ホテルの商談化率を上げる|引き渡しの設計を変える

多くは返答までの時間と、渡された情報の欠けで止まっています。
集客と現場が別の部署にあるほど、この二つは起きやすくなります。
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目次
目次
- 問い合わせが予約の確定に至らないのは、どこで止まっているのか
- 止まっている場所は三つしかない
- 問い合わせを受ける窓口を、どこに置くのか
- 窓口を一つにしないほうがよい場合
- 集客の側から現場に、どの情報を渡すのか
- 取る項目を増やしすぎない
- 返答までの時間は、確定の比率にどう効くのか
- 時間帯と曜日で遅れが偏る
- 見積もりと空室の提示は、どの順で出すのか
- 変更できる範囲を先に伝える
- 確定に至らなかった問い合わせに、どこまで連絡するのか
- 断られた理由を集めて価格の判断に戻す
- 個人の予約で、画面の途中で離脱する理由をどう特定するのか
- 予約サイトの画面と比べられている
- 問い合わせから確定までの流れは、どの順で直すのか
- よくある質問
- まとめ
多くは返答までの時間と、渡された情報の欠けで止まっています。
集客と現場が別の部署にあるほど、この二つは起きやすくなります。
問い合わせが予約の確定に至らないのは、どこで止まっているのか
多くは返答までの時間と、渡された情報の欠けで止まっています。
集客と現場が別の部署にあるほど、この二つは起きやすくなります。
宴会、会議、団体、長期の滞在といった問い合わせは、自動では確定しません。
人が見積もりを作り、空室を押さえ、条件を詰める工程が入ります。
この工程は、集客の部署ではなく現場の部署が担います。
そのため、問い合わせが入った瞬間に担当が移ります。
担当が移る場所には、必ず落ちる情報があります。
どこから来た問い合わせか、何を見て連絡してきたかは、移った先に伝わりません。
伝わらないと、現場は一から聞き直します。
聞き直された側は、もう一度説明する手間を負います。
この手間が、他館との比較で不利に働きます。
比較されている相手が先に見積もりを出していれば、順番の時点で差がつきます。
止まっている場所は三つしかない
一つ目は、問い合わせが届いてから最初の返答までの間です。
ここで日をまたぐと、他館に先を越されます。
二つ目は、見積もりを出してから相手の社内で決まるまでの間です。
ここは相手の都合ですが、こちらから渡す材料で速さが変わります。
三つ目は、条件が折り合わずに止まる場面です。
価格だけでなく、日程や人数の変更に応じられるかで決まります。
止まる場所は、最初の返答、相手の社内の決定、条件の折り合いの三つです。どこで止まっているかを記録していない限り、打ち手は決まりません。
問い合わせを受ける窓口を、どこに置くのか
最初の返答を出す役割は、集客の側に置きます。
見積もりを作る前に返す一報を現場に任せると、営業の時間と競合します。
問い合わせの窓口を現場に置くと、返答は業務の合間に回されます。
宴会や宿泊の現場は、当日の運営が先に来ます。
この優先順位は正しいものです。
だからこそ、最初の返答を現場の仕事にしないほうが動きます。
最初の返答で必要なのは、見積もりではありません。
受け取ったこと、いつまでに見積もりを出すか、確認したい項目の三つです。
この三つであれば、集客の側で出せます。
出したうえで、現場に引き渡します。
引き渡しの形式を決めておくと、聞き直しが減ります。
形式が決まっていないと、担当ごとに渡す内容が変わります。
窓口の役割を分ける形
| 工程 | 担う側 | かける時間の目安 | 渡す内容 |
|---|---|---|---|
| 最初の返答 | 集客の側 | 当日のうち | 受領と見積もりの予定 |
| 条件の確認 | 集客の側 | 翌営業日まで | 日程と人数と用途 |
| 見積もりの作成 | 現場の側 | 三営業日まで | 空室と価格と条件 |
| 条件の交渉 | 現場の側 | 随時 | 変更できる範囲 |
| 確定の連絡 | 現場の側 | 決定の直後 | 手続きと支払いの案内 |
窓口を一つにしないほうがよい場合
問い合わせの種類が大きく違う場合、窓口を分けたほうが速くなります。
宴会と宿泊では、確認する項目も見積もりの作り方も違うためです。
分けるなら、入口の時点で振り分ける仕組みが要ります。
