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自動車販売のマーケティング予算の決め方|経営にどう説明するか

集客・マーケ戦略公開:2026年9月15日更新:2026年9月15日読了 約13分
自動車販売のマーケティング予算の決め方|経営にどう説明するか

台数目標とのつながりを説明できる材料が、社内に残っていないからです。
根拠が前年実績しかない予算は、増やす議論も減らす議論も進みません。

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台数目標とのつながりを説明できる材料が、社内に残っていないからです。
根拠が前年実績しかない予算は、増やす議論も減らす議論も進みません。

新車販売の広告予算は、なぜ前年並みで落ち着いてしまうのか

台数目標とのつながりを説明できる材料が、社内に残っていないからです。
根拠が前年実績しかない予算は、増やす議論も減らす議論も進みません。

新車販売の広告予算は、なぜ前年並みで落ち着いてしまうのか

販売会社の広告予算は、期初の会議で前年の実績を起点に置かれます。
台数目標が上がっていれば数パーセント増やす、という決め方が続きます。

この決め方が続く理由は、担当者の怠慢ではありません。
広告費と台数の関係を示す材料が、社内のどこにも残っていないからです。

新車販売では、来店の理由が複数に分かれます。
全国施策、新型車の発表、整備からの入庫、店頭の条件、そして自社の広告です。

このうち広告の寄与だけを取り出す仕組みがないと、予算の説明は前年比に戻ります。

もう1つの理由は、費用の出どころが一本化されていないことです。
メーカー側から来る販促費と、自社で出す広告費が別の帳簿で動いています。

合計いくら使っているのかが1枚で見えないと、増減の議論そのものが成立しません。

前年並みの予算が、どこで効かなくなるのか

前年並みで置いた予算は、市場が横ばいの間は問題になりません。
需要の構成が変わった期に、初めて足りないことが分かります。

電通の発表では、2025年のインターネット広告費は4兆459億円で前年比110.8パーセントでした。

出稿する側が増えれば、同じ露出を取る費用は上がる方向に動きます。
前年と同じ金額で前年と同じ件数が取れる前提は、毎年小さくなっています。

前年並みの予算は、広告の寄与を切り出す材料がないことの結果です。金額を議論する前に、寄与を測る仕組みを決めてください。

メーカーから来る販促費と、自社で出す広告費をどう分けるのか

使途ではなく、誰が配分を決められるかで分けます。
自社の判断で動かせる金額だけが、予算の議論の対象になります。

メーカーから来る販促費と、自社で出す広告費をどう分けるのか

販売会社が使う販促の費用には、複数の出どころがあります。
全国施策に連動して配分されるもの、車種ごとに紐づくもの、自社の営業利益から出すものが混在します。

これを使途で分類すると、テレビ、チラシ、Web広告といった並びになります。
この並びでは、どこを削れてどこを削れないかが分かりません。

分け方の基準は、配分の裁量が自社にあるかどうかです。

裁量のない費用は、額が大きくても予算の議論には乗りません。
使い道が決まっているため、増やすことも他に回すこともできないからです。

裁量のある費用だけを取り出すと、金額は想像より小さくなります。
小さくなった金額が、実際に判断できる範囲です。

この切り分けを1枚の表にしておくと、経営との会話が変わります。

販促費用を、裁量の有無で分けて並べる

費用の種類配分を決める主体予算の議論に乗るか見直しの周期
全国施策に連動する販促費メーカー乗らない施策ごと
車種ごとに紐づく販促費メーカーと販売会社一部乗る車種の切り替え時
共同で出す地域の販促費販売会社とメーカー条件付きで乗る半期
自社の営業利益から出す広告費販売会社全額乗る四半期
店舗が独自に出す販促費店舗店舗の裁量月次

