
安い日の安い部屋が先に埋まり、取り消される予約が混ざります。
件数は伸びても、一室あたりの収入と手元に残る額は動きません。
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目次
目次
- 予約の件数を目標にすると、何が積み上がるのか
- 件数が増えても現場が疲れるだけの状態
- 良い予約とは、どの条件を満たす予約か
- 四つを一つの点数にまとめない
- 取り消しと不泊を、成果の数え方にどう織り込むのか
- 取り消しの比率を、条件ごとに分けて見る
- 予約までの日数の違いを、質としてどう扱うのか
- 日数の分布が変わったときに何を疑うか
- 企画や割引の設計が、集まる予約の中身をどう変えるのか
- 割引の常設をやめる判断
- 団体と法人の問い合わせは、どの時点で質を判定するのか
- 窓口の記録がないと質が測れない
- 外部に獲得を任せるとき、質をどう約束させるのか
- 契約の文面に入れる三つの取り決め
- 予約の質の線引きは、どの順で決めていくのか
- よくある質問
- まとめ
安い日の安い部屋が先に埋まり、取り消される予約が混ざります。
件数は伸びても、一室あたりの収入と手元に残る額は動きません。
予約の件数を目標にすると、何が積み上がるのか
安い日の安い部屋が先に埋まり、取り消される予約が混ざります。
件数は伸びても、一室あたりの収入と手元に残る額は動きません。
予約の件数は、最も集めやすい数字です。
そして、最も簡単に増やせる数字でもあります。
価格を下げれば件数は増えます。
取り消しに費用がかからない条件にすれば、さらに増えます。
この二つは、どちらも件数だけを見れば改善に見えます。
一室あたりの収入で見ると、どちらも悪化していることがあります。
件数を目標に置いた組織では、月末が近づくとこの二つの手が出ます。
出ること自体を責めても止まりません。
止めるには、何を良い予約と呼ぶかを先に決める必要があります。
決めていないと、現場は数えられるものを増やします。
件数が増えても現場が疲れるだけの状態
件数が増える一方で、一件あたりの単価と泊数が下がると、作業量だけが増えます。
清掃と受付の負担は、単価ではなく件数に比例するためです。
同じ収入を、少ない件数で得るほうが運営は楽になります。
この視点は、件数を目標にしている限り出てきません。
現場から集客への不満が出るときは、たいていこの構造です。
件数の目標が、運営の負担を増やす方向に働いています。
件数は価格と取り消しの条件で簡単に動きます。何を良い予約と呼ぶかを先に決めないと、増えるのは作業量だけになります。
良い予約とは、どの条件を満たす予約か
泊まった時点で一定の粗利が残り、取り消される確率が低い予約です。
四つの条件を数字で置くと、経路ごとの比較ができるようになります。
良い予約の条件は、館ごとに違います。
ただし、置くべき項目は共通しています。
一つ目は、手数料を引いた後に残る額です。
同じ宿泊料金でも、経路によってこの額は変わります。
二つ目は、泊数です。
連泊は清掃の回数が減るため、同じ収入でも残る額が大きくなります。
三つ目は、取り消される確率です。
入った時点では同じでも、条件によって確率は大きく変わります。
四つ目が、再訪につながるかどうかです。
連絡先が自社に残る経路かどうかで、次の予約への道が違います。
予約の質を判定する四つの条件
| 条件 | 見る数字 | 質が高い側 | 判定の時期 |
|---|---|---|---|
| 残る額 | 手数料を引いた後の宿泊収入 | 直販と長い滞在 | 予約の時点 |
| 泊数 | 一予約あたりの宿泊日数 | 連泊 | 予約の時点 |
| 取り消し | 取り消しと不泊の比率 | 条件が固定の予約 | 泊まる日 |
| 再訪 | 連絡先が残っているか | 自社の経路 | 泊まった後 |
四つを一つの点数にまとめない
四つの条件を掛け合わせて一つの点数にすると、内訳が見えなくなります。
どの条件で劣っているかが分からないと、打ち手が決まりません。
四つは並べたまま、経路ごとに比べてください。
経路によって、強い条件と弱い条件が分かれます。
取り消しの多い経路は、泊数が長いことがあります。
どちらを取るかは、その区分に残室があるかで変わります。
良い予約の条件は、残る額、泊数、取り消し、再訪の四つです。一つの点数にまとめず、経路ごとに並べて比べてください。