振り分けがないまま窓口を分けると、たらい回しになります。
入口での振り分けは、問い合わせの画面で用途を選ばせる形が簡単です。
選ばせた用途は、そのまま経路別の集計にも使えます。
最初の返答は集客の側が当日のうちに出し、見積もりから先を現場に渡してください。渡す形式を決めておかないと、聞き直しが発生します。
集客の側から現場に、どの情報を渡すのか
経路、閲覧していた内容、比較している相手の三つを渡します。
氏名と日程だけを渡すと、現場は同じことをもう一度聞くことになります。
引き渡しで渡される情報は、たいてい氏名と連絡先と希望の日程です。
これだけだと、現場は相手の状況を知らないまま話を始めます。
渡すべき情報は、三つ足りません。
一つ目は、どの経路から来たかです。
検索から来たのか、紹介から来たのか、過去に泊まったことがあるのかで、前提が違います。
過去に泊まった相手に一から説明すると、関係が悪くなります。
二つ目は、問い合わせの前に何を見ていたかです。
宴会の画面を見ていたのか、客室の画面を見ていたのかで、提案の入口が変わります。
三つ目は、他に検討している館があるかです。
これは問い合わせの画面で一項目足せば取れます。
取る項目を増やしすぎない
入力の項目を増やすと、問い合わせそのものが減ります。
足す項目は、現場が実際に使うものだけにしてください。
使うかどうかの判断は、現場に聞くのが早い方法です。
聞かずに足した項目は、入力されても読まれません。
すでにある項目のうち、読まれていないものは外します。
外すと入力の負担が下がり、問い合わせの件数が戻ります。
渡すのは経路、閲覧していた内容、比較している相手の三つです。入力の項目を足すときは、現場が使うものだけに限ってください。
返答までの時間は、確定の比率にどう効くのか
最初の返答が遅れるほど、比較の順番で後ろに回ります。
見積もりの内容より先に、返答の順番が結果を左右する場面があります。
複数の館に同時に問い合わせる相手にとって、最初に返ってきた館が基準になります。
後から届いた見積もりは、その基準との比較で読まれます。
基準になる側と、比較される側では、同じ内容でも受け取られ方が違います。
この差は、価格では埋めにくいものです。
返答の速さを上げる方法は、内容を減らすことです。
見積もりを含めようとすると、現場の空き時間を待つことになります。
受領と予定の連絡だけなら、数分で出せます。
この一報があるかないかで、相手の待ち方が変わります。
速さを測るには、問い合わせが届いた時刻と最初の返答の時刻を記録します。
記録がないと、遅れているかどうかも分かりません。
時間帯と曜日で遅れが偏る
返答の遅れは、平均で見ると小さく見えます。
夜間と休日に届いた分だけが大きく遅れるためです。
この偏りは、平均値では表に出ません。
最も遅かった一割を抜き出して見てください。
夜間と休日の扱いを決めておくと、偏りは小さくなります。
自動の受領の連絡だけでも、翌営業日までの待ち方が変わります。
最初の返答は見積もりを含めず、受領と予定だけで出してください。遅れは平均ではなく、最も遅かった一割で見ます。
見積もりと空室の提示は、どの順で出すのか
空室の押さえを先に伝え、価格はその後に出します。
価格を先に出すと、比較の軸が金額だけになります。
宴会や団体の問い合わせでは、日程が押さえられるかどうかが最初の関門です。
押さえられない日程に、価格の話は意味がありません。
そのため、返答の順序は空室の可否が先になります。
押さえられる期限も同時に伝えます。
期限を伝えると、相手の社内の決定が早くなります。
期限がないと、決定は他の議題に押されます。
価格は、押さえの連絡の後に出します。
このとき、複数の形で出すと比較の軸が増えます。
同じ日程で、含まれる内容の違う三つの形を並べる。
一つだけ出すと、金額の多寡だけで判断されます。
同じ日程で並べる見積もりの形
| 形 | 含めるもの | 向いている相手 | 比較される軸 |
|---|---|---|---|
| 基本の形 | 会場と基本の設備 | 価格を先に見る相手 | 金額 |
| 内容を足した形 | 飲食と演出を含む | 当日の手間を減らしたい相手 | 手数と内容 |
| 人数で動く形 | 一人あたりで積む | 人数が固まっていない相手 | 変更のしやすさ |