裁量のない費用も、効果は測っておく

裁量がないからといって、効果を測らなくてよいわけではありません。
全国施策の期間に来店がどれだけ増えたかを記録しておくと、自社広告の評価が正確になります。

記録がないと、施策の月の伸びまで自社の成果に足してしまいます。

測り方は難しくありません。
施策の期間とその前後で、車種別の来店件数を並べるだけで傾向は見えます。

費用は使途ではなく裁量で分けてください。自社で配分を決められる金額だけが、増減を議論できる予算です。

予算の総額は、台数目標から逆算できるのか

逆算できます。
台数を試乗予約の件数に割り戻し、1件あたりの上限費用を掛ければ総額が出ます。

予算の総額は、台数目標から逆算できるのか

予算の総額を先に決めてから配分を考えると、根拠が前年比に戻ります。
順序を入れ替えて、必要な件数から総額を出してください。

出発点は、広告で取りにいく台数です。
全社の台数目標から、指名と整備からの入庫で積む分を引いた残りになります。

この残りが、広告に割り当てる台数です。

次に、試乗予約から成約までの率で割り戻します。
必要な試乗予約の件数が出たところで、1件あたりの上限費用を掛けます。

数字は説明のための仮の値です。
広告で取る台数が年360台、試乗からの成約率が30パーセントなら、必要な試乗予約は1200件になります。

1件あたりの上限が1万5千円なら、年間の広告予算は1800万円という計算です。

逆算した金額が、現状と大きく違うとき

逆算の結果が現在の予算の倍になることもあります。
そのときは、目標が過大か、途中の率を上げる必要があるかのどちらかです。

期初にこの差が見えること自体が、逆算の効用になります。

率を上げる余地があるなら、予算を増やす前に引き渡しの設計を直してください。
同じ件数で台数が増えれば、必要な予算はその分だけ下がります。

総額は台数目標から逆算します。広告で取る台数を切り出し、試乗予約に割り戻して上限費用を掛けてください。

店舗ごとの配分は、何を基準に決めるのか

商圏の規模と、1台あたりの粗利の2つで決めます。
台数の実績で配ると、条件を緩めて台数を積んだ店舗に予算が寄ります。

店舗ごとの配分は、何を基準に決めるのか

複数店舗を持つ販売会社では、総額よりも配分でもめます。
配分の基準が明文化されていないと、声の大きい店舗に寄るためです。

よく使われるのが、前期の台数実績による按分です。
この基準は分かりやすい一方で、条件を緩めて台数を積んだ店舗を優遇します。

配分の基準に置くべきなのは、需要の大きさと1台あたりの利益です。

商圏の規模は、人口と世帯あたりの保有台数で近似できます。
1台あたりの粗利は、車種構成と納車後の入庫率で店舗ごとに変わります。

この2つを掛けると、その店舗に投じた広告費が生む利益の見込みが出ます。
見込みの大きい順に配分すれば、全社の利益は最大になります。

店舗への配分基準と、それぞれの副作用

配分の基準分かりやすさ起きやすい副作用使いどころ
前期の台数実績高い条件を緩めた店舗が優遇される過渡期の暫定
商圏の人口規模入庫率の低い店舗に過剰配分基準の土台
1台あたりの粗利低い算出の手間がかかる規模の補正
試乗予約の単価実績立ち上げ期の店舗が不利既存店の配分
新規出店の初年度枠別枠既存店から不満が出る出店計画と連動

