されると、接点の問題は誰の責任にもなりません。
一つだけ、共有の指標を置きます。
充足率を共有指標にする理由
案件と人の両方がそろって初めて動く数字です。
集客が対象を合わせ、コーディネーターが調整し、営業が案件の条件を整えないと上がりません。
三者の掛け算がそのまま数字になります。
派遣で共有指標にできる数字の比較
| 指標 | 三者の関与 | 欠点 |
|---|---|---|
| 稼働人数 | 全員が関与する | 継続の影響が混ざる |
| 充足率 | 全員が関与する | 受ける案件の質に左右される |
| 新規の稼働開始数 | 全員が関与する | 季節の動きが大きい |
| 顔合わせの実施数 | 集客とコーディネーターが中心 | 営業の関与が弱い |
質を伴わない充足を防ぐ
充足率だけを共有指標にすると、続かない就業でも数字が上がります。
三か月の継続率を並べて置きます。
量の指標と質の指標を対にします。
評価への反映は段階的に行う
共有指標をいきなり人事評価に入れると、抵抗が出ます。まずは会議の議題として共有し、動くことを確認してから評価に入れます。順序を逆にすると、数字の作り込みが始まります。
案件を受ける段階の基準を、三者で決める
充足しない案件を受け続けると、全員の時間が消えます。
どういう案件を受けるかの基準を、営業だけで決めない形にします。
案件を受けること自体は、営業の成果として評価されます。
ただし、充足しない案件は、コーディネーターと集客の時間を消費します。
受ける基準に含める観点
提示されている時給が、その地域とその職種の水準と合っているか。
勤務の条件が、登録者の希望と重なる範囲にあるか。
就業の期間の見込みがあるか。
過去に同じ企業で早期の終了が多くないか。
案件を受けるかどうかの判断に使う情報を、項目ごとに見ていきます。
地域と職種の相場については、持っている担当はコーディネーター、判断への使い方は応募が集まるかの見込み。
登録者の希望の分布については、持っている担当は集客、判断への使い方は条件が重なるかの判定。
過去の就業の継続状況については、持っている担当はコーディネーター、判断への使い方は定着の見込み。
企業の発注の履歴については、持っている担当は営業、判断への使い方は継続性の見込み。
現在の稼働可能な人数については、持っている担当はコーディネーター、判断への使い方は充足できるかの見込み。
受けない判断ができる仕組みを作る
営業が単独で判断すると、受ける方向に寄ります。
条件が外れる案件は、三者で確認する運用にします。
毎件ではなく、一定の条件を外れた案件だけを対象にします。
受けた後の条件交渉も含める
そのままでは充足しない案件でも、条件を調整すれば充足することがあります。時給、勤務の時間帯、必要な経験。どこを交渉するかを、需給の情報から決めます。
現場で分かったことを集客に返す仕組み
対応で分かったことが集客側に戻らないと、同じ層を集め続けます。
戻す作業を、別の業務として追加してはいけません。
情報共有の仕組みは、追加の入力作業として設計すると定着しません。
すでに行っている記録の中に、選択肢として埋め込みます。
対応の記録に、集客側が使う項目を混ぜる
紹介できなかった理由、応諾されなかった理由を、記録の必須項目にします。
自由記述ではなく、五つ程度の選択肢にします。
集計できる形であることが条件です。
対応の記録から集客側に戻す項目を、項目ごとに見ていきます。
紹介できなかった理由については、集客側の使い道は配信の地域と職種の見直し、入力の形は選択肢。
応諾されなかった理由については、集客側の使い道は訴求と事前提示の設計、入力の形は選択肢。
希望する時給の分布については、集客側の使い道は訴求の水準の設定、入力の形は数値。
働ける曜日と時間の分布については、集客側の使い道は募集条件の訴求、入力の形は選択肢。
どこで自社を知ったかについては、集客側の使い道は認知経路の把握、入力の形は選択肢。
戻す先は、月に一度の同じ場にする
データを集めても、見る場がなければ意味がありません。
集客と拠点が同じ資料を見る会議を、月に一度置きます。
一時間で終わる構成にします。
逆方向の情報も渡す
集客側からは、どの訴求で登録が増えたかを返します。対応の最初の案内が変わります。往復にして初めて、連携と呼べる状態になります。
拠点をまたぐときの調整と、本社の役割
拠点ごとに需給が違うため、全社一律の指示は必ずどこかで空回りします。
本社は配分の裁量と、横の共有を担います。
複数の拠点を持つ会社では、連携の問題がもう一段複雑になります。
拠点の中の三者の連携と、拠点をまたぐ調整の両方が必要です。
本社が持つべき三つの役割
需給の表を作って全拠点に共有すること。
配分の裁量を一定の範囲で持つこと。
良い拠点のやり方を横に展開すること。
本社と拠点の役割の分担を、項目ごとに見ていきます。
需給の可視化については、本社は全拠点分を作る、拠点は自拠点の数字を確認する。
予算の配分については、本社は一定の裁量を持つ、拠点は自拠点内の配分を決める。
