
埋まっていない部屋の数と、その部屋を埋めたときに残る粗利から決まります。
売上に対する比率で置くと、満室の時期にも同じ額を使い続けることになります。
なお、TimeValue株式会社では、広告運用・クリエイティブ制作・LP改善・データ分析・AI導入までを一括で引き受けるWebマーケティング支援「KAIZEN」を提供しています。
現在、オンラインの無料マーケティング診断を毎月10社限定で実施中です。いまの数字を見ながら、どこから直すのが早いかを一緒に整理します。
今月の無料診断は残り4社です
広告からLPまで、まとめて見ます。オンラインで30分から対応しています。
目次
目次
- 客室数に上限がある事業で、広告予算の総額は何から決まるのか
- 稟議の場で比率の話に戻さない
- 予約サイトの手数料と広告費を、同じ予算として扱えるのか
- 手数料の総額を毎月出す
- 月ごとの配分は、需要の山谷にどう合わせるのか
- 直前の枠を残しておく
- 開業や改装の年の予算は、通常の年とどこが違うのか
- 開業の年の目標は稼働率で置かない
- 経営の場で、この予算をどう説明するのか
- 未達のときの説明を先に用意する
- 予算を増やしても収入が動かないとき、何を疑うのか
- 増やす前に上限を確かめる
- 複数の館がある場合、予算をどう配るのか
- 館をまたいだ送客を、配分の外に置く
- ホテルの広告予算は、何から組み始めればいいのか
- よくある質問
- まとめ
埋まっていない部屋の数と、その部屋を埋めたときに残る粗利から決まります。
売上に対する比率で置くと、満室の時期にも同じ額を使い続けることになります。
客室数に上限がある事業で、広告予算の総額は何から決まるのか
埋まっていない部屋の数と、その部屋を埋めたときに残る粗利から決まります。
売上に対する比率で置くと、満室の時期にも同じ額を使い続けることになります。
広告予算を売上の何割という形で置くと、需要の強い時期ほど予算が大きくなります。
部屋が埋まっている時期に予算が増える形は、この事業の構造と逆です。
この事業で広告が効くのは、埋まらない部屋が残っている時期です。
埋まる部屋に広告を当てても、手数料の安い経路に振り替わるだけで総量は変わりません。
総額の出発点は、年間で埋まらないと見込まれる部屋の数です。
過去の実績から、区分ごとに何室が売れ残っていたかを積み上げます。
次に、その部屋が売れたときに残る粗利を出します。
清掃と消耗品と光熱の増分を引いた後の額で、満室に近い日ほど残る額は小さくなります。
売れ残っている部屋の数と、一室あたりに残る粗利を掛けると、取りに行ける粗利の総量が出ます。
広告予算の上限は、この総量の内側に収まります。
稟議の場で比率の話に戻さない
売上比で置く方法が使われるのは、説明が簡単だからです。
前年の売上に同じ比率を掛ければ、根拠を示さずに額が出ます。
この置き方は、需要が落ちた年に予算も落ちるという弱点を持ちます。
埋まらない部屋が増えている年に、埋めるための費用が減る形です。
売れ残りの室数から積み上げる方法は、この逆に動きます。
需要が落ちた年ほど予算が増え、需要が強い年には自動的に減ります。
比率の説明を求められたときは、結果として出た比率を後から示してください。
先に比率を置くと、積み上げの根拠が消えます。
予算の総額は、売上比ではなく売れ残りの室数と一室あたりの粗利から積み上げてください。比率は結果として出るもので、出発点にはしません。
予約サイトの手数料と広告費を、同じ予算として扱えるのか
集客の費用としては同じ枠で扱います。
両者は同じ部屋を埋めるための費用であり、片方を減らせばもう片方が増える関係にあります。
手数料は売上から自動的に引かれるため、予算として意識されにくい費用です。
一方で広告費は稟議を通すため、額の大小が目に付きます。
この非対称が、判断を歪めます。
広告費を削った結果として手数料の総額が増えていても、削減できたことになってしまいます。
両者を一つの枠に入れて、集客にかかった費用の合計として見てください。
合計で見ると、経路の入れ替えが正しく評価できます。
枠を一つにしたうえで、内訳の比率を期初に決めます。
決めるのは比率そのものではなく、どの区分をどちらで埋めるかという方針です。
需要の弱い区分は手数料を払ってでも埋め、需要の強い区分は直販に寄せる。
この方針が決まれば、比率は結果として出ます。
集客の費用を一つの枠で見る形
| 費用の種類 | 発生の仕方 | 決裁の通り方 | 同じ枠に入れる理由 |
|---|---|---|---|
| 予約サイトの手数料 | 売上に対する比率 | 自動的に発生する | 直販が増えれば減る |
| 広告費 | 出稿した額 | 稟議を通す | 手数料の代わりになる |