新しく出した店舗の扱い

出店直後の店舗は、実績がないため配分の計算に乗りません。
既存店と同じ基準で配ると、立ち上がりが遅れます。

新規出店は別枠にして、出店計画の投資として扱ってください。

別枠の期間は、初回車検の入庫が始まるまでが目安になります。
入庫が始まれば、既存店と同じ基準で評価できるようになります。

配分は台数実績ではなく、商圏の規模と1台あたりの粗利で決めます。新規出店は別枠にして投資として扱ってください。

決算期に需要が寄る事業で、予算は月割りでよいのか

月割りにしないでください。
検討が始まる時期に厚く置き、需要の山の期間は獲得より取りこぼし防止に配分します。

決算期に需要が寄る事業で、予算は月割りでよいのか

年間の予算を12で割って各月に置く方法は、管理は楽になります。
一方で、需要の動きとは合いません。

新車販売では、期末に向けて登録が寄る動きがあります。
その時期に広告を増やすと、単価の上がった局面で買うことになります。

検討が始まるのは、登録の山よりも前です。

初回の接触から成約までの平均日数が分かっていれば、逆算で厚く置く月が決まります。
平均日数が45日なら、山の1か月半前から配分を上げる形になります。

山の期間中は、広告よりも受け入れ側の制約が効きます。
試乗車の台数、担当者の商談枠、登録の事務が上限になるためです。

閑散期の扱いも先に決めてください。

閑散期に予算を絞るかどうか

閑散期は単価が下がるため、同じ金額でより多くの接触が取れます。
ここを絞ると、次の山に向けた検討層の積み上げが止まります。

閑散期は獲得の効率ではなく、検討層の母数で評価してください

評価の指標を変えずに閑散期を運用すると、単価の悪化だけが目につきます。
その結果、最も安く接触できる時期に配信を止める判断になります。

予算は月割りにせず、検討が始まる時期に厚く置いてください。山の期間は広告より受け入れ枠の確保に効きます。

車検と保険の収益を、予算の根拠にどう組み込むのか

納車後の粗利に入庫率を掛けて、1台あたりの上限費用に足します。
この分を入れないと、上限が小さく出て取れる需要を逃します。

車検と保険の収益を、予算の根拠にどう組み込むのか

広告予算の妥当性は、1台あたりにいくらまで使えるかで決まります。
この上限を車両の粗利だけで置くと、実態より小さくなります。

新車販売では、納車のあとに点検、車検、保険、部品の売上が続きます。
この継続分を含めて初めて、1人の顧客から得られる利益が出ます。

ただし、継続分をそのまま全額足すのは危険です。

入庫が続く保証はなく、他店や専業の工場に流れる分があります。
実績の入庫率を掛けたうえで足すのが、現実的な置き方になります。

回収の期間も同時に決めてください。
3年で回収する前提なら、単月の収支ではなく年単位で判断することになります。

この前提は、経営の稟議でも必ず論点になります。

資金繰りと回収期間の関係

回収期間を長く取るほど、1台あたりの上限は大きくなります。
上限が大きくなれば、獲得できる台数も増えます。

一方で、広告費の支払いは先に発生します。

回収を5年に置くと、手元の資金が先に細ります。
自社の資金繰りが許す範囲で期間を決め、その期間を超える粗利は上限に入れないでください。

上限費用には納車後の粗利を入庫率で割り引いて足します。回収期間は資金繰りが許す範囲で決め、それを超える分は算入しないでください。

予算を増やす稟議で、経営から必ず聞かれることは何か

増やした分が何台になるのか、そして止めたら何台減るのかの2つです。
どちらも、広告の寄与を切り出していないと答えられません。

予算を増やす稟議で、経営から必ず聞かれることは何か

広告予算の増額を求める場面で、経営が知りたいのは効果の因果です。
増やせば増えるのか、止めれば減るのかが分かれば判断できます。

この2つに答えるには、広告経由の来店を他の経路と分けて記録している必要があります。
記録がない状態で増額を求めると、説明が期待値だけになります。

答えられる状態を作るには、期の途中で止める期間を設けるのが早い方法です。

一部の店舗や一部の媒体で配信を止め、来店の減り方を見ます。
減らなければ、その配信は指名や別経路の需要を拾っていただけです。

止める判断そのものが、稟議の材料になります。
減った分が明確であれば、増やした場合の見込みも同じ根拠で説明できます。

説明の形も先に決めておいてください。

増額の稟議で用意しておく材料

聞かれること用意する材料出し方
増やすと何台増えるのか試乗予約の単価と成約率直近12か月の実績で示す
止めると何台減るのか配信を止めた期間の来店差店舗または媒体を限定して検証
いつ回収できるのか1台あたりの粗利と回収期間納車後の入庫率を明示する
他社はいくら使っているのか自社の上限費用の算出根拠外部の平均値には寄せない
削るならどこからか媒体別の上限超過の一覧止める順番を先に決めておく

