ホテルのマーケティング組織の作り方

判断の単位が館にあるため、集客も館の数字に責任を持つ形にします。
本社に集めるのは、館では持てない専門の作業だけです。
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目次
目次
- 館ごとに支配人がいる事業で、集客の役割はどこに置くのか
- 支配人が集客の数字を持たない状態
- 本社と館で、どの判断をどちらが持つのか
- 分け方を決めたら例外を作らない
- 最初に採るべきなのは、どの役割か
- 採用より先に役割を書き出す
- 料金を決める担当と集客の担当を、同じ組織にするのか
- 責任者に求められるもの
- 館が増えるとき、組織はどこから足りなくなるのか
- 一人が見られる館の数を決めておく
- 少ない人数で複数の館を回すための工夫はどこにあるのか
- 報告の形式を一つにする
- 外部に任せる範囲を、組織のどこで切るのか
- 委託先が変わっても残るものを作る
- 集客の組織は、どの順で作るのか
- よくある質問
- まとめ
判断の単位が館にあるため、集客も館の数字に責任を持つ形にします。
本社に集めるのは、館では持てない専門の作業だけです。
館ごとに支配人がいる事業で、集客の役割はどこに置くのか
判断の単位が館にあるため、集客も館の数字に責任を持つ形にします。
本社に集めるのは、館では持てない専門の作業だけです。
ホテルの損益は、館ごとに立ちます。
支配人が館の数字に責任を持つ構造が、先にあります。
この構造の上に集客の組織を置くとき、選択肢は二つです。
本社に集めるか、館ごとに置くかです。
本社に集めると、専門の作業は効率よく回ります。
一方で、館ごとの需要の違いに対する判断が遅れます。
館ごとに置くと、判断は速くなります。
ただし、一つの館に置ける人数には限りがあります。
現実的な形は、判断を館に残し、作業を本社に集める分け方です。
どちらか一方に寄せると、必ず片方の弱点が出ます。
支配人が集客の数字を持たない状態
集客の数字を本社だけが持っていると、館の側に当事者意識が生まれません。
広告の成果が届いても、自分の数字として読まれないためです。
館の損益の中に、集客の費用と経路別の売上を入れてください。
入れると、支配人が経路の構成に関心を持ちます。
関心が生まれると、現場からの情報も戻り始めます。
組織の形を変える前に、数字の置き場所を変えるほうが早く効きます。
判断は館に残し、専門の作業を本社に集めてください。館の損益に集客の費用と経路別の売上を入れると、当事者意識が生まれます。
本社と館で、どの判断をどちらが持つのか
価格と在庫は館、媒体の選定と計測の設計は本社が持ちます。
分け方の基準は、館ごとに事情が違うかどうかです。
判断を分ける基準は、組織の都合ではありません。
その判断が館ごとに違ってよいかどうかです。
価格と在庫の配分は、館ごとに違います。
立地も客層も競合も違うため、本社で決める意味がありません。
媒体の選定と契約は、館ごとに違える必要がありません。
まとめたほうが条件も良くなり、運用の手間も減ります。
計測の設計と、数字の定義も本社が持ちます。
館ごとに定義が違うと、館をまたいだ比較ができなくなります。
訴求の内容は、中間にあります。
ブランドとして揃える部分と、館ごとに変える部分を分けます。
本社と館の判断の分け方
| 判断 | 持つ側 | 理由 | 見直す間隔 |
|---|---|---|---|
| 価格と在庫の配分 | 館 | 立地と客層で事情が違う | 随時 |
| 区分ごとの広告の配分 | 館 | 需要の形が違う | 月ごと |
| 媒体の選定と契約 | 本社 | まとめたほうが条件が良い | 年ごと |
| 計測の設計と数字の定義 | 本社 | 館をまたいだ比較に要る | 年ごと |
| ブランドとして揃える訴求 | 本社 | 館をまたいで一貫させる | 年ごと |
| 館ごとの訴求と企画 | 館 | 現場の強みが違う | 四半期ごと |
分け方を決めたら例外を作らない
判断の分け方を決めても、例外が続くと形だけになります。
よくある例外は、本社が特定の館の広告を直接動かす場面です。
動かす必要があるなら、その判断を本社に移してください。
