
車両の購入者ではなく、世帯を単位に数えます。
点検、車検、保険、そして次の代替までを1本の流れとして見てください。
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目次
目次
- 新車販売のLTVは、どこまでを1人の顧客として数えるのか
- 世帯で数えるための最低限の記録
- 代替のサイクルは、何年で見ればよいのか
- サイクルが読めない層をどう扱うか
- 初回車検までの入庫が、なぜ分かれ目になるのか
- 入庫が途切れる時期を特定する
- 保険の継続を、LTVに入れてよいのか
- 回収期間を超える収益は足さない
- 顧客が離れる瞬間は、どこにあるのか
- 離脱を記録に残す仕組み
- 回収の期間を何年に置くと、資金繰りが合うのか
- 期間を短くしたときの副作用
- LTVの数字を、店舗の運営にどう使うのか
- 店舗にLTVをどう説明するか
- 新車販売のLTVの設計は、何から手をつければいいのか
- 精度より先に、置き直す前提を決める
- よくある質問
- まとめ
車両の購入者ではなく、世帯を単位に数えます。
点検、車検、保険、そして次の代替までを1本の流れとして見てください。
新車販売のLTVは、どこまでを1人の顧客として数えるのか
車両の購入者ではなく、世帯を単位に数えます。
点検、車検、保険、そして次の代替までを1本の流れとして見てください。
新車販売でLTVを計算しようとすると、最初に単位の問題に当たります。
契約者を単位にすると、家族の2台目や名義の変更で流れが切れます。
実際の取引は、世帯の単位で続いていることが多くあります。
同じ家の中で2台目が増え、子の初めての車が同じ店で買われます。
契約者を単位にした計算は、この連続を取りこぼします。
もう1つの論点が、期間の取り方です。
車両の代替は数年に一度のため、1年で切ると継続の実態が見えません。
最低でも1回の代替を含む期間、つまり代替サイクルの1周分で見てください。
この期間の中に、点検、車検、保険、部品、そして次の車両が入ります。
世帯で数えるための最低限の記録
世帯単位の把握には、完全な家族情報は必要ありません。
住所と電話番号の一致で、おおよその紐づけはできます。
紐づけの精度を上げるより、紐づけがある状態を早く作るほうが先です。
紐づいた顧客の取引を並べると、2台目の発生する時期が見えます。
時期が見えれば、接触の設計もそこに合わせられます。
LTVは契約者ではなく世帯で数えてください。期間は代替サイクルの1周分を最低単位にします。
代替のサイクルは、何年で見ればよいのか
自社の実績から出してください。
車種の構成と顧客層で変わるため、一般的な年数を当てはめると計算が合いません。
代替の間隔は、車種と顧客層によって大きく変わります。
法人の利用、通勤の距離、家族構成の変化が、買い替えの時期を決めています。
このため、外から持ってきた年数を使うと計算が合いません。
自社の顧客が実際に何年で買い替えているかを、台帳から出してください。
出し方は、同じ世帯の2回目以降の購入日の差を取るだけです。
5年分の台帳があれば、おおよその分布は出ます。
平均ではなく分布で見ることが大事です。
分布が二山になっている場合、顧客層が2つに分かれています。
その場合は、層ごとに別のサイクルで計算してください。
1本の平均で計算すると、どちらの層にも当てはまらない数字になります。
代替サイクルを出すときに分けて見る軸
| 分ける軸 | 分ける理由 | 計算への影響 |
|---|---|---|
| 初回購入か買い替えか | 検討の経路が違う | 初回は次の代替までが長い |
| 車種の区分 | 使われ方が違う | 商用と乗用でサイクルが変わる |
| 法人と個人 | 更新の判断者が違う | 法人は契約の期間に従う |
| 購入時の年齢層 | 生活の変化の頻度が違う | 層ごとに山の位置がずれる |
| 点検の入庫があるか | 接点の有無が違う | 入庫のある層はサイクルが安定する |
サイクルが読めない層をどう扱うか
買い替えの記録が1回もない顧客が、台帳の大半を占めることがあります。
他店で買い替えたのか、まだ乗っているのかが区別できません。
区別するには、点検や車検の入庫の記録を重ねます。