| 自社サイトと予約の仕組み | 固定と従量 | 投資として通る | 直販の前提になる |
| 会員への案内 | ほぼ固定 | 運営費として通る | 再訪の入口になる |
手数料の総額を毎月出す
手数料が予算として見えないのは、月ごとの総額を出していないからです。
経路別の売上に比率を掛けて、毎月の額を集客の費用と同じ表に並べてください。
並べると、直販を増やす投資の回収が見えます。
広告費が増えた月に手数料が同じだけ減っていれば、投資は成立しています。
減っていなければ、直販は増えず広告費だけが増えた状態です。
この判定は、二つを同じ表に置かないとできません。
手数料と広告費は集客の費用として一つの枠にまとめ、毎月の総額を並べてください。並べないと、経路の入れ替えが評価できません。
月ごとの配分は、需要の山谷にどう合わせるのか
需要が弱い時期に厚く、強い時期に薄く配分します。
毎月同じ額を置くと、満室の日にも配信が続き、埋まらない日に手が足りなくなります。
配分を平準化すると、需要の強い月に費用が余り、弱い月に足りなくなります。
この事業で予算を平準化する理由はありません。
ただし、需要が弱い月に予算を寄せるだけでは足りません。
宿泊の予約は、泊まる日より前に入るためです。
予算を置く時期は、泊まる日の時期ではなく、予約が入る時期に合わせます。
予約が入る時期は、区分によって一か月前から直前までばらつきます。
過去の実績から、区分ごとに予約が入った時期の分布を出してください。
分布が分かると、どの月にどの区分の広告を出すべきかが決まります。
数字は説明のための仮の値です。
需要の弱い時期の予約の半分が一か月以上前に入っているなら、その時期の予算はさらに一か月手前に置きます。
予算を置く時期の決め方
| 区分 | 泊まる時期 | 予約が入る時期の傾向 | 予算を置く時期 |
|---|---|---|---|
| 需要が強い区分 | 繁忙の時期 | 早い時期に集中する | さらに前倒しする |
| 標準の区分 | 通年 | 分散する | 均す |
| 需要が弱い区分 | 閑散の時期 | 直前に寄る | 直前に厚くする |
| 催事のある日 | 不定 | 催事の発表に連動する | 発表の直後 |
直前の枠を残しておく
配分を期初にすべて割り付けると、需要が読みを外した月に動かせる原資が残りません。
年間の予算の一割から二割を、期中に配分する枠として空けておいてください。
空けておく枠は、月ごとの配分とは別に管理します。
別にしないと、月の予算が足りない月に自動的に消費されます。
使う判断の基準も、先に決めておきます。
残室が一定の水準を超えた区分に、その時点で投入するという形です。
予算は泊まる時期ではなく予約が入る時期に合わせて置き、一割から二割を期中の枠として空けておいてください。
開業や改装の年の予算は、通常の年とどこが違うのか
認知を作る費用が別に要ります。
通常の年の予算に上乗せするのではなく、開業までの期間を別の予算として組みます。
開業や大きな改装の前後は、指名で探される状態がまだありません。
この状態では、埋まらない部屋を埋める広告だけでは足りません。
必要なのは、館の名前が候補として挙がる状態を作る費用です。
この費用は獲得の広告とは回収の時期が違うため、同じ枠に入れると判断が混ざります。
開業の予算は、開業の何か月前から始めるかを先に決めます。
予約が入り始める時期から逆算すると、開始の時期は自動的に決まります。
改装の場合は、改装前の予約の落ち込みも予算の対象です。
工事中も営業を続けるなら、その期間の説明を出す費用が要ります。
開業から一定の期間が過ぎたら、認知の予算は通常の枠に統合します。
統合の時期を決めておかないと、いつまでも別枠が残ります。
開業の年の目標は稼働率で置かない
開業の直後は、稼働率を目標に置くと価格を下げる動きになります。
最初に付けた価格の水準は、その後の水準の基準として残ります。
下げた価格で稼働を作ると、翌年に上げることが難しくなります。
開業の年は、稼働率より一室あたりの収入の水準を目標に置いてください。
同じ理由で、開業の年の予約サイトへの依存度も見ておきます。
最初の一年で作った経路の構成は、二年目以降も続きます。
開業と改装の年は、認知を作る費用を別の予算として組んでください。稼働率を目標に置くと、その後の価格の水準が下がったまま固まります。
経営の場で、この予算をどう説明するのか
埋まらない部屋を埋めて残る粗利と、手数料の削減額の二つで説明します。
件数と獲得単価だけで説明すると、費用の妥当性の議論に戻ります。
経営の場で問われるのは、その費用で何が増えるかです。
予約の件数が増えるという説明では、判断の材料になりません。