取り消しと不泊を、成果の数え方にどう織り込むのか
成果は予約が入った時点ではなく、泊まった時点で数えます。
入った時点で数えると、取り消しの多い経路が実態より良く見えます。
広告の管理画面に出る成果は、予約が完了した時点で記録されます。
泊まる日はその先にあるため、取り消しは反映されません。
この差は、経路によって大きさが違います。
条件の緩い予約を多く扱う経路ほど、差は大きくなります。
成果を泊まった時点で数え直すと、経路の順位が入れ替わります。
入れ替わった順位が、予算を配るときの実際の材料です。
数え直す方法は二つあります。
一つは、泊まった実績を後から集めて経路別に集計する方法です。
もう一つは、過去の取り消しの比率から経路ごとの係数を作り、入った件数に掛ける方法です。
前者のほうが正確ですが、月末を待つ必要があります。
取り消しの比率を、条件ごとに分けて見る
取り消しの比率は、経路よりも予約の条件で決まる部分が大きいものです。
取り消しに費用がかからない条件と、費用がかかる条件では、比率が別物になります。
そのため、経路別に見る前に条件別に分けてください。
分けると、経路の違いだと思っていた差が条件の違いだったことがあります。
条件の設計は、集客ではなく販売の判断です。
取り消しの比率を下げたいなら、広告の中身より先に条件の設計を見ます。
成果は泊まった時点で数え、取り消しの比率は経路の前に条件で分けてください。条件の設計は広告ではなく販売の判断です。
予約までの日数の違いを、質としてどう扱うのか
早い予約と直前の予約は、別の質として扱います。
同じ区分で混ぜて評価すると、どちらの施策も判断できなくなります。
予約が入ってから泊まるまでの日数は、層によって大きく違います。
遠方からの滞在は早く、近隣からの利用は直前に寄ります。
この日数の違いは、質の高低ではありません。
ただし、施策の評価では分けて見る必要があります。
早い予約は、価格の見直しの余地を残します。
埋まる速さが分かるため、その後の価格の判断に使えます。
直前の予約は、残室を最後に埋める役割を持ちます。
早い予約だけでは、当日に残った部屋が埋まりません。
両方が必要なため、どちらかを質が高いとは決められません。
決めるべきなのは、区分ごとにどちらの比率を上げたいかです。
日数の分布が変わったときに何を疑うか
予約までの日数の分布は、外部の環境で動きます。
周辺の催事や、競合する館の価格の動きで変わります。
分布が急に直前に寄った場合、早い時期の価格が高すぎた可能性があります。
逆に早い時期に寄った場合は、直前の在庫を出しすぎている可能性があります。
分布そのものを目標には置かず、価格の判断の材料として見てください。
目標に置くと、分布を動かすために価格を歪めることになります。
予約までの日数は質の高低ではなく、施策を評価するための区分です。分布の変化は、価格の判断の材料として読んでください。
企画や割引の設計が、集まる予約の中身をどう変えるのか
価格を下げる企画は件数を増やし、条件を足す企画は単価と泊数を増やします。
どちらを出すかは、その区分に残っている部屋の数で決まります。
企画の設計は集客の手段に見えますが、実際には質を決める設計です。
どういう企画を出すかで、集まる予約の中身が決まります。
価格を下げる企画は、件数を増やします。
同時に、一室あたりの収入と再訪の比率を下げる方向に働きます。
食事や施設の利用を含める企画は、単価を上げます。
提供の原価は増えますが、館内での売上が予約の時点で確定します。
連泊を条件にする企画は、泊数を増やします。
清掃の回数が減るため、残る額が大きくなります。
どれを出すかは、その区分に残っている部屋の数で決めます。
残室が多い区分では件数を取り、少ない区分では単価と泊数を取ります。
企画の設計が予約の中身を動かす向き
| 企画の型 | 増える数字 | 下がる数字 | 出す区分 |
|---|---|---|---|
| 価格を下げる | 件数 | 一室あたりの収入と再訪 | 残室の多い区分 |
| 食事や施設を含める | 一人あたりの収入 | 対象になる層の広さ | 標準の区分 |
| 連泊を条件にする | 泊数と残る額 | 一件あたりの単価の見え方 | 滞在の長い区分 |