案件を受ける基準については、本社は全社の基準を作る、拠点は個別の判断を行う。
連携の会議については、本社は形式と議題を決める、拠点は実際に運用する。
横展開については、本社は良い事例を集めて配る、拠点は自拠点に合わせて適用する。
拠点の数字を並べて公開する
拠点ごとの段階別の率を並べて、全拠点が見られる状態にします。
順位をつけるためではなく、良い拠点のやり方を共有するためです。
公開しないと、改善が横に広がりません。
全社一律の施策を押しつけない
拠点ごとに案件の構成も競合の状況も違います。本社が作るのは、判断の材料と枠組みです。中身は拠点が決めます。
連携の仕組みを、どの順で作るか
需給の可視化から始めます。
どこが詰まっているかが見えないと、どの連携を強化すべきかが決まりません。
連携の話は、仕組みの導入から始めると失敗します。
現状の詰まりを数字で示すところから始めます。
人材派遣の連携を作り直す進め方を、項目ごとに見ていきます。
1については、やることは拠点と職種で需給の表を作る、期間の目安は三週間。
2については、やることは充足しなかった理由を五つの選択肢で記録する、期間の目安は二週間。
3については、やることは最も多い理由を一つ選んで対策を決める、期間の目安は二週間。
4については、やることは充足率を共有指標として会議の議題にする、期間の目安は二週間。
5については、やることは案件を受ける基準を三者で作る、期間の目安は三週間。
6については、やることは月次で三者が同じ資料を見る場を作る、期間の目安は継続。
会議の形を先に決める
誰が出るか、何を見るか、何を決めるか。
これを決めずに始めると、報告会になって終わります。
決める事項は、次の四半期にどの理由を減らすかの一点で足ります。
拠点の連携が機能しているかを測る数字を、項目ごとに見ていきます。
充足率については、見る頻度は毎週、判断の内容は案件に人を出せているか。
充足しなかった理由の構成比については、見る頻度は毎月、判断の内容はどこに手を入れるか。
拠点別の需給バランスについては、見る頻度は四半期、判断の内容は配分を動かすか。
三か月の継続率については、見る頻度は四半期、判断の内容は質を伴っているか。
拠点別の段階別の率については、見る頻度は四半期、判断の内容は横展開できる差があるか。
粒度をそろえる作業を軽視しない
集客が見ている単位と、拠点が見ている単位が違うと、話が噛み合いません。
職種の分類、地域の区分、時給の刻みをそろえます。
この地味な作業が、会議の時間を半分にします。
一年で全部を整えようとしない
三者の連携は、仕組みを入れれば動くものではありません。
四半期に一つずつ、詰まりを解いていきます。
案件と人のどちらが詰まっているか分からない場合は、無料相談で現在の需給を整理するところから始められます。連携の仕組みごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
人材派遣でマーケと営業の連携が難しいのはなぜですか
案件を取る営業、人を充てるコーディネーター、登録を集める集客の三者の掛け算で売上が決まり、どちらが詰まるかが時期によって入れ替わるからです。しかも拠点ごとに状況が違います。
充足率だけを見ていてはいけませんか
一つの数字では誰が何をすべきかが決まりません。充足しなかった理由を五つ程度の選択肢で記録し、構成比の変化を月に一度確認してください。
需給の偏りはどう見つけますか
全社の数字では余りと不足が相殺されます。拠点ごと職種ごとに、稼働可能な登録者の数と充足していない案件の数を並べてください。
案件を受ける基準は営業が決めてよいですか
営業が単独で判断すると受ける方向に寄り、充足しない案件が全員の時間を消費します。一定の条件を外れた案件だけを三者で確認する運用にしてください。
本社は何をすべきですか
全拠点分の需給の表を作ること、配分の裁量を一定の範囲で持つこと、良い拠点のやり方を横に展開することです。拠点ごとに状況が違うため、全社一律の施策は押しつけないでください。
まとめ
- 営業は案件を増やし、コーディネーターは人を充てます。どちらかが先に詰まると、もう一方の努力が数字に出ません
- 充足率という一つの数字では、誰が何をすべきかが決まりません。理由を選択肢で記録すると、議論が数字の話になります
- 全社の数字では、余りと不足が相殺されます。拠点と職種で切って初めて、どこに資源を寄せるべきかが見えます
- 三者が同じ数字で評価される場所を作ります。充足率が、その位置に置きやすい指標です
- 充足しない案件を受け続けると、全員の時間が消えます。どういう案件を受けるかの基準を、営業だけで決めない形にします
- 対応で分かったことが集客側に戻らないと、同じ層を集め続けます。戻す作業を、別の業務として追加してはいけません
- 拠点ごとに需給が違うため、全社一律の指示は必ずどこかで空回りします。本社は配分の裁量と、横の共有を担います
- 需給の可視化から始めます。どこが詰まっているかが見えないと、どの連携を強化すべきかが決まりません