説明の形は二つあります。
一つは、埋まらない部屋が埋まることで増える粗利です。
もう一つは、直販が増えることで減る手数料の額です。
こちらは新たに稼ぐ話ではなく、出ていく額が減る話になります。
二つ目の説明は、稟議が通りやすい形です。
増収の見込みは不確実ですが、手数料の削減は経路が変われば確実に効きます。
説明の材料として、経路別の一件あたりの粗利を一枚にしておいてください。
この一枚があると、費用の議論が経路の議論に変わります。
未達のときの説明を先に用意する
予算を通すときに、未達だった場合の扱いを先に決めておきます。
決めていないと、未達の月に予算そのものの是非が議論されます。
決めておくのは、どの数字がどこまで下回ったら何を見直すかです。
埋まる速さが基準を下回った場合と、獲得の単価が上限を超えた場合で、見直す対象は違います。
この取り決めを稟議の資料に一行入れておくと、期中の議論が短くなります。
入れていないと、毎月の報告が予算の弁明になります。
説明は増える粗利と減る手数料の二つで組み立て、未達のときに何を見直すかを稟議の時点で決めてください。
予算を増やしても収入が動かないとき、何を疑うのか
部屋が足りているか、経路が入れ替わっただけではないかの二つを疑います。
どちらでもない場合に初めて、広告の中身を見ます。
予算を増やしても一室あたりの収入が動かない状態には、いくつかの原因があります。
順番に切り分けないと、広告の中身の改善に時間を使うことになります。
最初に見るのは、増やした時期に部屋が残っていたかです。
残室がない日に予算を増やしても、費用だけが出ます。
次に見るのが、経路の構成です。
直販が増えて予約サイト経由が同じだけ減っていれば、総量は動きません。
この場合、収入は動かなくても手数料は減っています。
一室あたりの粗利で見れば改善しているため、判断が変わります。
三つ目に見るのが、取り消しの比率です。
入った予約が増えていても、取り消しが増えていれば泊まった数は変わりません。
ここまでで説明がつかない場合に、広告の中身を見ます。
どの区分に、どの単価で、どれだけ出したかを並べ直します。
増やす前に上限を確かめる
予算を増やす判断をする前に、増やせる余地があるかを確かめてください。
確かめるのは、残室のある日の数と、その日に到達できていない層の有無です。
残室のある日が少なければ、増やす先は広告ではなく価格です。
到達できていない層がなければ、同じ層への接触回数が増えるだけです。
この確認を飛ばして予算を増やすと、獲得の単価だけが上がります。
上がった単価は、翌期の予算の議論で不利に働きます。
収入が動かないときは、残室、経路の入れ替え、取り消しの順に切り分けてください。広告の中身を見るのは、その後です。
複数の館がある場合、予算をどう配るのか
売上の大きさではなく、埋まらない部屋の数と一室あたりに残る粗利で配ります。
均等や売上比で配ると、埋まっている館に費用が集まります。
複数の館を持つ場合、予算の配分は館ごとの売上比で決められがちです。
この配り方だと、売上の大きい館ほど多く受け取ります。
売上が大きいのは、稼働も単価も高いからです。
埋める余地が小さい館に、多くの予算が配られる形になります。
配分の基準は、館ごとの売れ残りの室数と、そこに残る粗利です。
この二つを掛けた額が大きい館から順に配ります。
立地の性格によっては、広告を出しても埋まらない館があります。
その場合は、配分の前に価格か販路の設計を見直す対象になります。
配分の見直しは、年に一度では足りません。
需要の傾向は館ごとに違うため、四半期ごとに置き直してください。
館ごとの配分を決める材料
| 材料 | 見る単位 | 配分を増やす方向 | 配分を減らす方向 |
|---|---|---|---|
| 売れ残りの室数 | 区分ごと | 多い館 | 少ない館 |
| 一室あたりに残る粗利 | 区分ごと | 大きい館 | 小さい館 |
| 指名で探される強さ | 月の単位 | 弱い館 | 強い館 |
| 予約サイトへの依存度 | 月の単位 | 高い館 | 低い館 |
館をまたいだ送客を、配分の外に置く
同じ会社の館どうしで、満室の館から空きのある館へ送る動きがあります。
この送客の成果を、送り先の館の広告の成果として数えないでください。
数えると、送り先の館の獲得単価が実態より低く見えます。
翌期の配分で、その館の予算が削られる原因になります。
送客は、館ごとの予算とは別の枠で管理します。
枠を分けておくと、送客の仕組みそのものへの投資も判断できます。
館への配分は売上比ではなく、売れ残りの室数と残る粗利で決めてください。館をまたいだ送客は、別の枠で管理します。
ホテルの広告予算は、何から組み始めればいいのか
