
一回の宿泊ではなく、一定の期間に同じ人が使った回数で見ます。
期間を決めずに再訪を数えると、比較できる数字になりません。
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目次
目次
- 一泊で終わることが多い事業で、一人あたりの価値をどう見積もるのか
- 同じ人だと判定できない問題
- 再訪の比率は、どの単位で数えるのか
- 数える起点を予約ではなく宿泊に置く
- 再訪が途切れるのは、どの時期に起きるのか
- 途切れる理由は滞在中に出ている
- 会員の仕組みは、再訪をどこまで動かすのか
- 会員に入る動機を予約の場面に置く
- 獲得にかけてよい上限は、どの群の実績から出すのか
- 一回目で回収するか、二回目まで待つか
- 予約サイト経由の客を、再訪につなげられるのか
- 二回目を直販に寄せる設計
- 経営の場に、この数字をどう説明するのか
- 費用の回収の期間を示す
- 再訪の数字を測る仕組みは、どこから立ち上げるのか
- よくある質問
- まとめ
一回の宿泊ではなく、一定の期間に同じ人が使った回数で見ます。
期間を決めずに再訪を数えると、比較できる数字になりません。
一泊で終わることが多い事業で、一人あたりの価値をどう見積もるのか
一回の宿泊ではなく、一定の期間に同じ人が使った回数で見ます。
期間を決めずに再訪を数えると、比較できる数字になりません。
宿泊は、一回ごとに完結する取引です。
契約が続く事業と違い、次に来る約束はありません。
このため、一人あたりの価値を出すには期間を区切る必要があります。
二年なのか三年なのかで、出てくる数字は大きく変わります。
期間の決め方は、その館の利用の間隔から決めます。
年に数回使われる館と、数年に一度の館では、区切るべき長さが違います。
区切ったら、その期間に同じ人が泊まった回数と、一回あたりに残る額を掛けます。
掛けた額が、一人あたりの価値になります。
数字は説明のための仮の値です。
三年で平均二回、一回あたりに残る額が一万五千円なら、一人あたりの価値は三万円になります。
同じ人だと判定できない問題
この計算で最初に詰まるのは、同じ人かどうかの判定です。
予約サイト経由では、連絡先が館に残らないことがあります。
判定できない予約が多いと、再訪の比率は実態より低く出ます。
低く出た数字をそのまま使うと、獲得の上限を小さく見積もります。
判定できた分だけで計算し、判定できなかった分の比率を併記してください。
併記しておくと、数字の読み方を誤りません。
一人あたりの価値は、期間を区切ってその間の回数と一回あたりに残る額で出します。同じ人と判定できなかった比率を必ず併記してください。
再訪の比率は、どの単位で数えるのか
館の単位と、会社の単位の二つで数えます。
館だけで数えると、同じ会社の別の館を使った人が離反に見えます。
複数の館を持つ場合、再訪の数え方は二通りあります。
同じ館に戻ってきた比率と、会社のどこかの館を使った比率です。
この二つは、意味が違います。
前者は館の満足の指標、後者は会社としての関係の指標です。
館だけで数えると、出張先が変わって別の館を使った人が離反に見えます。
会社だけで数えると、館ごとの提供の差が消えます。
両方を並べて出してください。
並べると、館を移った人の数が分かります。
館を移った人が多い場合、それは失ったのではなく会社の中で動いただけです。
この区別は、館ごとの評価にそのまま効きます。
再訪をどの単位で数えるか
| 単位 | 数える内容 | 分かること | 評価に使う場面 |
|---|---|---|---|
| 同じ館 | 同じ館に戻った比率 | その館の提供の評価 | 館の運営 |
| 会社全体 | どこかの館を使った比率 | 会社との関係の強さ | 経営の判断 |
| 区分をまたぐ | 別の目的で使った比率 | 用途の広がり | 企画の設計 |
| 同じ時期 | 前年の同じ時期に来た人 | 季節の習慣の有無 | 時期別の案内 |
数える起点を予約ではなく宿泊に置く
再訪を予約の回数で数えると、取り消しが含まれます。
泊まった回数で数え直してください。
この置き直しは、経路によって結果が変わります。
取り消しの多い経路では、再訪の比率が下がります。