| 会員に限って出す | 再訪と直販の比率 | 新規への到達 | 指名の強い区分 |
割引の常設をやめる判断
割引の企画を常設にすると、その価格が通常の水準として認識されます。
戻したときに、値上げとして受け取られます。
常設にする前に、いつまで出すかを決めてください。
期間を決めずに出した企画は、下げる理由がなくなった後も残ります。
すでに常設になっている企画を止める場合は、区分を限って段階的に外します。
全区分で同時に外すと、落ち込みの原因が特定できません。
企画の設計は集客ではなく質の設計です。残室の多い区分では件数、少ない区分では単価と泊数を取る企画に寄せてください。
団体と法人の問い合わせは、どの時点で質を判定するのか
問い合わせの時点ではなく、日程と人数が固まった時点で判定します。
問い合わせの件数を目標に置くと、規模の小さい案件で表が埋まります。
団体や法人の利用は、問い合わせから確定までに日数がかかります。
途中に複数の関与者が入るため、初回の連絡だけでは規模が読めません。
このため、質の判定は問い合わせの時点ではできません。
判定できるのは、日程と人数が固まった時点です。
この時点を、集客の成果として数える地点にします。
問い合わせの件数は、そこへ至る途中の数字として見ます。
判定の項目は、個人の予約とは違います。
人数、日数、宴会や会議の利用の有無、そして継続して使われる見込みです。
継続の見込みは、初回では判断できません。
二回目の利用があった時点で、その経路の質として記録します。
団体と法人の質を判定する項目
| 項目 | 判定できる時期 | 個人の予約との違い | 記録の残し方 |
|---|---|---|---|
| 人数と日数 | 日程が固まった時点 | 規模が金額を決める | 窓口で記録する |
| 宴会や会議の利用 | 見積もりの時点 | 館内の売上が伴う | 見積もりに残す |
| 決定までの関与者 | 初回の連絡 | 複数の部署が入る | 聞き取って残す |
| 継続の見込み | 二回目の利用 | 一回性で終わらない | 台帳で追う |
窓口の記録がないと質が測れない
団体と法人の問い合わせは、電話やメールで直接入ることが多いものです。
この経路は記録が残りにくく、どこから来たのかが分かりません。
記録を残すには、最初の連絡の時点で経路を聞き取る運用が要ります。
聞き取りを窓口の手順に入れないと、質の判定はできません。
聞き取る項目は二つで足ります。
どこで知ったかと、他に検討している館があるかです。
団体と法人は日程と人数が固まった時点で質を判定してください。窓口で経路を聞き取る運用がないと、判定そのものができません。
外部に獲得を任せるとき、質をどう約束させるのか
泊まった時点の件数と、手数料を引いた後の残る額で評価すると約束します。
入った件数と獲得単価だけの契約では、条件の緩い予約に寄ります。
委託先が動かせるのは、出稿の配分と訴求の中身です。
予約の条件や価格は、館の側が決めます。
このため、質の約束は委託先だけの責任にはできません。
約束するのは、評価の数え方のほうです。
数え方を泊まった時点に変えると、委託先の動きが変わります。
取り消しの多い経路や訴求を、自ら避けるようになります。
加えて、区分ごとの残室の状況を共有します。
共有しないと、満室の区分にも同じ配分で出し続けます。
共有の頻度は週の単位で足ります。
日ごとに渡す運用にすると、双方の手間が成果を上回ります。
契約の文面に入れる三つの取り決め
一つ目は、成果を泊まった時点で数えることです。
月末に確定するため、報告の締めも一か月後ろにずらします。
二つ目は、価格と予約の条件の決定を館の側が持つことです。
委託先の提案は受けますが、決定は移しません。
三つ目は、残室の共有の頻度と形式です。
形式を決めておかないと、担当者が変わった時点で止まります。
質の約束は、評価を泊まった時点の件数と残る額に変えることで作ります。価格と条件の決定権は、館の側に残してください。
予約の質の線引きは、どの順で決めていくのか
過去一年の予約を、泊まった実績に置き直すところからです。
置き直さないと、どの経路のどの条件が良かったのかが分かりません。
最初にやるのは、条件を決めることではありません。
過去一年の予約を、泊まった実績に置き直すことです。
入った件数と泊まった件数の差が、経路と条件ごとに出ます。