一時的な例外として続けると、責任の所在が消えます。
移すか残すかは、四半期ごとに見直します。
見直しの場がないと、例外が既定の運用になります。
館ごとに事情が違う判断は館、揃える必要がある判断は本社です。決めた分け方に例外を作ると、責任の所在が消えます。
最初に採るべきなのは、どの役割か
経路ごとの数字を一枚にまとめられる人です。
広告を動かす人より先に、数字を並べ直せる人が要ります。
集客の人員を増やすとき、最初に思い浮かぶのは広告を動かす役割です。
しかしこの事業では、その前に置くべき役割があります。
予約の記録、経路別の売上、手数料、広告費が別々の場所にあるためです。
これを一枚にまとめられないと、判断の材料が作れません。
最初に採るのは、この作業ができる人です。
表計算と予約の仕組みの知識があれば足ります。
二人目は、価格と在庫の判断を見る役割です。
需要の予測と区分の線引きができる人になります。
広告を動かす役割は、三人目以降で構いません。
最初のうちは、外部に任せても判断の質は落ちません。
集客の人員を増やす順番と役割
| 順番 | 役割 | 求める経験 | 外部で代替できるか |
|---|---|---|---|
| 1 | 経路ごとの数字をまとめる | 表計算と予約の仕組み | 代替しにくい |
| 2 | 価格と在庫の判断を見る | 需要の予測と区分の設計 | 代替できない |
| 3 | 広告の配分と運用 | 媒体の運用 | 代替できる |
| 4 | 訴求と制作の管理 | 制作の進行 | 一部は代替できる |
| 5 | 計測と記録の整備 | 計測の設計 | 代替できる |
採用より先に役割を書き出す
人を増やす前に、今ある作業を書き出してください。
書き出すと、誰もやっていない作業と、二重にやっている作業が見つかります。
二重になっている作業を整理するだけで、一人分の時間が出ることがあります。
出た時間を、数字をまとめる作業に充てます。
書き出しの単位は、月に何時間かかっているかです。
時間で書くと、採用の必要性が数字で説明できます。
最初に採るのは、経路ごとの数字を一枚にまとめられる人です。広告を動かす役割は外部に任せても、判断の質は落ちません。
料金を決める担当と集客の担当を、同じ組織にするのか
同じ責任者の下に置きます。
別の組織にすると、価格と広告の判断が別々の会議で決まります。
価格の判断と広告の判断は、同じ在庫をめぐる判断です。
別の組織に置くと、二つの会議で別々に決まります。
別々に決まると、どちらが効いたのかが後から分かりません。
価格を下げた週に広告も増やしていれば、切り分けができません。
同じ責任者の下に置くと、二つの判断が一つの場で決まります。
決まった順序も記録に残ります。
ただし、役割そのものは分けたままにします。
同じ人が両方を持つと、価格を下げる判断が先に出ます。
責任者は、二つの提案を受けて決める立場に置きます。
自ら手を動かす立場にすると、判断が偏ります。
決める場は、月に一度の同じ会議にまとめます。
別々の場で決めると、順序が記録に残りません。
責任者に求められるもの
この責任者に必要なのは、媒体の知識ではありません。
需要の形と、手数料と広告費の関係を読めることです。
館の支配人の経験がある人が務めると、現場との会話が速くなります。
一方で、経路別の採算の計算には慣れが要ります。
どちらの出身でも、最初の三か月は数字の作り方に時間を使ってください。
作り方を人に任せると、判断の前提を確かめられなくなります。
価格と広告は同じ責任者の下に置き、役割は分けたままにしてください。責任者は手を動かさず、二つの提案を受けて決める立場に置きます。
館が増えるとき、組織はどこから足りなくなるのか
作業ではなく、館ごとの事情を読む時間から足りなくなります。
作業は外に出せますが、需要の形を読む作業は外に出せません。
館が増えると、最初に増えるのは作業の量です。
出稿の設定、報告の作成、画面の更新が館の数だけ増えます。
この部分は、外部に出すか仕組みで減らせます。
足りなくなるのは、その先にある判断の時間です。
館ごとに需要の形が違うため、区分の線引きも違います。
線引きを見直す作業は、館の数だけ発生します。
一人が見られる館の数には限りがあります。