入庫が止まっている顧客は、他店に移っている可能性が高くなります。
この層をLTVの計算から外すと、数字は実態に近づきます。
代替サイクルは自社の台帳から、平均ではなく分布で出してください。二山になる場合は層ごとに分けて計算します。
初回車検までの入庫が、なぜ分かれ目になるのか
ここで途切れた顧客は、次の代替でも戻ってこないからです。
最初の点検からの接点が、LTVの大半を決めています。
納車のあと、顧客との接点は点検と車検で作られます。
この接点が続いている間は、次の車の相談も同じ店に来ます。
逆に、最初の車検を他店で受けた顧客は、そのまま離れることが多くなります。
接点が消えれば、次の代替の時期に声をかける機会もありません。
つまり初回車検までの入庫率が、LTVの大半を決めています。
この事実は、獲得の側にも効きます。
入庫率の低い店舗では、1台あたりに使える広告費の上限が小さくなるためです。
広告を増やす前に入庫の導線を直すべき店舗が、ここで特定できます。
入庫率は店舗ごとに差が出るため、全社平均では判断できません。
入庫が途切れる時期を特定する
途切れる時期は、納車後の何回目の接点かで見てください。
初回点検、1年点検、2年点検、初回車検の4つが主な節目です。
どの節目で脱落が起きているかで、打ち手が変わります。
初回点検の時点で落ちているなら、納車時の案内に原因があります。
初回車検で落ちているなら、費用の提示か他店の訴求に負けています。
初回車検までの入庫が、その後のLTVを決めます。脱落している節目を特定すれば、打ち手はそこに絞れます。
保険の継続を、LTVに入れてよいのか
実績の継続率を掛けたうえで入れてください。
契約が続く保証はないため、満額を足すと上限費用が過大になります。
保険の取り扱いは、販売会社の収益の一部を占めます。
継続すれば毎年の収入になるため、LTVに入れる対象になります。
一方で、契約が毎年更新される保証はありません。
他社への切り替えや、保有そのものの終了で失われます。
そのため、満額をLTVに足すのは危険です。
過去の継続率を掛けたうえで、回収期間の分だけ足してください。
継続率が分からない場合は、期間を短く取って保守的に置きます。
数字は説明のための仮の値です。
年間の保険関連の粗利が2万円、継続率が80パーセント、3年で回収するなら、足せるのはおよそ4万8千円になります。
この計算を店舗ごとに行うと、差が見えます。
納車後の収益をLTVに足すときの扱い
| 収益の種類 | 発生の頻度 | LTVへの入れ方 | 割り引く根拠 |
|---|---|---|---|
| 法定点検と定期点検 | 年1回程度 | 入庫率を掛ける | 他店への流出がある |
| 車検 | 2年に1回 | 初回車検の入庫率を掛ける | 費用比較で離れやすい |
| 自動車保険 | 年1回 | 継続率を掛ける | 他社への切り替えがある |
| 部品と用品の販売 | 不定期 | 実績の平均を使う | 購入の有無が分かれる |
| 次の車両の代替 | サイクルごと | 代替の継続率を掛ける | 他店購入がある |
回収期間を超える収益は足さない
LTVを長く取るほど、1台あたりの上限費用は大きくなります。
上限が大きくなれば、獲得できる台数も増えます。
一方で、広告費の支払いは先に発生します。
回収を5年に置くと、手元の資金が先に細ります。
資金繰りが許す期間を先に決め、それを超える粗利は上限に入れないでください。
保険も点検も、実績の率を掛けて回収期間の分だけ足します。満額を足した上限は、資金繰りの側で破綻します。
顧客が離れる瞬間は、どこにあるのか
担当者の異動と、車検の費用の提示の2か所です。
どちらも記録に残らないまま起きるため、離脱の理由が後から分かりません。
顧客が店舗から離れる場面は、いくつかの型に分かれます。
最も多いのが、担当者が異動または退職したときです。
新車販売では、顧客との関係が担当者に紐づいています。
担当が代わると、連絡そのものが止まることがあります。
止まった時点で、次の入庫も代替も他店に流れます。
もう1つが、車検の費用を提示した場面です。
専業の整備工場との価格差が大きいと、そこで比較が始まります。
比較が始まること自体は避けられません。