数え直した後の比率が、獲得の上限の計算に使う数字です。
予約の回数で計算すると、上限を過大に見積もります。
再訪は館の単位と会社の単位の両方で数え、起点は予約ではなく泊まった回数に置いてください。
再訪が途切れるのは、どの時期に起きるのか
前回の宿泊から、その館の平均的な利用の間隔を過ぎた時点です。
何か月で途切れるかは館によって違うため、実績から線を引きます。
再訪が途切れる時期は、解約のように明確な日付では現れません。
ある期間を過ぎても戻ってこないという形で、後から分かります。
線を引くには、再訪した人の前回からの間隔の分布を見ます。
分布の裾がどこで薄くなるかが、線の位置になります。
数字は説明のための仮の値です。
再訪の八割が十八か月以内に起きているなら、十八か月を過ぎた人は離れた側として扱います。
この線は、区分によって違います。
出張での利用と、休暇での利用では、間隔が別物です。
区分ごとに線を引かないと、案内を出す時期がずれます。
ずれた時期の案内は、費用だけが出ます。
途切れる理由は滞在中に出ている
途切れた理由を後から聞いても、正確には分かりません。
理由は、滞在中の出来事として現場に出ています。
現場に届いた声のうち、繰り返し出るものを集めてください。
繰り返し出る内容が、途切れる理由に近いものです。
一方で、理由がこちらにないこともあります。
出張の担当が変わった、転居したといった場合です。
この区別をつけずに案内を厚くすると、費用が無駄になります。
区別は、属性の記録があれば付けられます。
途切れる時期は再訪の間隔の分布から線を引き、区分ごとに変えてください。理由は後から聞くのではなく、滞在中の声から集めます。
会員の仕組みは、再訪をどこまで動かすのか
連絡先が残る点で効きますが、特典だけでは再訪は増えません。
特典の原価が、再訪で増える粗利を上回ることがあります。
会員の仕組みを導入する理由は、二つに分かれます。
連絡先を自社に残すことと、特典で再訪を促すことです。
前者は確実に効きます。
連絡先がなければ、案内を出す手段そのものがありません。
後者は、設計によります。
割引を特典にすると、再訪はしても一回あたりに残る額が下がります。
下がった額を掛け合わせると、一人あたりの価値が増えないことがあります。
特典の設計は、原価と効果を並べて判断してください。
原価がほとんどかからない特典もあります。
時間の融通や、部屋の希望を通しやすくする扱いです。
会員の特典の型と、採算への効き方
| 特典の型 | 原価 | 再訪への効き方 | 一回あたりに残る額 |
|---|---|---|---|
| 価格の割引 | 高い | 強い | 下がる |
| 館内での利用の割引 | 中程度 | 中程度 | 館内の売上は増える |
| 時間の融通 | 低い | 中程度 | 変わらない |
| 部屋の希望を通す | 低い | 中程度 | 変わらない |
| 先行して案内する | ほぼ無し | 弱いが続く | 変わらない |
会員に入る動機を予約の場面に置く
会員の登録を、宿泊の後に案内しても入りません。
入る動機が最も強いのは、予約をしている場面です。
予約の手続きの中で登録が完了する形にしてください。
別の画面に移す形にすると、登録の率が大きく落ちます。
予約サイト経由の客には、この場面がありません。
滞在中の受付か、部屋の中での案内が唯一の機会になります。
会員の仕組みは連絡先を残す点で効きます。割引を特典にすると一回あたりに残る額が下がるため、原価の低い特典から組んでください。
獲得にかけてよい上限は、どの群の実績から出すのか
全体の平均ではなく、経路と区分ごとに分けた群から出します。
平均で出すと、再訪の多い群の数字が少ない群の上限を引き上げます。
獲得にかけてよい上限は、一人あたりの価値から逆算します。
ここで全体の平均を使うと、群ごとの差が消えます。
再訪の比率は、経路によって大きく違います。
連絡先が残る経路と残らない経路では、次につながる確率が別物です。
区分によっても違います。
出張での利用は間隔が短く、休暇での利用は長くなります。
そのため、上限は経路と区分の組み合わせごとに出します。
組み合わせが多すぎる場合は、四つか六つに束ねます。
束ねた群ごとに、一人あたりの価値と目標の利益率から上限を出してください。