限界を超えると、どの館も同じ設定で運用されます。
同じ設定で運用された館は、立地の性格が数字に出なくなります。
出なくなった時点で、判断の材料が失われます。
館が増えたときに足りなくなる順番
| 足りなくなるもの | 表に出る兆候 | 外に出せるか | 対処の方向 |
|---|---|---|---|
| 出稿と報告の作業 | 報告の遅れ | 出せる | 委託か仕組み化 |
| 区分の線引きの見直し | 全館が同じ設定 | 出せない | 人を増やす |
| 現場との会話の時間 | 情報が戻らない | 出せない | 館側に役割を置く |
| 訴求の作り直し | 全館が同じ訴求 | 一部は出せる | 制作の外部化 |
| 計測の整備 | 数字の欠け | 出せる | 本社に集約 |
一人が見られる館の数を決めておく
上限を決めずに館を増やすと、限界は静かに超えます。
超えたことは、数字の悪化としてすぐには表れません。
一人あたり何館までという上限を、先に決めてください。
決めておくと、開業の計画と同時に採用の計画が立ちます。
上限の目安は、区分の線引きを四半期ごとに見直せるかで判断します。
見直せない数になっていれば、すでに超えています。
足りなくなるのは作業ではなく、館ごとの需要を読む時間です。一人あたりの館数の上限を先に決めてください。
少ない人数で複数の館を回すための工夫はどこにあるのか
判断の回数を減らす設計に置きます。
毎月ゼロから決める項目を減らすと、同じ人数で見られる館が増えます。
人数を増やせない場合、減らせるのは判断の回数です。
作業の効率化より、判断の回数のほうが時間を使っています。
減らす方法は、条件で決まる形にすることです。
残室がこの水準を超えたら配分を増やす、という形にします。
条件で決まる項目が増えるほど、毎月の判断は減ります。
判断が要るのは、条件の外に出たときだけになります。
条件の設計は、四半期に一度で足ります。
四半期ごとに一度まとめて見直し、期中は条件に従います。
もう一つは、館をいくつかの群に分けることです。
立地の性格が似た館を束ねると、線引きを共有できます。
報告の形式を一つにする
館ごとに報告の形式が違うと、読む側の時間が消えます。
形式を一つにすると、読む時間が館の数に比例しなくなります。
形式を揃えるには、数字の定義を先に揃える必要があります。
定義が違うまま形式だけ揃えても、並べた数字が比較できません。
揃える作業は本社が持ちます。
館ごとに作らせると、また分かれます。
少ない人数で回すには、作業ではなく判断の回数を減らしてください。条件で決まる項目を増やし、似た館を群にまとめます。
外部に任せる範囲を、組織のどこで切るのか
判断の前提を作る作業は社内、実行の作業は外部に切ります。
前提を外に出すと、社内に材料が残らなくなります。
外部に出す範囲を決める基準は、費用ではありません。
その作業の結果が、社内に材料として残るかどうかです。
経路別の採算の計算は、社内に残る材料です。
この計算を外に出すと、判断の根拠が社外にできます。
出稿の設定と日々の調整は、実行の作業です。
結果は数字として残るため、外に出しても材料は失われません。
訴求の制作も、外に出せる作業です。
ただし、何を訴求するかの決定は社内に残します。
計測の設計は、境目にあります。
作業は外に出せますが、何を成果として数えるかの定義は社内が持ちます。
委託先が変わっても残るものを作る
委託先を替える場面は、必ず来ます。
そのときに社内に何も残らない状態だと、引き継ぎに時間がかかります。
残すべきものは三つです。
経路別の採算の計算、区分の線引き、成果の定義です。
この三つが社内にあれば、替えるのは実行の作業だけになります。
三つとも外にある状態では、替える判断そのものができません。
切る基準は費用ではなく、材料が社内に残るかどうかです。採算の計算、区分の線引き、成果の定義の三つは社内に残してください。
集客の組織は、どの順で作るのか
数字の置き場所を決めることからです。
組織の形を決める前に、館の損益に集客の費用と経路別の売上を入れます。
組織を作る作業は、役割を並べることから始まりません。
数字がどこに置かれているかを変えることから始まります。