この差が、質の話の出発点になります。
次に、泊まった予約について手数料を引いた後の額を出します。
経路ごとの一件あたりの残る額が、ここで並びます。
三つ目が、泊数と再訪の有無です。
連絡先が自社に残っている経路かどうかも、ここで分けます。
四つ目に、良い予約の条件を四つの項目で置きます。
置いたら、区分ごとにどの条件を優先するかを決めます。
最後に、企画と割引の設計をその優先に合わせて見直します。
ここまで来て初めて、集客の手段の話になります。
予約の質の線引きを決める順番
| 順番 | やること | 関わる人 | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 過去一年の予約を泊まった実績に置き直す | 予約と集客の担当 | 二週間 |
| 2 | 経路ごとの手数料を引いた後の額を出す | 経理と集客の担当 | 一週間 |
| 3 | 泊数と再訪の有無を経路別に並べる | 予約の担当 | 一週間 |
| 4 | 良い予約の条件を四項目で置く | 経営と集客の責任者 | 一週間 |
| 5 | 区分ごとに優先する条件を決める | 料金を決める担当 | 二週間 |
| 6 | 企画と割引の設計を優先に合わせる | 販売と集客の担当 | 二週間 |
置いた後に見るのは、月次では泊まった件数と一件あたりの残る額、四半期では再訪の比率です。
入った件数は、監視のための数字として残します。
入った件数を目標から外すことに現場の抵抗が出る場合は、並べて出してください。
並べれば、二つの数字の差そのものが議論の材料になります。
線引きは条件を決めることからではなく、泊まった実績への置き直しから始めてください。差が見えれば、条件は自然に決まります。
予約の質の線引きで判断に迷う場合は、無料相談で現状を見てもらうところから始められます。
企画と経路の設計ごと見直す段階ならWeb集客改善サービスもあります。
よくある質問
予約の件数を目標にしてはいけませんか
目標には置かず、監視のための数字として残してください。件数は価格を下げるか取り消しの条件を緩めれば増えます。どちらも一室あたりの収入と手元に残る額を下げる方向に働きます。
良い予約はどう定義しますか
手数料を引いた後に残る額、泊数、取り消される確率、再訪につながるかの四つで置きます。一つの点数にまとめず、四つを並べたまま経路ごとに比べてください。どの条件で劣っているかが分かります。
成果はいつの時点で数えますか
泊まった時点です。広告の管理画面は予約が入った時点で記録するため、取り消しが反映されません。泊まった実績で数え直すと、経路の順位が入れ替わることがあります。
直前の予約は質が低いのですか
低いとは言えません。早い予約だけでは当日に残った部屋が埋まらないため、両方が要ります。区分ごとにどちらの比率を上げたいかを決める対象であり、質の高低として扱う対象ではありません。
団体や法人の問い合わせはどう評価しますか
日程と人数が固まった時点で判定します。問い合わせの件数を目標に置くと、規模の小さい案件で埋まります。窓口で経路を聞き取る運用がないと、そもそもどこから来たのかが分かりません。
まとめ
- 安い日の安い部屋が先に埋まり、取り消される予約が混ざります。件数は伸びても、一室あたりの収入と手元に残る額は動きません
- 泊まった時点で一定の粗利が残り、取り消される確率が低い予約です。四つの条件を数字で置くと、経路ごとの比較ができるようになります
- 成果は予約が入った時点ではなく、泊まった時点で数えます。入った時点で数えると、取り消しの多い経路が実態より良く見えます
- 早い予約と直前の予約は、別の質として扱います。同じ区分で混ぜて評価すると、どちらの施策も判断できなくなります
- 価格を下げる企画は件数を増やし、条件を足す企画は単価と泊数を増やします。どちらを出すかは、その区分に残っている部屋の数で決まります
- 問い合わせの時点ではなく、日程と人数が固まった時点で判定します。問い合わせの件数を目標に置くと、規模の小さい案件で表が埋まります
- 泊まった時点の件数と、手数料を引いた後の残る額で評価すると約束します。入った件数と獲得単価だけの契約では、条件の緩い予約に寄ります
- 過去一年の予約を、泊まった実績に置き直すところからです。置き直さないと、どの経路のどの条件が良かったのかが分かりません