この上限が、広告の判断の基準になります。
一回目で回収するか、二回目まで待つか
上限を一回目の宿泊で回収する形にすると、広告の判断は保守的になります。
二回目まで含める形にすると、回収の期間が延びます。
どちらを選ぶかは、手元の資金の余裕で決まります。
余裕がない時期に二回目まで待つ設計にすると、資金が先に尽きます。
選んだ前提は、記録に残してください。
残っていないと、担当が変わった時点で前提が変わります。
上限は全体の平均ではなく、経路と区分を束ねた群ごとに出してください。何回目までで回収するかの前提も、同時に記録します。
予約サイト経由の客を、再訪につなげられるのか
滞在中と滞在の直後に接点を作れば、つなげられます。
連絡先が渡らない前提で、館の中に接点を設計する必要があります。
予約サイト経由の予約では、連絡先が館に渡らないことがあります。
この状態では、宿泊の後に案内を出す手段がありません。
接点を作れる場面は、滞在の中にあります。
受付、部屋、館内の施設の三か所です。
受付では、会員の登録を案内できます。
手続きの時間が長くなるため、短い形にする工夫が要ります。
部屋では、館内の案内と一緒に登録の導線を置けます。
滞在中に見られる場所であれば、押しつけになりません。
館内の施設の利用の場面でも、登録の機会が作れます。
利用に紐づく特典があると、登録の動機になります。
予約サイト経由の客との接点を作る場面
| 場面 | 作れる接点 | 登録の率 | 現場の負担 |
|---|---|---|---|
| 受付の手続き | 会員の登録の案内 | 中程度 | 時間が伸びる |
| 部屋の中の案内 | 登録の導線 | 低いが続く | ほぼ無し |
| 館内の施設の利用 | 利用に紐づく特典 | 中程度 | 軽い |
| 出発の場面 | 次回の案内 | 低い | 軽い |
| 滞在の直後の連絡 | 案内の送付 | 連絡先がある場合のみ | ほぼ無し |
二回目を直販に寄せる設計
一度でも連絡先が取れたら、二回目は直販に寄せられます。
寄せるために必要なのは、直販のほうが有利だと分かる状態です。
有利さは、価格だけで作る必要はありません。
部屋の希望や、時間の融通で作るほうが原価が軽く済みます。
この設計ができていれば、初回に手数料を払う判断も変わります。
初回を獲得の費用として扱えるようになります。
予約サイト経由の客とは、滞在中の三か所で接点を作ってください。二回目を直販に寄せる設計があれば、初回の手数料は獲得の費用として扱えます。
経営の場に、この数字をどう説明するのか
再訪の比率と、獲得の上限の関係で説明します。
再訪が一割上がれば上限がどれだけ上がるかを、一枚で示します。
経営の場で再訪の話をすると、抽象的な議論になりがちです。
数字に落とすには、獲得の上限との関係で示す必要があります。
再訪の比率が上がると、一人あたりの価値が上がります。
価値が上がると、獲得にかけてよい上限も上がります。
上限が上がると、これまで採算が合わなかった経路が使えるようになります。
この連鎖を一枚で示すと、投資の判断が具体的になります。
数字は説明のための仮の値です。
再訪の比率が二割から三割に上がると、三年間の平均の利用回数が増え、上限もその分だけ上がります。
逆の説明も用意してください。
再訪が下がったときに、上限がどこまで下がるかです。
費用の回収の期間を示す
再訪への投資は、回収に時間がかかります。
会員の仕組みも、滞在中の接点の設計も、効果が出るのは翌期以降です。
この時間差を先に示しておかないと、期中に成果を問われます。
何か月後にどの数字が動くかを、稟議の時点で書いてください。
書いた時期に動かなかった場合の扱いも、同時に決めます。
決めておくと、期中の議論が短くなります。
説明は再訪の比率と獲得の上限の関係で組み立て、回収にかかる期間を稟議の時点で明示してください。
再訪の数字を測る仕組みは、どこから立ち上げるのか
同じ人かどうかを判定できる項目を決めることからです。
判定ができないうちは、どの数字を出しても比較に使えません。
再訪を測る作業は、集計から始まりません。
同じ人かどうかをどう判定するかを決めることから始まります。
判定に使う項目を、先に一つか二つに決めてください。