価格だけで並べられない材料を、提示の時点で添えられるかで結果が変わります。
どちらの場面も、記録に残りません。
離脱を記録に残す仕組み
離脱を数えるには、入庫の予定日を過ぎても来ていない顧客を抽出する必要があります。
抽出の仕組みがないと、気づくのは次の車検の時期になります。
抽出は月次で足ります。
抽出した顧客に連絡を入れるかどうかは、店舗の判断で構いません。
数として把握しておくだけでも、離脱の傾向は見えます。
離脱は担当者の交代と車検費用の提示で起きます。予定日を過ぎた未入庫を月次で抽出しないと、気づくのは2年後です。
回収の期間を何年に置くと、資金繰りが合うのか
広告費の支払いから粗利の回収までの差が、手元の資金で吸収できる範囲にします。
台数を増やすほど先出しの金額も増えるため、期間は短めに置いてください。
回収期間の設定は、マーケティングの判断ではなく財務の判断です。
期間を長く取れば上限費用が上がり、獲得できる台数は増えます。
同時に、広告費の先出しの金額も増えます。
台数が増えるほど、回収までの資金の谷が深くなります。
この谷を吸収できるかどうかが、期間の上限を決めます。
判断の材料は、月あたりの広告費と、回収までの月数の掛け算です。
この金額が、常に立て替えている状態になります。
数字は説明のための仮の値です。
月の広告費が300万円、回収に24か月かかるなら、最大で7200万円を立て替える形になります。
この金額を許容できるかを、財務と先に確認してください。
回収期間を決めるときに確認すること
| 確認する項目 | 誰に聞くか | 判断への効き方 |
|---|---|---|
| 月あたりの広告費の上限 | 経営と財務 | 立て替えの総額を決める |
| 納車後の粗利の発生時期 | 整備と保険 | 回収の始まる時期がずれる |
| 手元資金の余裕 | 財務 | 期間の上限を決める |
| 台数を増やす計画の有無 | 経営 | 谷の深さが変わる |
| 季節による資金の偏り | 財務 | 山の時期の支払いに効く |
期間を短くしたときの副作用
回収期間を短く置くと、上限費用は小さくなります。
小さい上限では、単価の高い媒体が使えなくなります。
結果として、獲得できる件数の天井が下がります。
期間の設定は、安全側に寄せれば良いという話ではありません。
資金の余裕がある局面では、期間を延ばして台数を取る判断もあります。
回収期間は財務と決める項目です。月の広告費と回収月数の積が、常に立て替える金額になります。
LTVの数字を、店舗の運営にどう使うのか
広告の上限費用と、店舗ごとの改善の優先順位に使います。
数字を出すだけで運営に反映しないと、翌期には誰も更新しません。
LTVを計算しても、使い道が決まっていなければ更新されません。
使い道は2つに絞ってください。
1つ目は、1台あたりの上限費用の算出です。
LTVから逆算した上限が、媒体の取捨選択を自動的に決めます。
2つ目は、店舗ごとの改善の優先順位です。
入庫率の低い店舗では、獲得を増やしても後半の利益が付いてきません。
この店舗は、広告の増額より納車後の導線の改善が先になります。
逆に入庫率の高い店舗は、獲得を増やすほど利益が伸びます。
配分を厚くする判断が、数字で説明できます。
この2つに使えば、LTVの更新は業務の一部になります。
店舗にLTVをどう説明するか
LTVという言葉のまま店舗に出すと、他人事になります。
1台あたりいくらまで広告に使えるか、という形に直してください。
この形なら、店舗の判断にそのまま使えます。
入庫率が上がれば上限が上がる関係も、あわせて示します。
納車後の導線の改善が、集客の余力につながることが伝わります。
LTVの使い道は上限費用と改善の優先順位の2つです。店舗には1台あたりの上限という形に直して伝えてください。
新車販売のLTVの設計は、何から手をつければいいのか
販売と整備の台帳を車台番号で突き合わせるところからです。
入庫率が出ない状態では、LTVも上限費用も置けません。
LTVの計算で最初に詰まるのは、データの分断です。
販売の台帳と整備の台帳で顧客番号が別だと、納車後の入庫が追えません。
全面的な統合を待つ必要はありません。
車台番号で年に1回突き合わせるだけでも、入庫率は出ます。