過去一年の売れ残りを、区分と館ごとに数え直すところからです。
この数が出ないと、予算の上限も配分の基準も決まりません。
予算を組む作業は、額を決めることから始まりません。
どこに余地が残っているかを数えることから始まります。
最初に出すのは、区分ごとの売れ残りの室数です。
販売できた室数ではなく、販売できずに終わった室数を数えます。
次に、その部屋を埋めたときに残る粗利を出します。
清掃と消耗品と光熱の増分を引くと、区分によって残る額が変わります。
三つ目が、経路ごとの手数料と広告費の合計です。
これが出ると、直販一件に使ってよい上限が決まります。
四つ目が、予約が入る時期の分布です。
分布から、予算を置く月が決まります。
最後に、未達のときに何を見直すかを決めて記録します。
ここまでを一枚にしたものが、稟議の資料になります。
広告予算を組むまでの順番
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 区分ごとの売れ残りの室数を数える | 予約と集客の担当 | 二週間 |
| 2 | 一室あたりに残る粗利を出す | 経理と運営の担当 | 二週間 |
| 3 | 経路ごとの手数料と広告費を合計する | 経理と集客の担当 | 一週間 |
| 4 | 予約が入る時期の分布を出す | 予約の担当 | 一週間 |
| 5 | 月ごとの配分と期中の枠を決める | 集客の責任者 | 一週間 |
| 6 | 未達のときの見直しの基準を決める | 経営と集客の責任者 | 一週間 |
置いた後に見るのは、月次では集客の費用の合計と一室あたりの粗利、四半期では直販の比率です。
予算の消化率は、単独では判断に使えません。
消化率だけを見ると、使い切ることが目的になります。
残室のない月に使い残すのは、正しい判断です。
予算は額からではなく、売れ残りの室数から組み始めてください。数え終われば、上限も配分の基準も自動的に出ます。
ホテルの広告予算の組み方で判断に迷う場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
集客の費用の構成ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
広告予算は売上の何割が目安ですか
比率から決めないでください。埋まらない部屋の数と、その部屋を埋めたときに残る粗利から積み上げます。売上比で置くと、需要が落ちた年に予算も落ち、埋める費用が足りなくなります。
予約サイトの手数料も予算に入れますか
集客の費用として同じ枠に入れてください。広告費を削っても手数料が同じだけ増えていれば、集客の費用は減っていません。同じ表に並べないと、経路の入れ替えが評価できません。
月ごとの配分はどう決めますか
泊まる時期ではなく、予約が入る時期に合わせます。区分ごとに何日前に予約が入っているかの分布を出し、その手前の月に予算を置きます。加えて年間の一割から二割を期中の枠として空けておきます。
予算を増やしても収入が動きません
残室があったか、経路が入れ替わっただけではないか、取り消しが増えていないかの順に見てください。直販が増えて予約サイト経由が減っただけなら、収入は動かなくても手数料は減っています。
複数の館がある場合の配分はどうしますか
売上比ではなく、館ごとの売れ残りの室数と一室あたりに残る粗利で配ります。売上比だと、埋まっている館に予算が集まります。配分は年に一度ではなく四半期ごとに置き直してください。
まとめ
- 埋まっていない部屋の数と、その部屋を埋めたときに残る粗利から決まります。売上に対する比率で置くと、満室の時期にも同じ額を使い続けることになります
- 集客の費用としては同じ枠で扱います。両者は同じ部屋を埋めるための費用であり、片方を減らせばもう片方が増える関係にあります
- 需要が弱い時期に厚く、強い時期に薄く配分します。毎月同じ額を置くと、満室の日にも配信が続き、埋まらない日に手が足りなくなります
- 認知を作る費用が別に要ります。通常の年の予算に上乗せするのではなく、開業までの期間を別の予算として組みます
- 埋まらない部屋を埋めて残る粗利と、手数料の削減額の二つで説明します。件数と獲得単価だけで説明すると、費用の妥当性の議論に戻ります
- 部屋が足りているか、経路が入れ替わっただけではないかの二つを疑います。どちらでもない場合に初めて、広告の中身を見ます
- 売上の大きさではなく、埋まらない部屋の数と一室あたりに残る粗利で配ります。均等や売上比で配ると、埋まっている館に費用が集まります
- 過去一年の売れ残りを、区分と館ごとに数え直すところからです。この数が出ないと、予算の上限も配分の基準も決まりません