| 宿泊を含む形 | 客室と会場をまとめる | 遠方からの参加がある相手 | 全体の負担 |
変更できる範囲を先に伝える
団体の利用では、人数と日程が途中で動きます。
動いたときにどこまで応じられるかが、決定の材料になります。
この範囲を最初に伝えておくと、相手は安心して決められます。
伝えていないと、動いたときに一から交渉になります。
伝える範囲は、人数の増減の幅、日程の変更の期限、取り消しの扱いの三つです。
三つとも、現場が事前に決めておける内容です。
空室の押さえと期限を先に伝え、価格は複数の形で後から出してください。変更できる範囲を先に伝えると、決定が早くなります。
確定に至らなかった問い合わせに、どこまで連絡するのか
理由を一度だけ聞き、日程を変えた提案を一度だけ出します。
繰り返すと関係が切れるため、回数を先に決めておきます。
確定に至らなかった問い合わせは、たいてい記録から消えます。
消えると、なぜ選ばれなかったかが分かりません。
聞くべきなのは、価格だったのか、日程だったのか、内容だったのかです。
この三つの内訳が分かると、次の見積もりの出し方が変わります。
聞く時期は、決定の連絡を受けた直後です。
時間が経つと、相手も理由を覚えていません。
日程が理由だった場合は、別の日程での提案を一度出します。
価格が理由だった場合は、同じ価格で内容を変えた形を出します。
どちらも一度で止めます。
二度目からは、次の機会の案内に切り替えます。
断られた理由を集めて価格の判断に戻す
断られた理由のうち、価格が占める比率は区分によって違います。
需要の弱い区分で価格の理由が多いなら、提示の水準を見直す材料になります。
需要の強い区分で価格の理由が多い場合は、見直す必要がないこともあります。
埋まっているなら、断られた分は損失ではありません。
この判定には、区分ごとの残室の状況が要ります。
理由だけを集めても、判断には使えません。
理由の聞き取りと再提案は、それぞれ一度で止めてください。集めた理由は、区分ごとの残室と合わせて価格の判断に戻します。
個人の予約で、画面の途中で離脱する理由をどう特定するのか
日付の選択、料金の表示、入力の三か所に分けて数えます。
全体の離脱率だけを見ても、どこに手を入れるかは決まりません。
個人の予約には、見積もりの工程がありません。
その代わり、画面の途中で離れる場面が確定の分かれ目になります。
離脱の理由は三か所に分かれます。
日付を選ぶ場面、料金が出る場面、情報を入力する場面です。
日付の場面での離脱は、空室がないことが理由です。
この場合は画面の作りではなく、在庫の出し方の問題になります。
料金の場面での離脱は、想定との差が理由です。
表示の直前に見ていた金額と、税や食事を含んだ金額に差があると起こります。
入力の場面での離脱は、項目の多さと、支払いの条件が理由です。
ここは画面の作りで動く部分です。
予約の画面で離れる場所と原因
| 離れる場所 | 主な原因 | 手を入れる先 | 効果が出るまで |
|---|---|---|---|
| 日付を選ぶ場面 | 空室が出ない | 在庫の出し方 | 翌週から |
| 料金が出る場面 | 想定との差 | 表示の順序と内訳 | 数日 |
| 入力の場面 | 項目の多さ | 入力の項目の削減 | 数日 |
| 支払いの場面 | 条件が合わない | 支払い方法の追加 | 一か月 |
予約サイトの画面と比べられている
自社の予約の画面は、単独では評価されません。
同じ館の部屋を予約サイトでも探せるため、二つが比較されます。
比較されるのは、価格、手続きの手数、条件の分かりやすさの三つです。
価格が同じなら、手数の少ないほうが選ばれます。
直販の比率を上げたい場合、価格を下げる前に手数を減らしてください。
手数は一度直せば続きますが、価格は下げ続けることになります。
離脱は日付、料金、入力の三か所に分けて数えてください。直販を増やすなら、価格より先に手続きの手数を減らします。
問い合わせから確定までの流れは、どの順で直すのか
どこで止まっているかを記録する仕組みを作ることからです。
記録がないまま画面や見積もりに手を入れても、効いたかどうかが分かりません。
最初にやるのは、問い合わせの記録を一か所に集めることです。
電話、メール、画面からの問い合わせが別々に管理されていると、全体の歩留まりが出ません。