複数の項目を組み合わせると、判定の基準が担当ごとに変わります。
決めたら、過去の宿泊の記録に同じ判定をかけます。
かけると、判定できた比率が出ます。
比率が低い場合は、記録の取り方を先に直します。
直さないまま集計しても、出てくる数字は使えません。
次に、期間を区切って一人あたりの価値を出します。
最後に、経路と区分を束ねた群ごとに上限を出します。
再訪を測る仕組みを立ち上げる順番
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 同じ人と判定する項目を一つか二つに決める | 予約と集客の担当 | 一週間 |
| 2 | 過去の記録に判定をかけて比率を出す | 集客の担当 | 二週間 |
| 3 | 判定できない予約の記録の取り方を直す | 予約と現場の担当 | 四週間 |
| 4 | 期間を区切って一人あたりの価値を出す | 集客の担当 | 二週間 |
| 5 | 経路と区分を束ねた群ごとに上限を出す | 集客と経理の担当 | 二週間 |
| 6 | 滞在中の接点を三か所に設計する | 現場と集客の責任者 | 四週間 |
置いた後に見るのは、四半期では再訪の比率と群ごとの上限、月次では会員の登録の件数です。
週次で再訪の数字を見ても、母数が足りず判断には使えません。
上限の置き直しは、年に一度で足ります。
四半期ごとに置き直すと、前提が動きすぎて判断の基準になりません。
立ち上げは集計ではなく、同じ人と判定する項目を決めることからです。判定できない比率が高い場合は、記録の取り方を先に直してください。
再訪と獲得の上限の設計で判断に迷う場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
会員と接点の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
一泊で終わる事業でも一人あたりの価値を出せますか
期間を区切れば出せます。その館の利用の間隔に合わせて二年か三年で区切り、その間の宿泊の回数と一回あたりに残る額を掛けます。同じ人だと判定できなかった予約の比率は、必ず併記してください。
再訪はどの単位で数えますか
同じ館に戻った比率と、会社のどこかの館を使った比率の両方です。館だけで数えると、出張先が変わって別の館を使った人が離反に見えます。起点は予約ではなく泊まった回数に置いてください。
会員の特典は割引にすべきですか
割引は再訪を動かしますが、一回あたりに残る額を下げます。時間の融通や部屋の希望を通す扱いのほうが原価が軽く、残る額も変わりません。原価と効き方を並べて判断してください。
予約サイト経由の客は再訪につながりませんか
滞在中に接点を作れば、つながります。受付、部屋、館内の施設の三か所が機会です。一度連絡先が取れたら、価格ではなく部屋の希望や時間の融通で二回目を直販に寄せてください。
獲得の上限は何から出しますか
経路と区分を束ねた群ごとの一人あたりの価値からです。全体の平均で出すと、再訪の多い群の数字が少ない群の上限を引き上げます。何回目の宿泊までで回収するかの前提も記録してください。
まとめ
- 一回の宿泊ではなく、一定の期間に同じ人が使った回数で見ます。期間を決めずに再訪を数えると、比較できる数字になりません
- 館の単位と、会社の単位の二つで数えます。館だけで数えると、同じ会社の別の館を使った人が離反に見えます
- 前回の宿泊から、その館の平均的な利用の間隔を過ぎた時点です。何か月で途切れるかは館によって違うため、実績から線を引きます
- 連絡先が残る点で効きますが、特典だけでは再訪は増えません。特典の原価が、再訪で増える粗利を上回ることがあります
- 全体の平均ではなく、経路と区分ごとに分けた群から出します。平均で出すと、再訪の多い群の数字が少ない群の上限を引き上げます
- 滞在中と滞在の直後に接点を作れば、つなげられます。連絡先が渡らない前提で、館の中に接点を設計する必要があります
- 再訪の比率と、獲得の上限の関係で説明します。再訪が一割上がれば上限がどれだけ上がるかを、一枚で示します
- 同じ人かどうかを判定できる項目を決めることからです。判定ができないうちは、どの数字を出しても比較に使えません