外部の平均値を根拠にしない

他社がいくら使っているかは、稟議の場で必ず話題になります。
一方で、他社の金額は自社の粗利構造を反映していません。

同じ金額でも、入庫率が違えば妥当な水準は変わります。

外部の数字は、桁が合っているかを確かめる参照値として扱ってください。
可否を決める線は、自社の粗利から出した上限のほうです。

稟議で問われるのは増やした場合と止めた場合の台数です。一部を止めて差を測っておくと、両方に同じ根拠で答えられます。

新車販売の広告予算は、何から組み立てればいいのか

裁量のある費用と、ない費用を1枚に並べるところからです。
自社で決められる金額が分からないまま総額を議論しても、結論が出ません。

新車販売の広告予算は、何から組み立てればいいのか

予算を組む作業は、金額を決めることから始まりません。
今いくら使っていて、そのうちいくらが自社の判断で動くのかを確定させるのが先です。

出どころの違う費用が別々の帳簿にあると、この確定に時間がかかります。
経理と販促の担当を同じ場に呼んで、1枚にまとめてください。

次に、広告で取りにいく台数を切り出します。

全社の台数目標から、指名と入庫で積む分を引いた残りが対象です。
この切り出しには、来店経路の記録が要ります。

記録がない場合は、受付で経路を聞く運用を先に始めてください。
3か月分たまれば、おおよその構成比は出ます。

新車販売の広告予算を組む順番

順番やること関わる人期間の目安
1出どころ別の販促費を1枚に並べる経理と販促2週間
2裁量のある金額を確定する経営と本部1週間
3来店経路の記録を始める店長と本部即日から3か月
4広告で取る台数を切り出す本部1週間
51台あたりの上限費用を確定する経営と本部2週間
6店舗への配分基準を文書にする本部と店長2週間

稟議に間に合わせるための時期

この6工程は、着手から稟議までで10週間前後が目安になります。
来店経路の記録に3か月かかるため、最も早く始めるべきなのはそこです。

記録がたまる前でも、丸い数字で仮置きして計算は進められます。

仮置きの値は、文書に仮であると明記してください。
明記していない仮置き値は、半年後には確定値として扱われます。

着手点は金額の議論ではなく、裁量のある費用の確定と来店経路の記録です。この2つが揃えば、総額と配分は数週間で決まります。

新車販売の広告予算の立て方で判断に迷う場合は、無料相談で現状の費用構成を見てもらうところから始められます。
販促費の配分ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。

よくある質問

広告予算は前年比で決めてはいけませんか

前年比だけを根拠にすると、増やす議論も減らす議論も進みません。広告で取りにいく台数を切り出し、試乗予約の件数に割り戻して1件あたりの上限費用を掛ける形で総額を出してください。逆算の結果と現状の差が、判断の材料になります。

メーカーから配分される販促費も予算に含めますか

総額としては把握しておき、議論の対象からは分けてください。配分の裁量が自社にない費用は、増やすことも他に回すこともできません。裁量のある金額だけを取り出すと想像より小さくなりますが、それが実際に判断できる範囲です。

店舗への配分は台数の実績で按分してよいですか

台数実績での按分は、条件を緩めて台数を積んだ店舗を優遇します。商圏の規模と1台あたりの粗利を掛けた見込み利益で配分してください。出店直後の店舗は実績がないため、別枠の投資として扱うほうが立ち上がりが早くなります。

需要の山の時期に広告費を集中させるべきですか

山の直前ではなく、検討が始まる時期に厚く置いてください。初回接触から成約までの平均日数を山から引くと、配分を上げる月が決まります。山の期間中は試乗車や商談枠が上限になるため、広告費より受け入れ側の確保が効きます。

増額の稟議で他社の広告費を根拠にしてよいですか

参照値としては使えますが、可否を決める線にはなりません。同じ金額でも納車後の入庫率が違えば妥当な水準は変わります。自社の粗利から出した1台あたりの上限と、配信を止めた期間の来店差を用意するほうが説明になります。

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  • 無料マーケ診断は毎月10社限定
  • オンライン30〜45
  • 事前資料の準備は不要

お見積りまでの4段階で費用は発生しません。媒体費(広告費)とサービス費用は別勘定です。

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まとめ

  • 台数目標とのつながりを説明できる材料が、社内に残っていないからです。根拠が前年実績しかない予算は、増やす議論も減らす議論も進みません
  • 使途ではなく、誰が配分を決められるかで分けます。自社の判断で動かせる金額だけが、予算の議論の対象になります
  • 逆算できます。台数を試乗予約の件数に割り戻し、1件あたりの上限費用を掛ければ総額が出ます
  • 商圏の規模と、1台あたりの粗利の2つで決めます。台数の実績で配ると、条件を緩めて台数を積んだ店舗に予算が寄ります
  • 月割りにしないでください。検討が始まる時期に厚く置き、需要の山の期間は獲得より取りこぼし防止に配分します
  • 納車後の粗利に入庫率を掛けて、1台あたりの上限費用に足します。この分を入れないと、上限が小さく出て取れる需要を逃します
  • 増やした分が何台になるのか、そして止めたら何台減るのかの2つです。どちらも、広告の寄与を切り出していないと答えられません
  • 裁量のある費用と、ない費用を1枚に並べるところからです。自社で決められる金額が分からないまま総額を議論しても、結論が出ません