次に、世帯の紐づけを行います。
住所と電話番号の一致で、おおよその紐づけはできます。
紐づけができれば、代替のサイクルも台帳から出せます。
ここまでで、LTVの計算に必要な材料は揃います。
新車販売のLTVを出すまでの順番
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 販売と整備の台帳を車台番号で突き合わせる | 情報システムと整備 | 1か月 |
| 2 | 初回車検までの入庫率を店舗ごとに出す | 本部 | 2週間 |
| 3 | 住所と電話番号で世帯を紐づける | 情報システム | 3週間 |
| 4 | 同一世帯の購入間隔から代替サイクルを出す | 本部 | 2週間 |
| 5 | 回収期間を財務と決める | 経営と財務 | 2週間 |
| 6 | 1台あたりの上限費用を店舗ごとに確定する | 経営と本部 | 1週間 |
精度より先に、置き直す前提を決める
初回の計算は、精度が低くて構いません。
仮置きの値を含んでいても、上限費用の桁は決まります。
大事なのは、置き直す時期を先に決めておくことです。
半期ごとに更新すると決めておけば、精度は自然に上がります。
更新の時期を決めないと、初回の数字が確定値として残ります。
着手点は台帳の突き合わせです。精度を追う前に、半期ごとに置き直す前提で初回の数字を出してください。
新車販売のLTVの見積もりで判断に迷う場合は、無料相談で現状の入庫と代替の状況を見てもらうところから始められます。
納車後の接点ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
新車販売のLTVは何を単位に数えますか
契約者ではなく世帯を単位にしてください。同じ家で2台目が増えたり名義が変わったりすると、契約者単位では流れが切れます。住所と電話番号の一致でおおよその紐づけはできます。期間は代替サイクルの1周分を最低単位にしてください。
代替のサイクルは何年で見ればよいですか
自社の台帳から出してください。同じ世帯の2回目以降の購入日の差を取り、平均ではなく分布で見ます。分布が二山になっている場合は顧客層が2つに分かれているため、層ごとに別のサイクルで計算しないと、どちらにも当てはまらない数字になります。
保険の収益をLTVに全額入れてよいですか
実績の継続率を掛けたうえで、回収期間の分だけ入れてください。契約が毎年更新される保証はなく、満額を足すと上限費用が過大になります。継続率が分からない場合は、期間を短く取って保守的に置くほうが安全です。
回収期間は何年に置くのが適切ですか
財務と決める項目です。月あたりの広告費と回収までの月数を掛けた金額が、常に立て替えている状態になります。この金額を手元の資金で吸収できる範囲に収めてください。台数を増やす計画があるほど、谷は深くなります。
出したLTVは何に使えばいいですか
1台あたりの上限費用の算出と、店舗ごとの改善の優先順位の2つです。入庫率の低い店舗は獲得を増やしても後半の利益が付かないため、納車後の導線の改善が先になります。使い道を決めないと、翌期には誰も更新しなくなります。
まとめ
- 車両の購入者ではなく、世帯を単位に数えます。点検、車検、保険、そして次の代替までを1本の流れとして見てください
- 自社の実績から出してください。車種の構成と顧客層で変わるため、一般的な年数を当てはめると計算が合いません
- ここで途切れた顧客は、次の代替でも戻ってこないからです。最初の点検からの接点が、LTVの大半を決めています
- 実績の継続率を掛けたうえで入れてください。契約が続く保証はないため、満額を足すと上限費用が過大になります
- 担当者の異動と、車検の費用の提示の2か所です。どちらも記録に残らないまま起きるため、離脱の理由が後から分かりません
- 広告費の支払いから粗利の回収までの差が、手元の資金で吸収できる範囲にします。台数を増やすほど先出しの金額も増えるため、期間は短めに置いてください
- 広告の上限費用と、店舗ごとの改善の優先順位に使います。数字を出すだけで運営に反映しないと、翌期には誰も更新しません
- 販売と整備の台帳を車台番号で突き合わせるところからです。入庫率が出ない状態では、LTVも上限費用も置けません