集めたら、届いた時刻と最初の返答の時刻を記録します。
この二つがあると、遅れの実態が数字になります。
次に、確定に至らなかった理由を三つに分けて記録します。
価格、日程、内容の三つで足ります。
ここまでで、どこに手を入れるかが決まります。
返答の遅れが大きいなら窓口の設計、理由が価格に偏るなら提示の水準です。
最後に、集客から現場への引き渡しの形式を決めます。
形式が決まると、聞き直しが減り、返答の速さも上がります。
問い合わせから確定までを直す順番
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 問い合わせの記録を一か所に集める | 集客と現場の担当 | 三週間 |
| 2 | 届いた時刻と最初の返答の時刻を記録する | 窓口の担当 | 二週間 |
| 3 | 確定に至らなかった理由を三分類で残す | 現場の担当 | 四週間 |
| 4 | 引き渡しの形式を決める | 集客と現場の責任者 | 二週間 |
| 5 | 最初の返答の内容を受領と予定に絞る | 窓口の担当 | 一週間 |
| 6 | 個人の予約の離脱を三か所に分けて数える | 集客の担当 | 二週間 |
置いた後に見るのは、週次では最初の返答までの時間、月次では問い合わせから確定までの比率です。
四半期では、確定に至らなかった理由の内訳を見ます。
返答までの時間は、平均ではなく最も遅かった一割で見てください。
平均で見ると、夜間と休日の遅れが消えます。
直す順番は、記録、時刻、理由、引き渡しの形式です。記録がないまま画面や見積もりに手を入れても、効果が判定できません。
問い合わせから確定までの流れで判断に迷う場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
窓口と引き渡しの設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
問い合わせの窓口は現場と集客のどちらに置きますか
最初の返答は集客の側に置き、見積もりから先を現場に渡してください。現場は当日の運営が先に来るため、返答が業務の合間に回されます。受領と見積もりの予定を返すだけなら、集客の側で出せます。
引き渡しのときに何を渡せばよいですか
氏名と日程に加えて、経路、問い合わせの前に見ていた内容、他に検討している館があるかの三つです。これがないと、現場は一から聞き直すことになり、比較の場で順番が後ろに回ります。
返答が遅いかどうかはどう測りますか
届いた時刻と最初の返答の時刻を記録し、平均ではなく最も遅かった一割で見てください。遅れは夜間と休日に偏るため、平均では表に出ません。自動の受領の連絡だけでも待ち方が変わります。
見積もりと空室のどちらを先に出しますか
空室の押さえと、押さえられる期限が先です。押さえられない日程に価格の話は意味がありません。期限を伝えると相手の社内の決定が早くなり、価格は含まれる内容の違う複数の形で後から出します。
断られた問い合わせに何度まで連絡してよいですか
理由の聞き取りと再提案を、それぞれ一度ずつです。二度目からは次の機会の案内に切り替えてください。集めた理由は区分ごとの残室と合わせて読み、需要の強い区分では価格の見直しに直結させません。
まとめ
- 多くは返答までの時間と、渡された情報の欠けで止まっています。集客と現場が別の部署にあるほど、この二つは起きやすくなります
- 最初の返答を出す役割は、集客の側に置きます。見積もりを作る前に返す一報を現場に任せると、営業の時間と競合します
- 経路、閲覧していた内容、比較している相手の三つを渡します。氏名と日程だけを渡すと、現場は同じことをもう一度聞くことになります
- 最初の返答が遅れるほど、比較の順番で後ろに回ります。見積もりの内容より先に、返答の順番が結果を左右する場面があります
- 空室の押さえを先に伝え、価格はその後に出します。価格を先に出すと、比較の軸が金額だけになります
- 理由を一度だけ聞き、日程を変えた提案を一度だけ出します。繰り返すと関係が切れるため、回数を先に決めておきます
- 日付の選択、料金の表示、入力の三か所に分けて数えます。全体の離脱率だけを見ても、どこに手を入れるかは決まりません
- どこで止まっているかを記録する仕組みを作ることからです。記録がないまま画面や見積もりに手を入れても、効いたかどうかが分かりません