最初にやるのは、館の損益に集客の費用と経路別の売上を入れることです。
入れると、支配人が集客の数字に関心を持ちます。
次に、今ある作業を時間の単位で書き出します。
書き出すと、二重になっている作業と、誰もやっていない作業が見つかります。
三つ目が、判断の所在を本社と館で分けることです。
館ごとに事情が違う判断は館、揃える判断は本社に置きます。
四つ目に、最初の一人を採ります。
経路ごとの数字を一枚にまとめられる人です。
最後に、外部に出す範囲を切ります。
前提を作る作業は社内、実行の作業は外部という形です。
集客の組織を作る順番
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 館の損益に集客の費用と経路別の売上を入れる | 経理と経営 | 三週間 |
| 2 | 今ある作業を時間の単位で書き出す | 集客の担当 | 二週間 |
| 3 | 本社と館の判断の分け方を決める | 経営と支配人 | 三週間 |
| 4 | 数字を一枚にまとめる役割を置く | 経営 | 採用に応じて |
| 5 | 価格と広告を同じ責任者の下に置く | 経営 | 一週間 |
| 6 | 外部に出す範囲を前提と実行で切る | 集客の責任者 | 二週間 |
置いた後に見るのは、四半期では一人あたりの館数と区分の線引きの見直しの実施です。
月次では、館ごとの報告が同じ形式で揃っているかを見ます。
人数の充足を人員の数で見ないでください。
見るのは、区分の線引きを四半期ごとに見直せているかです。
組織は形からではなく、数字の置き場所から作ってください。館の損益に集客の数字が入ると、多くの課題が自然に動き始めます。
集客の組織の作り方で判断に迷う場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
本社と館の役割ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
集客は本社に集めるべきですか
判断は館に残し、専門の作業を本社に集めてください。価格と在庫の配分は立地と客層で事情が違うため館が持ち、媒体の選定と計測の設計は館をまたいだ比較に要るため本社が持ちます。
最初に採るべき人はどんな役割ですか
経路ごとの数字を一枚にまとめられる人です。予約の記録、経路別の売上、手数料、広告費が別々の場所にあるため、まとめられないと判断の材料が作れません。広告を動かす役割は外部に任せられます。
価格の担当と集客の担当は同じ組織にしますか
同じ責任者の下に置き、役割は分けたままにしてください。別の組織だと価格と広告が別々の会議で決まり、どちらが効いたか分からなくなります。同じ人が両方を持つと、値下げの判断が先に出ます。
館が増えると何から足りなくなりますか
作業ではなく、館ごとの需要の形を読む時間です。出稿や報告は外に出せますが、区分の線引きの見直しは出せません。一人あたり何館までという上限を先に決めてください。
外部に任せる範囲はどこで切りますか
判断の前提を作る作業は社内、実行の作業は外部です。経路別の採算の計算、区分の線引き、成果の定義の三つが社内にあれば、委託先を替えても引き継ぐのは実行だけで済みます。
まとめ
- 判断の単位が館にあるため、集客も館の数字に責任を持つ形にします。本社に集めるのは、館では持てない専門の作業だけです
- 価格と在庫は館、媒体の選定と計測の設計は本社が持ちます。分け方の基準は、館ごとに事情が違うかどうかです
- 経路ごとの数字を一枚にまとめられる人です。広告を動かす人より先に、数字を並べ直せる人が要ります
- 同じ責任者の下に置きます。別の組織にすると、価格と広告の判断が別々の会議で決まります
- 作業ではなく、館ごとの事情を読む時間から足りなくなります。作業は外に出せますが、需要の形を読む作業は外に出せません
- 判断の回数を減らす設計に置きます。毎月ゼロから決める項目を減らすと、同じ人数で見られる館が増えます
- 判断の前提を作る作業は社内、実行の作業は外部に切ります。前提を外に出すと、社内に材料が残らなくなります
- 数字の置き場所を決めることからです。組織の形を決める前に、館の損益に集客の費用と経路別の売上を入れます